鮮やかな色のケーキ、クッキー、砂糖菓子。
どれも見た目からして美味しそうですが、きれいな色を付けるために欠かせないのが着色料です。
着色料に粉末と液体のタイプがあるのはご存知でしたか?
それらの使い方と、どんなものに入っているか、メリットなどをご紹介します。
着色料ってそもそもどういうものなの?
シュガークラフトやアイシングクッキーなどを鮮やかにするのに欠かせないのが着色料です。
着色料と一口に言っても、そもそもどういうものをそう呼ぶのかわかりにくいですよね。
「食用色素」や「食紅」などという呼ばれ方もします。
これらの食用の着色料には、食品を利用したものと「食品添加物」が存在します。
色を出すための色素もさまざまです。
・カラメル色素
・クチナシ色素
・アントシアニン色素
・アナトー色素
・パプリカ色素
・紅花色素
・紅麹色素
・フラボノイド色素
・コチニール色素
・アマランス
・エリスロシン
・アルラレッドAC
・ニューコクシン
・フロキシン
・ローズベンガル
・アシッドレッド
・タートラジン
・サンセットイエローFCF
・ファストグリーンFCF
・ブリリアントブルーFCF
・インジゴカルミン
と、実にたくさんの天然色素と合成色素があります。
合成色素は石油を使って作っているから危険!というイメージを抱いている人もいるかもしれませんが、実際には少量摂取するぶんには問題がないと言われています。
液体の着色料はギャバンから出ている「天然食用色素」や、アメリカなどで販売されている「Assorted」などがあります。
私は液体の着色料を使うときは「Assorted」を使用しています。
赤と黄色と緑と青が入っていて、お値段もお手頃でおすすめです。
一方粉末の着色料ですが、これは国内生産のものが多いです。
いわゆる「食紅」と呼ばれる着色料は粉末です。
お赤飯などに炊く際そのまま混ぜるほか、水やアルコールで溶いてからお菓子などに混ぜ込む使い方をします。
液体の着色料の使い方・メリット
液体の着色料は、すでに水やアルコールで溶いてある状態なので、簡単に使用することができます。
例えばお菓子の生地に混ぜ込みたいときなどは、卵や生クリーム、牛乳などに数滴落とし、混ぜてから他のものと混ぜるという使い方になります。
クッキーの生地などの場合は、着色したい生地に数滴そのまま落とし、こねると色が混ざります。
粉末のものと比べ、賞味期限が短いのが特徴です。
また、あまりたくさん使うと生地がゆるくなってしまうというデメリットもあります。
しかし、発色の調整がしやすく、水で溶く手間もないため、気軽にデコスイーツを作ることが可能です。
液体の着色料はセットで販売していることも多く、色数の多いものを作るときには重宝します。
粉末の着色料の使い方・メリット
次に粉末の着色料の使い方ですが、これは前述の通り水かアルコールで溶いてから使用します。
液体の着色料を使って色を濃くしようとするとなかなか難しいのですが、粉末の場合はある程度濃い着色を生地をゆるくすることなく仕上げることができます。
具体的な使い方ですが、耳かきのようなものでケースから取り出すか、ケースを傾けて着色料を取り出し、小皿に出して水かアルコールを数滴加えます。
これを生地やアイシングに混ぜ込み、色を調整していきます。
調整する際には、爪楊枝や竹串のようなものの先に溶いた着色料をつけ、少しずつ調整します。
溶いて使うので、混ぜ込み方自体は液体のものと似ています。
ただ、粉末の方が消費期限が長く、量も多めです。
色の調節に慣れている方は粉末の方がお得ですし使いやすいそうです。
粉末の着色料、原材料は一体なに?
いわゆる「食紅」と言われる粉末の着色料は、原料が天然のものと合成のものに分かれます。
天然のものは、クチナシから取り出した黄色の色素や、唐辛子やパプリカから取り出したオレンジ色の色素、ベニノキの種から抽出したあかり斧色素、クチナシの果実に酵素を加えて作り出した青系の色素などがあります。
天然の色素は使い方によって量が増えてしまいますので、必ずしも合成より優れているわけではありません。
また、合成の着色料ですと、食用赤色2号や食用赤色102号、食用黄色4号、食用青色5号などがあります。
合成の着色料は別名を「タール色素」といい、石油系のコールタールが原料となっています。
赤色2号、赤色3号、黄色4号などは、日本では使用が認められていますが、アメリカやドイツなどでは使用が禁止されています。
そのかわり、日本で使用が禁止されている赤色1号や赤色4号、赤色5号を使用している国もあります。
基準は一応決まっているのですが、各国ではバラバラになってしまっているのが現状です。
天然も合成も取りすぎなければ健康に害はないので、なるべく控えめな使い方をしましょう。
こんなものにも着色料は使われている
以前スターバックスが「ストロベリーフラペチーノの着色料を変更する」と言ったニュースが流れてきました。
当時は「ヴィーガン」と呼ばれる、完全菜食主義者が増えていた頃でした。
スターバックスはそれまで「コチニール色素」という、カイガラムシから抽出した赤系の粉末着色料をドリンクに使用していました。
しかし、そうするとヴィーガンがそのドリンクを飲めないというので植物性の着色料に切り替えるという声明を発表したのでした。
イチゴジャムや栗のシロップ煮などは、美味しそうに見せるために着色料が使われていることも多いです。
また、茶色くてこれはなにも入っていないな、と思っても、パッケージの裏をみると「カラメル色素」と書いてあることもあります。
人間はまず目で楽しんでから食事をします。
美味しく見せるための着色料の使い方は、その人間の欲望を叶えるためのものといっても過言ではありません。
味は悪くないけれど見た目が綺麗じゃない料理は、箸があまりすすみませんよね。
見た目を良くすることによって、消費者に「美味しそう!」と感じてもらうことが重要なのです。
粉末の着色料を使い方次第で華やかに
粉末の着色料の使い方で、「アルコールで溶かす」というものがある、とお話ししました。
水と何が違うの?と思う方が多いかと思いますが、アルコールで溶かすと、お菓子などに直接ペイントできるようになります。
溶かすためのお酒は、ウオッカやジン、スピリタスなどにします。
焼酎や日本酒は香りが強く、あまり向いていません。
透明で度数の強いものを選んで使用しましょう。
そうすると蒸発するのがはやいので、素敵なイラストをのせたクッキーやカップケーキが作れます。
現在市販されているプリントクッキーやプリントロールケーキなども、同じ方法で着色しているものがあります。
この手法はお菓子以外にも使うことができます。
着色料自体に味がついているわけではないので、お弁当の色付けやおかずへのペイントも可能なのです。
ただしお子様へ食べさせる場合は、しっかりアルコールが飛んでからにしてあげてください。
お弁当などに使用した時には、蓋を開けてアルコールが蒸発してから持たせてあげてくださいね。
着色料への偏見を払拭しよう!
着色料は粉末でも液体でも、「体に悪そう」というイメージを持たれてしまいますよね。
しかし、ちょっと見た目を華やかにするだけで、食の細い方がモリモリ食べてくれるようになったら、双方にとってとても嬉しい結果ではありませんか?
使い方次第でどんな変身もできる着色料。
上手に使って、みんなで幸せになりましょう。