私たちのほとんどは、ダイエットと痩せるという言葉を同じ意味として使っています。
しかし、正確には痩せることとダイエットは似て非なる言葉です。
ダイエットは、健康的な体を作るために肥満体質の人が、健康な身体を取り戻すことを目的にして「痩せる」ことです。
そのための食生活改善の中には、リバウンドを伴うものは本来あってはならないことですね。
健康的にダイエットとはどういうことでしょう。
今回は、健康的な身体を作るためのダイエットと、食生活改善で痩せることについてのご紹介です。
バブル期以降の子どもの肥満は食生活改善だけでは難しい
日本人の肥満が問題になったのは、バブル期です。
それ以前は、太っていると言っても、今のような太り方ではなく「がっちりしている」というものでした。
昔からのアニメに出てくる大柄なキャラクターも、太っているというより体格が良く、力強く健康である、というイメージでした。
当時は「健康優良児」という言葉があり、子どもがやせ細っていることは「不健康」と思われていました。
しかし、バブル期から欧米の食事が一般的になり、パンやピザ、パスタを主食にジュースや乳製品・肉をたくさん摂る人が増えました。
飽食の時代になると、それまでの子どもや若者とは違う肥満が増えます。
子どもの遊びも外で元気に縄跳びや缶蹴りをしてたものではなくなり、カードゲームやゲーム機になります。
運動というとお金をかけた水泳やサッカー、テニスといったものになりました。
そのため、太っている子どもたちのほとんどは、がっちりではなく、ぽっちゃりといった不健康な太り方になっていったのです。
ダイエットという言葉が始まった当初は、その原因が「脂肪」であると指摘されており、外遊び不足や糖質過多を指摘するようになるには時間がかかりました。
子どもの外遊びの不足が肥満の原因と思っている人でも、外遊びではなくお金をかけた「運動」に頼っているのが現状です。
そして肥満の子どもほど、運動や外遊びが好きではありません。
しかし、子どものうちに肥満になると、その後痩せるのはとても難しく、食生活改善をしてもなかなか痩せない身体になります。
筋肉や骨を育てる時に、しっかり育てていないからですね。
子どものころに身についてしまった味覚にも問題があり、こってりした洋食が好き、ケーキやスナック菓子が好き、と言う子どもがほとんどです。
薄味の和食ではなかなか満足しなくなります。
こういった理由から、欧米はもちろん小児成人病になっている子どもが、日本でもどんどんと増えています。
アメリカの肥満は、すでに社会問題にまでなっていますね。
そのためにも、子どもが肥満になってからではなく、その前からの食生活改善と、生活改善が大切になります。
子どもは外遊びと食生活改善で痩せるダイエットが一番!
運動不足という名目で、子どもが痩せるために、わざわざフィットネスジムやスイミングスクール・サッカークラブに通わせている親もいます。
しかし、スイミングスクールを続けている間は良いですが、痩せたからと辞めてしまう人もいます。
元々、痩せることが目的で、本当は運動が好きではない場合です。
運動をやめると筋肉が落ちて、放置しておくと筋肉は脂肪に変わってしまいます。
運動をしている間は、食生活改善をせずに食べ続けても痩せることがあります。
成長期の時は特にです。
体重が減って身体が引き締まり、理想的な体型になった後にこれで大丈夫と、食生活をそのままに、運動をやめてしまったらどうなるでしょう。
それこそ食生活改善をしないと、食べ過ぎになってしまいますね。
特に気を付けるのがおやつです。
スナック菓子や炭酸飲料が好きな子どもは要注意です。
お金をかけて運動をしている子の中には、スイミングスクールの時間の関係で、夕飯が遅く、そのためおやつを食べることもあります。
果物やおにぎりなら良いですが、スナック菓子などをダラダラと食べると、余分な脂質と糖質を摂ってしまいます。
他にも、夜遅くまで勉強をするため、成長ホルモンがしっかりと分泌されず、身長が伸びない、痩せすぎか肥満になってしまうという子どもも増えています。
しかし、原っぱや校庭・公園・団地の庭など遊びながら好きなだけ走り回ることを小さいころから身につけていた子どもは違います。
周りの大人に怒られて、色々な怪我をして、それでも何かを見つける子どもたちは、自然に身体も心も鍛えることができます。
遊び疲れて、夕方帰宅したらお風呂に入って夕飯を食べる、という食生活をしている子は、夕飯までの間に不要な間食をすることもありません。
子どものうちは、外遊びでたくさん身体を動かして、バランスの摂れた食事をし、自然に健康な身体を作るダイエットが一番です。
そして、夕飯の後に宿題をしたら早く寝る、というのも大切です。
子どものダイエットは、体内時計に合った食事時間にバランスの良い食事をする食生活改善と、しっかりと睡眠をとること、そしてたくさん外遊びをすることです。
子どものうちは外遊びと生活改善、食生活改善を併用して自然に健康な身体を作ってあげましょう。
食生活改善で食べないで痩せるダイエットの危険
子どものうちから肥満体型になった人は、大人になって気をつけて痩せても、また肥満になることがあります。
年頃になって、周囲の目が気になるようになりダイエットをして、急激に痩せることもありますが、気をつけないとまた肥満になることがあります。
芸能人などが利用して痩せた人が多いと言われるダイエット法でも、また太ってしまったというのを聞くことがありますね。
そのほとんどは急激なもので、「食べない」という食生活改善というのをご存知でしょうか。
例えば、糖質制限やファスティングです。
サプリメントを摂っているから大丈夫といいますが、サプリメントにどのような栄養が含まれているのか理解して摂っていますか。
栄養表示には、ビタミンやミネラルが入っていると書いてありますね。
しかし、一粒当たりのビタミンやミネラルは、食事で摂る分の一体何パーセントくらいになるのでしょう。
さまざまな栄養素をバランス良く摂れるとは思えません。
また、色々なダイエットサプリメントはありますが、ほとんどカロリーはありません。
カロリーがないのにたんぱく質を摂ることはできません。
たんぱく質を摂ることができなければ、筋肉や血液は作れません。
筋肉や血液が作れないと、体温が下がり基礎代謝が下がります。
基礎代謝が下がると、普通に食べていても体重が減らなくなります。
「ダイエットサプリメントではじめは体重が減ったけれど、途中から減らなくなった、そこで相談をしたらファスティングを勧められた」という口コミを見かけます。
途中から体重が減らなくなったのは、基礎代謝が下がったからで、そのままファスティングをすれば、また体重は減りますが、ますます基礎代謝が下がり、痩せにくい身体を作ってしまいます。
食べないで痩せるということは、こういった危険を兼ねていることをしっかりと理解しておきましょう。
ダイエットは健康のための食生活改善!ただ痩せることではない
ダイエットで体重が減り痩せると、誰でもうれしいものです。
しかし、高度成長期の頃のガリガリにやせ細った身体は「不健康」というのは、間違いではありません。
今の日本は、ほとんどの人が食べ物に困ることはなく、先進国と言われているのに、類を見ないほどの痩せ大国です。
一方、肥満の人が増えているのも事実です。
小学生の男子は、肥満の子と痩せ過ぎの子が増えて標準の子どもが減少しています。
これは、子どもだけでなく20代、30代の人も同じです。
その中で不思議なことが起こっているのをご存知ですか?
実は2017年以降20代、30代の男性・女性よりも、40代・50代の男性・女性の方が基礎代謝が高くなっています。
これは、40代以上の人の方が、しっかりと食事をし体温を保つための健康な身体を作ることに気遣っているため、基礎代謝が高いと考えられています。
普通は、10代後半が最も高く20代、40代と徐々に低下するものです。
ところが、基礎代謝の平均値は、20代と60代が同じくらいになっています。
今の20代は60代並の健康状態という人が多いということですね。
その背景には、ダイエットをただ痩せると勘違いしている人の多い事が原因です。
そのために、どれほど多くの「標準体型」の人が無謀なダイエットをしていることか、皆さんはご存知ですか?
ダイエットは健康な身体を作るための食生活改善を目的とした食事です。
痩せて細いことがきれいな身体といえるのは、一時的です。
私たちは今80歳を過ぎるまで健康に生活をする必要があります。
長い目で健康できれいな体型を続けるためには、しっかりとした食生活改善で理想的な食生活を続けていきましょう。
食生活改善ダイエットと歩いて健康に痩せる
しかし、一方で肥満が増えているのも問題です。
皆さんは自分の適性体重や腹囲、血糖値などを毎年調べていますか。
仕事をしている人は、毎年健康診断をして結果をもらっていますね。
自営の人も、健康保険料を支払っていれば自治体で健康診断を受けられます。
そこで、毎年の健康診断のBMI値を見て下さい。
この数値が50歳未満の人は「18.5~24.9」、50歳以上の人は「20~24.9」が標準です。
もちろん、この範囲でも危険な人がいます。
24.9までが大丈夫といっても、身長155cmの女性なら59kgまでが標準に入ってしまいます。
しかし、59kgというのはどちらかというとぽっちゃりです。
BMI値の問題は、体重だけの判断のため、がっちりの人でもぽっちゃりの人でも同じ基準になることです。
筋肉があり骨もしっかりとしている24.9なら心配はいりません。
実際に、アマチュアレスリングの女子選手のBMI値は平均24.1と言われます。
筋肉と骨がしっかりしているからですね。
問題は、脂肪が多く筋肉や骨がもろいという人の24.9です。
これは標準内ですが、少し気を付けたほうが良い体重になります。
余分な脂肪が血液や心臓、脳への影響を及ぼすのは今では有名なお話です。
コレステロール値が高いと、血管内の病気を引き起こすこともあります。
そのために高血圧や心疾患、脳血管性の病気や認知症の原因になるといわれています。
BMI値がギリギリ問題がなくても、コレステロール値などに問題があると健康診断の後に、痩せるよう指摘されたり、医師からダイエットのための栄養指導を紹介されることもあります。
しかし、いちいち指導を受けるのも面倒ですね。
こういった人は、食生活改善はもちろんですが、コマメに身体を動かしましょう。
できるだけ歩いて運動をすることも大切です。
買い物や散歩、家の中の掃除も、コマメに動いてたくさん歩いてください。
そして、筋肉を作るための、肉や乳製品をしっかりと摂って下さい。
痩せることにもつながる食生活改善によるダイエット
太っている人の食事を見ると、パスタやピザ・パン・炒飯といった炭水化物を多く摂取する食生活を送っている傾向があります。
そして早食いの傾向も見られます。
逆にたくさん食べているのに、太っていない人は、肉や野菜など、色々な食材を摂る食生活を送っています。
そしてゆっくりと時間をかけて食べています。
ゆっくり食べると、途中で満腹中枢が刺激されますので、そんなにたくさん食べることはできません。
同じお腹いっぱいにするための内容が全く違います。
糖質ダイエットは少な過ぎても健康被害になりますが、摂り過ぎはもっと危険です。
また、肉や魚を適度に摂らないと、ビタミンB群が不足してしまいますので、摂った糖質のカロリーをエネルギーに変えることもできません。
肉を摂る時も、ハンバーグなどの柔らかい肉は、歳を取ったら食べるようにしましょう。
ひき肉は同じ肉でも、3割以上が脂身です。
ヒレ肉やロースといった赤身の部分には脂があまり含まれていません。
若くて歯がしっかりしているうちは、固いお肉をしっかりと噛んで食べることが満腹感を感じながらダイエットにもつながります。
乳製品の摂り過ぎは脂肪過多になりますが、適度にチーズを食べると、低糖質ダイエットになります。
食事のはじめにブロッコリーのチーズ焼きなどを食べると、そのあとに摂った糖質の摂り過ぎを抑えてくれます。
ご飯はパンよりも余分な脂質や糖質を摂ることなく、満腹感を感じることができます。
主食はご飯が一番です。
食生活改善は、こういった食べるものの内容や食べる早さを工夫するだけでできる簡単な方法です。
太り過ぎを指摘されたら、健康診断で気を付けるように言われたら、まず自分の食生活を見直してみましょう。
辛い運動をする前に、まずは早食いや偏った食事内容を変えるだけで、痩せることにつながる食生活改善になります。
子どものころから大切!食生活改善で痩せるダイエット
子どものころに身についたものは、大人になっても簡単には変わりません。
好き嫌いや食事の仕方、生活習慣と色々なことを子どもは身につけます。
大人になってから痩せるために慌ててダイエットをするのではなく、子どものうちから正しい食生活ができるようにすることも大切です。
まだまだ10代、20代の皆さん、そして子育て中のお母さん、子どものためにも皆さん自身の健康のためにも、食生活改善と生活改善で、正しいダイエットを心がけて下さい。