豚肉の味噌漬けは、調理も簡単でごはんも進むおかずですね。
ただ、焼くときに「焦がしてしまう」、「硬くなってしまう」と焼き上がりが失敗してしまうことも多いです。
今回は、豚肉の味噌漬けの栄養価を見ていくと共に、味噌漬けの上手な焼き方についてご紹介していきます。
豚肉の味噌漬けは栄養価抜群
日本古来からの万能調味料の一つが「味噌」です。
大豆を発酵させて造られる味噌は、アミノ酸、ビタミン類が豊富な食品です。
さらに、大豆に含まれるイソフラボン、レシチン、サポニンという成分は、高い美容効果も期待されます。
次に、豚肉ですが、豚肉にはビタミンb1が豊富に含まれています。
このビタミンb1には、糖質をエネルギーに変える栄養素としては欠かせないものです。
そのため、疲労回復に効果があり、夏バテにも効果的として有名ですね。
さらに、中枢神経・末梢神経を安定させる働きもあります。
その他にも、ビタミンb2、ビタミンA、カリウムなどの栄養素も多く含まれています。
このように、多くの栄養素が詰まっている「味噌」と「豚肉」を一品で摂れるのが「豚肉の味噌漬け」です。
しかし、豚肉の味噌漬けの焼き方が上手くいかないという方も多いです。
そもそも、豚肉の味噌漬けに使われる調味料は、味噌だけでなく、「みりん」や「砂糖」などの甘い調味料も使用した、甘じょっぱい味つけです。
実は、甘い糖分は、塩に比べると焦げやすいという性質があります。
味噌漬けが焦げてしまうというのには、この味つけに問題があるのですね。
では、どうすれば焦がさずに美味しく焼くことができるのでしょうか。
味噌漬けを失敗しない焼き方って?
それでは早速、豚肉の味噌漬けを焦がさず、美味しそうに仕上げる焼き方をご紹介していきます。
一般的に、調理をする際は、具材を投入する前に、フライパンに火をかけますね。
しかし、豚の味噌漬けにいたっては、豚肉を投入してから、フライパンに火をかけます。
その理由としては、フライパンを熱した状態で豚肉を入れてしまうと、味噌がすぐ焦げてしまうからです。
また、火加減は、弱火から弱中火にしましょう。
豚肉をフライパンに投入したら、すぐ蓋をして蒸し焼きにしていきます。
数分焼いたら、一度豚肉の裏面を確認してみましょう。
軽く焦げ目がついているかと思います。
そうなったら、焦げ目がついているほうを上にひっくり返します。
さらに蓋をして4分ほど焼けば完成です。
ポイントは、やはり火加減と蒸し焼きにするということです。
味噌漬けはどうしても焦げやすいです。
火加減を見ながら、焦げそうなら火を弱めてください。
弱火でじっくり焼くことで、ジューシーで美味しい味噌漬けができますよ。
味噌漬けだけじゃない!低温での焼き方がポイント
豚肉の味噌漬けには、正しい火加減ができていれば、焦げつくといった失敗はありません。
実はこの低温調理には、お肉を焼くことに関してはとても理にかなっているのをご存知でしょうか。
特に豚肉は、「よく火に通さないと危ない」と耳にすることがあるかと思います。
そのため、焼きすぎてしまい、結果パサついたお肉になってしまった経験をした人もいるのではないでしょうか。
先ほど味噌漬けでご紹介した焼き方では、火加減を弱火から弱中火とお伝えしましたね。
実は、この温度は科学に基づいているのです。
お肉のたんぱく質は、温度が65度あたりから凝固作用が始まります。
その反動で、筋肉繊維が収縮し、肉汁が外に流れてしまうのです。
肉汁が流れ出てしまうと、うま味成分も一緒に流れ出てしまうので、固く美味しくないお肉になってしまいます。
そのため、お肉を焼くときは、65度以上にならないよう、弱火から弱中火がよいのです。
焼きあがりの目安としては、フォークなどでお肉を刺して、透明な油が浮き出たら中まで火が通っているサインです。
味噌漬けが固くなってしまう原因は焼き方だけではない?
豚肉の味噌漬けが焦げてしまうと共に、お肉が固くて失敗してしまうことがあります。
固くなってしまう理由は、
・強火で焼いている
・下処理ができていない
・漬け込み時間が短い
ことが理由として挙げられます。
先ほどお伝えしたように、強火で焼くとお肉が焦げつくだけでなく、肉汁も流れ出てしまい、ジューシーさが損なわれパサパサとした仕上がりになります。
特に厚切りのロース肉で作る味噌漬けは、固くなりがちです。
豚肉を柔かくするためには、弱火でじっくり焼くという焼き方が基本ですが、さらに、もっと柔かくするためには、お肉の下処理がとても大切になります。
お肉というものは、筋肉繊維の塊なので、火を通して水分が飛ぶと縮まります。
こうなると、身が縮んでしまい、固い食感になってしまうのです。
その収縮を抑えるために行うのが「筋切り」です。
筋切りを行う際は、脂肪部分に深い切れ込みを入れること、さらに、全体的に浅く格子状に切り込みをいれておきましょう。
このように全体に切れ込みを入れることで、まんべんなく筋肉繊維を断ち切ることができ、焼いても収縮をせず、柔かい美味しいお肉になるのです。
最後に、漬け込み時間ですが、味噌漬けは漬け込めば漬け込むほど柔かくなります。
二晩も漬け込めばお肉が熟成され、しっとりと柔かい豚肉になります。
漬け込み時間は、最低でも半日以上を目安に、時間の調整をしてみましょう。
あれを足すだけ!?柔かい豚肉にする方法
ここまで、豚肉の味噌漬けの焼き方や、漬け込み時間、下処理の方法についてご紹介してきました。
正しい焼き方と下処理をするだけで、驚くほど柔かく、ジューシーで美味しい味噌漬けができあがります。
ただ、漬け込み時間に関しては、「そんな前から漬け込んでいられない!」という方もいらっしゃるかと思います。
ここでご紹介するのは、ある食材を足すだけで、短時間で柔かく、さらに深い味わいでとても美味しい味噌漬けにする方法です。
味噌漬けに追加する、ある食材とは「プレーンヨーグルト」になります。
なぜヨーグルトなのか、といいますと、ヨーグルトに含まれる乳酸菌には、お肉の繊維をほぐしてくれる作用があります。
そのため、短時間でも柔かい仕上がりにすることができるのです。
厚切りのロース肉一枚分でしたら、いつもの調味料に大さじ半分ヨーグルトを加えてみてください。
ヨーグルトはお肉を柔かくするだけでなく、味に深みを出してくれます。
さらに、調味料として砂糖の変わりに「はちみつ」を足すという方法もおすすめです。
はちみつには浸透性がありますので、お肉の繊維に浸み込んで、焼いたときお肉のたんぱく質が固くなるのを防ぐ作用があります。
「漬け込む時間はないけれど、柔かくて美味しい味噌漬けが食べたい!」という方は、これらの食材を利用してみるといいでしょう。
美味しい豚肉の味噌漬けレシピ
最後になりますが、とっても美味しい豚肉の味噌漬けレシピをご紹介していきます。
~材料~
・豚ロース(厚切り)3枚
・みりん 大さじ1
・お酒 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・醤油 小さじ1
・ごま油 小さじ2
・にんにくすり下ろし少々(チューブ可)
・しょうがすりおろし少々(チューブ可)
~作り方~
以上の調味料をボウルまたは袋などで混ぜ合わせ、下処理を済ませた豚肉を漬け込んでいきます。
できれば半日以上漬けておくと、お肉も柔かく、味が馴染み美味しい味噌漬けになります。
漬け込んだ豚肉をフライパンて焼いたらできあがりです。
辛いのがお好きな方は、コチュジャンや豆板醤を加えてみるのもおすすめです。
もちろん焼き方は、何度もご紹介しているように、低温でじっくり焼くことがポイントですよ。
漬け込み時間が短時間になってしまう場合は、先ほどご紹介した「プレーンヨーグルト」や「はちみつ」を使ってみてみましょう。
調味料を入れて漬け込むだけで、立派なおかずになる豚肉の味噌漬け、ぜひ作ってみてくださいね。
味噌漬けの焼き方のポイント
いかかでしたか?
味噌漬けが固くなってしまったり、焦げついてしまう場合は、大抵は火加減が原因かもしれません。
美味しい味噌漬けにするコツは、きちんとお肉を下処理したり、漬け込み時間を長くするなど一手間加えることです。
こうすることで、普段よりも柔かくおいしい味噌漬けになります。
ポイントを押えて、美味しい味噌漬けを作ってみてくださいね。