みなさん、今朝はどんな朝食を食べましたか?
時間がないからといって、欠食したりサプリメントで済ませていませんか?
私たちの身近に、朝食にもってこいの食材があるんです。
それは「味噌」。
実は、味噌は朝食べるのがミソ!
その理由と、簡単に短時間で作れるおすすめレシピをご紹介します。
朝食に味噌を取り入れて、健康を目指しましょう。
健康への第一歩、味噌について知る
日本の江戸末期~明治期では、玄米を主食としていました。
1日の食事として、玄米を飽きるほど食べ、味噌と野菜を適量摂れるような食事内容が良いと言われていました。
今でこそ調味料として扱われることがほとんどの味噌ですが、現代ほど食事情が豊かではなかった時代、味噌は立派なおかずであり、貴重な栄養源でした。
その起源は中国にあるといわれ、日本伝来後、1300年の歳月をかけて日本独自の味噌へと変化してきました。
それゆえ、日本全国で、それぞれの地域の特色を反映した様々な味噌が作られています。
スーパーマーケットの味噌売り場には、米味噌や麦味噌、白味噌や赤味噌など、たくさんの種類の味噌が並び、どれを買おうか迷ってしまう人もいると思います。
実は、味噌の原料は基本的に大豆・麹・塩の3つだけです。
麹の種類や出来上がりの色、塩味の具合により分類されますが、基本的にどれも、3つの原料を混ぜ合わせ熟成させた発酵食品です。
発酵という過程を通して、味噌には大豆+αの健康効果が期待できるのです。
味噌をおすすめする理由はそこにありますよ。
味噌の何が健康におすすめなのか
「味噌は大豆を発酵させたものである」ということがお分かりいただけたと思います。
味噌が健康のためにおすすめの理由のひとつが、そのタンパク質です。
タンパク質が不足すると、筋力の低下や免疫力の低下が起こります。
原料の大豆は、「畑の肉」と称されるほどタンパク質が豊富です。
タンパク質を構成するアミノ酸のうち9種類は必須アミノ酸といわれ、人間は体内で合成できません。
そのため、食物から摂取する必要がありますが、肉や魚に含まれる動物性タンパク質に比べ、小麦などに含まれる植物性タンパク質はこの必須アミノ酸が欠如しがちです。
しかし、大豆は植物性タンパク質でありながら、その全てを含んでいるのです。
しかも味噌は発酵することで、タンパク質が吸収しやすいアミノ酸に分解されているので、大豆よりも効率よく体内に吸収できるのです。
そして、もうひとつの理由が、乳酸菌です。
腸内の善玉菌をサポートし、腸内環境を整えることで有名な乳酸菌。
味噌蔵や原料由来の乳酸菌が味噌には含まれています。
腸内環境が整うと免疫力が上がるので、ウィルスに負けない体になります。
味噌に含まれる、消化吸収しやすいタンパク質と乳酸菌が、あなたの体を強くし健康へ導いてくれますよ。
味噌の健康効果を活かすために、おすすめの喫食タイムがあります。
それは、なんと朝食なのです。
味噌を朝におすすめする理由
人間の体には、生体リズムを調整する「体内時計」という仕組みがあります。
健康を目指すうえで、生体リズムは重要なものです。
実は、朝食にはこの「体内時計」を整える効果があります。
前項で書いた、味噌をおすすめする理由のひとつ、「タンパク質」。
パンやご飯などの糖質だけの朝食より、タンパク質を含めたバランスの良い朝食をとることで、体内時計を整える働きはより効果的になります。
また、朝食にタンパク質をとることで、食事の満足感が上がります。
それだけのことかと思う人もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、朝食に満足感があれば、午前中の間食や昼食のドカ食いが防げます。
そしてもうひとつの理由である「乳酸菌」。
朝食は抜いてはいけませんが、実は食べすぎてもいけません。
朝は体が排泄を促す時間でもあるので、食べすぎると消化吸収に負担がかかり、うまく排泄にエネルギーをまわすことができません。
消化吸収、そして排泄を担う腸を整える乳酸菌をとることで、朝からうまく排泄を促すことができます。
味噌のタンパク質がすでに消化吸収しやすい状態に分解されているという点は、この面からみても良い点です。
「みそ汁は朝の毒消し」という言葉をご存知ですか?
朝食に味噌を食べることで、1日の体調が整うという意味ですが、まさにこのことです。
とはいっても、ただでさえ慌ただしい朝、朝食に時間をかけるのは難しいですよね。
そこで、忙しい人におすすめの簡単レシピをご紹介します。
忙しい人におすすめの朝5分の味噌タイム
ところで、みなさんは朝食ちゃんと食べていますか?
仕事や勉強、家事や子育てに忙しく、朝からゆっくり食事をとる暇がない人も多いのではないでしょうか。
2016年に行われた調査によると、日本人20歳以上の男性約2割、女性約1割が朝食を食べないという結果がでています。
朝食を欠食すると、午前中集中力がなかったり、昼食の際血糖値が急上昇したり、健康に対し様々な支障をきたしてしまいます。
朝食はきちんととることをおすすめします。
それでは、朝から忙しい人におすすめの、味噌を使ったスープをご紹介します。
電子レンジを使って簡単に、5分ほどで作れますよ。
【材料】
・冷凍カット野菜(ほうれん草やかぼちゃなど)
・顆粒スープの素
・お湯
・味噌
【作り方】
①冷凍カット野菜を耐熱容器にいれ、電子レンジで加熱する。
② ①に顆粒スープの素を加え混ぜ、味噌と少量のお湯を加えよく溶かす。
③残りのお湯を加える。
加える顆粒スープの素は、和風でも洋風でもおいしくいただけます。
コツは味噌をよく溶かすことです。
味噌をスプーンなどですくったら、そのままお湯の中にしばらくつけておきましょう。
そうすると溶けやすくなります。
溶かすお湯を半分に減らし、豆乳や牛乳を加えるとコクのある洋風スープになります。
主食がごはんでもパンでも、その日の気分に合わせた味をチョイスできますよ。
簡単レシピですが、注意点がひとつあります。
次項で、この注意点についてご説明します。
このレシピに限らず、味噌を食べるときはこの点にお気をつけください。
味噌を食べるときのコツを知ってより健康に
味噌は大豆を発酵させたものです。
発酵由来の乳酸菌が豊富に含まれているとご説明しました。
この乳酸菌たちは生きています。
つまり、味噌を加熱しすぎると乳酸菌が死滅してしまうのです。
生きたまま取り入れても、そのほとんどは胃の中で胃酸により死んでしまいますが、生き残った乳酸菌が腸内でしっかり働いてくれます。
乳酸菌の死骸は腸内の生きた乳酸菌の餌になるので、加熱しすぎた味噌でも健康効果がないわけではありません。
しかし、せっかく食べるのですから効果的に食べたいですよね。
コツはひとつ、味噌を加熱しすぎないことです。
味噌を入れてから沸騰させたり、電子レンジにかけたりすることはやめましょう。
前項でおすすめしたレシピのスープも、電子レンジでの加熱後に味噌を加えていますよね。
味噌を加えたら加熱しすぎない、味噌を加える前に加熱をやめるということを覚えておいてください。
健康を害さないために知っておきたいこと
味噌には、他にもたくさんの健康効果が期待されています。
がんの発症リスク低下や生活習慣病の予防、美白効果やアンチエイジングなど、多くの健康効果が明らかにされています。
とはいえ、ご存知の通り、味噌は塩分をしっかり含んだ調味料です。
味噌の食べすぎは、塩分の過剰摂取につながります。
味噌は同じ食塩量でも食塩と比べて約30%の減塩効果があるとされており、食塩そのものを多量に摂取することに比べると、健康を害する可能性は低いようです。
ですが、何事も過ぎたるは猶及ばざるが如しといいますね。
適量が一番です。
やみくもに多量に食べるのではなく、効率よく栄養吸収できる食べ方で、少しずつ継続的に食べることをおすすめします。
朝の味噌タイムで健康に
単なる調味料と思われがちな味噌が、実はすばらしい健康効果を秘めた栄養食だということがお分かりいただけたと思います。
しかし、お手頃価格で手に入る栄養食だからといって、食べすぎは禁物ですよ。
少量を効率よく継続的に食べることが重要です。
ご紹介したレシピで「朝5分の味噌タイム」を設け、味噌を効果的に取り入れることをおすすめします。