食の安全が見直される中、テレビや雑誌でよく話題になっているのが、オーガニック食品です。
みなさんの中には、オーガニック食品に健康的なイメージを持ち、気になってはいるけれど「一般的な食品とは何が違うの?」「どういった特徴があるの?値段は高い?安い?」と疑問に思う人もいるはずです。
今回は、そんなオーガニック食品についての詳細や、オーガニック食品を安く買うコツなどについてご紹介します。
オーガニック食品とは?
スーパーマーケットやコンビニエンスストア、専門店などで「オーガニック」「有機」と記載された食品が多く見られますよね。
オーガニック食品は高い、という印象をもっている人もいると思います。
実際に、特に国産のものだと安いオーガニック食品は少ないです。
「オーガニック」「有機」の食品と、そうでない食品の違いは一体何なのでしょうか。
また、「オーガニック」と「有機」に違いはあるのでしょうか。
「オーガニック」と「有機」は同等な意味合いです。
水・太陽・土地・生物など自然の力で生産する農林水産業や加工方法をさしていて、化学肥料や農薬を頼らずに栽培した生産物がオーガニック食品です。
日本においてオーガニックの基準は、農林水産大臣が制定した日本農林規格を満たしていることが必要です。
検査に合格すると、製品に有機JAS認定マークを表示することが可能で、それが表示されている食品でないと、「オーガニック」や「有機」と表示できないことになっています。
仮に、認定を受けずに生産者や製造者側の自己判断で「オーガニック」と記載したり、有機JAS認定マークを貼り付けてしまうと、懲罰の対象にもなりますので注意が必要です。
買いものをする消費者側の立場になってみると、有機JAS認定マークは他の食品とオーガニック食品とを区別するには非常に分かりやすい目安となりますよね。
しかし、JASマークとオーガニックという文字の記載で必ずしも無農薬だと判断すると危険です。
無農薬で栽培・生産しているものも存在しますが、化学的な処理がされていない30種類の農薬は使用が可能なのです。
オーガニック食品は安いとはいえない現状
前項でも触れましたが、現在日本ではスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでオーガニック食品を店舗内に置いたり、ネット通販でも販売されていたりしますよね。
しかし、日本のオーガニック食品は現状では安いとは言い切れません。
店舗や通信販売などで、気に入ったオーガニック食品を見かけても、価格の面から購入を断念してしまう人もいるかもしれません。
日本では、オーガニック(有機)と呼ばれている生産物は、厳格な基準に合格して名乗ることができます。
しかし、この厳格な基準に合格し有機JAS認定マークを得るには、年間で10万~20万円ほどの費用がかかります。
オーガニック食品は、有機栽培をするだけでも費用がかさむのにもかかわらず、有機JAS認定マークを受けるためにはさらに多くの費用を必要とするのです。
つまり、当然コストも手間もかかってしまうものが「オーガニック(有機)」であるといえます。
その結果として、有機JAS認定マークの認証を受けている、大手の農家が栽培した有機野菜しか流通しないことになるので、必然的に値段が高騰してしまいます。
また、アメリカ農務省(USDA)が発表した報告書において、オーガニック食品の値段が高いことについて、詳細が記載されています。
そこには、リンゴ・ニンジン・ホウレンソウなどは一般的な食品と比べると7~30%ほど高く、牛乳・卵・葉物野菜などは、一般的な食品と比べると60%以上も値段が高くなってしまうと示されています。
オーガニック食品のメリット!①安全性について
上述した通り、オーガニック食品は一般的な食品に比べてコストや手間がかかり、値段が高騰しやすいです。
そこで気になることは、値段が安いとはいえなくても、買う価値は本当にあるのか?オーガニック食品にはメリットはあるのか?という点ですよね。
ここでは、オーガニック食品のメリットについて紹介します。
オーガニックと聞くと、体に良く、安全で健康的という印象があるかと思います。
最初のメリットとしては、農薬や化学肥料が少なく、安全性の高い、安心感のある食品であることです。
オーガニック食品とは、農薬や化学肥料などに頼らず、自然の力を生かして栽培することを原則としています。
本来、虫を除去するために農薬で抹殺したり、野菜を大きく太くするために化学肥料を使用すること、手間なく雑草を抜くために除草剤を撒くことなどは、自然の摂理からすると大きく外れた行為です。
このようなことは非常に便利ですが、自然の力を生かせず、自然の摂理にとって理不尽なことで栽培された生産物は、体の不調も引き起こす原因となる場合もありますよね。
さらに、有機JAS認定マークの認証を得るには、「遺伝子組み換え野菜ではない」ことや「放射性物質を含ませていない」ことなどを条件としています。
実際に、一般的な食品より、オーガニック食品はバクテリアなども少ないという研究結果も存在しています。
この点からすると、オーガニック食品には、一般的な食品にはないような安全性があるといえます。
つまり、オーガニック食品は自然そのものを吸収でき、土に残っている化学物質などから体を守ることができます。
オーガニック食品のメリット②!味と栄養価の高さについて
ふたつ目のメリットは、味が美味しく、栄養価も高いことです。
オーガニック食品は、一般的な食品と比べると、みずみずしくて美味しいという特徴があります。
野菜が本来の濃い味わいになっており、生のままで食べても美味しいかと思います。
野菜の味わいは土によって変わりますが、化学肥料を使用しない土は栄養価が豊富なのです。
多くのミネラル分やたんぱく質の分解質が含まれるのが、オーガニックの土です。
それらが含まれることによって、野菜の味を抜群に美味しくしてくれます。
そして、栄養価の面については、有機野菜には多くの抗酸化物質が含まれており、それは老化や病気の予防にもつながります。
なぜなら、抗酸化物質は、老化や病気を引き起こす原因となる、活性酸素を体内から除去する働きを持つためです。
オーガニック野菜に抗酸化物質が多く含まれているのは、オーガニック野菜は農薬などを使用しないことが原則であるため、野菜自身が病気や害虫から身を守めるように抗酸化物質を多く作り出すからです。
また、オーガニック食品自体の栄養価も高いです。
オーガニック食品は安いとはいえませんが、このような効果が実感できるのであれば買って損はないでしょう。
暮らしの中にオーガニックを!安い値段で買うコツ
オーガニック食品を食べてみたいけど、値段のことを考えると思いとどまってしまう人にむけて、オーガニック食品を買うのにおすすめの買い方をご紹介します。
まずは、購入する食品に優先順位をつけてみることです。
例えば、自分自身や家族がよく食べるものを買えば、食品から農薬などを繰り返し摂取してしまうことを防げます。
化学物質の残留物が残りやすい果物や野菜を、オーガニックに替えることもおすすめです。
また、比較的安いといわれてる旬のものを買ったり、まとめ売りされているオーガニック食品を買うことで節約にもなります。
さらに、どうしても買うのをためらってしまう方は、自分で育てるという方法もあります。
そして、近年では食材宅配が注目を浴びています。
インターネットから注文し、自宅まで届けてもらえるので大変便利です。
食材宅配の場合は、一般的な食品が通る卸売市場を通さないことや、大量出荷をすることで、その分安い値段設定ができます。
海外産のほうが安いけど、国産のオーガニック食品を選ぶ?
前述した通り、日本のオーガニック食品は高く値段設定される場合が多いようです。
海外産のオーガニック食品のほうが安い傾向があります。
オーガニックは、日本よりもオセアニアや欧米のほうが進んでおり、海外の食品の種類が多く、大量生産をするため、消費者に安い値段で商品を提供できます。
値段や種類に着目すると、海外産のオーガニック食品につい目が行ってしまいそうですが、国産のオーガニック食品には、こんな特徴があります。
海外産ではあまり入手しづらい和食材の種類が多くて、安いです。
国産のオーガニックでは、日本人に不可欠である和食材の選択肢が豊富であり、味や値段、放射線物質への対応などの視点から満足のいくものを買うことができるかと思います。
また、食品表示が日本語であるため、品質を見極めることができることもあげられます。
食品表示が慣れていない言語で表示されると、詳細を確認するのが大変ですよね。
そして、日本産の食品を消費することで国内の生産者や流通業者を支援することにつながり、身土不二の観点からも合理的です。
ぜひオーガニック食品を取り入れてみましょう!
今回はオーガニック食品について定義やメリット、魅力、購入する際のコツ、海外産と国産のオーガニックについてなどをご紹介しました。
オーガニックの本来の意味を理解して、無理なく生活に取り入れたいですね。
オーガニック食品を取り入れることは、私たちの生活をよりいっそう豊かにしてくれることでしょう。