野菜をたくさん食べたいけれど、野菜はすぐに悪くなってしまいますし、下処理も面倒ですよね。
忙しいときには、つい野菜が少ないメニューになってしまいます。
そんなときに役立ててほしいのが、野菜を乾燥させた「干し野菜」です。
作り方は難しくありません。
電子レンジでも作れますよ。
干し野菜の魅力についてお話します。
電子レンジでも作れる干し野菜
冷蔵庫が登場する前、昔は食品を長期保存するために、「干す」という加工方法が使われていました。
干しシイタケや切り干し大根など、昔から食べられてきましたよね。
近年、この「干す」という加工方法が見直されています。
乾燥トマトが話題になったことがありましたよね。
今では、半ドライのレシピや、電子レンジを使ったレシピも登場し、干し野菜に挑戦しやすくなっています。
干し野菜のメリットを、ご紹介していきますね。
まず、1つめの干し野菜のメリットは、栄養価が高くなるということです。
天日干しで干すことによって、野菜に含まれるビタミンD・ビタミンB群・カルシウム・鉄分・ナイアシンなどの栄養価が上がることがわかってきました。
ビタミンDは、骨を強くし、風邪の予防効果があります。
腸からのカルシウムの吸収をよくする働きがありますので、カルシウムと一緒に摂ると効果的です。
実はカルシウムは、ビタミンDが不足してしまうと、体に吸収されません。
一般的に、魚などに多く含まれているビタミンDですが、干し野菜にすると、野菜の中で生成されます。
日の光を浴びることによって生成されるのですが、実は人間も日光浴をすると、ビタミンDが生成されます。
野菜も日光浴で、栄養価を上げてあげましょう。
乾燥させた野菜は保存性とおいしさが上がる
干し野菜のメリット2つめは、長期保存ができるということです。
干すことによって水分が抜けますので、乾物のように長期保存が可能になります。
すぐに悪くなってしまう野菜も、干し野菜にすれば、数週間保存することもできます。
干し野菜の保存の仕方は、密閉容器もしくはジップロック袋に入れて、冷暗所か冷蔵庫で保管します。
干し野菜は、湿気や水分が大敵です。
乾燥状態を保つために、乾燥剤を一緒に入れておくのがおすすめです。
天日干しで数日かけて、じっくり乾燥させた干し野菜であれば、常温でも数週間から半年程度保存ができます。
電子レンジで作った干し野菜は、完全に水分が抜けていないことがあるので、ジップロック袋に入れて冷凍庫で保存するのがおすすめです。
3つめのメリットは、旨みが凝縮されることです。
野菜のえぐみや青臭さが抜け、甘みが増します。
野菜の水分が抜けて、旨味が凝縮されるのです。
また、干すことによって野菜が温められ、野菜の酵素が活性化し、旨みが生成されると考えられます。
野菜にはアミラーゼという酵素が含まれていますが、これが日の光によって活性化し、でんぷんを分解して、ブドウ糖や麦芽糖に変えてくれます。
野菜自体の歯触りも変わりますので、苦手な野菜でも干し野菜にすることによって、食べられるかもしれません。
主婦にうれしい干し野菜のメリット
4つめのメリットは、調理の時短です。
野菜は、皮をむいたり、湯通ししたり、下準備が面倒ですよね。
時間に余裕があるときに、干し野菜を作ってストックしておくと、忙しいときに役立ちます。
干し野菜は、すでに水分が抜けて、乾燥している状態です。
火が通りやすく、味が染みこみやすくなっています。
冷蔵・冷凍してある干し野菜を、煮物や炒めものに加えるだけで、野菜不足を解消できます。
旨味も凝縮されていますから、簡単なのに、とてもおいしい料理が作れます。
野菜不足に悩んでいる人には、うれしいですよね。
5つめのメリットは、野菜を使い切れることです。
たくさんもらってしまった野菜、使い切れなかった野菜、中途半端に余ってしまった野菜など、困ってしまいますよね。
野菜は傷むのが早いですから、ちょっと置いておくと、すぐにダメになってしまいます。
冷蔵庫に入れるにも、限界があります。
そんなときに、干し野菜です。
干しておけば保存性が上がりますし、カサが減りますので、冷蔵庫にたくさん入れることができます。
天気が悪くても電子レンジでも作れますので、たいへん便利です。
これで、野菜を無駄にせずに済みます。
困ったら、干し野菜を思い出してください。
干し野菜は乾燥させるだけで簡単!
干し野菜のメリットについてお話ししてきました。
それでは、干し野菜を作ってみましょう。
作り方は簡単です。
お好きな野菜をスライス、千切りにします。
ザルなどに載せて、日の当たる場所に広げて干します。
湿気に弱いので、乾燥している日や、乾燥している場所の方が作りやすいです。
風通しと日当たりが良ければ、室内でも大丈夫ですよ。
野菜を干す時間は、干す野菜によって変わってきます。
水分が多いもの、厚いものは時間がかかりますので、どの程度まで乾燥させたいかを、見ながら乾燥させます。
しっかり乾燥させた干し野菜が作りたいのであれば、4~5時間の天日干しを数日繰り返します。
半ドライ程度で良いのであれば、3~4時間の天日干しでも、十分旨味が凝縮された干し野菜になります。
干し野菜が作りやすい「干し野菜ネット」も売られていますので、一気にたくさん作りたいという人は、こちらを使うのもおすすめです。
コンパクトなので、広いスペースがないというときにも役立ちます。
干し野菜は、天日干しで作るのがおすすめですが、時間がない・場所がないという人もいますよね。
そんなときは、簡単に電子レンジで作ってみましょう。
忙しいときは電子レンジで時短乾燥
忙しいとき、ちょっとした時間で干し野菜が作れたら良いですよね。
そんなときは、電子レンジを使って作りましょう。
5mm厚くらいにスライスした野菜(根菜がおすすめ:レンコン、ごぼうなど)を5分ほど水にさらして、でんぷんを抜きます。
電子レンジのターンテーブル、もしくは耐熱皿にオーブンシートを敷いておきます。
しっかり野菜の水気を取り、ターンテーブルか耐熱皿に重ならないように並べます。
ドーナツ状に並べ、中心を開けておくと良いですよ。
ラップをせず、電子レンジの600wで7~8分加熱します。
加熱が終わったら、ケーキクーラーなどの上に野菜を広げ、15~20分ほど乾燥させます。
そうすると、野菜がカリッとしてくると思います。
密閉容器などに入れて、冷蔵庫で保管しましょう。
トマトなどの水分の多い野菜は、半ドライがおすすめです。
電子レンジですと、一度にたくさんの量を乾燥させることができませんので、1回で100g以下にしてください。
野菜を洗って同じ大きさに切り、しっかり水気を取ります。
ターンテーブルか耐熱皿にオーブンシートを敷き、野菜をドーナツ状に並べます。
ラップをせず、600wで1分20秒ほど加熱します。
加熱時間は、様子を見て調節してください。
加熱した後は再び、しっかり野菜の水気を取り、日当たりの良い場所で半日くらい天日干しします。
半ドライの状態ですので、ジップロック袋に入れて冷凍庫で保存してください。
3ヶ月程度は保存ができます。
電子レンジでドライフルーツも作れる!
干し野菜が自宅で作れるのですから、果物も同じようにできたら、うれしいですよね。
ドライフルーツはスーパーで買うと、値段が高くてなかなか手が出ません。
こちらも自宅で作ってしまいましょう。
ドライフルーツは、干し野菜と同じく天日干しで作るのが一般的です。
ただ、乾燥に大変時間がかかるので、一般家庭で作るのは大変です。
ですので、干し野菜と同様に、電子レンジを使います。
電子レンジについているオーブン機能を使って、ドライフルーツを作ってみましょう。
【作り方】
①まず、お好みの果物を用意します。
レモンやオレンジでしたら、皮ごと乾燥させます。
バナナやキウイなどは、皮をむいて乾燥させましょう。
②果物を3~5mm厚にスライスします。
③天板にオーブンシートを敷き、スライスした果物を並べます。
④電子レンジに入れて、オーブン機能の設定をします。
予熱なしで、100℃に設定し、30分乾燥させます。
⑤果物によっては焦げ付いてしまうことがありますので、必ずこまめに様子を見てください。
果物によって、加熱時間を調節します。
途中で裏返すと、しっかり乾燥ができます。
⑥乾燥したら完成です。
カリカリのチップスにしたいならしっかり乾燥、半ドライが好きでしたら、柔らかめに仕上げるなど、お好みで調節してください。
乾燥させてあっても果物ですので、1週間以内に食べきるようにしましょう。
干し野菜は優良食材
手軽に作れて、しかもおいしさも栄養価も保存性も上がるのですから、干し野菜は文句なしの優良食材ですね。
干し野菜は、野菜がたくさん食べられるので、野菜不足を感じている人にもおすすめですよ。
たくさんのメリットがある干し野菜を、ぜひ取り入れてみてくださいね。