味噌の味ってなんだかほっとしますよね。
キャベツの味噌炒め、鯖の味噌煮、わかめのお味噌汁…味噌を使う料理を挙げてみると、白米のお供に最高なものばかりです。
海外に旅行に行った人が帰国して「味噌が恋しかった」というのもよく聞きます。
やはり、味噌は日本人のソウルフードなのかもしれません。
今回は、実はとても健康に良い味噌の秘密と、ついつい箸が進んでしまう味噌炒めのレシピをご紹介していきます。
健康食材・味噌を献立に取り入れたい理由!
日本の食卓で、味噌が活躍しない日はないと言っても過言ではありません。
日々の献立にしばしば登場する味噌は、実は昔から健康的な食材と言われてきました。
これは、根拠のない言い伝えではないということが、最近の研究によって明らかになっています。
皆さんは、味噌に胃ガンや乳ガンを予防する効果があることをご存知でしょうか。
関連する研究によると、毎日味噌汁を飲んでいる人と飲んでない人では、胃がんでの死亡率に48%もの違いがあります。
毎日3杯以上の味噌汁を飲んでいる女性は、乳がんの発生率が40%低下するという調査結果が残っています。
また、味噌に含まれているレチノール酸や大豆レシチンには、血圧の上昇やコレステロールの上昇を抑制する働きがあり、糖尿病などの生活習慣病の予防につながると言われています。
つまり、味噌は重大な疾患になることへの予防効果をもった、スーパーフードなのです。
お味噌汁やこの後ご紹介する、豚肉とキャベツの味噌炒めなど、毎日の献立に味噌料理を取り込むことで、体の内側から将来の健康を守ることができるかもしれませんね。
今夜の献立にオススメ!食欲そそるキャベツの味噌炒め
献立に取り込むにあたって、おすすめの味噌を使った料理といえば、何といっても豚肉とキャベツの味噌炒めです。
味噌のコクと甘辛い味で、箸が止まりません。
大量の野菜もぺろりと食べてしまえるのもいいですよね。
この豚肉とキャベツの味噌炒めですが、中華料理屋さんで回鍋肉(ホイコーロー)と呼ばれているものとほぼ同じです。
何が違うかというと、回鍋肉には中華味噌の甜麺醤(テンメンジャン)を使います。
聞きなじみのない調味料かもしれませんが、小麦粉から作られた甘い味噌で、料理をまろやかな風味に仕上げる中華ではポピュラーな調味料です。
今回甜麺醤を使用するレシピもご紹介しますが、ご家庭にない場合は、普通の味噌にごま油と砂糖を加えれば似た風味になりますのでご安心ください。
とは言っても、無理に甜麺醤に似せなくても普通の味噌をそのまま使うだけでもおいしいので、気分次第でお好みの味をお楽しみいただければと思います。
味噌炒めにはどんな味噌が向いてるの?
一概に味噌といってもたくさんの種類があって、どれを買えばいいか迷ってしまいますよね。
レシピの前に、どの味噌がどういった調理法にマッチするのかの予習を行いましょう。
味噌の種類は、色、材料、味の三つの分類方法があります。
具体的には以下の通りです。
【材料での分類】
麹を培養した材料によって、米味噌、麦味噌、豆味噌と分類します。
豆味噌は麹も大豆なので、原材料の100%が大豆となります。
また、上記の3つの味噌をブレンドすることで、癖をなくした調合味噌というものも市販されています。
【味での分類】
塩分濃度が濃いものを辛口、薄いものを甘口と呼びます。
また、甘口以上に塩分濃度が低いものを特に甘味噌と呼びます。
一般に「麹歩合」という原料の大豆に対する麹の比率が高いものほど甘口になります。
【色での分類】
スーパーなどで味噌を見ると、クリーム色から濃い茶色まで、色にバリエーションがあることがわかります。
クリーム色のものは白味噌と呼ばれます。塩分濃度が低く、麹の糖分により甘みがあります。
濃い茶色のものは赤味噌と呼ばれます。
熟成期間が長いのでコクがあるのが特徴で、塩分濃度が高く、味も塩辛いです。
この色の濃淡の違いは、熟成させた期間に関係していて、熟成時間が長いほど色が濃くなっていきます。
以上を踏まえて、味噌ごとに適した料理をまとめました。
野菜・魚の味噌汁には、素材のうまみを引き立てる甘めな白味噌が向いています。
肉・貝の味噌汁には、具材に負けないしっかりした辛みがある赤味噌が向いています。
味噌炒めにするときには、赤味噌を使用するのが良いです。
料理に向いた味噌の種類を確認したところで、次はいよいよキャベツの味噌炒めのレシピをご紹介していきます。
ぜひ献立の参考にしていただければと思います。
王道・中華風!豚小間とキャベツのピリ辛味噌炒め
王道の豚肉とキャベツの味噌炒めのレシピをご紹介いたします。
ピリ辛味が食欲をそそります。
早速今夜の献立にいかがでしょうか。
【材料 2人分】
・豚肉(小間肉など) 150g
・キャベツ(ひと口大のざく切り) 1/6位
・長ネギ(斜め薄切り) 1/3位
・ピーマン(ひと口大のざく切り) 1~2個
■合わせ調味料
・醤油 大さじ1
・味噌または甜麺醤 大さじ1
・酒 大さじ1
・砂糖 小さじ2
・豆板醤 小さじ1~2
・水 大さじ1~2
・片栗粉 小さじ1弱
・おろしニンニク(なくてもOK) チューブから1センチの長さ
【作りかた】
①合わせ調味料の材料を合わせて混ぜておきます。
②フライパンを熱し、油をひいて豚肉を強火で炒めます。
③豚肉の色が変わったら長ネギ、キャベツ、ピーマンの順に入れてさっと炒めます。
炒め時間は、野菜が少し硬いくらいで止めておくと、仕上がりがべちゃべちゃしません。
④火を弱め、合わせ調味料を良くかき混ぜてから入れ、全体によくからめます。
⑤1~2分炒め調味料がなじんだら完成です。
甘い味付けで食が進む!キャベツとひき肉の甘味噌炒め
豆板醤を使用しない甘めの味付けのレシピをご紹介します。
辛いものが苦手な子供がいる家庭でも、安心して献立に組み込めます。
【材料】
・キャベツ中サイズ 1/3個
・ひき肉(鶏・豚・牛・合い挽き好きなものでOK) 150g
・ごま油(手順⑤用) 大さじ1
■合わせ調味料
・さとう 大さじ1
・酒 大さじ1
・みりん 大さじ1
・みそ 大さじ1と1/2
【作り方】
①キャベツは葉の固い葉脈部分を切り離し、ひとくちサイズにカットします。
葉脈の部分は薄切りにして使います。
②タレの材料を全てボウルに入れてよく混ぜます。
③フライパンにごま油大さじ1を入れ、中火でひき肉を炒めます。
④ひき肉の色が変わったら、キャベツの葉脈・キャベツの葉の順に入れ、軽く混ぜ合わせます。
⑤ごま油をまわしかけます。
⑥キャベツに8割ほど火が通ったら、②のタレをまわしかけて、さらに炒めます。
⑦合わせ調味料が全体にからんでキャベツに火が通ったら、完成です。
お弁当の献立にも!豚こま団子とキャベツの味噌炒め
最後に晩御飯の献立だけでなくお弁当に入れてもかわいいキャベツの味噌炒めをご紹介します。
豚こま肉を丸めたお団子を使うので、見た目も楽しいですよ。
【材料 2人分】
・豚こま肉 200g
・ごま油(炒め用) 大さじ1/2
・キャベツ(ひと口大にカット) 1/3個
・ピーマン(ひと口大にカット) 2個
■下味調味料(肉に下味をつける)
・酒 小さじ1
・醤油 小さじ1/2
・片栗粉 大さじ1
■香味調味料(炒め用)
・長ネギ(みじん切り) 1/3本
・生姜(みじん切り) 1かけ
・にんにく(みじん切り) 1かけ
・豆板醤 小さじ1/3
■合わせ調味料
・味噌または甜麺醤 大さじ1
・醤油 大さじ1
・酒 大さじ1
・砂糖 小さじ1
【作り方】
①合わせ調味料を混ぜ合わせておく。
②ビニール袋に豚肉、酒・醤油を入れ、袋の外からもみ込みます。
なじんできたら片栗粉を加えて、さらにもみ込みます。
③豚肉を袋から出して、8個に丸めます。
その後フライパンにごま油を熱し、くっつかないように並べて焼きます。
フライパンを揺すると形が崩れてしまうので、あまり動かさないのがポイントです。
④こんがり焼けたら裏返して、ふたをして弱火で5~6分焼きます。
両面こんがり焼けて火が通ったら、一旦皿に取り出します。
⑤先ほどと同じフライパンに、みじん切りにした香味調味料を入れて炒めます。
この時炒め油が足りないようでしたら少しごま油を足しましょう。
⑥香りがたってきたら、キャベツ、ピーマンを加えます。
⑦キャベツに半分くらい火が通ったら、肉団子をフライパンに戻します。
軽くひと混ぜしたら、合わせ調味料を加え、手早くからめて完成です。
毎日の献立に味噌を取り入れて健康的な生活を送ろう!
以上、味噌に秘められた力と、味噌を使って美味しく作れるレシピの紹介をしてまいりました。
ガンを予防する作用やコレステロール上昇を抑える効果がある味噌を、できれば毎日食べたいものです。
普段なんとなく選んでしまいがちな味噌ですが、この機会に使ったことのない味噌に挑戦してみるのもいいかもしれませんね。
味噌を取り込んだ食生活で健康的な生活を送っていきましょう。