梅干しって、食べると酸っぱさが口の中に広がりますよね。
酸っぱいことから酸性食品だと、勘違いしている方もいらっしゃると思いますが、実は、梅干しはアルカリ性食品なのです。
ここでは、アルカリ性食品についてと、梅干しの効能を利用した『梅干ダイエット』についてご紹介します。
アルカリ性食品とは
昔、リトマス紙を使用して、酸性やアルカリ性の実験をしたと思います。
青いリトマス紙が赤くなると酸性で、赤いリトマス紙が青くなるとアルカリ性でしたよね。
梅干しを青いリトマス紙で調べてみると、赤くなります。
つまり、リトマス紙の結果は酸性です。
しかし、梅干しは酸性食品ではなく、アルカリ性食品なのです。
なんだか、頭が混乱してしまいそうですよね。
そもそも、酸性食品・アルカリ性食品とはどんなもので、どのように分類されているのでしょうか。
実は、食品そのものではなく、食品の中に含まれるミネラルが、酸性かアルカリ性なのかで判断しているのです。
食品を燃やした灰を水中に入れて、溶出成分を含む水溶液のpHを測定します。
人間の体の中では、酸化反応により、エネルギーを作り出しています。
食品を燃やすことにより、体内での反応を疑似的に作り出し、体内に蓄積される「燃え残り」を推定できるということから、酸性・アルカリ性を判定しています。
酸性を示すミネラルは、塩素・リン・硫黄などで、アルカリ性を示すミネラルは、ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウムなどです。
梅干し以外のアルカリ性食品
市販の食品でも、酸性食品・アルカリ性食品と、記載してあるものがありますよね。
アルカリ性食品は、梅干しの他にも、野菜・きのこ・海藻などがあります。
これらの食品は低カロリーで、食物繊維やカリウムが豊富に含まれています。
そのため、アルカリ性食品は、生活習慣病の改善に良いと言われています。
☆アルカリ性食品…野菜・果物・海藻・きのこ・大豆
以下、詳細です。
ひじき・ワカメ・昆布・干しシイタケ・大豆・ほうれん草・ゴボウ・サツマイモ・ニンジン
バナナ・サトイモ・キャベツ・メロン・大根・ナス・じゃがいも・グレープフルーツ
※結石の原因ともなるシュウ酸を沢山含む、ほうれん草や青菜などは摂取量を控えるようにしましょう。
☆酸性食品…肉類・魚類・卵・砂糖・穀類
以下、詳細です。
卵・豚肉・サバ・牛肉・カツオ・ブリ・白米・マグロ・サンマ・アジ・イワシ・アナゴ・芝エビ
この分類を見てお分かりのように、高タンパク・高脂肪に偏りやすい食生活では、酸性食品を沢山摂取してしまいがちです。
近年、日本でも欧米の食生活化が急速に進んでいるので、アルカリ性食品が不足しがちになっているのですね。
酸性食品を多く食べる人にはアルカリ性食品の梅干しがおすすめ
「最近、体が疲れやすくなったな」「疲れがなかなかとれないな」という人は、もしかしたら、体が酸性体質になってしまっているかもしれません。
私達人間の体液は、元々は弱アルカリ性です。
しかし、日ごろ口にすることが多い食品の影響で、酸性に傾いてしまいます。
酸性に傾いた血液は黒く濁り、サラサラとは正反対のドロドロとしています。
その結果、体の疲れを始め、内臓機能の低下や排泄障害が引き起こされます。
酸性食品ばかり食べている人は、ショックを受けたかもしれませんが、酸性に傾いた体液は、前項でご紹介したアルカリ性食品を食べることで中和されるのです。
しかしながら、1回の食事で取る酸性食品を中和するには、沢山のアルカリ性食品を取らなければいけません。
そこでおすすめなのが、少ない量で効果が期待できる梅干しです。
梅干しはアルカリ性食品で、クエン酸が含まれています。
梅干しを摂取すると、クエン酸回路の働きが良くなり、血液中の乳酸が除去され、血液がアルカリ性に傾くのです。
ここで、誤解のないように気をつけていただきたい点があります。
それは、アルカリ性食品ばかり摂取すれば、健康に良いのではないかと思うことです。
現代人の食生活では酸性食品を取ることが多いので、栄養バランスを取る目的で、アルカリ性食品を食べることをおすすめしているのです。
アルカリ性食品ばかりを過剰に食べるのは、全く健康的なことではありません。
人間の性格と同じように、食べ物にも一長一短があります。
ですから、酸性食品やアルカリ性食品、どちらも体には必要です。
健康への近道は、まずは色々な食べ物を、バランス良く摂取することにあるのです。
梅干しを手作りする際のポイント
ここでは、アルカリ性食品の梅干しを自分で漬けるためのポイントを、いくつかご紹介します。
☆梅干しに適した品種
梅干し用の品種として適したものは、「小梅」や「南高」が良いでしょう。
青いダイヤと呼ばれる古城梅は、梅酒に適していて、梅干し用としては、あまり適していません。
☆梅の収穫時期
主役となる梅干し用の梅の収穫時期は、6月後半~7月中頃です。
黄色く熟した梅を漬けるのが、梅干し作りの基本です。
青いままの梅は、そのまま漬けると、美味しい梅干しにはならないので、注意してくださいね。
漬けておく期間は、だいたい1ヶ月以上です。
☆梅干しの土用干しのタイミング
土用干しするタイミングは、ずばり天候次第です。
土用干しは、3日ぐらい日光にさらす必要があります。
梅を漬けてから1ヶ月以上経過している状態で、3日連続晴れ日を狙って、天日干ししましょう。
土用干しの途中で、急な雨の予報が出た場合は、いったん干すのをストップしましょう。
そして、次の日が晴れなら、再度、土用干しをすれば大丈夫です。
雨が続いてしまうときは、梅酢に戻しておいて、晴れが続く日を待ちましょう。
以上のポイントをふまえて、みなさんも美味しい梅干しを作ってみてくださいね。
梅干しを食べるだけ!?梅干しダイエットの方法
ダイエット方法は、世の中には沢山ありますよね。
みなさんは、「梅干しダイエット」ってご存知でしょうか。
アルカリ性食品の梅干しは、昔から健康に良いとされており、今日にいたっても色々と活用されていますよね。
そんな梅干しを使ったダイエット方法は、手軽で簡単に開始できることから人気があります。
食前に梅干しをひとつ食べるだけで、特にツラい食事制限や運動は必要ありません。
ついつい期待はしてしまいますが、みるみる痩せていくような急激な減量は不可能です。
しかし、日常的に梅干しを食べることで、美容と健康に嬉しい効果が期待できます。
梅干しダイエットのポイントは、一度加熱した梅干しを食べるということです。
梅干しを加熱することにより、痩せるために役立つ成分が増加するのです。
食事の度に、梅干しを加熱する必要はありません。
たくさん加熱しておいて、冷蔵庫で保存しておくと便利ですよ。
梅干しを加熱する際は、電子レンジがおすすめです。
例えば、梅干し10個だったら、500Wで約1分間加熱しましょう。
電子レンジだけでなく、オーブントースターやフライパンを使っても大丈夫です。
ご自分が、継続しやすい加熱方法を選びましょう。
ダイエットにも効果的なアルカリ性食品の梅干しの栄養・効能
最後に、アルカリ性食品の梅干しの、ダイエットに効果的な栄養と効能についてご紹介します。
☆バニリン
このバニリンが脂肪細胞に刺激を与えてくれ、それにより脂肪細胞が燃焼され、小さくなります。
梅干しを摂取することで体重が減るのは、このバリニンのお陰なのです。
ダイエットで、梅干しを加熱して食べるようにおすすめしているのは、加熱することでバニリンの量がアップし、脂肪の燃焼効果を高められることにあります。
☆クエン酸
皆さんも、よく耳にしたことがあるクエン酸は、梅干しの酸っぱさの素です。
「クエン酸サイクル」という、体の中のエネルギーを作り出してくれるシステムが存在します。
私達が生命を維持するために大事なエネルギーは、このクエン酸サイクルによって作り出されています。
クエン酸サイクルでは、体脂肪や乳酸をエネルギーに変え、体の器官を働かせるために使っています。
吸収された糖が、クエン酸サイクルに入るとエネルギーに変わるので、体脂肪にはなりません。
☆ムメフラール
ムメフラールも、梅干しを加熱することで生成されます。
血流を改善してくれるので、体が温まり、代謝も良くなります。
冷えやむくみといった、女性特有の悩みの軽減にも効果的です。
梅干しには、私達の体に嬉しい効能が沢山つまっているのですね。
アルカリ性、酸性に偏らないバランスの良い食生活を!
梅は、昔から医者いらずと言われていて、疲労回復や肥満防止などの健康効果が注目されています。
梅干しなどのアルカリ性食品を多く摂取することが、健康的なのではありません。
酸性食品とアルカリ性食品を、バランスよく食べることが重要です。