うどんは食べやすくて、どのような世代の人にも人気の食材ですね。
乾麺になっているものは保存性も高いので、常備しておいて夜ご飯のメニューに困ったときにも大活躍してくれます。
そんなうどんには、意外な量の塩分が含まれていることをご存知でしょうか。
塩分の摂取量を制限している人にとっては、うどんが食べられなくなるのは一大事です。
今回は、うどんの塩分についてお話していきたいと思います。
うどんのコシは塩のおかげ
うどんはのどごしがよく、食欲がないときにも食べやすいですよね。
子どもにも、食べやすくて人気があります。
乾麺のうどんを常備しているおうちも、多いのではないでしょうか。
うどんは、小麦粉・水・塩を加えて作る作り方が一般的です。
しかし、素うどんを食べても、塩分が入っているとは気付きませんよね。
味付けという意味でないのであれば、なぜ、うどんには塩が必要なのでしょう。
まず、塩を加えることによって、グルテンを引き締める効果があります。
これは、収斂効果(しゅうれんこうか)といいます。
この収斂効果によって、うどん生地に強いコシを持たせることができます。
また、塩は小麦粉のたんぱく質分解酵素の活性を抑えてくれますので、生地がダレてしまうのを防いでくれる働きもあります。
うどんの作り方を見てみますと、小麦粉100gにつき5g程度の塩を使っているようです。
5gと考えると、塩分が多いと感じますね。
塩分の摂取量を気にしている人にとっては、到底食べられない食品になってしまいます。
乾麺うどんは塩分が多い食品?
食事の塩分量を気にしている人は、食品にどれくらい塩分が含まれているのか気になりますよね。
先ほどお話した通り、うどんには塩分が含まれています。
まず、うどんの乾麺の塩分量について知っておきましょう。
乾麺うどん100gあたりの食塩相当量は、4.3gです。
しかし、これは、ゆでる前のうどんの状態です。
ゆでた後のうどんには、どれくらいの塩分が残っているのでしょうか。
通常、うどんはゆでている間に、かなりの量の塩がゆで湯の中に溶け出します。
うどんの状態にもよりますが、80%以上90%ほどの塩分が溶出していると言われています。
手打ちの小麦粉の重さの4~6%、乾麺ですと2~4%程度の塩分です。
100gのうどんですと、0.5g程度と言われています。
成人の推奨摂取量である1日10gの塩分で考えても、ごく少量といって良いですよね。
ごく少量の塩分ですから、塩分の制限をしている人も安心して食べられる食品と言えます。
つゆの塩分は別にしても、うどんの塩分については、あまり気にする必要がないように思います。
乾麺うどんのトリック
ここでよく考えなければならないのは、「100gあたり」の塩分量です。
実は、一般的な1人前のうどんは、乾麺の状態で100gです。
しかし、この乾麺をゆでると、240gになります。
そのため、実際は240gのうどんを食べています。
ですが、表示されている塩分量は、ゆでた状態の麺の「100gあたり」の塩分量なのです。
なので、実際に摂取している塩分量は、0.5gではなく、1.2gということです。
9割近くの塩分が溶出するから、ほとんど問題ないと思っているのであれば、注意が必要です。
このような表示のトリックには、気を付けなければなりません。
乾麺を買うときには、「100gあたり」という表現には気を付けてください。
よく見ると、「ゆであげ後の100g」という表示があったりします。
乾麺の100gとゆでた後の100gは違う量と、覚えておいてください。
商品によっては、詳細な塩分量が記載されていないものもあります。
うどんの塩分は9割減るという情報を、安易に考えてはいけません。
実際、食べるときの塩分量が低い食品を見つけ出すことが大切です。
塩分なしのうどんがある?
うどんは、小麦粉・水・塩という3つの材料で作るとお話しました。
実は、塩を使わないで作るうどんがあるのです。
それは、味噌煮込みうどんなどに使われるうどんです。
煮込みうどんは、お湯でゆでるのではなく、だし汁で煮込んで、だし汁ごと食べます。
ですので、うどんに塩が入っていると、だし汁に塩が溶出して、汁が塩辛くなりすぎてしまいます。
また、塩なしのうどんはゆでるのに時間がかかるため、煮込むのにちょうど良いというわけです。
じっくり煮込むタイプのうどんには、塩を入れないで作ったうどんの方が適しているのです。
うどんの麺に塩分がないといっても、塩分の含まれただし汁で煮込むわけですから、塩分を控えている人には、ちょっとハードルが高いですね。
そんな人のために、塩分なしの乾麺うどんが販売されています。
塩分を制限している人のために生み出されたうどんですので、制限中でも気兼ねなく食べることができます。
☆播州打ち込み無塩うどん
はりま製麺株式会社
塩分にはグルテンを引き締めて、コシを出す役割がありますが、この乾麺うどんは製法特許取得の湯ごね製法により、塩分なしでもコシのあるうどんを実現しています。
☆無塩うどん ゆで
日麺
こちらは、ゆでうどんの商品になっています。
こちらの商品も、独自の製麺法で、塩分を使わずに作られています。
乾麺ならパスタがおすすめ
うどんについてお話してきましたが、塩分が含まれているのは、うどんだけではありません。
そば・そうめん・ひやむぎについても、やはり塩分が含まれています。
うどんより少ないのですが、塩分が含まれているのは事実です。
そばですと、10割そばでは0gですが、3g以上塩分が含まれているものもあります。
塩分が少ないと言われているそうめんやひやむぎでも4g以上と、うどんと同じくらいの塩分含有量の商品もあるのです。
そこで、おすすめするのが、同じ乾麺のパスタです。
パスタには、塩分が含まれていません。
パスタはうどんと反対で、ゆでる際にお湯に塩を足してゆでます。
パスタに塩を入れるのには、
・コシを出すため
・麺の食感をよくする
・麺に塩味をつける
など、いろいろな理由があるらしいのですが、実証されているわけではないそうです。
塩を入れなくても、弾力性はあまり変わらなかったという実験結果もあるようです。
ですので、塩なしでもほとんど変わらない、おいしいパスタがゆでられるのです。
塩分が気になる人は、パスタを塩を入れないでゆでると良いですよ。
パスタが食べられるとなると、料理の幅が広がりますので、塩分量を減らしたいという人は、ぜひ試してみてください。
うどんつゆの塩分量も気にしよう
乾麺うどんの塩分量についてお話してきました。
うどんになくてはならないものというと、つゆですよね。
うどんの塩分量に気を使っていても、つゆの塩分量が高かったら意味がありませんよね。
つゆの塩分量を減らす方法をご紹介します。
それは、しっかりとだしを取ることです。
だしがしっかり効いているつゆは、塩分が少なくても満足感を得ることができます。
だしには、以下のような旨味成分が含まれています。
・昆布、いわし グルタミン
・煮干し、鰹節 イノシン酸
・干し椎茸 グアニル酸
減塩のポイントは、これらのだしを上手に組み合わせて、旨味を最大限に引き出すことです。
だしの取り方をご紹介しておきます。
【材料】
・水 1ℓ
・昆布 10g
・花かつお 20g
【作り方】
①昆布の表面を、かたく絞った濡れタオルで拭きます。
表面の白い粉は旨味成分ですので、拭き取りすぎないようにしてください。
②鍋に昆布と水を入れます。
弱火で熱し、煮立ったら昆布を取り出します。
③強火で沸騰させたら、火を止めます。
差し水をし、花かつおを入れます。
④その状態で1分待ち、キッチンペーパーで濾して出来上がりです。
うどんのつゆには1番だしを使います。
1番だしは、濁りがなく、上品な味と香りを楽しめます。
うどんのつゆのほかに、お吸い物、味噌汁などにも使えますよ。
減塩生活を始めよう
減塩生活をしていたら、いつの間にかダイエットに成功していたという話を聞きます。
塩分が強い食事というのは、油も糖分も多く使われている食品が多いのです。
減塩は、慣れてしまうとあまりつらさを感じません。
健康なうちから、減塩を心がけるようにしましょう。