スーパーマーケットの魚売り場でよく見かける、味噌漬けの切り身魚。
ごはんのおかずにも酒の肴にもなる、忙しい主婦のお助けメニューです。
手間もコストもかかるイメージの味噌漬けですが、実は手作りでもとても簡単にできるんです。
簡単レシピをご紹介しますので、旬の魚でおいしい味噌漬けを作ってみませんか?
魚の味噌漬けに使う味噌はどれがいい?
和食のレシピで主役にも隠し味にもなる味噌は、日本人の食事に欠かせない食材です。
そのため、日本各地でそれぞれの地域の特色を反映した、様々な味噌が作られています。
みなさんはどの味噌がお好きですか?
近頃は、客が自分好みの味噌が選べるよう、日本各地の味噌を扱うスーパーマーケットも増えています。
味噌売り場には、米味噌や麦味噌、白味噌や赤味噌など、たくさんの種類の味噌が並び、どれを買うか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
基本的に味噌の原料は「大豆・麹・塩」です。
使われる麹の原料や色、味によって分類されます。
味噌漬けした魚の代表格である西京漬けは、甘口の白味噌を使って作ります。
しかし、わざわざ味噌漬けのためだけに、白味噌を買うのはもったいないですよね。
先ほども書いた通り、味噌の原料は基本的に同じです。
なので、多少風味に差がでますが、自宅にある味噌でも十分おいしい味噌漬けを作ることができるんです。
味噌を使う料理のレパートリーをいくつお持ちですか?
いつ開封したかわからない味噌が、冷蔵庫の隅に残っていませんか?
使い切れずに余りがちな味噌を使いきるチャンスですよ!
味噌漬けに使う魚
海に囲まれた日本では、年間を通して様々な種類の魚が手に入ります。
DHAなどの体に良い成分が多く含まれる魚は、毎日の食事に積極的に取り入れたい食材のひとつです。
しかし、肉料理よりも魚料理はアレンジしにくいという人も多いようです。
塩焼きばかりでは飽きてしまいますよね。
味噌漬けにすると、うまみが凝縮され、同時に味噌の風味が魚に移り奥深い味になります。
どんな魚でも、おいしく仕上がりますよ。
少し脂ののった魚を選ぶと、パサパサした食感になるのを防げ、魚の脂と味噌の風味が相まってより深い味わいになります。
タイやタラなどの淡泊な白身魚は、魚の甘みと味噌の甘みが互いを引き立てあいます。
ブリやサバなどの青魚は、脂ののりがよい物が多く、風味豊かに仕上がります。
春の訪れを告げるサワラや、秋の実りを教えてくれるサケも、旬には価格が落ち着きますのでおすすめです。
魚嫌いの人も、味噌の効能で魚の臭いがとれて食べやすくなるので、次項で紹介するレシピで、味噌漬けを作って食べてみてください。
味噌漬けのレシピ
それではお好きな魚を使って、簡単に味噌漬けを作ってみましょう。
【材料】
・お好みの切り身魚 適量(手の平サイズでおおよそ60グラム)
・塩 一切れにつき指ふたつまみ
・お好みの味噌 魚のおおよそ倍量。魚が漬かるくらい
・酒 一切れにつき2グラム前後
・みりん 一切れにつき2グラム前後
【作り方】
①魚に塩をふり、でてきた水分をキッチンペーパーでふきとります。
②味噌と酒、みりんを混ぜ合わせ、魚を漬け込む漬け床を作ります。
③魚を漬け込み30分~1晩おきましょう。
④魚を取り出し、水で洗わず、味噌を落として焼きます。
いかがでしたか。
とても簡単なレシピでしたね。
細かい分量を表示できないのは、漬ける魚の量と漬ける容器により、分量が変動するからです。
今回ご紹介したレシピの材料を参考に、応用して作ってみてください。
漬け床に魚がしっかり漬かるのが理想ですが、塗るだけでも味噌の風味でおいしく食べることができます。
とはいえ、たくさんの味噌を使うのがもったいないと感じる方もいらっしゃることでしょう。
そういう方は、袋で漬け込むと少ない量でもしっかり漬け込むことができ、おいしい味噌漬けができあがりますよ。
レシピに一手間。少しの工夫で魚の味噌漬けをもっとおいしく
味噌漬けのレシピは簡単でしたね。
本当にこんなに簡単なレシピで味噌漬けが作れるのか、心配になってしまいますよね。
本当においしい味噌漬けが作れますので、だまされたと思って作ってみて下さい。
さて、ご紹介したレシピでも十分おいしいのですが、もう一手間プラスすることで、もうワンランク上の味わいを楽しむこともできます。
それは、香辛料を加えることです。
おすすめは、ユズや生姜、山椒などの、和食にかかせない薬味たちです。
少し加えるだけで、口にいれたときにふわっと香る風味がたまりません。
ユズは、果汁よりもすりおろした果皮を加えるほうが、風味が強くなります。
生姜や唐辛子を加えると、ピリッとした辛さが良いアクセントになりますよ。
漬け床に加えると、漬け込む魚全体に香りが行き渡ります。
味噌漬けが焼き上がった後にかけるだけでも、おいしくいただけます。
山椒は香りがとびやすいので、漬け床に加えるより、食べる直前にかけるのがおすすめです。
お好みに応じて、アレンジしてみてください。
魚の味噌漬けを調理するときの注意
おいしい魚の味噌漬けが、簡単に作れることがおわかりいただけたと思います。
しかし、実は一番難しいポイントは、焼くことなんです。
なんといっても味噌漬けの魚は焦げやすいのです。
火加減に気を付けていても、「外側は焦げるほど焼けているのに中身は生」ということはよくあります。
それを防ぐ強い味方が、クッキングシートです。
フライパンにクッキングシートを敷いて焼くと、焦げ付きにくく後片付けも楽ですよ。
フライパンに魚や味噌の臭いが染みつくこともありません。
また、アルミホイルに包んでホイル焼きにするのもおすすめです。
パサパサした食感になりがちな味噌漬けも、しっとり焼き上がります。
火が通ったら、ホイルを開けてに表面に焦げ目がつくように焼き上げれば、味噌が焼けた香ばしさも一緒に楽しめます。
どちらの方法も、まずは魚についている味噌をしっかり落とすことが大事です。
決して洗い落としてはいけませんのでご注意ください。
準備も片づけも簡単にできる魚の味噌漬けレシピ、是非お試しください。
応用レシピ。味噌漬けに使った漬け床の使い道
魚の味噌漬けに使った後の漬け床は、魚の水分がでてゆるくなっていると思います。
とはいえ、捨てるにはおしいと感じる方も多いのではないでしょうか。
残った漬け床の使い道も紹介します。
漬けて日が浅いものは、再度漬け込むことができます。
肉や野菜、豆腐も味噌漬けに合いますので、材料を変えて漬けてみてはいかがでしょうか。
肉や野菜もうまみが凝縮しおいしく食べられますし、豆腐はチーズのような風味になります。
1回目は基本のレシピで漬け床を作り、2回目は柚や唐辛子などの香辛料を加えてアレンジしてみるのはどうでしょう。
ただし、魚を漬けた物なので、生食はNGです。
調味料として使う場合は、味噌炒めや味噌汁などに加え、十分に加熱して食べてください。
いずれにしても、今回ご紹介したレシピは即席でつくる簡単なもので、保存性は考慮していません。
長期保存には適していませんので、ご注意ください。
日が経ってしまったもの、明らかに異臭がするなどの変化がみられる場合は、使い回しはせずに処分してください。
手軽な魚の味噌漬けで、おいしい食卓を
作るのも焼くのも難しいイメージの魚の味噌漬け。
冷蔵庫で余りがちな味噌と、お手頃価格の旬の魚を使って、簡単に作れることがおわかりいただけたと思います。
今回ご紹介した簡単レシピで、是非作ってみてください。
味噌漬けの効果でうまみがアップした魚料理で、いつもの食卓の雰囲気が大きく変わりますよ。