近頃は、手作り味噌の材料や、容器がネット通販で買いやすくなりました。
しかし、容器の大きさはどのように決めればよいのでしょうか。
そこで、作る量の計算や、それによって決める容器の大きさについてお話します。
大きさの理由が分かれば、味噌専用でなくても自分の好きな容器を選べますよ。
作りたい味噌の量に合う容器の大きさとは?
手作り味噌を作る場合に、どのくらいの大きさの容器が必要なのでしょうか。
味噌を5㎏作る例です。
5㎏作る場合、容器の大きさは7~10Lが理想的です。
それは、次のような理由からです。
5㎏味噌を作ると、4人家族が毎日1食味噌汁を飲むとして、約2ヶ月弱持ちます。
出来上がり5㎏の味噌を作るのに必要な材料は、大豆、麹が各1kg、食塩が500gです。
大豆を浸水するのに必要な水は大豆の3倍、つまり3L、重さにして3kgです。
このように、出来上がりの味噌は5㎏でも、材料は8㎏もあります。
そのため、容器の大きさは7~10L必要なのです。
ほかにも、理由があります。
・仕込み中に材料を混ぜる
・重石を入れる(入れなくても構いません)
・発酵中に味噌のかさが盛り上がる
これらをするときに、材料が容器の高さすれすれまで入っていると、作業がしづらいです。
この5㎏の例を参照にして、余裕のある大きさの容器を選びましょう。
5㎏の大きさの容器を選ぶとよい理由
先程は、出来上がり5kg用の容器を例に挙げました。
ところで、「なぜ5㎏なんだろう」と感じませんでしたか?
実は、5kgの大きさの容器を味噌作りに使うと、よいことがあります。
まず、容器の種類が豊富です。
出来上がり5kgの味噌の大きさは、10Lの容器がおすすめです。
プラスチック、陶器、ホーローなどから選べます。
プラスチックや陶器は、味噌専用の保存容器がありますよ。
ネット通販の商品ページでは、実際に味噌を入れたイメージ写真付きの商品もあります。
味噌を作ったことがない初心者であれば、味噌専用容器は心強いですよね。
そして、大きさが場所をとらずに、ちょうどいいのです。
10Lのサイズは円筒型であれば、直径、高さともに30㎝未満です。
プラスチック容器であれば、全体の重さは8㎏程でそれほど重くありません。
寸法、重さ、ともにキッチンのキャビネットにおける範囲ですね。
味噌作りをしていると、発酵の様子が気になるものです。
目の届く範囲に置ける大きさであれば、手作りの過程を楽しめますね。
手作り味噌容器の口の大きさは作業効率にかかわる?
次は、容器の「口」の大きさです。
味噌作りで大事な作業のしやすさは、口の大きさにかかわります。
味噌作りの作業とは、仕込みをしたり、容器を持ち運んだりすることです。
ズバリ作業のしやすい容器は、口の大きさが広いものです。
プラスチック、ホーロー、ガラス、なんでも口が広い方がよいです。
・仕込みがしやすい
口が広いと、中で大豆と麹、食塩のかき混ぜがしやすいです。
味噌玉を投げ入れて空気を抜く作業は、容器の口に大きさがある方がよいですよね。
的が大きい方が、投げる腕に力を入れやすいです。
味噌を入れて表面を均すのも、手のひらに力を入れやすいです。
天地返しという、味噌の入れ替えも同様です。
・運びやすい
口に大きさがあって、両側にハンドルがあった方が運びやすいですよね。
腕をすぼめて運ぶよりも、腕を広げた方が力を入れて持ち上げやすいです。
ホーロー、ガラスなど容器が多少重くても、作業しやすくなります。
このように、手作り味噌の容器は、口の大きさが広い方がよいです。
店頭で、または容器の直径をチェックして作業しやすい口の大きさを選びましょう。
容器は大きければ大きい方がいい?
老舗の味噌蔵の木桶の大きさは巨大ですが、なぜあんなにも大きいのでしょうか。
それは、容器が大きい方が発酵が活発になるからです。
そして、手作り味噌の容器の大きさもできれば、大きい方がよいのです。
発酵は麹菌や酵母菌が多い程、活発になります。
味噌が多ければ、菌も多いということですね。
また、容器の外側よりも内側の方が温度が一定です。
内側の方が、熟成の環境が適しています。
内側の体積が広くなるので、容器は大きい方がよいのです。
大量生産のためでもありますが、味噌蔵の木桶が大きいのはこのような理由です。
味噌蔵では、熟成がまんべんなく進むように長い棒(櫂棒)で定期的に桶を混ぜます。
この櫂入れができる限界の大きさまで、味噌の容器を大きくしているのです。
そして、熟成が活発であれば、おいしい味噌が出来上がります。
しかし、自宅での手作り味噌に巨大な木桶というわけにはいきません。
ただ、家庭での手作り味噌は最低でも5㎏から作りたいです。
1年以上熟成するのであれば、なおさらです。
手作り味噌の容器、大きさの限度は?
手作り味噌の口は大きく、そして容器自体も大きい方がよいことが分かりました。
どちらにしても味噌を作る以上、できるだけ一度にたくさん作りたいですよね。
では、一度に作る場合、ひとつの容器の大きさの限度はどれくらいなのでしょうか。
ポイントは重さです。
容器自体の重さと味噌の重さを、一人で持ち上げられないといけません。
容器は大きい方がいいです。
しかし、作業のことを考えると、10㎏の味噌が入る容器が限度です。
もし、味噌を10㎏以上作りたい場合は、容器の数を増やしましょう。
味噌を仕込んだり、天地返しをするときに持ち上げて移動することもあります。
例えば、10㎏の米を買うことを想像してみてください。
買った後、運んだり、保存容器に移し替えたりすることが大変ですよね。
味噌の仕込みも同じです。
容器の容量の大きさは、10㎏の味噌を入れる容器は、12~15Lの大きさがよいです。
10㎏の手作り味噌の仕込みは、かなり時間も体力も消耗します。
しかし、容器が大きいと発酵がしやすい環境が作れます。
おいしい味噌作りのために頑張りましょう。
好きな大きさの容器ではじめる
はじめての味噌作り、できれば少量からはじめたいという人ももちろんOKです。
ご説明の通り、味噌作りの容器は大きさがある方がいいです。
しかし、半年間の熟成なら小型でも構わないのです。
気軽に準備してはじめましょう!
ジッパー袋とタッパー、2種類をご紹介します。
・ジッパー袋
1Lの大きさのジッパー袋でも味噌は作れます。
重石も熟成途中の天地返しも不要です。
ジッパー袋なら透明なので、味噌の色の変化やカビのチェックも簡単にできますね。
小さな容器でも、確保したいのは口の大きさです。
仕込んだ味噌を入れやすいです。
そして、ジッパー袋は口がジッパーで占められて、密封性が高いのがよいですね。
・タッパー
100均のプラスチック容器でも、手作り味噌は作れます。
蓋がシールのタッパータイプの方が、密封性が高いです。
ただし、出来上がり3kgにしたい場合は、ロック式の方がサイドに溝があって運びやすいのもがいいでしょう。
タッパー式、ロック式、どちらにしても味噌の表面をよくならしておきます。
手を入れやすい、口が広いものがよいです。
ロック式は密封性が少し劣るので、味噌をならした表面にラップを敷いておきましょう。
味噌作りは、はじめは無理をせずに、気軽にスタートしましょう。
味噌作りに慣れてきたら容器の大きさを変える
手作り味噌の容器、口の広さや大きさについてご紹介しました。
作業効率がよいので、容器は大きい方がよいです。
ただし、味噌の仕込みは最初が大変です。
わずか1㎏でも、鍋いっぱいの大豆を浸水からスタートしなくてはいけません。
ただし、おいしい味噌が出来れば、必ず次は作業性も改善できます。
まずは、少量からはじめてみませんか?