スーパーでは、常温で置かれているものや、冷蔵ショーケースに入れられているもの、様々あります。
家庭で保存する場合は、どのように野菜を保存していますか?
今回は、野菜の保存についてお話していきます。
それぞれの温度帯に適した野菜を見ていきましょう。
野菜保存のポイント
野菜の保存方法についてですが、はじめに野菜の保存方法のポイントを見ていきます。
実は本来、野菜は保存に向いた食材ではありません。
そのわけは、野菜は鮮度劣化が早く、時間経過によって、美味しさがなくなっていくのが早いからです。
野菜を美味しく食べるためには、消費量に見合った量を購入して、すぐに食べきることが一番です。
しかし、毎日の買い出しも手間の掛かることですから、今回は保存について、焦点を当てていきます。
ご紹介する方法は、可能な限り野菜の美味しさを損なわないように、さらに、長い間保存できる方法のポイントをご紹介していきます。
野菜の保存温度帯は、常温・冷蔵・冷凍の3つの温度があります。
野菜の保存の目的は、野菜をエチレンから保護することです。
このエチレンが、野菜を老化・劣化させる原因になります。
野菜の呼吸数が増えることにより、エチレンが増えるようです。
野菜の呼吸は、日光がよく当たる場所や、温度が高くなると増えるので、これらの場所は基本的に避けるのが重要です。
よく聞く冷暗所とは?常温保存の豆知識
色々な商品説明に記載されている「冷暗所」。
みなさん、一度は見たことがあるかと思いますが、具体的にはどんな場所なのでしょうか?
それは風通しが良く、涼しくて暗い場所のことを指します。
風通しが良くとのいうのが、大切です。
空気が淀んでいると、暗くジメジメとしてしまうので、カビの発生が起こりやすいので気をつけましょう。
この冷暗所も、常温に区分に入ります。
常温保存は、ただ外に出しておけば良いということではなく、この冷暗所に保存するようにしましょう。
アパートやマンションにお住まい方にとっては、最適な常温保存場所は玄関です。
風通しが良く、なおかつ光もある程度遮断されるので、野菜にとっては比較的快適な場所と言えます。
そして、寒さに弱い野菜ですが、気温の高い夏場は、やはり冷蔵庫での保存をしましょう。
その際は、新聞紙やキッチンペーパーなどで軽く包んみ、ビニール袋に入れることで、冷蔵庫の冷気を直接野菜に当たることを防げます。
常温保存に適した野菜
では、常温保存に適した野菜を見ていきます。
これは、基本的に土の中で育つ根菜と、冬野菜などが当てはまります。
土の中というとのは、基本的に冷蔵庫より高い温度帯にあるため、野菜にとっては冷蔵庫は冷たすぎるという状況になってしまうのです。
旬を迎えるのが冬の野菜は、元々は寒い外気にさらされて育つので、根菜類とは逆に、今度は冷蔵庫が温かいと感じてしまうこともあるのです。
では、常温保存が適した野菜をまとめてみましょう。
・根菜・芋類
じゃがいも、さつまいも、ごぼう、人参、長ネギ、大根など
・季節野菜類
トマト、きゅうり、なす、ピーマン、白菜など
かなりざっくりですが、馴染み深い野菜が多いですね。
根菜類で泥付きのものがあれば、泥をつけたままでの保存が一番です。
また、長ネギなどは立てて保存すると、なお良いですね。
鮮度の劣化を遅めてくれます。
意外なのが、夏野菜です。
夏野菜といっても、真夏に常温での放置は良くありません。
基本的に夏野菜は温かい状況を好みますが、暑いのは苦手です。
しかし冷蔵庫では寒すぎるので、冷やしすぎないようペーパーなどに包んで、丸ごとの状態で野菜室に保存しましょう。
上手な常温保存例
一部の野菜について、上手な常温保存方法を挙げていきます。
まず、バナナの保存について。
バナナは常温保存が一番ですが、さらに袋から取り出し、吊るすのが最良の方法です。
なぜ吊るすのかというと、バナナの劣化は何かに触れている部分から始まってくるので、できるだけ何も触れないようにしましょう。
バナナを吊るせるバナナスタンドが販売されているので、バナナ好きな方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
先述の芋類については、新聞紙とダンボールで、完全に遮光するのが最良です。
芋の類は特に光に弱いという弱点があるので、光が当たらないようにするのは当然です。
まず、ダンボールの中に新聞紙を敷いて、芋自体も新聞紙で軽く包みます。
そして、さらに上から新聞紙を被せて、完全に光をシャットダウンです。
これで芋類は、安全に保存できます。
上記の中にはなかったですが、使用頻度が高いだろう玉ねぎの保存についても言及します。
玉ねぎの保存は、常温でも冷蔵でも大丈夫です。
しかし、新玉ねぎの場合は、必ず冷蔵庫に保存しましょう。
保存方法はバナナと同じで、風通しの良い冷暗所で吊すことです。
また、芋類と同じように、ダンボールと新聞紙の合わせ技もオススメできる保存方法です。
玉ねぎは保存が比較的簡単で、料理の幅も広いので、買い溜めにはオススメの野菜ですね。
冷蔵保存をオススメする野菜
次は常温ではない、冷蔵庫の保存に適した野菜の一覧を挙げていきます。
・葉物類
レタス、キャベツ、ほうれん草、小松菜、セロリなど
・触って柔らかいもの
オクラ、キノコ類、かぶなど
冷蔵庫保存に適した野菜は、葉物野菜全般が当てはまります。
葉物は、温度の変化に敏感で、鮮度劣化がとても早い性質があります。
さらに葉の部分から水分が蒸発も早いので、冷蔵庫で保存するには、キッチンペーパーなどで優しく包みましょう。
さらに、密閉袋のジップロックなどに入れれば、なお良いです。
芯や葉がついたままだと、可食部分からの必要な栄養素を奪われてしまうことがあります。
それらを切り取り、除去することが大切です。
レタスやキャベツは芯の部分をくり抜いて、かぶは葉と実を切り分けて保存するようにしましょう。
先述した根菜は、泥を洗い落とした後や、カットした後は、密閉袋に入れて冷蔵保存するようにしましょう。
当然、一度カットした野菜も冷蔵保存しましょう。
冷凍保存が可能な野菜
最後に冷凍保存に適した野菜の一覧を紹介していきます。
・葉物
ほうれん草、小松菜など
・キノコ類
椎茸、エリンギ、舞茸、えのきなど
・その他
もやし、ネギ類など
冷凍保存に適しているのは、葉物やキノコ類です。
先述の一覧と同じものもありますが、状況に応じて、冷凍保存も大丈夫という意味合いです。
もちろん、冷蔵保存も鮮度は保てますが、すぐに使わない・使い切れない場合は、傷んできてしまいます。
長期保存が必要な際は、冷凍しましょう。
葉物やネギは、使い切れる分量にカットし、キノコ類は石づきを切って、冷凍保存しましょう。
もやしは、劣化がとても早いので、使い切れないときは、水気をきって冷凍します。
冷凍状態は野菜にとって、本来ありえない温度帯なので、デメリットがあります。
具体的には、栄養が損なわれることが多いということです。
特に、水溶性ビタミンの消失が顕著です。
上手に、他の食材を組み合わせるようにしましょう。
メリットももちろんあって、キノコ類は冷凍することで、旨味成分がアップします。
キノコ類に含まれる旨味分解酵素・エステラーゼが、冷凍によって消失するためです。
野菜にとっては基本的には常温が普段の環境であり、ストレスを感じないのですが、例外もあるので、上手に利用しましょう。
保存方法は適切に
野菜は基本的に、収穫した時点から刻一刻と鮮度が落ちてしまう食材です。
芋類など一部では例外がありますが、一番美味しいのは収穫した瞬間です。
ですが、自家栽培をしていない限り、そういった機会で野菜を食べることは、まずないですよね。
収穫からさまざまな工程を経て、食卓に並ぶまでは、それなりの日数が掛かり、鮮度劣化は免れません。
しかし、保存の方法・工夫で劣化速度を遅らせることができます。
適切な保存で美味しい野菜を味わってくださいね。