ダイエット法の一つとしてりんごダイエット、バナナダイエットといったものがあります。
りんごダイエットやバナナダイエットをした人の中には、成功したという話と失敗したという話を聞きますね。
成功した人と失敗した人の何が違っていたのでしょうか。
そしてりんごやバナナのカロリーは一体どれくらいなのでしょうか。
今回は、りんごやバナナのカロリーをご紹介しましょう。
りんご1個のカロリーと他の栄養素
りんごやバナナは果物です。
果物のカロリーは果糖です。
果物は果糖という糖質とビタミン、ミネラルを豊富に含む食品と言われています。
りんごには、どれくらいの栄養素が含まれているのでしょうか。
りんごを食べる時100gという食べ方をする人はいませんね。
1個、またはカットして半分といった食べ方をします。
りんごは中くらいのもので1個がおよそ300gになります。
りんごは芯や皮を除いた分、つまり廃棄率が15%になるため、実際に食べることができる「可食部」の重さはおよそ250gとなります。
大きなものになるとりんご1個の可食部の重さはおよそ400gになります。
食品成分表などで計算されているカロリーは、100g当たりです。
りんご100gは生で57キロカロリーとなります。
中1個のりんごを食べると、2.5倍でおよそ142.5キロカロリーです。
大1個なら4倍で228キロカロリーになります。
りんご1個食べても、かなり低カロリーということがわかります。
りんごは1個あたりの重さの84%が水分になりますので、水分をしっかりと摂ることはできます。
しかし、水分以外はほとんどが糖質のため、食べすぎると糖質過多になってしまいます。
100gあたりの糖質量は14.1gになりますので、1gあたり4キロカロリーで56.4キロカロリーと、ほぼ糖質でカロリーが決まっていると言っても過言ではありません。
りんごのカロリーのほとんどは糖質ということになります。
ビタミンCを摂るために果物を食べると良いと言いますが、りんごはビタミンCの量も少なく100g中4mg、中1個を食べても10mg、柑橘類のわずか10分の1になります。
りんごには他のビタミンやミネラルの量もわずかしか入っていません。
りんごには食物繊維が入っていると言われていますが、その量は100gで1.4g、りんご中1個250g中わずか3.5gで果物の平均量です。
果物では食物繊維が摂れると言う人もいますが、りんごは野菜と比較すると、それほど多いというわけではありません。
りんごは手軽に水分と糖質を摂ることができる食品です。
しかし、食物繊維やビタミンCなど、りんごだけではなく、海藻や野菜からもたくさん摂ってほしいです。
バナナ1本のカロリーと他の栄養素とりんごとの比較
バナナは1本あたり100g~150gになります。
あまり大きくないものなら、1本でおよそ86キロカロリーになります。
りんごと比較して、手軽に食べられてしまうため、つい数本を食べてしまうこともあります。
バナナも1本あたりで摂れるカロリーのほとんどは糖質です。
バナナの水分量は100g中75gでりんごと比較すると、少なくなります。
食物繊維は1本、100gあたり1.1gです。
バナナを摂ると、食物繊維をたくさん摂れてお通じによいと言いますが、りんご100g中の量よりも少なめで、それほど多いわけではありません。
しかし、バナナは葉酸やビタミンC、B群の量が、りんごより多めになります。
バナナにはたんぱく質もわずかながら入っています。
水分が少ない分、ビタミンCは100g中16mgでりんごの4倍になります。
葉酸も100g中26µg(マイクログラム)でりんごの13倍になります。
葉酸は最近注目の栄養素ですが、イチゴやパパイヤ、アボガドの他ではバナナが多く含む果物になります。
カリウム量も多く、塩分の摂りすぎを気にしている人には、お勧めの果物になります。
バナナはカロリーの多さが気になるところですが、葉酸やカリウムを摂ることができます。
果物の中では色々な栄養を摂ることができる、一年中手軽に手に入る果物として、とてもお勧めになります。
りんごとバナナのカロリーをエネルギーにする食べ合わせ
りんごダイエットやバナナダイエットをするとき、糖質を摂ることはできますが、他の栄養素については不足してしまうものがたくさんあります。
りんごダイエットやバナナダイエットで失敗をしてしまうのは、糖質は摂っても糖質のカロリーをエネルギーにするための、ビタミンB1の量が不足をしているためですね。
りんごやバナナだけではどうしても糖質過多になってしまうことがあります。
そこで、一緒にビタミンB1をしっかりと摂ると良いです。
ビタミンB1をしっかりと摂るためには豚肉が一番と言われていますが、りんごと豚肉、バナナと豚肉というのはいささかアンバランスになってしまいます。
そこで、一緒に摂るのにお勧めなのは牛乳や乳製品です。
100gの牛乳とバナナのスムージーにすると、糖質をエネルギーにするビタミンB1を摂ることができます。
さらに、カルシウムにたんぱく質・りん・ビタミンAといった栄養素を摂ることもできます。
りんごなら一緒にカフェオレを飲んだり、ヨーグルトを食べると良いですね。
中でもチーズは高たんぱく質で、糖質の他に脂質やカルシウム・鉄・亜鉛・ビタミン群も豊富になりますので、りんごやバナナと一緒に朝食で食べるという人もいるようです。
チーズに含まれる塩分が気になる人でも、バナナに含まれるカリウムでバランス良く摂ることができます。
ヨーロッパの国では、朝ごはんにチーズとパンだけでなく、新鮮な果物を食べる、という子どももいるようです。
りんごダイエットの成功と失敗
りんごダイエットで失敗した人のほとんどは、りんごだけをひたすら食べています。
何個食べても良いと勘違いをして、ただりんごで満腹にして他のものを食べません。
特に、りんごダイエットで失敗した人には、肉や油脂を抜いている人がいるようです。
肉を食べないために、ビタミンB1が不足していしまい、摂った糖質のカロリーがエネルギーになることになりません。
油脂を摂らないと、脂溶性ビタミンが不足したり、コレステロール低下で骨がもろくなってしまいます。
そのため、一時的に体重は減りますが、一定期間を過ぎると貧血や便秘、肌荒れ、疲労骨折になり体調が悪くなります。
ある程度減った体重もそれを過ぎると減らなくなってしまい、むしろ一定期間をすぎたら増えてしまうこともあります。
りんごは果糖が含まれていますので、りんごだけで満腹にしようとすると、糖質の摂りすぎになって、余った糖質は体脂肪になってしまいます。
りんごはたんぱく質やミネラルがほとんど含まれないため、りんごだけでは血液が不足し、貧血になります。
たんぱく質が不足しているので、筋肉量が減ってしまい、低体温となり基礎代謝が下がり体重が減りにくい体質になってしまいます。
りんごだけを食べるダイエットは、体を壊してしまうだけでなく太りやすい体質になってしまうかもしれません。
そして、それはりんごだけでなくバナナも同じです。
りんごでダイエットをするときは、まず食前にりんごを食べて満腹にして、そのあと肉や野菜、魚などの色々な食品を食べましょう。
間食でりんごを食べることで、油脂や糖質をもっと多く含むケーキやスナック菓子を摂ることなく、満腹にすることができます。
空腹での食事はドカ食いを招いてしまいます。
食事の前にりんごを食べて満腹にすることで、ドカ食いを防ぎ、ご飯や油脂の多いおかずの食べすぎを防ぐこともできます。
りんごダイエットの場合は、りんごだけ食べるダイエットではなく、ドーナツやスナック菓子、唐揚げやカツなどの食べすぎを防ぐという意味で、効果があるようです。
バナナダイエットをするときの注意
バナナはりんごと異なり、わずかですがたんぱく質を含みます。
バナナは果物には珍しく、必須アミノ酸9種類をすべて必要量含む食品になります。
そのため、たんぱく質を摂ることができます。
1本あたりのたんぱく質量は1.1gですが、86キロカロリーのうちの4.4キロカロリーをたんぱく質から摂ることができます。
また、バナナには胚芽精米と同じくらいのビタミンB1も含まれます。
もちろん、これだけでは不十分ですので、バナナだけのダイエットは糖質の摂りすぎになることは間違いありません。
そこで、一緒にビタミンB1やカルシウム、たんぱく質をもっと含む食品を摂ることをお勧めします。
ビタミンCも十分ではありません。
バナナのダイエットは、食べた後に肉やチーズ、野菜を一緒に摂って初めて意味があります。
バナナだけで痩せるというのは、りんごと同じ失敗をしてしまいます。
糖質過多、ビタミン不足、たんぱく質不足、脂質不足を招いてしまいます。
体調を崩したり、疲れやすく痩せにくい身体になるかもしれません。
バナナダイエットでも、カロリーを気にするのではなく、食べる内容を気にするということが大切ですね。
りんごとバナナを使ったデザートのカロリー
りんごとバナナを使ったデザートを間食で摂るのも良いですね。
バナナやりんごをざく切りしたものをトッピングしたヨーグルトやバニラアイス、バターと小麦粉を使ったカップケーキなどがあります。
スムージーも簡単に作れて美味しいデザートです。
それでは、たんぱく質やビタミンも摂れるバナナのスムージーの紹介です。
【材料】
・バナナ 1本(100g)
・にんじん 1/5本(40g)
・牛乳 100g
【作り方】
①にんじんを薄くスライスします。
夏場はにんじんを予め冷凍しておくとそのまま冷たいスムージーが作れます。
②バナナは1cmくらいの輪切りや角切りにします。
③ジューサーに入れて、にんじん、バナナ、冷たい牛乳を混ぜます。
にんじんとバナナの甘味で、砂糖も蜂蜜もなくても十分に甘くなります。
バナナのスムージー1杯のカロリーはおよそ160キロカロリーです。
ドーナツ1個よりも低カロリーなのにお腹いっぱいになります。
りんごはヨーグルトと混ぜたり、小麦粉やバターと混ぜてカップケーキも作れます。
しかし、しっかりと混ぜるためには、りんごをジャムのようにした方が使いやすくなります。
りんごはジャムにする時に砂糖を使うため、100g当たりのカロリーが213キロカロリーと高くなります。
カロリーが気になるなら、ジャムではなくスライスしたりんごを生のままヨーグルトや牛乳と一緒に摂ることがお勧めです。
バナナやにんじんと一緒にりんごを入れたスムージーも美味しいです。
りんごやバナナのカロリー以外の栄養素
りんごダイエットやバナナダイエットは40年以上前から聞いたことがあるダイエットです。
しかし、カロリーばかりを気にしていると、大切な栄養素が不足してしまうダイエットでもあります。
りんごやバナナを摂るのは大切なことです。
しかし、それだけに頼らず、色々な食品を食べて、カロリーだけでは解らない他の栄養も摂りましょう。
本当にダイエットをするなら、りんごやバナナだけに頼らず、バランス良く何でも食べることが大切ですね。