慢性的に体にたまった疲れや、あらゆる体調不良を解消するには、プチ断食がおすすめです。
プチ断食は、本格的な長期間の断食ではなく、ほんの少しの間内臓を休ませることで体調改善やデトックスを促進する、という健康法です。
今回の記事では、プチ断食によって得られる効果を中心に、プチ断食のやり方も含めて解説していきますね。
断食とは
断食は、英語で「ファスティング(fasting)」といいます。
「ファスティング」という言葉は健康関連の記事でも見かけたことがあるかと思います。
断食の意味は、その名の通り「食を断つ」ということ。
すなわち、絶食するということです。
断食は、「飢え」とは違い、健康面や精神面の改善などの理由で、自発的に行うものです。
これは古くから行われている健康法で、世界中のさまざまな文化や宗教により実践されてきました。
私たちは普通に生活している中で、空気、水、食事などから知らず知らずのうちに有害物質を体内にため込んでいます。
また、毎日食べる食事を、体内で消化、分解、吸収などをすることで、消化器官や肝臓などの内臓に負担をかけているのです。
断食をしていったん体をリセットすることで、様々な体調改善やデトックス効果を期待することができます。
しかし、長期間にわたってする本格的な断食は、かなりの知識と心構えが必要です。
そこで最近では、「プチ断食」という1日~2日程度の断食をする人が増えています。
プチ断食をするだけでも、十分に体のリセットができますし、週末を利用して気軽に行うことができます。
プチ断食をするとあらゆる体調改善が期待できます
断食で得られる、あらゆる体調改善効果を見てみましょう。
・胃腸の働きを改善
現代人は、日常的に食べ過ぎの傾向にあるため、胃腸などの消化器が働きすぎの状態にあります。
プチ断食でしばらく胃腸を休ませることで、本来の機能を取り戻し、消化・吸収力を高めることができます。
・便秘の改善
胃腸の消化機能が低下していると、便秘にもつながります。
プチ断食で胃腸の働きを改善すると、便通も良くなります。
また、空腹になると、腸のぜん動運動が活発になり、便秘が改善されデトックス効果にもつながります。
・免疫力の向上
白血球の一種であるリンパ球が増加すると、免疫力も高まります。
このリンパ球の多くは小腸に存在しているので、腸内環境が悪くなるとリンパ球にダメージを受けて、免疫力が低下してしまいます。
プチ断食によって腸内環境が整えば、リンパ球の働きも活発になり、免疫力も向上すると言えるでしょう。
・脳が活性化する
断食をすると消化のための血液がほぼ必要なくなるので、血液が脳に行きわたります。
よって、脳がすっきりする状態をキープできると言えます。
また、腸内環境と脳の働きはつながっていると言われます。
精神を落ち着かせるホルモンである「セロトニン」は、腸内でつくられます。
よって、腸内環境が整えば精神的にも安定すると考えられるのです。
このような体調改善効果は、無理な長期断食をしなくても、プチ断食で十分に期待することができます。
断食で得られるデトックス効果について
前項でも少し触れましたが、断食をすると体調改善のひとつであるデトックス効果が期待できます。
デトックスとは、体内に溜まった老廃物や毒素を排出させることです。
人間の体は、老廃物や毒素を排出する能力が備わっています。
しかし、現代人は食べ過ぎの傾向にあり、排出能力が追い付いていない状態の人が多いのです。
排出できなかったものは、腸内で吸収されてしまい、皮膚に吹き出物ができたり炎症が起こります。
また、あらゆる体調不良の原因にもなります。
基本的に人の体は、吸収作用が働いていると排出作用を阻害してしまいます。
つまり、食べ過ぎると消化吸収が優先的に行われ、排出機能が後回しなってしまうのです。
そこで、断食をしてしばらく食べない状態を作ることで、老廃物や毒素の排出を積極的に行うようになります。
断食をすると、黒い便が出る、尿の色が濃くなる、目やにや痰が出る、などの症状が現れることが多くなります。
これは、体内に溜まった老廃物や毒素を排出するデトックス効果によるものなのです。
このように、断食はすばらしいデトックス効果を発揮する健康法だと言えるのです。
断食で得られるダイエット効果について
断食中は、体に摂取するエネルギー量が大幅に低下します。
摂取エネルギーが消費エネルギーを下回ってくると、体は痩せていきます。
これは何故かというと、体内の蓄積されたエネルギー源をどんどん使うようになるからです。
人間のエネルギー源は、まず糖質をメインに使われます。
断食によって摂取する糖質が減少すると、エネルギー源がなくなるというわけではありません。
人間の体内には、主に筋肉や肝臓に糖質が蓄積されています。
摂取する糖質がなくなると、この体内に蓄積された糖質をエネルギー源として消費するようになるのです。
そして、蓄積された糖質を使い切ると、次は体内の脂肪を燃焼させてエネルギーを作るようになります。
体内脂肪を燃焼するようになれば、自ずと体重も減少してダイエットにつながっていくのです。
断食は、あらゆる体調改善やデトックス効果に加えて、このようなメカニズムによってダイエット効果も期待できるというわけなのです。
体調改善とデトックスのためのプチ断食方法
それでは、体調改善とデトックスのためのプチ断食のやり方をご説明しますね。
断食の基本は、「準備期間→断食期間→回復期間」を設定することです。
それぞれの段階ごとに見ていきましょう。
①準備期間
準備期間は、食事量を減らして断食の備えをする期間です。
いきなり断食をすると、精神的にもストレスが大きくなり、身体的にも頭痛や吐き気などを起こす恐れがありますので、この期間はとても重要です。
準備期間中は、コンビニ弁当やレトルト食品、油ものなどは避け、和食中心の食事を腹七分目ぐらいにおさえます。
日数は、断食期間と同じぐらいかそれよりも多めに設定することをおすすめします。
とくに、普段食べ過ぎていたり、外食が多い人は1週間ぐらい準備期間を設定するのが理想です。
②断食期間
プチ断食の期間は、1日~2日ぐらいが一般的です。
仕事がある人は、できるだけ週末などの休日を利用して行いましょう。
断食期間中は、食べ物は全て断ちます。
口に入れていいのは、ミネラルウォーターを中心とした水分だけ。
どうしても空腹がつらい時は、糖分や保存料が入っていない野菜ジュースや酵素ドリンクを飲みましょう。
そして、無理な運動は避け、できるだけゆっくりと過ごすようにしましょう。
③回復期間
回復期間は準備期間と同様に、とても大切な期間です。
断食後は、体内での吸収力が非常に高くなっています。
断食期間が終わってすぐに普通の食事に戻してしまうと、体に良いものも悪いものもどんどん吸収されていきます。
体調を崩したりリバウンドのリスクがとても大きくなっている状態なのです。
回復期間は、断食期間と同じ日数設定し、食事量や内容を徐々に戻していきます。
食事内容は、玄米の重湯やお粥、味噌汁や野菜スープの汁部分のみ、などを少量摂り、胃腸に負担がかかる固形物は避けるようにしましょう。
体調改善とデトックスのための断食注意点
断食期間中は、栄養摂取量の減少とデトックス作用により、体にさまざまな変化があらわれてきます。
断食中にあらわれやすい症状と注意点を取り上げてみました。
・頭痛
塩分の急激な減少によって、血管が拡張し頭痛を伴う場合があります。
これは、準備期間にしっかり塩分調整することで予防ができます。
どうしてもつらい頭痛が生じたときは、ミネラルウォーターに塩を少量溶かして飲んでみましょう。
・体の冷え
断食中は摂取カロリーが減少し、体内のエネルギー生産も減少するため体温が低下します。
とくに手先や足先はしっかりと温かくし、ゆっくりと入浴するなどして体を温めましょう。
・めまい
普段慢性的に食べ過ぎていたり、準備期間をしっかり確保できなかった場合、めまいが起こることがあります。
このようなときは、濃いめの酵素ドリンクを飲んだり、味噌汁の汁部分だけを飲むなどして対処しましょう。
頭痛やめまいなどの症状がどうしても改善できない場合は、我慢し続けると危険です。
我慢せずに断食を中断しましょう。
しっかりと準備期間を確保して断食を行うことで、このような辛い症状は軽減されます。
正しい断食法をすれば、体調改善やデトックス効果が高まりますので、注意点はしっかりと頭に入れておきましょう。
体調改善とデトックスのためにはプチ断食が最適です
お伝えしてきたように、断食を行うとあらゆる体調改善やすばらしいデトックス効果が期待できます。
また、脂肪燃焼効果によりダイエットにもつながっていきます。
断食は、準備期間と回復期間をしっかり確保することが、とても重要です。
プチ断食は、1日~2日ほどなので休日を利用して一度挑戦してみませんか?