味噌風味と言うと、身体が温まる寒い季節に、ぴったりの味付けになります。
味噌ラーメンや豚汁は身体が温まり、寒い日にぴったりの料理です。
しかし、同じ味噌風味でも、使いかた一つで温かい料理ばかりだけでなく、さっぱりした料理にもなりますね。
夏でも、味噌を使った、ごま汁うどんや冷や汁うどんがあります。
チーズ料理も同じです。
チーズフォンデュやチーズグラタンというと、寒い時に最適な料理です。
そして、味噌もチーズも発酵食品です。
一方、なすは夏野菜。
味噌とチーズの発酵食品のダブル利用と、夏野菜のなすを上手に使って、身体に元気を与えてくれる、季節を彩る献立をご紹介しましょう。
味噌とチーズとなすのグラタン
なすは、秋なすというのだから、秋の野菜では?
という人がいますが、なすは夏野菜になります。
一番出回るのは7月から8月で、お盆の季節になると、家庭菜園のなすが食べきれないくらいに実る、という経験をしたことがある人もいるでしょう。
寒い時も良いけれど、暑い時でもグラタンは美味しいですよね。
そんな季節にぴったりの、なすとチーズの味噌風味グラタンをご紹介します。
【材料4人分】
・豚ひき肉 250グラム
・なす 4~5本
・にんにく 1かけ
・プチトマト 4個
・油 小さじ1
・みそ
・牛乳 50ミリリットル
・みりん 30ミリリットル
・酒 30ミリリットル
・溶けるチーズ 100グラム
・パセリ 適量
【作り方】
①なすは長めのものを用意します。
縦半分に切って、皮にそって、ぐるっと5ミリくらい切り込みを入れます。
中にも切り込みを入れておきます。
②耐熱皿になすを並べて軽くラップをし、3分加熱します。
③中身をくりぬいて、大き目にザク切りします。
④にんにくはみじん切りにし、プチトマトは4等分にします。
⑤フライパンに油を入れて、にんにくを入れて香りを出し、豚ひき肉を入れて色が変わるまで炒めます。
⑥フライパンに刻んだなすの中身と、プチトマト、調味料を入れ、ドロッとなるまで炒めます。
⑦なすの皮の器に入れます。
⑧溶けるチーズを上に散らして、230℃のオーブンで12~14分焼きます。
⑨焼きあがったら、パセリを散らします。
寒い時だけでなく、暑い時でも美味しい、味噌とチーズとなすのグラタンです。
味噌とチーズとなすのラザニア風グラタン
なすを器にしたグラタンは、器も美味しく食べることができます。
なすをラザニアのように切って、重ね焼きするグランも美味しいです。
【材料4人分】
・豚ひき肉 200グラム
・なす 5~6本
・にんにく 1かけ
・玉ねぎ 1個
・油 小さじ2
・バター 40グラム
・味噌
・砂糖 大さじ3
・みりん 大さじ2
・酒 60ミリリットル
・醤油 小さじ2
・パルメザンチーズ 大さじ2
・溶けるチーズ 100グラム
・パセリ 適量
【作り方】
①なすは5mmくらいの厚さに切り、水にさらします。
②玉ねぎ、にんにくはみじん切りにします。
③調味料を合わせておきます。
④フライパンに油小さじ1を入れ、なすを両面に焼き色がつくまで炒めます。
⑤なすを取り出した後、新たに油小さじ1を入れて、にんにく、玉ねぎ、ひき肉の順に入れて炒めます。
⑥調味料を玉ねぎ、ひき肉のフライパンに入れて、混ぜます。
⑦グラタンの皿にバターを溶かし、なすを敷き詰め、炒めた玉ねぎ、豚ひき肉を挟むように、なすと交互に入れます。
なすをラザニアのように入れるとキレイです。
⑧上に溶けるチーズを散らして、230℃のオーブンで12~14分焼きます。
⑨パセリを散らします。
なすを細かく切って、普通にグラタンの具にしてしまう方法もありますが、ラザニア風の方が、層にひく肉味噌が入ってキレイです。
食感も楽しめますので、美味しいですよ。
なすとチーズの味噌漬け
大根やキャベツ・なすを味噌漬けにして、そのまま漬物のように食べることもできますが、なすは味噌焼きにもできます。
味噌に漬けることで、生よりも長く保存することができるようになります。
一般的に多いのは、味噌にみりんや砂糖を少し入れて、甘辛く漬けておく方法です。
甘い漬物は苦手という人なら、砂糖の量を少し控えて、粉辛子をほんの少し入れると、ピリっとした辛みが出て、美味しくなります。
チーズの味噌漬けは、チーズが好きな人にとっては邪道と言われてしまいそうですが、いつもと違う食感が楽しめるので、オススメです。
トロっとしたチーズの味噌漬けを楽しみたい人は、クリームチーズの味噌漬けがオススメです。
チーズの周りにこってりと味噌を漬けてもいいですが、あまり無駄に使いたくない人は、液体味噌が簡単です。
ジッパー付きのポリ袋に液体味噌を入れて、その中にチーズを入れてひと晩置いて下さい。
味噌の風味のチーズが楽しめます。
また、水切りをした豆腐の味噌漬けは、チーズのようでとても美味しいです。
チーズや豆腐、たくさんの野菜を味噌漬けにして、楽しんでみましょう。
味噌とチーズとなすを合わせた時の栄養素
味噌、チーズ、なすのグラタンに合うのが豚ひき肉です。
他にも、玉ねぎとパセリを入れれば、それだけでたくさんの栄養を摂ることができます。
味噌とチーズそれだけで、たんぱく質を摂ることができます。
特に、チーズは豚ひき肉に次ぐたんぱく質量に、豊富なビタミンB1・E・葉酸・カルシウム・亜鉛を含みます。
たんぱく質はもちろんですが、豊富なビタミンEは赤血球を正常の保つために必要な補酵素で、葉酸やB1も細胞を健康に保つためには必要です。
カルシウムはもちろん、亜鉛も新しい細胞を作るためには必要な栄養素です。
チーズに多く含まれるビタミンやミネラルは、いずれも女性の肌の老化予防や、新陳代謝に必要な栄養素です。
そのため、年を重ねている人こそ、たくさんのチーズを摂ることをお勧めします。
パセリはわずかでも、多くのビタミンC、カルシウムを多く含みます。
たかがトッピングとバカにできませんね。
味噌とチーズに含まれるナトリウム(塩分)は、野菜に含まれるカリウムを一緒に摂ることで、身体の中のバランスを保ちます。
なすは、カリウムを多く含む野菜です。
なすを入れることは、食感を楽しむだけでなく、バランスの良い栄養を摂ることになります。
さらに良いのが、ラザニア風のグラタンには玉ねぎが入っていることです。
玉ねぎは高血圧予防効果があるといわれていますが、それは玉ねぎに大量のカリウムが含まれているからです。
味噌とチーズとなすのグラタンは、それ一つで充分な栄養素を摂ることができる、バランスのいい主菜なのです。
味噌の代わりにトマトソースもオススメ
なすは植物性食品、チーズは動物性食品、そして味噌は「畑のお肉」です。
栄養素を考えると、一緒に食べることで、それぞれの特徴と欠点を補うことができますね。
チーズや味噌にはないビタミンC・カリウム・食物繊維はなすで、なすには不足しているたんぱく質は、チーズや味噌で摂ることができます。
味噌にはたんぱく質やナトリウムが含まれていると言っても、チーズほどではありません。
それでも、ただの化学調味料を使うよりも、大豆の栄養を摂ることができますね。
なすとチーズ、豚肉のひき肉を使った、同じ様なグラタンには味噌の代わりに、トマトソースを使ったものがあります。
トマトソースを使っても、作り方はほぼ一緒ですが、味噌のたんぱく質を摂ることはできません。
その分、トマトでカロテンやビタミンCを摂ることができます。
なすとチーズに合わせる味噌の種類
同じ「味噌とチーズとなすのグラタン」でも、普通の味噌を使うよりも、名古屋の八丁味噌を利用すると、調味料に醤油もパルメザンチーズも必要なく、コクを出すことができますよ。
八丁味噌は、大豆麹で作られていますので、普通の味噌よりもたんぱく質もより多く摂ることができます。
このように味噌の種類によって、なすやチーズの食感や味、栄養素も違ってきます。
なすの味噌漬けでも、白味噌の甘味噌を利用すると、砂糖やみりんをあまりいれる必要がありません。
なすの味噌炒めも、白味噌の方が、甘味が感じられて美味しいという人もいます。
塩辛い方が好きという人は、赤みそに鷹の爪(唐辛子)を入れて炒めると、ピリッとした辛みを感じることができます。
同じなすの炒めものでも、味噌が違うと、甘味を感じるものもあれば、辛みを楽しむこともできます。
特に八丁味噌は、チーズを使ったグラタンだけでなく、様々ななす料理に合いますので、一度利用してみると良いでしょう。
なすとチーズで新しいメニューを
なすがあっても、いつも野菜炒めか漬けもので、それ以上のレパートリーがないという人は、グラタンだけでなく、パスタのトッピングにもいかがでしょうか。
なすは、うどんの具にも、焼きそばの具にもなります。
そんな、なすとチーズは意外と相性が良いです。
なすを細く切って、ひき肉味噌と合えるだけで、ラーメンやうどんの漬け汁にもなります。
パスタの上にのせて、パルメザンチーズをかければ、和風イタリアンの出来上がりです。
こんな風に、いつもサイドメニューや、付け合わせにしかならなかったなすも、合わせる調味料次第で、主食や主菜になりますね。
冷蔵庫に、安売りで購入したなすがあったら、いつもとは違う、味噌とチーズを使った新メニューを試してみましょう。