端午の節句によく食べる柏餅ですが、どの餡が好きですか?
柏餅の餡はこし餡・つぶ餡を食べる人が多いと思いますが、隠れた人気の味噌餡もあります。
味噌餡は関東・京都以外にはあまり見かけないため、味噌餡を食べたくてもなかなか買えません。
そんなときは、自宅で作ってみませんか?
おすすめのレシピをご紹介します。
柏餅にはどんな由来が?
柏餅といえば、端午の節句に食べる和菓子です。
なぜ柏餅を食べるのか、ご存知でしょうか?
端午の節句に食べるようになった由来を、ご説明します。
定着して端午の節句に食べるようになったのは、江戸時代の徳川九代将軍の頃といわれています。
柏の葉は神様へのお供え物の器として使われ、柏は神聖な木とされていて、新芽が出てからでないと古い葉が落ちないという特徴があります。
その特徴が、「子どもが生まれるまで親は死なない」と考えられ、子孫繁栄の意味が込められるようになったといわれています。
柏餅は主に関東で食べられていましたが、関西では柏の木がないこともあり、代わりに平安時代に中国から伝わった、ちまきを食べます。
ちまきには、邪気払い・厄祓いの力があるとされているからです。
柏餅の中の餡は、こし餡・つぶ餡が一般的ですが、当初は味噌餡・塩餡が一般的です。
砂糖が外国から輸入されるようになってから、塩味から砂糖が入った甘い味のレシピに変わっていったのです。
柏餅の基本のレシピ
柏餅の由来はお分かりいただけたでしょうか。
では、基本のレシピをご紹介します。
【材料 10人分】
・上新粉 300グラム
・ぬるま湯 250グラム
・砂糖 25グラム
・お好みの餡 200グラム
・柏の葉 10枚
【作り方】
①上新粉・砂糖を混ぜ合わせて、ぬるま湯を少しずつ入れて、よく混ぜます。
②ある程度生地がまとまったら手でなめらかになるまで捏ねて、ラップや袋に入れて30分ほど寝かします。
④寝かした生地を適当な大きさにちぎって丸め、濡れ布巾を敷いた蒸し器に入れて、30分ほど蒸します。
⑤蒸し終わった生地を、木ベラなどで潰してひとまとめにします。
まとまったら粗熱を取り、生地を等分していきましょう。
生地は丸型や小判型にします。
⑥生地で餡を巻き、蒸し器で10分ほど蒸します。
冷めたら、柏の葉を巻いて出来上がりです。
蒸し器が自宅にない場合は、耐熱ボールにラップをして電子レンジで温めると、蒸し器を使わなくても作ることが出来ます。
柏餅を食べるときに、葉の表面がつるつるしているのと、ザラザラしているものがあるのをご存知でしょうか。
表面がつるつるしている葉の表を外にしているとこし餡、ザラザラしている葉の裏を外にしていると味噌餡が入っています。
表面の葉で、どの餡が入っているかわかるので、覚えておくと便利です。
柏餅の味噌餡は定番?
柏餅には、こし餡・つぶ餡・味噌餡が入っていますが、よく見かけるのはこし餡とつぶ餡が多いです。
味噌餡は、なぜあまり見かけないのでしょうか。
その理由をご説明します。
柏餅は江戸時代から食べられるようになり、参勤交代によって全国に行き渡ったと考えられています。
当初はこし餡と味噌餡がメジャーでしたが、砂糖が普及しはじめると、味噌餡や塩餡を使っていた和菓子の代わりに、小豆と砂糖を使ったレシピが増えます。
そのため、関東以外ではこし餡の柏餅が主流になり、それ以外の地域では味噌餡は、あまり見かけることがなくなったのです。
関西より西には柏の木がないため、柏餅の代わりにちまきを食べる習慣があります。
ただし、和菓子の本場である京都では、味噌餡の柏餅をおいている店も多くあります。
端午の節句に食べるのは柏餅やちまき以外にもある?
端午の節句には、柏餅やちまきを食べる習慣がありますが、地域によっては、それ以外の食べ物でお祝いをするのを知っていますか?
今回はそれぞれの地域で食べられる、端午の節句の和菓子を一部ご紹介します。
☆朴葉巻(長野県)
米粉で作った皮に、こし餡や味噌餡などを包む、朴の葉で包んだ和菓子。
☆笹巻(山形県・島根県)
もち米をお団子にして、笹の葉で包み、蒸しあげたもの。
見た目はちまきに似ているため、ちまきと呼ばれる事もあります。
地域によって種類・形・製法などレシピが違います。
☆べこ餅(北海道・東北)
白と黒のもち生地を作り、木の葉の形に仕上げたもの。
地方によっては、餡ともち生地を練り込み、まだら模様に仕上げたものもあります。
白と黒模様がべこ(牛)のように見えるためや、米が貴重だった時代に米粉(べいこ)を無駄なく使っていたから、など名前のルーツは多くあります。
☆鯨羊羹(宮崎県)
もち生地を餡で挟み、鯨の形に仕上げた蒸し菓子。
日持ちがしないため、地元でしか買えない珍しいお菓子です。
他にも、一部の地域でしか食べれないお菓子はあります。
地元出身の方でも、知らないお菓子があるかもしれないので、一度探してみてはいかがでしょうか?
自家製の味噌餡レシピ
柏餅はこし餡やつぶ餡がよく販売されていますが、味噌餡はあまり見かけません。
しかし、味噌餡が食べたいときもありますよね。
そんなときは、自家製の味噌餡を作ってみませんか。
自宅でも簡単に作れる、おすすめのレシピをご紹介します。
『自家製味噌餡』
【材料】
・白こし餡 150グラム
・白味噌 50グラム
・砂糖 40グラム
【作り方】
①材料を全て耐熱ボールに入れて混ぜ合わせます。
②ラップをして電子レンジで1分ほどかけて、混ぜましょう。
この動作を3回ほど繰り返て水分を飛ばしていき、手でまとめれる固さになれば出来上がりです。
白味噌の原材料に水飴や増粘剤が入っている場合は、冷めると予想以上に固くなるので、加熱し過ぎには注意してください。
また、白味噌は甘みが強いため、甘みを抑えたい場合は砂糖なしでも大丈夫です。
砂糖を入れないと固くて混ぜにくい場合もあるので、そのときは少量ぬるま湯を入れてください。
おすすめ味噌餡の柏餅レシピ
味噌餡のレシピをご紹介しましたが、せっかくなら生地から作った手作り柏餅で、端午の節句をお祝いしませんか。
蒸し器を使わず、電子レンジで作れる簡単レシピをご紹介します。
『味噌餡柏餅』
【材料 6人分】
・上新粉 200グラム
・白玉粉 30グラム
・砂糖 30グラム
・水 300グラム
・柏の葉 6枚
・味噌餡 100グラム
【作り方】
①耐熱ボールに、上新粉・白玉粉・砂糖を混ぜ合わせて、水を少しずつ入れながら耳たぶくらいの固さにします。
②軽くラップをかけて、600ワットの電子レンジで5分ほど温めます。
③電子レンジで温めている間に、柏の葉を水で洗い、味噌餡は6等分にして丸めておきましょう。
④温めた生地を混ぜて、粗熱が取れたら水に濡らした手で捏ねていき、生地がまとまったら、ラップをかけて、さらに3分ほど電子レンジで温めます。
⑤すりこ木や麺棒で生地にツヤが出るまでつき、6等分に生地を分けて、冷めてから丸めます。
⑥餃子の皮くらいの大きさに伸ばして、餡を中に入れて包んで柏の葉を巻けば出来上がりです。
味噌餡入りの柏餅は、葉の裏を外側にすると、見た目でわかるので、自宅で作ったときもやってみてください。
桜餅の葉はお餅と一緒に食べる人も多いですが、一緒に食べても良いのでしょうか。
柏の葉も食べれないわけではないですが、葉は固く、筋も残りやすいため、好き嫌いが分かれるでしょう。
端午の節句の柏餅
柏餅には、長い歴史や由来があることがお分かりいただけたかと思います。
意味を知ってから食べたり、作ったりすると、美味しさもまた変わりますよね。
全国的にはない味噌餡ですが、作り方は意外と簡単です。
せっかくの祝い事なので、手作りの柏餅を作ってみてはいかがでしょうか。