寒い季節になると恋しくなる甘酒。
お正月に激甘な甘酒を初詣で飲んだり、おせちと一緒におばあちゃんが手作りで作ってくれたり、懐かしい思い出がある人も多いのではないでしょうか。
庶民的で昔から親しまれてきたのは酒粕甘酒ですが、近年では米麹の健康効果が注目され、米麹甘酒もたくさん売られています。
そんな甘酒ですが、ダイエット中の人は飲むと太るか気になりますよね。
甘酒の種類と栄養、太りにくい甘味料やレシピについてまとめてみました。
甘酒の種類
「甘酒は太るの?」という疑問にお答えする前に、甘酒には二つの種類があるということをご説明します。
甘酒が大好物な人は当然ご存知でしょうが、少しだけお付き合いください。
まず、「酒粕からつくった甘酒」、そして「米麹からつくった甘酒」です。
どちらも、寒い季節に飲むと体がポカポカし、優しい甘さに癒されますよね。
「酒粕派」「米麹派」で分かれることもあり、両者譲らぬ戦いです。
では、この二つの種類の甘酒の違いは、どんな点なのでしょうか。
最初に挙げる違いは、アルコールが含まれているか、いないかということです。
酒粕甘酒は、沸騰させてある程度は飛ばしていますが、わずかにアルコール分が残っています。
なので、飲むことができない人もいますよね。
お子さんや車を運転する人、妊婦さん、そもそもお酒が体に合わない人などです。
余談ですが、筆者が子供の頃に、お正月の親戚の集まりで振舞われた甘酒は酒粕でした。
「美味しい!」というと、「将来は酒飲みになるぞ!」なんて、からかわれたものです。
酒粕甘酒と米麹甘酒の違いって?
さらに、酒粕甘酒と米麹甘酒の違いについて考えてみたいと思います。
甘酒をご自宅でいつもつくっている、という人もいらっしゃるかもしれませんね。
この二つの甘酒では、つくり方が大きく違います。
それぞれの作り方をご説明しましょう!
〇酒粕甘酒
・鍋に水を入れて温めたら酒粕を入れて溶く
・弱火にかけながらかきまぜ、砂糖を入れる(生姜はお好みで)
・一煮立ちで完成!
酒粕の分量をお好みで変えられるのが、自分で作るメリットですよね。
太ることを気にせずお砂糖をたくさん入れると売っている味に近くなります。
また、酒粕が多めだと大人の味になりますね。
初めてつくる人は、お湯400ccに対して、酒粕100gくらいが目安です。
〇米麹甘酒
・おかゆを炊飯器で炊いて冷ます(触れられるくらいまで)
・米麹をおかゆと同じ量入れて混ぜる
・布巾をかけて炊飯器の蓋を開けたまま保温(60度以下で)
・8時間くらいで完成!
他にもつくり方はありますが、代表的で簡単な方法をご紹介しました。
いかがでしょうか?
時間やコストを考えると楽なのは酒粕甘酒ですね。
では、栄養面での違いはどうなのでしょうか。
太るかもしれない甘酒がどちらなのかも、はっきりさせちゃいましょう!
甘酒の原料の栄養素!酒粕と米麹どちらも栄養たっぷり
甘酒の原料になる酒粕と米麹(それぞれ100gあたり)の栄養は下記の通りです。
〇酒粕
・カロリー 227kcal
・炭水化物 23,8g
・タンパク質 14,9g
・ビタミンB1 0,03mg
・ビタミンB2 0.26mg
・ビタミンB6 0.94mg
・葉酸 170μg
・カリウム 28mg
・マグネシウム 9mg
・リン 8mg
・亜鉛 2,3mg
・食物繊維5,2g
〇米麹
・カロリー 286Kcal
・炭水化物 59.2g
・タンパク質 5.8g
・ビタミンB1 0.11mg
・ビタミンB2 0.13mg
・ビタミンB6 0.11mg
・葉酸 71μg
・カリウム 61mg
・マグネシウム 16mg
・リン 83mg
・亜鉛 0.9mg
・食物繊維1.4g
他にも、酒粕には無い成分を米麹はもっていて、そのことから「飲む点滴」と呼ばれるのは米麹甘酒の方です。
ですが、どちらも栄養たっぷりで、健康によい食品です。
また、カロリーで見ると、米麹の方が高いということが分かりますよね。
ですが、これは原料のことなので、実際に甘酒にするとどっちも81Kcalくらい、と考えられます。
ただ、酒粕甘酒では、お砂糖を入れない状態でのカロリーです。
ここから美味しくするためにお砂糖をたくさん入れると、残念ですが「太る飲み物」として考えなければいけません。
酒粕甘酒ってやっぱり太るの?
酒粕甘酒をつくるときには、お砂糖を入れて甘くしないと飲めたものではありません。
甘さ控えめにつくったとしても、飲めるくらいのレベルにするためには、ある程度は入れなければいけません。
お店に並んでいる甘酒の定番商品も、「これでもか!」というくらいお砂糖は入っています。
ですから、毎日たくさん飲んでしまうと、当然ながら太る...というわけです。
ですが、湯吞み茶碗一杯くらいで、そこまで神経質になることもないでしょう。
かなりの甘党でなければ、そのくらいでも十分満足感が味わえる飲み物です。
酒粕甘酒はアルコールが入っている分、体を温める効果も高く、米麹にはない風味があります。
ですので、特別な日の一杯として、少量をたしなむくらいなら、いいのではないでしょうか。
もちろん、ダイエット中で厳しくカロリー管理している人は、こんな誘惑に負けてはいけませんよ!
「米麹甘酒しか飲まない!」と決意してもいいですし、お砂糖の代わりになる「あるもの」を入れて、健康的なダイエットを目指すのもおすすめです。
では、その「あるもの」についてもご説明していきましょう。
太るなら飲まない?酒粕甘酒におすすめの天然甘味料
ご家庭にある「白砂糖」は、お馴染みの味で、「どうしてもこれが好き!」という人もいるかもしれませんね。
ですが、太るというデメリット以外にも、血糖値を急激に上げ下げしてしまう、ということがあります。
血糖値の高低差があると、内臓に負担がかかり、体のバランスが崩れやすくなります。
そうすると、消化する力や代謝する力が弱まり、免疫力も下がってしまうかもしれません。
もちろん、体が丈夫で若い方が適度にとる場合にはそんなに問題はありません。
ですが、加齢やストレス、疲労が原因で体質が変わり体調不良になりやすくなったり、スポーツやお仕事で最高の結果を残したい、と考える人は注意が必要です。
そこで、ここではお砂糖の代わりになる甘みについてご紹介します。
・天然甘味料
お砂糖の味に近いものとして、おすすめなのがエリスリトールなどの天然甘味料です。
スーパーで売っている「ラカントS」という甘味料を見たことがある人もいらっしゃるでしょう。
ラカントSの主成分が、エリスリトールなのです。
エリスリトールはラカントS以外でも、ネット販売されています。
エリスリトール100%で1kg約1,000円の商品もありますが、甘みはお砂糖より控えめなので、多めに入れる必要があるようです。
・人工甘味料
「パルスイート」などの人工甘味料もクセが無く、酒粕甘酒の風味を邪魔しません。
ですが、体への影響については不透明な部分があります。
甘酒をつくる場合は大量につかうので、あまりおすすめはできません。
太るのが気になる人に!健康的な酒粕甘酒レシピ
他にも、酒粕甘酒に必要な甘みの材料はあります。
健康によいということを考えれば、蜂蜜やオリゴ糖などです。
「蜂蜜はそれ自体に風味があり、酒粕と合わないのでは?」と思うかもしれませんね。
ですが、意外と多くの人が蜂蜜甘酒を楽しんでいます。
もともと蜂蜜の味がとても好きだという人は、ご自分の新定番ドリンクになるかもしれませんよ。
そこで、2人前がすぐにできちゃう簡単レシピをご紹介します。
カロリーはあるので、「太るのが絶対嫌!」という場合にはおすすめできませんが、こんなレシピもあるんだ、と参考にしてください。
☆蜂蜜&生姜たっぷり酒粕甘酒(レンジ使用)
(材料)
・酒粕 100g
・水400
・蜂蜜 大さじ2杯
・砂糖 小さじ2杯
・生姜 適量
①まず、耐熱容器に酒粕、熱いお湯を注ぎ、そのままふやかします。
②すりおろした生姜をお好みの量入れて、酒粕をつぶしながらまぜます。
③お砂糖と蜂蜜を入れましょう。
④レンジで(600w2分程度)加熱し混ぜたら完成です。
さらに、腸内環境をよくしてくれるオリゴ糖入りの酒粕甘酒のレシピもご紹介します。
☆オリゴ糖で優しい味!酒粕の甘酒
(材料・10人分)
・酒粕 200g
・オリゴ糖 おたま1~2杯
・水 2L程度
・塩 小さじ半分
こちらのつくり方ですが、先ほどご紹介した普通の酒粕甘酒のつくり方で、お砂糖をオリゴ糖とお塩に変えただけです。
オリゴ糖を入れると少し薄めのマイルドな風味になりますが、お通じに効くレシピですので、ぜひお試しください。
酒粕甘酒は健康・美容に効果あり!
酒粕でつくった甘酒は好きだけど太るから飲まない、という人も、この記事を読んで、「酒粕甘酒を飲んでみようかなあ」という気持ちになったかもしれませんね!
酒粕には、ビタミンやミネラルもバランスよく含まれています。
食物繊維やビタミンB群の他にも、トリアシルグリセロールという、美肌に効果的な成分もあります。
ですから、美容を意識する人にも、酒粕甘酒はおすすめですよ!