バナナがビタミンCを破壊してしまう、という説の過去と現在

バナナを食べるとビタミンCが破壊されると聞いた事がある人もいらっしゃるのではないでしょうか?
他にも人参やきゅうり等もバナナと同様に言われています。

しかし、これは本当なのでしょうか?
そのメカニズム等を解説していきます。

なお、これらの研究はまだ現在も進められています。
これから、さらに新たに真実となる見解が出てくるかもしれませんので、ご注意を。

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そもそもビタミンCとは?

ビタミンCは有名な栄養素です。

では、アスコルビン酸はどうでしょう?
あまり聞かない方が多いのではないでしょうか。

アスコルビン酸とはビタミンCの事です。
厳密に言うと、ビタミンCは「L-アスコルビン酸」のみのことを指します。
また、バナナがビタミンCを破壊する説がありますが、皮肉にもバナナはビタミンCを含んでいます。

ビタミンCは体内に摂取されると、消化管の中で消化されず、小腸の上皮細胞という場所で吸収され肝臓へ運ばれ、血液により様々な組織や臓器に運ばれていきます。
多くの動物は体内でビタミンCを作り出す仕組みを持っていますが、人間や猿は自分自身でビタミンCを合成できないため、食事等でビタミンCを摂取する必要があります。

ビタミンCに臭いはなく、白色で酸味があります。
水に溶けやすく、熱や空気、アルカリなどで破壊されやすい特徴があります。

ビタミンCを1日あたり30~180mg経口摂取すると、約70~90%が吸収されます。
しかし、1000mg上に摂取量を増やすと、吸収率は50%未満に低下します。

ビタミンCは水溶性のため過剰分は尿中に排泄されます。
通常、ビタミンCは体内に1500mg貯蔵され、そのうちの3%が毎日代謝されます。
成人の目安摂取量である、1日100mgを摂取すると、その分量は維持されます。
しかし、2~3か月、ビタミンCを全く摂取しない生活を送っていると、貯蔵ビタミンC量が300mg以下にまで低下し、壊血病を引き起こす要因となります。

バナナ等に含まれるビタミンCの効果・作用

では、バナナ等にも含まれるビタミンCの効果や作用を見ていきましょう。

ビタミンCは、たんぱく質のひとつ、コラーゲンを合成する時の補酵素として働きます。
コラーゲンはたんぱく質の1/3を占め、細胞と細胞をつなぐ接着剤の働きをします。
この働きにより、細胞同士の結合を強くし、血管や筋肉、皮膚、骨などを丈夫に保つ働きがあります。

また、シミ予防などの美肌効果もあります。
ビタミンCは抗酸化力が非常に強く、老化の原因である活性酸素から細胞や組織を守ります。
このため、悪玉コレステロールがサビてできる過酸化脂質の生成を抑えます。

ビタミンCが欠乏すると、疲れやすく、免疫力が低下して風邪や感染症にかかりやすく、肌のハリが破壊され、貧血になりやすいです。
さらにビタミンCの不足が続くと、壊血病になります。

壊血病は、コラーゲンを十分に生成することができず、体中の血管、粘膜、皮膚組織の結合が徐々に破壊されて出血が止まらなくなる病気です。
小児の場合はメーラー・バーロー症といい、骨の形成・発育に支障をきたす事もあります。

また、骨粗しょう症や食欲不振といった症状も見られます。
逆に、ビタミン剤やサプリメントなどによって、1日に10g以上摂ると、嘔吐、腹痛、下痢、頻尿、発疹が出ることがありますが、これは一時的なもので過剰症ではありません。
腎機能障害がある人は、腎シュウ酸結石のリスクが高まることが報告されています。

ではなぜバナナはビタミンCを破壊すると言われたのか?その説を説明

バナナがビタミンCを破壊する、と言われる一番の原因がバナナに含まれる「アスコルビナーゼ」という酵素です。
これは名前からして、一部の野菜に含まる、L−アスコルビン酸(ビタミンCの事)を破壊する酵素と言われています。
ビタミンCを破壊する酵素ですから、ビタミンCを含む他の食材と一緒にした場合はビタミンCを破壊する事になります。

この酸化酵素アスコルビナーゼは、組織が破壊されると働きます。
ですから、ミックスジュースを作る時に、バナナとレモンをそのまま一緒にミキサーに入れて撹拌してしまうと、ビタミンCの恩恵をあまり受ける事ができなくなります。
それは、バナナにアスコルビナーゼが含まれているからです。

バナナは、自分自身のビタミンCを破壊することなく、他のレモン等のビタミンCを自らが持つアスコルビナーゼによって酸化させてしまう、という作用を発揮してしまいます。

ですから、生野菜の盲点として、ビタミンCを含む野菜とアスコルビナーゼを含む野菜を一緒にする場合には、十分注意が必要である、という事になるわけです。

バナナのみならず、キャベツ、キュウリ、人参、りんご、カボチャ、カリフラワー、春菊等にもこのアスコルビナーゼが含まれており、ビタミンCの破壊をします。

ビタミンCを破壊しないようにするには

ビタミンCといえば美容効果等があり、それを期待して野菜や果物を食べたのに、効果が得られなければ、ガッカリしますよね。

研究によると、調理方法に気をつければバナナだけでなく他の食材も、ビタミンCを破壊するのを防ぐ=アスコルビナーゼがビタミンCを破壊するのを防ぐ、という事が分かりました。

その方法を解説します。

まずは、酸や酢につけたり、発酵(漬け物にするなど)させると、酵素の作用がなくなります。
例えばサラダ等、生で食べるなら、
・ドレッシングにレモン果汁をプラス
・ポン酢をかける
・にんじんを軽く下茹でする
等の方法があります。

このため、大根と人参の「もみじおろし」には、それぞれをすりおろしたら、すぐに酢を混ぜると良いです。
同じように生の大根と人参を使った料理に「紅白なます」がありますが、これは味付けに酢を用いているので安心で、ビタミンCが破壊される事はありません。

ジュースの場合にも、ジュースの受け皿に黒酢を少量入れてから作ると良いです。
働きを抑える柑橘類、いちじく、トマトがある場合はこれらを最初にジューサーに入れ、破壊酵素の多い食材は後から入れると良いです。

他には加熱をする事で酵素の作用がなくなります。
調理法で挙げると、
・カレー
・バターソテー
・きんぴら
・天ぷら
等で、アスコルビナーゼを気にすることなく食べられます。

実は間違い。バナナはビタミンCを破壊しない

バナナはビタミンCを破壊するという説を言ってきましたが、実は近年の研究でこの説が間違いだとする論文や記事が見られるようになりました。

そもそも今、アスコルビナーゼという酵素名自体学術用語はありません。
正式名称はアスコルビン酸酸化酵素で、還元型のビタミンC(L-アスコルビン酸)を酸化型ビタミンC(デヒドロアスコルビン酸)に「破壊せず」に「変化させる」だけが通説になっています。

どういう事かと言えば…
酸化型ビタミンC、還元型ビタミンCを摂取した場合、体内では酸化還元反応が起こります。
結局、酸化型ビタミンCも還元型ビタミンCになるので、摂取時に酸化型ビタミンCが多くても、体内ではほとんど還元型として存在する事になるわけです。

「還元型ビタミンCと酸化型ビタミンCのビタミンC効力は、人体内では同等である」
とされ、「四訂食品成分表」には、還元型と酸化型を合わせた総量(総ビタミンC)をビタミンC量として示しています。
どちらもビタミンCとしての効果は変わりません。

ビタミンCの破壊=酸化が悪いと言われてきたのは、ビタミンCの活性を失ったまま摂取されるため効力を得られないとされてきたからです。

アスコルビナーゼを含むバナナがビタミンCを破壊するわけではない事が以上の理由から明らかになりました。
 

ビタミンCが本当に破壊されるのは?

ビタミンCが本当に破壊されるのは体内の酸化型ビタミンCが加水分解を受けて不可逆的に代謝されていく時です。

ですので、すりおろした人参と大根を混ぜたもみじおろしでは、60分経過後に総ビタミンCに占める酸化型ビタミンCの割合が81%に増加したものの、総ビタミンCは91%が残存したという実験データがあるほど破壊されていません。

また、バナナを用いて作ったミックスジュースのビタミンCは、室温に置いてもほとんど減少しないというデータが得られています。
バナナに含まれるビタミンCを破壊すると言われていたアスコルビン酸酸化酵素はこれらのジュースの栄養価に影響を及ぼさない事が分かりました。

ただ、水溶性であるビタミンCは、茹で時間が長いほど食材の中から低下していきます。
水を使わない加熱調理やできるだけ短時間の加熱が野菜のビタミンC保持に効果的です。

しかし、茹でてもビタミンC含有量が低下しない特殊なビタミンCを持っている食材があります。
それは、芋類です。
芋類に含まれるビタミンCは例外とされており、熱を加えても、ある程度茹でたとしても、ビタミンCの損失が比較的少ないとされています。
これは、じゃがいもやさつまいもに含まれるビタミンCがデンプンで保護され、外への流出がないためです。

じゃがいもやさつまいもなどの芋類は加熱して食べる事がほとんどですが、調理法を選ばずにビタミンCの損失を気にせず摂取できます。

バナナはビタミンCを破壊しない

以上のようにビタミンCは体や美容にとっても良く、人間に必要な栄養素と言えます。

そんなビタミンCを破壊するかもしれないと言われていたバナナですが、もうこれで安心ですね。
ジュースにしても調理しても、どんとこい!
ビタミンCを含む食材と一緒に食べても大丈夫です。

栄養学とは日々進化して、昔の通説が今や古いと言われ間違いだとされるほど日々変化していきます。

とても奥深い栄養学だと今回のビタミンCの破壊を通して理解できるでしょう。