一言で牛乳といっても、濃厚牛乳や無脂肪牛乳、低脂肪牛乳など色々な牛乳があります。
含まれる成分によって同じ大さじ1でもカロリーが違ったり、入っている栄養素が違ってきます。
お菓子や料理のレシピでは大さじやカップで書かれていますが、牛乳の種類は指定していませんよね。
それでは、同じ牛乳でも種類によって、どれくらいカロリーが違うのか、入れるお菓子によってどれくらいカロリーが違うのかをご紹介しましょう。
搾りたての牛乳大さじ1のカロリー
日本では、生乳・普通牛乳・加工乳・脱脂乳が製造されています。
生乳の中にもジャージー種とホルスタイン種があり、種類の違いでもカロリーが違います。
生の牛乳、生乳は乳牛からしぼったままの乳で、日本で飼育されているのはほとんどがホルスタイン種です。
一般的には、スーパーなどで生乳は購入することができません。
なぜなら生乳はその名前の通り、「生の牛乳」で搾りたての乳のことだからです。
搾りたての乳は細菌が含まれるため、食品衛生法によりそのまま販売されることはありません。
そのため、生乳は一般的に、チーズやアイス・粉ミルク・乳酸菌飲料に加工されて販売されています。
生乳を乾燥させて作られるのが粉ミルク、発酵させるとチーズや乳酸菌飲料になります。
バターは生乳を分離させて作られるものです。
搾りたての生乳のカロリーは、ホルスタイン種が100g当たり66kcal、ジャージー種が100g当たり88kcalになります。
牛乳の大さじ1は15ml=15gになりますので、ホルスタイン種は9.9kcal、ジャージー種は13.2kcalとなります。
同じ生乳でも、大さじ1でホルスタイン種の方が3.3kcalも低カロリーになります。
グリコのアイス「牧場しぼり」や、小岩井のヨーグルト「生乳100%ヨーグルト」は生乳を搾りたてのまま加工した、牛乳本来の美味しさを味わうことができますよ。
普通牛乳大さじ1のカロリーは?
スーパーに並ぶ牛乳を、普通牛乳といいます。
大手の乳製品メーカーはもちろん、プライベートブランドや地元の小規模ブランドも多く、日本ではたくさんの普通牛乳が作られています。
大手の乳製品メーカーが作る普通牛乳の多くは生乳を加熱圧布し、容器に詰めたものです。
日本では牛乳パックと呼ばれる特殊な加工を施した紙容器に入っており、200ml入り・500ml入り・1000mlが主流ですが、900ml入りというのも増えていました。
普通牛乳と呼ばれる牛乳は、脂質の割合が100g中3.5~3.8gとなり、脂肪の比率が3.5~3.8%以を普通牛乳といいます。
普通牛乳の100g当たりのカロリーは平均67kcalです。
カロリーは乳脂肪の量やたんぱく質のによって違うようで、明治おいしい牛乳は乳脂肪3.5%以上で100g当たりのカロリーは68.5kcalになります。
雪印メグミルクは同じ3.5%以上ですが、カロリーは66.5kcalです。
元々の生乳の産地などによっても違うのかもしれませんが、普通牛乳の場合は大さじ1の15gにすると、およそ10kcalになります。
ほかにも、100g当たりのカロリーは森永のおいしい牛乳は68.5kcal、トップバリューの成分無調整牛乳は66.5kcal、小岩井農場の牛乳は69kcalと同じ普通牛乳でも色々あるのです。
体育会系が好きな特濃牛乳のカロリーの大さじ1
高校生に牛乳の飲み比べをすると、体育会系とそうでない人の牛乳の好みが明らかに分かれます。
一番人気のある牛乳は飲みなれている普通牛乳ですが、体育会系の高校生は「特濃牛乳」または「濃厚牛乳」を、体育が苦手な高校生は「低脂肪牛乳」をおいしいという傾向があります。
特濃牛乳は普通牛乳と比較し、乳脂肪が多く100g中の脂質量が3.8~4.3g、脂肪の比率は3.7%以上になります。
森永の濃厚エースミルク、小岩井まきば濃いミルク・小岩井農場特選牛乳、よつ葉特選北海道十勝4.0牛乳などがありますよ。
いずれも100g当たりカロリーは71kcalと高く、エネルギーを必要とする体育会系の高校生には自然と欲しくなる味なのかもしれません。
濃厚牛乳の中でも特に脂肪分が多いのが、スーパーでも良く見かける雪印の特濃と、メイトーの濃厚4.4です。
雪印の特濃は、乳脂肪は4.3%でカロリーは74.5kcal、協同乳業のメイトー濃厚4.4は、乳脂肪が4.4%でカロリーも100g当たり75kcalになり、脂質量はいずれも100g中4.65gです。
メイトーの濃厚4.4は大さじ1にすると11.25kcalで、コーヒーにちょっと入れるだけでも普通の牛乳とカロリーが違ってきますね。
カフェオレならコーヒーと同じ分量の牛乳を入れますので、カロリーがかなり違ってきます。
メイトー、雪印の牛乳はスーパーでも見かけることができますが、森永のエースは配達のみで、小岩井の牛乳もメーカーからの直接の配送になり、普通のスーパーではなかなか購入することができません。
牛乳が好きな人の中では特濃や濃厚の方が好きという人も多いので、メーカーからの直送の牛乳や配達の牛乳を取り寄せている人もいるようですよ。
牛乳本来のおいしさを感じたいかたには、おすすめの牛乳です。
低脂肪牛乳のカロリーの大さじ1
運動は苦手、どちらかというと文科系の人が好きな牛乳は、普通牛乳に次いで低脂肪牛乳、無脂肪牛乳になりました。
運動を常日頃から行っている体育会系の高校生と違ってエネルギーの使い方が違うのか、濃厚な牛乳よりもあっさりとした低脂肪乳の方が好まれるようです。
アメリカでもローファット・ノンファットミルクと呼ばれる低脂肪乳・無脂肪乳は健康志向の人には人気の牛乳です。
スーパーでも低脂肪乳がたくさん販売されていますが、ただ脂肪分を減らしてしまうと脱脂粉乳のようになってしまうため、加工乳として販売されているものがよくあります。
スーパーで良く見かける明治おいしい低脂肪は脂質が100g当たり1.2gで、脂肪分は1.2%、カロリーは49.5kcalになります。
雪印で販売している低脂肪乳は、「雪印すっきりCa鉄」でカルシウムと鉄を強化した低脂肪乳になります。
脂質は100g当たり0.6gとかなり少なく、脂肪分は0.7%、カロリーも100gで37kcalとかなり低めです。
健康診断などで体脂肪やコレステロールが多めで注意されているけれど、骨密度も落とせないという中高年の女性には人気の牛乳です。
小岩井では低脂肪のほかに、なかなか普通のメーカーでは見かけることが少ない無脂肪の牛乳も製造しています。
低脂肪乳は脂質が100g当たり1.5gでカロリーは48kcal、無脂肪乳はその名の通り、脂質は0gでカロリーが34kcalになります。
大さじ1では、わずか5.1kcalです。
ほとんどがたんぱく質と乳糖のカロリーになりますので、脂質が気になる人にはおすすめの牛乳です。
ほかにも、よつ葉乳業の無脂肪乳もありますが、こちらも脂質が0gで100g当たりのカロリーは34.5kcalと、同じ牛乳でも濃厚牛乳の半分になります。
小岩井やよつ葉は生乳の質が高く、牛乳本来の美味しさを味わえる牛乳です。
無脂肪乳でもただの脱脂粉乳ではない、牛乳の味を味わうことができますよ。
コーヒー・紅茶に入れる大さじ1の牛乳のカロリー
コーヒーや紅茶をブラックやストレートで飲むのもおいしいですが、大さじ1杯分の牛乳を入れるだけで、栄養価が少し違ってきます。
コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは頭をすっきりさせる作用がありますので、朝起きたら必ず飲むというかたもいらっしゃることでしょう。
しかし、ブラックのコーヒーやストレートの紅茶だけでは糖質を摂ることができないため、肝心の血糖値や体温は上がらず、結局脳が目覚めることはありません。
そこで、大さじ1~2杯程度の牛乳を入れてみましょう。
できればカフェオレやミルクと砂糖を入れたミルクティーの方がおすすめですが、甘いものが苦手という人もいますね。
大さじ1~2杯くらいの牛乳は、ほんの少しコーヒーの味をまろやかにするだけで、甘すぎて後味が悪いということを最小限に抑えることができます。
さらに、牛乳は大さじ1でも10kcal摂ることができます。
カフェオレにすれば、50kcal以上摂ることができます。
ほかにも果物やチーズを一緒にとって学校や職場に向かえば、ただのブラックコーヒーを飲むだけとは違い、カロリーを摂ることでしっかりと脳や内臓も働くことができます。
最近では朝食を抜くことが身体に悪いと、会社で朝ごはんを食べることができるサービスを行っているということをよく聞きます。
こういったことを率先してる職場や学校ならいいですが、そうでない場合は、忙しいからとブラックコーヒー1杯で終わらせずに、牛乳や乳製品の乳糖と果物のカロリーを摂るようにしてみましょう。
牛乳を使うスイーツのカロリー
牛乳を使うスイーツはたくさんありますが、ここで夏場にピッタリな牛乳を使ったスイーツをご紹介しましょう。
こちらは牛乳を200mlカップ1.5杯分のたっぷりな牛乳を使った抹茶のジェラートです。
【材料 6人分】
・抹茶 4g
・グラニュー糖 120g
・普通牛乳 300ml
・卵 小2個
・生クリーム 100ml
【作り方】
①抹茶とグラニュー糖大さじ1(用意した120gから)をふるって混ぜておきます。
②鍋にグラニュー糖50gと牛乳300mlを入れて、弱火にかけてグラニュー糖を溶かすように良く混ぜます。
③ボウルに残りのグラニュー糖と卵を入れて混ぜましょう。
④ボウルの中に、①を入れ、さらに②を入れて混ぜます。
⑤ボウルの中身を裏ごしをして、さらに火にかけて、とろみがついたら火からおろし、生クリームを入れて混ぜましょう。
⑥良く混ぜたら、冷凍庫で冷やし固めます。
⑦一度固まったら、もう一度フードプロセッサーなどで良く混ぜて、冷やし固めます。
こちらは1人分のカロリーが、208kcalです。
暑い夏、食欲がないときなどに糖質と脂質・たんぱく質・カルシウム・ビタミンなどを摂ることができる、デザートになります。
自分に合ったおいしい牛乳を見つけよう
日本では牛乳が一般的に飲まれるようになって50年です。
牛乳が当たり前の世代になってから、日本人の身長も平均で男子は10cm以上、女子でも10cm近く伸びています。
牛乳はわずか大さじ数杯でも、たんぱく質やカルシウムを摂ることができ、骨や歯を作るためのカルシウムを、最も吸収しやすい栄養成分になっている唯一の食品です。
牛乳は脂肪分の多さやメーカーによっても、カロリーだけではなく味にも違いがあります。
ご自身に合ったおいしい牛乳を見つけて、毎日コップ1杯分の牛乳を摂ってみましょう。