日本の食卓に欠かすことのできない味噌汁。
そんな味噌汁の王道の具材の一つに、じゃがいもがあります。
じゃがいもは年中流通していて、色々なレシピに合うためとても便利で、味噌汁に入れるとホクホクしておいしいですよね。
便利なじゃがいもですが、切り方や調理法で味噌汁の味わいが変わることをご存知でしょうか。
今回は、じゃがいもの特徴から、味噌汁に合うじゃがいもの切り方や調理法をご紹介していきます。
じゃがいもの栄養素を知ろう!
主食としてじゃがいもを食べる国があるほどですから、じゃがいもの主成分はデンプンというイメージがある方も多いと思います。
そもそもじゃがいもにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。
じゃがいもの栄養素を知ることで、味噌汁に合うじゃがいもの切り方や調理法を考える助けになります。
●ビタミンC
意外かもしれませんが、じゃがいもはみかん並みにビタミンCが豊富と言われています。
さらに、じゃがいもに含まれるビタミンCはデンプンに守られているため火や水に強く、調理してもほとんどビタミンCが失われません。
つまり、じゃがいもを味噌汁に入れると豊富なビタミンCを摂取することができ、生活習慣病の予防や美容に効果的だと言えます。
●カリウム
じゃがいもに多く含まれるカリウムは、体内のナトリウム(塩分)を外に出す働きをするため、高血圧の予防やむくみ改善の効果があります。
味噌は塩分が多いですが、味噌汁にじゃがいもを入れて一緒に食べることで体内の塩分濃度を調整する働きをしてくれます。
これらのことから、味噌汁とじゃがいもは相性が良いということが分かります。
他にも、便秘解消などに良い食物繊維や、貧血予防になる鉄分も多く含まれています。
しかも、栄養素が豊富に含まれているにも関わらず、カロリーはご飯の約半分ほどのため、特に女性にとってじゃがいもは嬉しい食材と言えます。
じゃがいもの切り方の種類
じゃがいもには様々な切り方があります。
そこで、じゃがいもの主な切り方を調理別でご紹介したいと思います。
●煮る・茹でる
「一口大」
じゃがいもを半分にして、1辺3cmを目安にじゃがいもを4~6等分にする切り方。
「乱切り」
一口大と同じ大きさ位で、包丁の角度を斜めに入れる切り方。
「いちょう切り」
縦半分に切り、寝かせてさらに半分に切ったじゃがいもを端から薄くスライスする切り方。
形がいちょうのようになります。
煮たり茹でたりする料理は、じゃがいもが崩れやすいため、ある程度の大きさとなる切り方が向いています。
また、少しでも調理時間を短くしたい場合は、乱切りの方が面が多くなるので一口大より火が通りやすくなります。
さらに、味噌汁やスープなどでじゃがいもをサッと茹でたい時は、さらに小さく切るいちょう切りがおすすめです。
●炒める
「拍子木切り」
じゃがいもを厚めにスライスした後、棒状にする切り方。
「細切り」
じゃがいもを3mmくらいの輪切りにした後、端から幅3mmくらいにスライスする切り方。
どちらも細長い棒状になるため、肉や野菜など他の具材と炒めやすくなります。
また、他の炒める具材と切る長さや太さをを揃えてじゃがいもを切ることで、見た目もきれいになり、火も均一に通りやすくなります。
●焼く
「くし切り」
じゃがいもを縦半分にして、それを放射線状に3~4等分にスライスする切り方。
スライスされた全てのじゃがいもに皮が含まれる切り方のため、フライドポテトなど皮つきのままの料理におすすめです。
味噌汁に合うじゃがいもの切り方とは?
味噌汁に合うじゃがいもの切り方に正解はありません。
ただし、それぞれの切り方に特徴があるので、どのような味噌汁にしたいか、またどのような具材と一緒に作るかによって切り方を変えるようにしましょう。
時短で調理したい場合は「いちょう切り」をおすすめします。
じゃがいもは根菜のため基本的に火が通るのに時間がかかりますが、小さく切ることで早く火が通り調理時間を短くすることができます。
じゃがいものホクホク感を楽しみたい場合は「一口大」をおすすめします。
ある程度の大きさがあるため茹で時間が長くなりますが、じゃがいもの食感や風味をより楽しむことができます。
他にも具材を入れる場合は「拍子木切り」「細切り」をおすすめします。
その具材や切り方にもよりますが、他の具材と切り方を揃えた方が見た目も良く、口に入れた時の具材との調和が良くなります。
じゃがいもの種類による切り方の違い
じゃがいもには数多くの品種があります。
その特徴を理解し、切り方や調理法を工夫することでよりおいしい味噌汁を作ることができるため、ここでは主なじゃがいもの種類とおすすめの切り方をご紹介します。
●男爵・キタアカリ
まんまるとした形で、スーパーなどでよく見かける代表的な品種です。
煮崩れしやすいため、ポテトサラダやコロッケに適しており、味噌汁には少し不向きです。
味噌汁に使う場合は、いちょう切りでサッと調理すると良いでしょう。
●メークイン
細長い形で、男爵より中身が黄色くて甘いのが特徴です。
煮崩れしにくいので味噌汁にも向いており、じっくりと味をしみ込ませることができるので一口大の切り方が良いでしょう。
●インカのめざめ
2001年に登録された割と新しい品種で、小ぶりで中身が黄色く、煮崩れしにくいのが特徴です。
甘味が強く粘質で舌触りが良いため、一口大の切り方でじゃがいもの風味を堪能すると良いでしょう。
味噌汁に入れる前に!じゃがいもの下準備
味噌汁に合うじゃがいもの切り方をご紹介してきました。
次に、調理の前に行うじゃがいも自体の下準備についてご紹介します。
まず、じゃがいもをよく洗って皮をむきます。
皮つきの方がより栄養素を摂取できますが、皮が気になる方はむいて大丈夫です。
次に、包丁の角やピーラーでじゃがいもの芽を取ります。
芽には「ソラニン」という毒素が含まれており、吐き気や下痢、嘔吐などを引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあるため、じゃがいもの芽の処理は丁寧にしましょう。
最後に、お好みの切り方をしたじゃがいもを10分程度水にさらします。
じゃがいもは切って放置しておくとアクが出て黒ずんでいくため、空気に触れないよう水にさらす必要があります。
そうすることで表面についている粉っぽいデンプンも取れ、味噌汁の味がすっきりとします。
これらの下準備がおいしい味噌汁を作るために重要となるため、手間でも必ず下準備をするようにしましょう。
味噌汁にじゃがいもを入れるタイミングは?
切り方や下準備だけでなく、じゃがいもの味噌汁をよりおいしく作るための調理ポイントがあります。
それは、水から茹でることです。
味噌汁を作る時、どの具材からどのタイミングで茹でたら良いか分からない方もいらっしゃると思います。
それが分かる簡単な目安は、「土から下にできるものは水から、土から上にできるものは沸騰させてから」と、野菜の場合は覚えておくと良いです。
じゃがいもを沸騰してから入れると、火が通るまで時間がかかり、表面が煮崩れしやすくなってしまいます。
その他にも大根や人参、またアサリなどダシが出るものは水から茹でるようにしましょう。
逆に、葉物や煮崩れしやすい豆腐、香りのある長ネギなどは沸騰してから入れるようにしましょう。
また、味噌汁の定番具材のワカメはドロドロしやすいので、火からおろす直前に入れるようにしましょう。
味噌汁に具材を入れるタイミングを理解することで、よりおいしいじゃがいもの味噌汁を作ることができます。
自分好みのじゃがいもの味噌汁を見つけよう!
じゃがいもには数多くの品種とそれぞれの特徴があり、切り方でも味わいが変わってきます。
何気なく今までじゃがいもの味噌汁を作っていた方も多いと思いますが、自分の好きな味噌汁に合うじゃがいもの品種、切り方を探すのも楽しいかもしれません。
ぜひ色々なじゃがいもの味噌汁にチャレンジして、自分好みのじゃがいもの味噌汁を見つけてみてください。