手作り味噌のよいところは、こだわりの原料で作れることです。
そして、作る過程を楽しめることです。
作る時も食べるときも、開けるのが楽しくなるような保存容器を使いましょう。
用途に応じて、いろいろな種類の容器があります。
知れば、すべて試したくなる味噌作りの保存容器をご紹介していきます。
手作り味噌に使う容器=半年間使う容器
「国産大豆と国産塩でおいしい味噌を作りたい」
そう思って、手作り味噌を始める人も多いのではないでしょうか。
手作り味噌の材料選びはワクワクしますよね。
しかし、材料とは別に、味噌作りに使う保存容器にも注目してほしいのです!
保存容器は、プラスチック、ガラスなどいろいろな種類があります。
共通するのは、熟成するために「半年間使う」ということです。
味噌を大量に作るのであれば、重さに耐えうる耐性が必要です。
水を吸った大豆は、2倍以上の量になります。
はじめて味噌を手作りする人が、保存容器が重くて、だんだん面倒になった、ということではいけません。
半年間、保存容器をストレスなく使えることが最低条件です。
これは、初心者、上級者の違いはありません。
味噌作りは、大豆を浸して、茹でて、潰して、寝かすという単純な作業です。
それゆえに、見た目を優先したり、家のもので適当に済ませたりしがちです。
しかし、その保存容器では味噌に適していないかもしれません。
そこで、これから手作りの目的別に、保存容器を5つに分けてご紹介します。
目的にピッタリ合った保存容器を見つけてください。
味噌の量で保存容器を選ぶ
保存容器選びで優先するのは素材です。
何人家族で、何か月分の手作り味噌のストックが欲しいのかを確認しましょう。
大豆、米麹が各1kg、食塩が500gで、5㎏作れます。
2人暮らしで半年分ほどの手作り味噌のストックができます。
・作る量が少ない=重い素材でもOK
5kgほどの量なら、作る味噌の量として少なめです。
おしゃれなものなど、デザインを重視してもOKです!
陶器やガラスなど、保存容器自体が重いものでもよいと思います。
・作る量が多い=プラスチック
その倍の、10㎏以上ならば、軽い素材のプラスチックにするべきです。
半年間の味噌作りで2回ほど、天地返しという作業が必要だからです。
重力が集中している底だけに熟成が偏らないように、味噌の表面と底を入れ替えることです。
天地返しの作業がしやすいように、広いスペースに保存容器を移動しないといけません。
運びやすい重さを選びましょう。
10㎏以上になると、味噌自体が重くなります。
大豆が水分を含むと、材料の倍以上の重さになるからです。
耐性が計算された、手作り味噌専用のプラスチック保存容器がおすすめです。
ちなみに保存容器の内側に、ビニール袋をセットすると天地返しがラクです。
10㎏もの味噌を、何回もすくって取り出す手間が省けますよ。
手作りの経験によって保存容器を選ぶ
何回も味噌作りをする方は、丈夫な保存容器がよいです。
味噌作りの長年の経験から、毎年同じ素材を使う人も多いです。
・初心者向け=プラスチック
いきなり大量に仕込むよりも、5㎏以下の少量からはじめる人がほとんどです。
上げ下ろしのしやすい、プラスチックがよいです。
また、初心者向けに、タッパーの保存容器と材料がセットになった手作りキットが販売されています。
やはり、値段が安いプラスチックの方が、手作りに挑戦しやすいということですね。
ただし、値段は安くてもよいので、毎回新品を用意してください。
プラスチックは汚れを吸着しやすいからです。
前に使った残りの菌が、味噌の熟成中に繁殖して、食中毒の原因になるカビが生えます。
手作り味噌を作る方には、必ず、手や保存容器を消毒するよう注意喚起があります。
そのくらい清潔に気を付けなくてはいけないのです。
・毎年作る人=ホーロー、プラスチック
ホーローは丈夫で、においが移りにくいので、何度も繰り返し使えます。
さほど重くないので、作業や移動が苦になりません。
そして、手作り味噌の達人に意外にも人気なのが、プラスチックの保存容器です。
一度に大量に仕込みをする人が多いからです。
「色々使ったけど、やっぱりプラスチックがいちばん!」とのことですよ。
味噌の作りやすさで保存容器を選ぶ
手作り味噌はシンプルな手順で作れますが、最初の準備に手間がかかります。
大量の大豆を煮たり、潰したりしなくてはいけません。
なるべく簡単に手作りしたい人におすすめの保存容器です。
・洗い物が少ない=ホーロー
大豆を水に浸す、直火で煮る、潰す、塩麹と混ぜる、味噌の保存まで、すべてひとつの容器で可能です。
ただし、ホーローの中でハンドミキサーを使わないようにしましょう。
傷がついたところから錆びて、保存容器の意味がなくなります。
潰すのはポテトマッシャーなどで、上から潰してください。
ちなみに、ポテトマッシャーは大豆を潰すのにいちばん使いやすいです。
ミキサーで大量の大豆を潰すのは、誤作動停止の原因になります。
ビニール袋に入れて足で踏んで潰すのも、熱くて大変です。
・重石を使わない=タッパー
熟成を均等にするために、通常は重石を使います。
一方で「使わない」手作り派の人もたくさんいます。
少量を作る場合は、そこまで熟成の管理に気を配らなくてもよいからです。
蓋を開けなくても、味噌の状態が分かるタッパーをおすすめします。
完成してからの保存容器としても使いやすいです。
手作りが楽しくなる保存容器
好きなデザインを使えば、味噌の手作りが楽しくなります。
何度か手作りしてコツがつかめたら、一生モノの保存容器を買ってみませんか?
・味噌を見せるデザイン=ガラス
ガラスは保存容器では一番デザイン性があります。
あえて味噌を見せるのも、ナチュラルなインテリアに合いますね。
そして実用性もありますよ!
熟成具合も蓋を開けずに確認できます。
ただし重いので、少量の味噌作りに使いましょう。
そして、インテリアになるのは使う時だけです。
基本は、冷暗所に保存しましょう。
・一見味噌が入っているのが分からない=ホーロー
ホーローは米を入れたり、ぬか漬けをしたり、保存容器の定番です。
すでに挙げた丈夫さの他に、デザインにも優れています。
つるりとした表面は機能とデザインを兼ねています。
光を通さないので、ガラスほど場所を選びません。
米は白、手作り味噌は黒、と色違いでホーローを並べるのも素敵ですね。
100均の保存容器で味噌を作る
100均の保存容器は、手作り味噌の強い味方です。
はじめて手作りする人はもちろん、作り慣れた人でも保存容器は100均で買う、という人は意外に多いです。
使い捨てしやすく、サイズも豊富です。
・タッパー
なんと最大5Lサイズまで、100均商品で取り扱いがありますよ。
手作りした味噌を、他の人におすそ分けできる大きさです。
余談ですが、その味噌を入れる保存瓶も100均で揃います。
かわいいデザインの、ガラス小瓶の種類が豊富です。
作る人も、もらった人も気軽に使えるのが、100均の保存容器のよいところですね。
・ジッパー袋
容器ではありませんが、100均の手作り味噌グッズとして人気です。
一見初心者向けと思いきや、実は上級者に使う人が多いのです。
柔らかすぎて、定期的にかき混ぜにくいためです。
少量なら混ぜなくてもよい場合もあり、見極めができる上級者向けの保存袋です。
保存容器の値段は手作り経験に比例する?
このように、軽いもの、お値打ちなもの、一生モノ、保存容器の種類は豊富です。
ホーローのご紹介が多くなりましたが、作る回数が増えるにつれて、容器の値段も高くなる傾向ということですね。
プラスチック派の手作り味噌プロさんも、手作り専用の、少しお値段高めの容器を使っています。
手作り味噌のこだわりは、保存容器の価格にも反映されるのでしょうね。