相撲めしの王道といえば、ちゃんこ鍋です。
力士の立派な体を作るのですから、栄養満点で食べごたえも抜群です。
定番の味は、ソップ炊きや味噌ちゃんこですね。
相撲部屋でも、最近はいろいろなレシピのちゃんこ鍋が作られているようです。
今回は、ちゃんこやそのレシピについてお話します。
相撲部屋の食事「ちゃんこ」
「ちゃんこ」というと、相撲部屋で食べられている鍋のことを想像する人が多いと思います。
実は、「ちゃんこ」というのは鍋料理のことではありません。
相撲部屋で食べられている食事は、すべて「ちゃんこ」と呼ばれるのです。
つまり、力士が作り、食べる料理が「ちゃんこ」なのです。
ですから、相撲部屋で作るカレーもハンバーグも「ちゃんこ」です。
相撲部屋の料理当番は、「ちゃんこ番」と呼ばれます。
そもそも、この「ちゃんこ」という言葉には様々な由来があるとされています。
有名なのは、江戸時代の長崎で、中国人が使っていた鍋「チャンクォ」がルーツという説です。
また、「ちゃん」は親方、「こ」は弟子のことを意味し、親方と弟子が一緒に食べるから、という説もあります。
ちゃんこのレシピは、相撲部屋によってさまざまです。
その部屋の伝統の味から、斬新な味まで各部屋によってアレンジされています。
しかし、基本的なちゃんこは、
☆ソップ炊き(醤油)
☆水炊き(塩)
☆味噌ちゃんこ
☆湯豆腐ちゃんこ
です。
どれも美味しそうですね。
ちゃんこ鍋というと、大鍋でなければ作れないと思っている人もいると思いますが、家庭で作れるレシピもあります。
後ほどご紹介します。
相撲部屋によってレシピはいろいろ
味噌ちゃんこなどの基本のちゃんこもとても魅力的ですが、近年では相撲部屋でも新しいちゃんこ鍋が登場しています。
☆カレーちゃんこ
☆キムチちゃんこ
☆トマトちゃんこ
☆しゃぶしゃぶ
など、変わり種ちゃんこのレシピも作られています。
このようなちゃんこは、若い力士には人気があるようです。
一般の家庭でも作られているようなメニューも、もちろんあります。
☆すき焼き
☆もつ鍋
☆肉団子
☆豚ちり
☆鶏手羽ちり
☆牡蠣ちり
☆湯葉
☆豆乳鍋
相撲部屋の食事は、量が半端ではありませんが、メニューは一般の家庭でも食べられているものが出されることも多いようです。
また、ちゃんこ鍋も相撲部屋だけのメニューではなく、一般の家庭で食べられています。
ちゃんこ鍋は、肉や野菜がたっぷり入って栄養バランスも良く、しかも経済的です。
力士の強靭な体を作るために栄養たっぷりなうえ、簡単に作れて手軽にバランスよく食べられる食事として、相撲部屋から一般家庭にも浸透しています。
お家で作れる相撲部屋のちゃんこ鍋レシピ
代表的なちゃんこのレシピのひとつに、「ソップ炊き」があります。
ソップとは、スープが転じた言葉で、鶏ガラのことです。
鶏ガラで取っただし汁を、しょうゆで味付けした鍋を、ソップ炊きといいます。
本来であれば、鶏ガラからスープを作りますが、ご家庭では難しいですよね。
簡単に作れるレシピがありますので、ご紹介します。
【材料 2人分】
<スープ>
・水 1ℓ
・鶏がらスープの素(顆粒) 大さじ2
・酒 大さじ2
・しょうゆ 大さじ8
・砂糖 大さじ5
<具材>
・白菜 3枚
・キャベツ 2枚
・人参 3cm
・キノコ類(シメジなど) 1/2株
・ネギ 1本
・もやし 1/2袋
・鶏肉 150g
具材は、お好みのものを入れてください。
ほかにも、肉団子などもおすすめです。
【作り方】
①具材を一口大に切っておきます。
②鍋に、スープの材料をすべて入れ、沸騰させます。
③鍋に、具材を並べて入れます。
④具材に火が通ったら、出来上がりです。
相撲部屋では、鶏が絶対手をつかないことから、ゲン担ぎで鶏肉がよく食べられています。
ぜひ、ちゃんこ鍋を作る際には、鶏肉を入れてくださいね。
続いて、次項では味噌ちゃんこのレシピもご紹介します。
定番の味噌ちゃんこレシピ
味噌ちゃんこも、相撲部屋定番のちゃんこ鍋です。
こちらのレシピも簡単に作れますので、美味しい味噌ちゃんこをぜひ自宅で作ってみましょう。
【材料 4人分】
<スープ>
・水 2ℓ
・だし入り味噌 200g
・砂糖 30g
・うま味調味料 小さじ1
<具材>
・豚肉 300g
・キャベツ 1玉
・もやし 2袋
・たまねぎ 1個
・ニラ 1束
・にんじん 1/2本
・えのき 1袋
・豆腐 1丁
・ゴマ油 少々
・ニンニク(すりおろし) 少々
・キムチの素(瓶入りのもの) お好みで適量
【作り方】
①具材を食べやすい大きさに切ります。
豚肉は、ゴマ油とにんにくで炒めておきます。
②スープの材料を鍋に入れ、溶かして火にかけます。
③ ①の豚肉を鍋に入れます。
④野菜を入れ、火が通ったら出来上がりです。
この鍋は、キムチ鍋に変化させることもできます。
スープの時点でキムチの素を入れても良いのですが、味噌ちゃんこを楽しんでから、キムチの素を入れて味を変えるのがおすすめです。
1度で2つの味が楽しめる味噌ちゃんこ鍋です。
味噌ちゃんこに飽きたら、みんな大好きカレーちゃんこ!
次にご紹介するのは、今では相撲部屋でも人気を誇るカレーちゃんこ鍋のレシピです。
ソップ炊きや味噌ちゃんこは飽きが来ない定番ちゃんこですが、カレーちゃんこ鍋も、定番に入れても良いくらいみんな大好きなちゃんこです。
ちゃんこ鍋で作るカレーは、いつものカレーよりコクがあって味わい深いですよ。
〆は、ご飯とチーズを投入してカレーリゾットにすると絶品です。
【材料 4人分】
・鶏もも肉 3枚
・エビ 8尾
・玉ねぎ 2個
・にんじん 1本
・ほうれん草 1わ
・ゆでうどん 2~3玉
・にんにく 2かけ
・鷹の爪 2本分
・カレールウ 4人分
・だし汁 6~8カップ
・塩 適量
・こしょう 適量
・みりん 100ml
・サラダ油 適量
・しょうゆ 大さじ1~2
【作り方】
①鶏肉は一口大に切り、塩こしょうをふっておきます。
エビは背わたを取り、殻は剥かずに、足を取り除いておきます。
にんじんは乱切りにします。
ほうれん草は下茹でして、4㎝程度に切ります。
②だし汁とみりんを合わせておきます。
③玉ねぎは薄切りにします。
フライパンできつね色になるまで炒めておきましょう。
④鍋に、サラダ油をたらし、にんにく、鷹の爪を入れて熱します。
香りが立ったら、鶏肉、エビ、玉ねぎ、にんじん、②を加えて煮ます。
⑤アクを取りながら10分程度煮ます。
⑥カレールウを溶かしながら加え、しょうゆで味を調えます。
⑦仕上げに、ほうれん草、うどんを加えて出来上がりです。
本格的な味噌ちゃんこが食べたいなら
ご家庭でも美味しいちゃんこ鍋は作れますが、時には本格的な相撲部屋のちゃんこ鍋が食べたくなります。
相撲の本拠地、両国では、元力士が営むちゃんこ屋が数多く存在しています。
その中でも、おすすめのちゃんこ屋さんをご紹介します。
東京の下町観光の際に、寄ってみてはいかがですか。
☆ちゃんこ霧島
元大関「霧島」で有名な、13代目陸奥親方(みちのくおやかた)の店です。
陸奥部屋のレシピを継承したちゃんこが食べられます。
味噌ちゃんこはもちろん、塩、しょうゆ、キムチの4つの味からお好みのものを選ぶことが出来ます。
おすすめは、味噌と醤油のブレンドです。
メニューにはありませんが、注文すれば誰でも食べられますよ。
両国駅から徒歩1分という立地の良さもあって、ちゃんこが初めてという人にもおすすめです。
運が良ければ、陸奥親方ご本人が店にいらっしゃることもあるそうですよ。
☆ちゃんこ巴潟
創業40年のちゃんこ鍋の老舗です。
友綱部屋のちゃんこをもとに、メインの「味噌」「塩」「しょうゆ」「水炊き」の4つのちゃんこは、友綱部屋ゆかりの力士の四股名が付けられています。
☆割烹ちゃんこ大内
こちらのちゃんこ屋は、時津風部屋のちゃんこをベースにしています。
鶏ガラだしのしょうゆ味に、キャベツを使って甘みを引き出しているのが特徴のひとつです。
また、こちらのちゃんこ屋では、1人前からちゃんこ鍋を注文することが出来ます。
ただし、1人前といってもたっぷりの量がありますので、ご注意くださいね。
ひとりでも立ち寄れることから、女性のひとり客も多いそうですよ。
ちゃんこ鍋で元気を付けよう
ちゃんこ鍋は、いろいろなアレンジが出来ますので、冬に限らず一年中楽しめるメニューです。
難しい食材も使いませんので、誰でも簡単に作れますね。
元気を出したいときに、チカラめしとしてちゃんこを作ってみてはいかがですか。
栄養満点で、パワーが付きますよ。