暑かったり寒かったり、天候の関係で価格の変動が激しくなってしまうのが野菜です。
その中で唯一、低価格で私たちの食卓に提供されるもやし。
もやしは、どんな時でも一袋20円から50円くらいの価格で販売されています。
野菜炒めにして良し、サラダの具や焼きそば、味噌汁やラーメンの具にしても良しのもやし。
もやしを漢字で書くと「萌やし」。
そんな家計に優しく癒される、萌えのもやしの味噌汁について、ご紹介していきましょう。
味噌汁の具に使うもやしの種類
もやしには、アルファルファもやし・大豆もやし・緑豆もやし・ブラックマッペもやしの4種類があります。
まず初めに、その4つのもやしの種類と特徴をご紹介しましょう。
アルファルファもやしは、別名糸もやしといって、元は牧草として育てられていた種を原料としています。
最近は食物繊維と葉酸の多さが注目されて、スプラウトなどと一緒に、サラダなどの具として使われるようになりました。
すぐに火が通るので、味噌汁の具としても利用することができます。
一般的に使われるのは、大豆もやしです。
大豆がついた豆付きのもやしもありますが、豆がないものでも食物繊維と葉酸・カリウム・ビタミンB2を豊富に含み、ダイエット食としても人気です。
味噌汁や炒め物、サラダの具など幅広く利用されて、スーパーなどで販売されている量も一番多いのが、この大豆もやしです。
日本では一番古くから食べられてきた大豆もやしですが、現在はほとんどの原料となる大豆は中国産で、次いでアメリカやカナダ産となっています。
国産の大豆もやしというのはほとんどありません。
緑豆もやしは、小豆の近緑種の緑豆を発芽させたもので、栄養価は大豆もやしよりも劣りますが、食物繊維と葉酸を含む水分の多いもやしです。
ブラックマッペもやしは、黒緑色のけつるあずきの種子を栽培したもので、もやしの中で最もビタミンCが多いのが特徴です。
このように、大きく分けると4種類のもやしがありますが、私たちが日ごろ味噌汁の具として一番多く使うのは、やはり大豆もやしになります。
味噌汁の具をもやしにしたときの栄養価
もやしは大豆から作られる野菜で、豆もやしと言われますが、ほとんどたんぱく質は含まれていません。
もやしの95%は水分でできていますので、栄養価は低い野菜です。
しかし、その栄養価が低いもやしですが、低価格のため他の野菜よりも多く食べることができます。
もやしは100gで30円、同じ30円分の他の野菜と比較するとピーマンなら1個、にんじんなら1/3個、玉ねぎなら1/2個、レタスやキャベツなら1/10個くらいです。
すると、同じ値段分のピーマンやレタスはわずか30gになってしまいます。
キャベツなら70g、玉ねぎなら90gです。
味噌汁の具に、同じ価格分のキャベツともやし、玉ねぎを使うとします。
同じ価格分の分量なら、大豆もやしは葉酸ならキャベツの1.5倍、玉ねぎのおよそ6倍、食物繊維は玉ねぎの1.4倍になります。
ビタミンB1、B2はレタスの6倍以上になります。
100gなんて食べられないと思われるかもしれませんが、100g入りのもやしは一番小さい袋で、炒めたら1人分、味噌汁でも2~3人分の量にしかなりません。
もやしは大した栄養がないと思われますが、たくさん食べても家計に影響が少ないと思えば、たくさん使いたくなります。
安くてたくさん栄養が入っているもやしは、味噌汁の具にすると色々良いことがありますね。
夏でもあっさりもやしの具の味噌汁
夏でもさっぱりの、もやしの味噌汁をご紹介しましょう。
暑い季節は、あまりこってりした味噌汁は食べたくないという人もいるでしょう。
もやしはシャキシャキした食感が、夏の味噌汁の具として最適です。
さらに夏野菜のひとつ、ミョウガを入れることで、よりあっさりとした食感が楽しめます。
ネギは冬野菜ですが、最後に生のネギのみじん切りを入れるのも、さっぱりとした苦みが楽しめるので美味しいです。
夏野菜の一つ、ナスともやしの味噌汁もあります。
ナスはそのまま味噌汁に入れると、フニャという食感になってしまい、味噌汁としては好きではないという人もいます。
そこで、ナスを味噌汁に入れる時は、先にナスを焼いておきます。
もやしの味噌汁に焼いたナスとおろし生姜や千切り生姜を乗せます。
さっぱりとした味噌汁を熱いまま食べるのではなく、冷たくすると味噌汁だけではない利用の仕方もできます。
ちょっと濃い味付けにしたり、味噌を八丁味噌に変えると、素麺や冷や麦の漬け汁としても使えます。
みりんとミョウガを加えると、埼玉県の川島町の郷土料理、冷や汁うどんの漬け汁にもなります。
味噌汁はそれだけで大豆のたんぱく質・塩分・カリウム・ビタミンC・食物繊維・水分を摂ることができます。
塩分が心配という人もいますが、野菜をたくさん入れることでバランスが取れますので、熱中症の予防にもなります。
出汁のプロが勧める定番のもやしの具の味噌汁
どの家庭でも味噌汁はおふくろの味で、それぞれ作り方も色々あります。
本格的な出汁を取る家庭、市販の出汁を使いながらも、手作りの味噌を使う家庭と色々です。
それでは、出汁メーカーが推薦する、もやしを具に使った味噌汁を2品ご紹介しましょう。
まずは「大豆もやしとにらの味噌汁」です。
【材料 4人分】
・大豆もやし 1袋(100g)
・にら 1束
・水 700ml
・顆粒出汁 7g
・みそ 50g
・すり白ごま 10g
【作り方】
①大豆もやしはひげ根を取り、にらは5cmの長さに切ります。
②鍋に水を入れて火にかけ、煮立ったら顆粒出汁①の大豆もやし・にらを加え、中火で1~2分煮ます。
③火を弱め、みそを溶き入れて、沸騰直前で火を止めます。
④器に盛り、すり白ごまをふります。
食品を製造するほとんどのメーカーでは、自社の製品の販売促進のために、調理師や管理栄養士の免許を持つ者が、こういったレシピを提供しています。
専門の人が栄養配分を考えて作っているものもありますので、迷ったときは参考にしてください。
こちらの味噌汁では、一人当たり、100gの野菜を摂ることができます。
味噌の老舗お勧めのもやしの具の味噌汁
それでは続いて、「しゃきしゃきもやしとのりの味噌汁」です。
【材料 4人分】
・大豆もやし 120g
・焼きのり 8枚
・水 650ml
・顆粒出汁 6g
・みそ 50g
【作り方】
①大豆もやしは洗ってひげ根を取ります。
②分量の水を煮立たせ、顆粒出汁と味噌を溶かします。
③もやしを加えて20~30秒ほど煮たら汁椀に等分に分け、焼きのりを手でちぎって等分に乗せます。
液味噌を使う場合は、普通の味噌よりも、さっと溶けるので煮溶かす手間がなく、出汁も入っていますのでもっと簡単に作れます。
海苔は1人2枚分は多いという人もいますので、好みで入れることをお勧めします。
海苔の代わりにあおさ海苔でも美味しいですね。
健康を考えて塩分を控えめにしたい人も、こちらのレシピを参考に、味噌の量を考えて使用してもらえると良いのではないでしょうか。
もやしは色々な野菜とも相性がいいので、色々な野菜を入れた味噌汁はカリウムも多く、味噌の塩分が気にならなくなります。
もやしを使った味噌スープ
もやしを生のまま味噌汁に入れるのもいいですが、さっと炒めてスープ風にする方法もあります。
色々なサイトで紹介をしていますが、味噌スープとして作ることで、和風の料理にしか合わなかったもやしの味噌汁が、牛乳・中華味の出汁・鷹の爪・豆板醤・ごま油を入れることで洋風にも中華風にもなります。
味噌スープにすると、色々な料理に合うだけでなく、入れる具のバリエーションも広がります。
味の素のレシピにあったようなニラやナス、卵だけでなくしめじやえのきといったキノコ類、キャベツや玉ねぎを入れて、よりたくさんの野菜を摂ることもできます。
成人が一日に必要な野菜と果物は合わせて500gですが、味噌汁だけで100g以上、味噌スープなら150g以上摂ることができます。
味噌スープにすることで、冷製スープにもなったり、身体が温まるスープにもなり、一年中楽しむことができます。
具をたくさん入れると、それだけでメインのおかずとしても使えますので、面倒な時は便利ですね。
それでは、簡単なもやしの味噌スープのご紹介です。
【材料 4人分】
・もやし 100g
・玉ねぎ 1個
・えのき 1束
・にら 1/2束
・ネギ(アサツキのような小葱) 1~2本
・水 700ml
・鶏ガラスープの素 10g
・おろしにんにく 小さじ1
・おろし生姜 小さじ1
・豆板醤 小さじ1
・味噌 大さじ2
・ごま油 少々
【作り方】
①野菜は洗って、もやしはひげ根をえのきは根を取り、えのきとニラは5cmくらいに切ります。
②玉ねぎは薄い櫛形に切り、小葱は小口切りにします。
③鍋に水と鶏ガラスープの素、野菜を入れて沸騰させないように煮込みます。
④玉ねぎが半透明になったら、味噌とごま油以外のものを入れます。
⑤最後に味噌を溶かし、ごま油を入れたら器に盛りつけます。
具だくさんなので、そのままで十分なおかずになります。
安くて美味しいもやしの味噌汁
もやしは安くて美味しいのに、色々なバリエーションの味噌汁が作れる万能野菜です。
お財布がさびしい時でも、手に取りやすい野菜です。
暑い夏も、寒い冬もいつもそこにあるもやし。
具だくさんの味噌汁から、あっさり味噌汁まで作れます。
もやしは味噌汁だけでなく、味噌スープや味噌ラーメン、麺の漬け汁にも便利です。
ちょっと買い物に行ったとき、もやしを一袋購入して、今日の味噌汁の具にしてみませんか。