スーパーや八百屋さんで山菜が出回り始めると、春を感じますよね。
栽培されている山菜で代表的なものは「うど」ではないでしょうか。
うどは捨てるところがなく、皮まで食べられる有名な山菜です。
特に、味噌とマヨネーズであえたものが絶品なんですよ。
うどの基礎知識や、調理方法を一緒に学んでいきましょう。
山菜の代表格「うど」
「うど」を食べたことはありますか?
漢字で書くと「独活」と書き、晩春から初夏にかけて収穫される山菜です。
ゴールデンウィークの時期などは、山菜採りでうど採集をメインとしたツアーなども組まれます。
たらの芽などと同じで、つぼみやまだ若い茎、芽の部分を食べる山菜で、香り高いのが特徴です。
山で採れるものは緑色が強いのですが、スーパーなどで手に入るものは白い色をしています。
これは陽に当てずに育てるからで、山で採れるものは山うど、白いものは白うどなどと呼び分けます。
山うどは少々アクが強く、白うどはアクが少ない分風味がやや弱いです。
天ぷらや酢味噌和え、ぬた、味噌汁の具、煮浸し、サラダやきんぴらと、様々な料理に使えるのが魅力です。
もちろんそれらの食べ方も非常に美味しいのですが、うどのような食べ応えのある山菜は、軽く火を通してマヨネーズと味噌で食べると絶品なんですよ。
サクサクとした歯ごたえに、軽い山の風味がして、「ああ、春も終わって初夏が来るんだな」と実感する味になります。
アクも気にならないので、子どもが山菜に親しむのにもぴったりの一品です。
「うど」の基本的な食べ方、アク抜きの方法
それでもアクは子どものお腹に良くなかったり、大人でも苦手な方がいます。
うどのアク抜きの簡単な方法があります。
下ごしらえの方法と同時に、アクを抜く方法も伝授しますね。
まず、うどは太い茎、細い茎、穂先に切り分けます。
こうすることで火の通りを後ほど均一にできますので、これは必ずやりましょう。
太い茎は節ごとに切り分けて、皮を剥きます。
皮の周りはアクが強いのでこうしますが、皮も食べられるので捨てずにとっておきましょう。
繊維に沿って縦に包丁を入れ、食べやすい大きさにしたら酢水にさらします。
酢水は水400ccに対し酢を小さじ1程度の濃度にしましょう。
さらし過ぎますと水っぽくなりますので、10分程度を目安にしてください。
この下処理をしたうどは、茹でて味噌とマヨネーズであえたり、ホイルに包んで焼いてタレをつけて食べたりします。
皮はきんぴらなどにすると無駄がなくて良いです。
味噌とマヨネーズの組み合わせは奇跡!?
うどを味噌とマヨネーズであえる時には、砂糖を少々入れてあげるとうどの風味が引き立ちます。
子どもも食べやすい味になるので、ぜひチャレンジしてみてください。
味噌とマヨネーズの組み合わせは、どの山菜を食べるに当たっても、とてもあいます。
ワラビを食べるときはお醤油でおひたしに、という家庭が多いかと思いますが、これも味噌とマヨネーズ、少々のお醤油であえるととても美味しいんですよ。
山菜だけでなく、野菜スティックを食べたり、キャベツを食べるときなどにも味噌とマヨネーズのタレというのはとても食が進みます。
キュウリや大根、にんじんなどを食べる時にもぴったりのタレになるんです。
味噌は発酵食品で体にとてもいいですが、たくさん使いすぎると塩分をとりすぎてしまいます。
元々が塩味がきつい保存食なので、それだけで食べるのは少々飽きてしまいます。
しかし、味噌にマヨネーズを加えるだけで、食べ飽きない魅惑のタレになるんです。
マヨネーズの卵と油が、味噌の塩味をマイルドにしてくれるんですね。
さらにお酢が加わることで、さっぱりとしてたくさん食べられるようになるんです。
最近の市販の味噌は減塩タイプも多いですが、そのぶん旨味が足りないものもあります。
そういったものにマヨネーズを加えるだけで、酸味とコクが加わって大変美味しくなります。
コクが足りない場合は砂糖を少々足してあげると良いです。
辛いものが好きな方は豆板醤やコチュジャンを加えるのも良いですね。
うどには味噌マヨネーズが一番合う!
うど本体、特に白うどには癖がないぶん、風味というものも強くは感じられません。
山菜は油っ気を足してあげるとより美味しく食べられるのですが、天ぷらだけでは飽きてしまいますよね。
たくさんもらっても、天ぷらでは量も消費できません。
特に太い茎の部分は、天ぷらよりも和え物などに向いています。
その際に、味噌とマヨネーズであえる方法を試してみてください。
うどは淡白な山菜なのですが、それを味噌の発酵した旨味とマヨネーズのコクが支えて、非常に美味しい一品になります。
お酒にもご飯にもあう料理として、今では立派に浸透した調理方法なのです。
香りが逃げてしまったうどを使う際には、すりごまを足してあげると良いです。
すりごまはすりたてが一番美味しいので、小鉢であたるか、指先ですり潰して加えてみてくださいね。
大人にはワサビを加えた味噌マヨネーズであえたものを出せば、その風味の良さに驚くはずです。
がっつり食べるおかずにしたい!という方は、イカや豚肉などを一緒に味噌マヨネーズで炒めてみてください。
他の調味料で料理することが考えられないぐらい、ボリュームがあって満足度の高い一皿になります。
味噌とマヨネーズ、こんな山菜にも
うどだけでなく、味噌とマヨネーズの組み合わせは、さまざまな山菜に応用できます。
例えば東北では「しどけ」という山菜を食べますが、これはアクが強く、山菜慣れしていないと少し食べづらいものです。
しかししどけを味噌漬けにすると、そのアクがさっぱりと抜けてくれます。
少しだけ塩抜きをして、マヨネーズをつけて食べると、しどけの本来の魅力や野性味に気づくことができます。
また、四国では「いたどり」という山菜がワラビより珍重されます。
これはシュウ酸と呼ばれるアクを含んでおり、そのまま食べられるのですが酸っぱさが目立ち、生でたくさん食べるとお腹を下してしまいます。
このいたどりも塩茹でしてアクを抜いて、おひたしのように味噌とマヨネーズで食べると絶品なのです。
味噌とマヨネーズの組み合わせには、味をマイルドにしてアクを弱める効果があります。
山菜や野菜に味噌とマヨネーズをつけると美味しいのは、各地方でも実践され知られていることなのですね。
山菜+味噌+マヨネーズは誰が考えた?
タケノコやうどなどの山菜に味噌とマヨネーズをつけて食べる方法は今では一般的ですが、この食べ方を最初に発案した人は誰なのでしょうか?
東北地方の山岳ガイドや山菜ツアーガイドの方などは、昔から味噌とマヨネーズを山菜につけて食べる方法をツアー客などにおすすめしてきました。
実際タケノコの季節などになると、ガイドが山の中で焚き火を起こし、そこにアルミホイルでくるんだタケノコを放りいれ、焼けたら味噌とマヨネーズで食べる、というものをテレビなどで見ることがあります。
80~90年代に食通として有名だった作家が、エッセイに、野菜を生で食べるときは味噌とマヨネーズを混ぜたものをつける、と発言しています。
これが90年代初期のことですから、それより前から味噌とマヨネーズの組み合わせは存在していたことになります。
もしかしたらこういったエッセイなどから味噌とマヨネーズを合わせるという方法は広まっていったのかもしれません。
30年近く前から味噌とマヨネーズの組み合わせは「野菜や山菜にあう」とされていたのですね。
「うど」をはじめとした山菜を食べる楽しみ
山菜は季節が限られていることもあり、「旬」を味わうのにとても重要な役割を果たしてくれます。
うどが出始めると「春も中頃だな」と気づきますし、その時期しか食べられないものを調理する楽しみもあります。
味噌とマヨネーズを上手に使用すると、どんな山菜でも美味しく食べられるので、ぜひこの組み合わせを試してみてください。
山菜の思わぬ魅力に気づくきっかけになるかもしれません。