塩分を取りすぎたからといって水ばかり飲むのは大丈夫?

今回は、塩分の取りすぎについてのお話です。

しょっぱいものと食べた後は、水が飲みたくなりますが、なぜそのような欲求が出てくるのでしょうか?

塩分は取りすぎも良くないが、取らなすぎも良くないという、バランスの難しい成分でもあります。
塩分の働きは、人体へどう作用するのかなどをまとめてみました。

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塩分の必要性

水との関わりのお話の前に、まずは、人体に必要な要素である塩について、おさらいをしましょう。

塩とは、ナトリウムと塩素の化合物で、正式名称は塩化ナトリウムと呼ばれています。

このナトリウムは、必須ミネラルのひとつであり、塩化ナトリウム・重炭酸ナトリウム・リン酸ナトリウムとして体液中に存在しており、この塩の働きは主に次の4つとなっております。

①体液の塩分濃度を調整する

人間の体液は、約0.85%の塩分濃度に保たれておりますが、これは、ナトリウムとカリウムによって、この濃度に調節されています。

②体液のpH値の調整

pH値とは、酸性・アルカリ性を示す値のことで、人間の体液は常にpH7.35~7.45の弱アルカリ性に保たれているのが正常です。

食物を摂取すると体内の「代謝」により、酸性の物質を生成されやすくなりますが、ナトリウムはこれを中和し、弱アルカリ性を保つような作用があります。

③他の栄養素の消化・吸収のサポート

塩化ナトリウムの元である塩酸は胃液の主成分であり、タンパク質の分解を促します。
タンパク質の分解により、食物のもつ各種栄養素の吸収も促してくれます。

④筋肉の動きと神経伝達をサポート

人間の神経伝達や筋肉の収縮・弛緩は、全て電気刺激で行われます。
脳から神経細胞へ何らかの信号が送られると、カリウムとナトリウムを媒介として、電気刺激が神経組織に伝わり、身体の各部分の稼働ができるのです。

次は、必要以上の塩分を取りすぎてしまうと、どのような弊害が起こるのかを見ていきます

塩分を取りすぎてしまうと?

塩分を取りすぎてしまうと、体にどんな症状が現れるのかを、まずはをみてみましょう。

①のどが渇く

摂取した塩分は、体のなかでナトリウムとなって、骨・血液・消化液などに運ばれます。

しかし、ナトリウムの運び役であるカリウムの量が不足していると、カリウムの変わりに水分を取り込もうとして、半ば強制的に体内の塩分濃度を薄めようと身体が反応します。

その結果として、塩分濃度を薄めるために水が必要となるので、のどが渇いてしまうのです。

②血圧が上がる

先述の塩分濃度を薄めようとする体内の動きにより、水分(尿や汗)を出すことも抑えられます。
その際に、血液などに水分を多く取り込もうと働きかけるため、血液量が増え、血圧が高くなってしまいます。

③むくむ

身体が水分をより多く取り込もうとしてしまうので、溜め込んだ水分が細胞からあふれるということが起こり、その水分が細胞周囲に溜まっていきます。

これが「むくみ」の症状として現れます。

塩分を取りすぎてしまった結果

さらに塩分の取りすぎが原因の一因となる病気・症例をみてみましょう。

①高血圧症

塩分の過剰摂取が継続的になると、摂取したナトリウムを体外に出そうとします。
そのため、血液内の大量の体液交換が行われます。

そうなると、血圧が高い状態が継続的になりがちで、高血圧になりやすいと言われています。

さらに、ナトリウムの排出には腎臓のフィルター機能で行われていますが、この大量のナトリウム排出のために、腎臓に負担がかかりすぎると、このフィルター機能が減衰していきます。

このフィルター機能をしっかりと働かせるようにするため、自律神経が腎臓を通る血液量を増やそうと反応して、血圧が高くなってしまいます。

このような身体の働きがあるため、塩分の過剰摂取が慢性的に続くと、高血圧症になると考えられています。

②腎臓疾患

過剰な塩分摂取が慢性的になってくると、ナトリウムの排出を促すために、腎臓は一生懸命フィルター作業を続けます。

これが腎臓に無理な負担をかけていることになり、徐々にフィルター機能が衰えてくるので、腎臓疾患の原因になる可能性もあります。

③不整脈や心疾患

人間の運動する原理は、ナトリウムがカリウムと一緒に細胞間を移動することによって、脳からの電気刺激を細胞に伝達し、筋肉の伸縮を行うことです。

しかし、自分の意志に関わらず、心臓は心筋に、この電気信号が伝わることで動いています。

塩分過剰な状態が続くと、この刺激伝導に異常が起こりやすくなり、不整脈になる可能性があり、さらには心疾患を引き起こす可能性が高くなるようです。

では、次は塩分と水分の関係についてみていきましょう。

水を飲むことで塩分の取りすぎを中和できる?

例えば、おつけものや佃煮などのしょっぱいものを食べると、のどが渇いて水が飲みたくなるといった経験は、誰にでもあると思います。

これは、体が水を求めているサインです。

私たちの体は体液の塩分濃度を一定に保とうとしているのですが、それを超えるような塩分量が体内に入ってくると、身体がその濃度を薄めようとして、水を飲むようにできているのです。

しかし、水を大量に飲むと血液の量が増え、血液量が増えると血管の壁にかかる圧力が増大して、血管を押し広げるので血圧が上がります。

これが慢性化すると、高血圧症になってしまいます。

さらに取りすぎた塩分は、血管に入り込んで血管の収縮を引き起こし、血管を狭くして血圧を上昇させる原因にもなるのです。

では、おしっこで取りすぎてしまった塩分を排出できるかというと、難しいそうです。

腎臓は、その進化の過程で塩分を逃がさないようにする仕組みを持ったといわれ、塩分を排出することは苦手だそうです。

通常なら汗や尿などで塩分を排出はできるのですが、腎臓の能力を超えた塩分が入り込んでくると、塩分を排出しきれずに、血液中に取り込んでしまいます。

水を飲んで塩分を中和するには①

では、毎日の食事の中で塩分の取りすぎを感じてしまったら、どのように対処・対策をして、塩分の排出を促せばいいのでしょうか。

例えば、外食の機会では、摂取塩分量を調節しにくく、想定外の塩分の多い食事・おつまみを食べてしまうことになりがちです。

しかし、みんなと違うものを食べるのも気が引けますね。

そんなときに、どうしたら塩分を体外へ排出しやすくできるかというと、「カリウムと水分を同時に取る」ということです。

まずは、その理由からご紹介していきます。

カリウムの役目とは、体内の塩分と水分をくっつけてくれる作用です。
また、水分を取ることで尿の量が多くなります。

つまり、カリウムと水分を同時に取ることで、体内の塩分を水分と一緒に尿という形で、体外にうまく排出しやすくしてくれるのです。

カリウムの働きを、もう少し詳しくみていきます。

まず、ナトリウムとともに、水分を引きつけて細胞の浸透圧を維持するという働き、ナトリウムによる血圧上昇を抑える、筋肉の収縮を円滑にしてくれる、腎臓の老廃物の排泄を促してくれるという役目があります。

しかし、注意点があります。

それは、水分の過剰摂取も血圧を上げる原因になってしまうということです。
塩分を排出したいからといっても、多量の水分摂取はしないようにしましょう。

水を飲んで塩分を中和するには②

では、カリウムを含んでいる食品は、どのようなものが良いのかをご紹介していきます。

塩分を取りすぎた食後に取ると良い食品で、1食分のカリウム含有量の高いものを1位から10位まで発表します。

塩分を取りすぎた食後に取ると良いカリウム含有量の多い食品

①干し柿
干し柿を水と共にかじりましょう。
しかし、果物なので糖分が多いので、カロリーには注意してください。

②トマトジュース カップ1杯
塩分の取りすぎ対策なので当然、無塩タイプを選んでください。

③焼き芋
糖尿の恐れがある方は、控えてください。

④干しあんず(5個)
あまり馴染みがないかと思われますが、カリウムが豊富です。

⑤柿
食後のデザートにどうでしょうか?

⑥バナナ
お手軽ですが、糖分が多いので注意してください。

⑦キウイフルーツ
これもデザートで良いですね。
ヨーグルトに入れて食べても良いです。

⑧グレープフルーツ
注意点があります。
降圧剤など薬を服用している方は、かかりつけの医師に食べても良いか、必ず確認をしましょう。

⑨メロン
ちょっと贅沢かもしれませんね。

⑩梨
果物なので、食べ過ぎると糖分の取りすぎになるので、これも注意です。

こうしてみると、カリウムは果物に多く含まれている傾向がありますが、やはり糖分が多いので、カロリー制限をしている方は注意してくださいね。

塩分の取りすぎも不足も良くない

塩分は身体に必要不可欠で、活動をする中で重要な役割をもっています。

不足しすぎでは、人体の生命活動に支障をきたす、大切な成分です。

しかし、何事も取りすぎ・取らなすぎは良くありません。

全ての食事内容をコントロールでき、塩分の調整ができる方はあまりいらっしゃらないと思います。

塩分と上手く付き合っていく参考になれば幸いです。
健康な食生活を心がけて、楽しく過ごしましょう。