今までは、家庭用でお米を作っていた人も、もっとたくさんの人に食べてもらいたいと思ったときに、販売することはできるのでしょうか。
生産者から消費者に販売するときの条件や、義務などをご紹介します。
お米にまつわる資格も、併せてご覧ください。
お米の販売に資格は要らない?
現在、お米の販売は自由化になっているので、販売許可や資格がなくても、生産者から消費者に販売ができるようになりました。
インターネットなどの通販でもお米が買えるようになったのも、自由化のおかげですね。
生産者本人から直売する場合は届け出は必要ありませんが、本人以外の他の生産者から転売となると、届け出が必要になるので、注意が必要です。
この場合は、農政局の食料部消費流通課や、地元の農政事務所に問い合わせをしてください。
その際に必要な書類を記入して、問題がなければ、お米を販売することができるようになりますよ。
お米の販売をお考えの方や、興味のある方は、参考にしてみてくださいね。
先ほど、触れたインターネット通販や、近所で開催されているイベントなどで、販売してみてはいかがでしょうか。
お米を販売する機会はたくさんありますから、情報をチェックして、お米を販売できる場所を調べてみるのもいいですよ。
お米の販売は届け出が必要
先ほどお伝えした通り、資格がなくてもお米は販売できますが、これからお話する条件に当てはまる方は、販売許可と届け出が必要になってきます。
●年間20トン以上の精米販売
今後、お米の出荷量が増えそうならば、必ず届け出を提出してください。
届け出については、農政局に問い合わせてみましょう。
すると、所定の用紙がもらえますから、そこに必要事項を記入していきます。
難しいことはありません。
出荷するお米が増える見込みが立ったら、必ず提出しましょう。
●お米の食品表示義務
お米の販売には、お米の一括表示の義務が生産者にはあります。
必ず守りましょう。
お米の表示は、「玄米及び精米品質表示基準」を元に作成します。
・名称
精米、または、もち精米、うるち精米など
・原料玄米
産地や品種、産年など
複数原料米の場合は、使用されているお米の割合の多い順に表示します。
・お米の内容量
750g、5kg、10kgなど
・精米年月日
・販売者
販売者名に続き、住所や電話番号
これらを記載したシールを、お米の袋に貼る。
もしくは、印字、書き込みなどをして、お米の内容を表示して販売します。
この食品表示法は、変更がある場合もあります。
頻繁に農林水産省のホームページなどで「玄米及び精米品質表示基準」を確認してから作成しましょう。
お米販売の資格は要らなくても、守るべき法律がある
資格は要らなくても、お米を生産して販売をするには、食品表示法の他にも法律があります。
●米トレーサビリティ法(米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律)
お米の取引などの記録をして、それらをまとめた資料を作成します。
作成したものは保存して、産地の情報を伝える義務があります。
●食糧法(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律)
日本国内で、主要食糧の流通を安定させる法律です。
これらの法律も、時代と共に変わることもあります。
インターネットの情報や、同じくお米の生産・販売をしている人の情報が確かなものかは、実際には不確かなこともあります。
しつこいようですが、お米の生産・販売をする際には、必ずご自身で各自治体の農業委員会や農林水産省などで確認し、最新の情報を収集しましょう。
確かな方法で販売をすれば、思わぬトラブルにもなりませんし、愛情をこめて作ったお米を、たくさんの人に食べてもらえますよ。
お米の資格?お米マイスターを目指す
お米マイスターという資格があるのを、ご存知でしょうか。
いわば、お米のスペシャリストのような資格です。
お米の生産・販売をされている人であれば、こういった資格を目指すのも良いかもしれません。
この資格は、だれでも受験できるわけではありません。
お米にまつわる専門職経験がある人が、受験できる資格です。
受験できる条件は、次の通りです。
1.米穀の届出事業者のうち、小売業を営む者及びその家族、従業員
2.米穀小売業に5年以上従事している
3.都道府県米穀小売組合に加入している
この3つ全てを満たした人が、お米マイスターの資格を受験することができます。
例外として、日米連理事長が、とくに必要と認めた人も当てはまる場合もあります。
試験日は年に1回で、だいたい1月~2月にかけて開催されます。
明確な開催場所は、受験者のみ知らされ、講習と試験を1日で行います。
合格すると、「三ツ星お米マイスター」として、幅広い活動が行えるようになります。
五ツ星お米マイスター
三ツ星お米マイスターを取得したら、さらなる上を目指してみませんか?
その名も「五ツ星お米マイスター」です。
お米の知識力が身に付く三ツ星お米マイスターに対し、五ツ星お米マイスターは、技術力が試されます。
試験の内容は、お米の成分や品種などの説明ができるか。
玄米の判別ができるかどうか。
炊飯のクレーム対応ができるかなど、試験官と1対1になって試験を行います。
また、お米を食べて判別する、食味官能試験も行われます。
五ツ星お米マイスターは、なかなか厳しい資格ではあります。
しかし、お米の知識が身に付くことは、お米を販売する立場の方なら、取得してみたい資格なのではないでしょうか。
なお、こうしたお米マイスターがいるお店には、お米マイスターの認定マークが掲げられるようになります。
お米のスペシャリストがいるお店だと、消費者の目も向きやすくなりますよね。
お米が好きなら、ごはんソムリエ
お米の生産者でなくても、販売をしたことがない人でも取得できる資格はあります。
それが、ごはんソムリエです。
お米が好きな人でしたら、受けてみてはいかがでしょうか。
応募資格は、2日の講習が受けられて、筆記試験・食味試験が可能な人なら、職業や年齢による条件はありません。
試験日は、同じ時期に2回行われ、都合のつく日を選びます。
気を付けなければいけないのが、先着で人数が決められているので、多数応募の場合は、日程の調整が入る場合もあります。
申し込みをすると、受験票と共に、テキストなどが送られてきます。
試験の日まで、予習をしておきましょう。
試験当日は、筆記用具と、受験票を忘れずに持って行ってくださいね。
20日前後で協会のホームページに合格者の受験番号のみ、発表されます。
(受験した人は全員に、合否の連絡が郵送されます)
ごはんソムリエに合格したら、認定登録料10,280円(学生5,140円)が必要になりますので、用意しておきましょう。
なお、認定登録が済めば、更新手数料等の費用は掛かりません。
ホームページにごはんソムリエとして、あなたの名前が載りますよ。
美味しいお米を食べてもらおう
いかがでしたか?
昔と比べると、自由化に伴い、生産して販売することが身近になってきました。
決められたことを守れば、ご自身の育てたお米を販売することができますよ。
お米の資格も、知識や行動範囲に広がりが出ますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。