味噌を保存する場合には、100均でも購入できて、手軽に使えるタッパーが便利ですが、保存容器としては向いている容器なのでしょうか?
タッパーに入れた味噌は2~3日で使い切るものではないため、衛生面においてもよい状態で、おいしく保存できる方法を知りたいと思われていることでしょう。
今回はタッパーを使って、味噌をおいしく保存するためのコツと、カビが生えたり、風味が落ちた時の対処法も見ていきましょう。
味噌を正しく保存したい時に気をつけたいこととは?
日本人の食生活の中では、味噌は和風料理を始め、毎日食べるお味噌汁に使うことが多いと思います。
また味噌は、マヨネーズやチーズと合わせて、洋風料理にも使えるなど、多くのメニューに使える万能調味料です。
家庭で使う頻度も多い味噌をおいしく食べるために、タッパーでの保存の仕方で、気をつけたいことを知っておきましょう。
まず、味噌の材料は大豆、米、塩で、味噌と大豆に、塩や麹を加えて作る発酵食品となります。
味噌の風味が落ちるのは、味噌の材料であるお米の成分の糖質と、大豆の成分のタンパク質やアミノ酸が原因となっています。
これらが温度に影響されて、時間が経過する中で味噌の色や味が変化していきます。
特に暑さの中では色が濃くなりやすく、味が落ちてしまうことになります。
色が変わっても体に害が及ぶことはありませんが、おいしい状態で食べるためにはそうならないように注意し、食べきるようにしたいですね。
そして味噌の保存の場所としては、5℃~8℃で保存できる冷蔵庫、または冷凍庫を選択することをおすすめします。
味噌の保存にはタッパーがおすすめ?
例えば、味噌の保存でタッパーを利用する場合は、手作り味噌を保存したり、簡易包装の味噌を購入して、タッパーに入れ替えることもあるでしょう。
タッパーは100均でも購入できるお手軽な入れ物で、サイズも豊富で、外からも中の味噌の量が確認できるので、おすすめできる便利な容器となります。
ところで味噌を保存する場合は、おいしく衛生面も問題ない状態で保ちたいですよね。
まず味噌の風味の変化が起こる理由は、高温多湿の場所が苦手という「温度・湿度」に影響されるだけではありません。
味噌の「保存期間」や「空気に触れること」も大きく関係することになります。
例えば温度や湿度の面では、常温で味噌をタッパーに入れて保存すると、カビも生えやすくなるため、冷蔵庫で保存するようにしましょう。
販売されているお味噌の場合、開封されていない商品でも、メーカーさんとしては、保存する場合に、冷蔵庫に入れることをおすすめしています。
タッパーに入れる場合は、自宅での手作り味噌であることも多く、保存料も入っていないため、より保存の仕方には注意が必要になります。
また保存期間に関しては、古くなってくると味噌も色が濃くなり、風味も落ちやすいため、早めに食べきるようにします。
味噌は空気に触れると、好気性菌の繁殖が活発になり風味が落ちるため、ラップでぴったりと覆って、空気に触れる時間を少なくしましょう。
タッパーで味噌を冷凍保存する時は?
味噌のおいしさを保つためには、タッパーに入れて冷凍保存をすることもできるため、その場合の注意点を知っておきましょう。
まず味噌は冷凍庫に入れても、少し硬く感じる程度で、野菜や餃子などを冷凍する時のように、カチカチになることはありません。
そのため料理にはすぐに必要な分だけを使え、いつもおいしい状態を保てることになります。
ある老舗の味噌屋さんによると、冷蔵保存でも発酵が進んでしまい味が落ちやすいため、おいしさを保つには冷凍がおすすめという話です。
冷凍庫に入れると酵母菌が眠っている状態になるので、味が保たれるということなのです。
タッパーで冷凍保存する時は、容器に密着しやすい、ポリ塩化ビニリデンの材質のラップを使い、ピタッとはりつけて空気に触れないようにするといいでしょう。
そうすることで味噌の風味の変化だけではなく、酸化して色が変わることも防げることになります。
また、味噌を冷凍で保存する場合には、容器の裏側などに記載のある品質表示欄で、タッパーで保存できる、耐冷温度を確認しておくようにしましょう。
家庭用の冷凍庫は-18℃くらいなので、それ以下に耐えられる保存容器を選んでください。
タッパーでの味噌の保存期間はどれくらい?
味噌は少量でも味がきちんとつく調味料なので、タッパーで保存すると長持ちするものになります。
そして容器の種類はタッパーでも、その他のホーローや陶器で保存する場合も、味の変化については変わりません。
そうなると気になるのが、味噌の保存期間はどれくらいかについてです。
一般的には甘い味噌ほど保存期間は短めで、塩気が強いと長く持つと言われています。
味噌は発酵調味料になるので、長期の保存ができるもので、腐るものではありません。
手作り味噌の場合には、空気に触れずに表面が酸化をすることなく、風味が落ちなければ、特に賞味期限を考える必要はありません。
ただしおいしさを考えると、1年以内には食べきることが望ましいです。
これは特にカビなども生えずに、正しい保存状態で冷蔵庫に置いた場合の期間と考えるとよいでしょう。
購入した味噌の場合は、未開封状態で3ヶ月から1年を賞味期限に設定されているようです。
出汁が入っていたり減塩タイプのものは、腐る可能性もあるため、賞味期限内に使う方がよいでしょう。
タッパーで保存していた味噌にカビが生えたときは?
手作りの味噌をタッパーで保存していると、食品添加物の防カビ剤を使っていないため、時々カビが生えてきます。
それは味噌に含まれる水分や塩分が適量でないことや、大豆の炊き具合に問題があったため、カビの発生が起こることになります。
そして高温多湿の場所での保存、きちんと密封されていないなどの理由も関係しています。
おいしく食べられるはずの味噌に、カビが生えているのを見るとショックですが、見つけた場合はその色や特徴をよく見てみましょう。
もしも味噌汁にカビの生えた部分を使うと、ニオイが気になり、風味が悪くなるので取り除くことが大切です。
それぞれのカビについてですが、白いカビは、空気に触れてできる産膜酵母なので無害ですが、ニオイが独特なので取り除きます。
黒いカビの場合は、酸化したために発生したものになり、身体に悪いものではないものの、おいしくはありません。
注意が必要なのは青いカビで、他のカビの毒素も潜んでいる可能性があるため、身体にもよくないので、特に体調の悪い方は避けて下さい。
ただし味噌のカビは表面に生えるだけで、塩分の多さがよい方に働き、中まで浸透していない場合が多くなります。
カビが生えている部分を3mmの厚さで取り、ホワイトリカーや焼酎など、アルコール度数35度以上のものをつけたペーパータオルで容器の縁を拭き、蓋も洗いましょう。
またタッパーから味噌をとる時には、乾いた清潔なスプーンでとるようにすると、その後のカビの発生率も減らせます。
タッパーで味噌を保存していて風味が落ちた時のお助け法は?
例えば、味噌に含まれるアミノ酸と糖質が、互いに反応することによって、メイラード反応が起こり、色が濃くなり酸味が増えてきます。
他にもタッパーで保存している時に、空気に触れて酸化することで、風味が落ちる場合があります。
そんな時には味噌汁に使うのではなく、他の料理に味噌の風味をつけて利用することで、おいしく食べられます。
例えば、洗ったきゅうりをまな板の上で塩もみして、洗って水けを拭き取り、1本につき、大さじ1と1/2杯の味噌をきゅうりにからめます。
この場合、塩分が濃く甘みが少ない味噌なら、砂糖を少々加えてもおいしくなります。
そちらをタッパーなどに入れて、一晩以上漬け込むと漬物ができるので、食べる時は軽く洗うといいでしょう。
他にも大根、キャベツ、にんじんなど、いろいろな野菜で試すこともおすすめです。
他にも炒め物のタレとして、みそに甘みのみりん、酒、おろしにんにくを足して、玉ねぎ、キャベツなどの野菜と肉を炒めてもおいしくなります。
また、味噌、みりん、酒を2:1:1の割合で混ぜ、それに砂糖を少々加えて、豚肉の全体につけてラップで包み1~2時間置きます。
食べる時には味噌の部分をスプーンなどで取り除いた上で焼くと、おいしい味噌漬けの肉料理となります。
味噌をおいしく保存するためには常温よりも冷蔵庫へ
タッパーは大きさも様々で、使いやすい容器であるため、味噌の保存でも使いたいものになります。
おいしく味噌を保存するためには、冷蔵庫や冷凍庫で保存をし、空気に触れる機会もできるだけ減らすようにしましょう。
その上で乾いたスプーンで必要量を取り、カビを生えさせないようにすることで、おいしい味噌を長く味わえることになります。