緑茶のさわやかさに玄米の香ばしさが加わった玄米茶は、近年人気が上昇しているお茶です。
妊娠中や授乳中でもいただきたいお茶ですが、気になるのはカフェイン。
果たしてどれくらい含まれているのでしょうか。
また、それは赤ちゃんにとって影響を及ぼす量なのでしょうか。
今回は玄米茶のカフェイン含有量を調べたうえで、授乳中のかたも飲めるのかどうかを検討してみたいと思います。
玄米茶にはどれくらいのカフェインが入っているの?
玄米茶は緑茶と玄米とが1対1の割合でブレンドされたお茶です。
そのため普通の緑茶よりカフェインの含有量が少ないとされています。
妊婦さんや授乳中のママにとって、カフェインの摂取は気になるところですよね。
果たして玄米茶は赤ちゃんや母乳育児をする方にとって、悪影響を及ぼす飲みものなのでしょうか。
玄米茶のカフェイン含有量を調べたところおよそ1/10、つまり玄米茶100mlに対し10㎎のカフェインを含んでいるということがわかりました。
比較のために他のお茶でも見てみましょう。
下記は、お茶100ml当たりに対してのカフェイン含有量です。
・紅茶 30㎎
・緑茶 20㎎
・ウーロン茶 20㎎
・ほうじ茶 20㎎
・麦茶 0㎎
ちなみにカフェインのかたまりともいえるコーヒーは65㎎です。
コーヒーの1/6以下の含有量しかない玄米茶は、お茶の中でもカフェインが少ない方といえます。
ウーロン茶やほうじ茶のほうが玄米茶よりカフェインが多いとは、ちょっと意外な気もしますよね。
カフェインが全く含まれていないのが麦茶です。
茶葉は用いられず、大麦の種子を煎じて作っているからです。
茶葉を用いたお茶の中では、玄米茶が最もカフェインが少ないといえます。
では、赤ちゃんや授乳に影響は与えないのでしょうか。
授乳中のカフェイン摂取はなぜ良くないの?
授乳中のママにとって、カフェインは非常に懸念される成分ですよね。
なぜなら赤ちゃんに悪影響を及ぼすといわれているからです。
妊娠中に胎盤を通じてカフェインが胎児に吸収されると、中枢神経が刺激され、発育障害や死亡リスクを招くといわれています。
またカフェインは胎盤を流れる血液にダメージを与えるため、胎児が低酸素状態に陥る危険があります。
またカフェインは妊婦さんにとっても、あまり良くない成分です。
妊娠期に欠かせない鉄分やカルシウムを、カフェインは排出させてしまう作用があるからです。
出産後は授乳を通じてカフェインが赤ちゃんに吸収されてしまいます。
カフェインの覚せい作用が赤ちゃんに伝わると、興奮して泣き止まなかったり、イライラしやすくなります。
また乳児の突然死の原因の一つにカフェインの摂取が挙げられています。
このようにカフェインは赤ちゃんとママにとって控えるべき成分であることがわかりました。
では授乳中のママは、玄米茶を飲んではいけないのでしょうか。
カフェイン少な目だけど授乳中に玄米茶を飲んでも大丈夫?
授乳中だからといってカフェインを全く摂らないのも難しいものです。
カフェインが極端に多いエナジードリンクなどを飲むのは論外ですが、もともとコーヒー好きだった方がコーヒー断ちをしなければならないのは精神的にもキツイものです。
カフェインレスコーヒーなどで乗り切るようにしてくださいね。
同様に緑茶が大好きなかたは、少しでもカフェインの含有量が少ない玄米茶に切り替えてみるのもいいかもしれません。
緑茶の風味に玄米の香ばしさが加わるので、フレッシュに感じられそうです。
また玄米に含まれるギャバに、ストレスを鎮めリラックスさせる効果があるため、授乳中のイライラを解消し、落ち着いた気分にさせてくれることでしょう。
とはいえ無制限に飲むのは禁物です。
少量とはいえカフェインが含まれているのですから、摂取量には十分注意を払ってください。
だいたい1日に100㎎以下のカフェイン摂取なら、授乳中であっても問題ないそうです。
玄米茶の場合、1日に1000ml以下であればOKといえます。
500mlのペットボトル2本分、湯呑なら1杯分を150mlとして数杯程度が1日の目安です。
ほとんど制限がないといっていいくらいのレベルですよね。
これ以上は摂取しないようにと気を付けて飲む限り、玄米茶はママにとって気持ちの落ち着く至福の1杯となることでしょう。
玄米茶のほかに授乳中でも飲んでいいお茶はある?
1日に数リットル以上を飲まない限り、カフェインが赤ちゃんに悪影響を及ぼすことはないと断言する助産師さんもいますが、授乳中のママにとって、やはりカフェインは気になりますよね。
玄米茶の摂取量にこだわるあまり神経質になるくらいなら、すべてカフェインレスの飲みものに切り替えてしまえばOKです。
お茶ならカフェイン含有量ゼロの麦茶がおすすめです。
夏はもちろん、冬の温かい麦茶もおいしいですよ。
他にはハト麦茶、タンポポ茶、ルイボスティー、ごぼう茶、黒豆茶、どくだみ茶、甜茶、そば茶などがあります。
特にルイボスティーは母乳の出が良くなるといわれています。
愛飲しているかたが増えています。
また最近はノンカフェインのお茶も登場していますよね。
気分転換もかねていろいろためしてみるといいのではないでしょうか。
授乳中のママ注目!玄米茶の優れた栄養効果とは?
カフェイン含有量の少ない玄米茶には、一般的な緑茶にはほとんど含まれていない栄養素がぎっしり詰まっています。
なぜなら完全栄養食といわれる玄米がブレンドされているからです。
玄米とはもみ殻だけを取り除いたお米で、通常の精白米にはない糠や胚芽がまだ残っています。
そのためタンパク質やビタミン、ミネラルなどが豊富で、玄米だけで1日に必要な栄養素のほとんどが摂れるといわれています。
授乳中のママにとっても大切な栄養素のいくつかをご紹介しましょう。
・ビタミンB群
疲労回復効果があります。
代謝をアップさせるので脂肪の燃焼効果があります。
・ギャバ
アミノ酸の一種でストレスを解消し、脳の働きを正常に保ちます。
また優れたリラックス効果もあります。
・ビタミンE
抗酸化作用が高く、血管を若返らせ血液サラサラ効果があります。
細胞の新陳代謝をアップさせるので、老化を防止するアンチエイジング効果があります。
・タンパク質
体の根幹である筋肉を作り出します。
・ミネラル
血圧を下げて正常値に戻したり、浮腫みを解消する効果のあるカリウムや、血液に関与する鉄分、骨を強化するカルシウム、免疫力を上げ体の内側から強くする亜鉛、銅などさまざまなミネラルが含有されています。
そのほかにもデトックス作用のある成分や、腸内環境を整える食物繊維などが豊富です。
玄米茶を飲むだけでこれらの栄養が摂れるのですから、カフェインの上限量を守ったうえで日々味わいたいお茶です。
抹茶入り玄米茶って授乳中飲んでも大丈夫?
最近は抹茶がブームですね。
茶葉を挽いて粉上にしたものですから簡単に混ぜられるうえ、緑茶の栄養が丸ごと摂れると評判になっています。
玄米茶に加えられた「抹茶入り玄米茶」も人気です。
玄米の香ばしさに抹茶の風味が加わって、緑茶と玄米のダブルの良さが味わえるのが魅力です。
ただし気になるのがカフェインです。
100mlの玄米茶に含まれるカフェイン量はわずか10㎎ですが、抹茶は64㎎もあります。
玄米茶だけでしたら、一般的な緑茶よりカフェインが少ないのですが、抹茶が加わることでカフェインの量が元に戻るか、かえって増えてしまう可能性があります。
授乳中のママにとっては気になるところですよね。
ペットボトルなら成分表示をチェックしてみてください。
カフェイン含有量を確かめてから飲むようにしましょう。
カフェイン量はあまり気にせず、お茶タイムを楽しんで!
いかがでしょうか。
玄米茶は授乳中のママでも飲めるカフェインの少ない緑茶です。
常識の範囲内でいただく分には全く問題ありません。
それより玄米茶に含まれるリラックス効果や豊富な栄養素に注目しましょう。
赤ちゃんにとっても大切なものばかりです。
玄米の香ばしい香りに包まれていただく一杯は、育児の疲れをそっと癒してくれるはずです。
大切にしたい時間です。