ロマネスコという野菜、聞いたことありますか?
味はブロッコリーに近く、食感はカリフラワーに近いといわれる日本ではまだ珍しい野菜です。
この名前はイタリア語の呼び名である、Broccolo Romanesco(ブロッコロ・ロマネスコ、ローマのブロッコリーの意)に由来します。
食用部分は未成熟の花蕾と花梗(かこう)で、フラクタル形状といわれる幾何学的な配置の花蕾が特徴です。
日本でもタネが販売されており、その特異な形状が人気です。
ではブロッコリーとカリフラワーの中間的野菜といわれるロマネスコの栄養、また気になるお値段はどうでしょうか?
また、どうやって食べるのかも気になるところですよね。
今回はロマネスコを使ったレシピも紹介します。
ブロッコリーとカリフラワーの中間なの?
ロマネスコはアブラナ科アブラナ属ヤセイカンラン種のヨーロッパ原産の一年生植物です。
イタリア名とは裏腹に分類上はカリフラワーの一種とされています。
ちなみにブロッコリーもカリフラワーもアブラナ科アブラナ属ヤセイカンラン種ですので、やはりよく似ていますよね。
ロマネスコの魅力は一つ一つの塊がフラクタル構造を持って、らせん状に連なる美しさでしょう。
見れば見るほどアートを見ているような不思議な気持ちになるかもしれませんね。
ブロッコリーとカリフラワーの掛け合わせでは?という説もありますが、ブロッコリーとカリフラワーの起源とされる説もあるそうです。
つまり、ロマネスコの誕生についてははっきりしてないのですね。
まだまだ日本では馴染みがない野菜で、いろんな別名がつけられています。
黄緑珊瑚、サンゴ礁、うずまき、カリッコリー、カリブロ、やりがい君などなど。
色はロマネスコはライムグリーン、ブロッコリーは深い緑、カリフラワーは白(クリーム色)で、ロマネスコはブロッコリーとカリフラワーの中間色ですね。
また、ロマネスコはブロッコリーのように背が高めで葉っぱが展開するそうです。
一方、カリフラワーのように側枝は発達せず頂花蕾が1つ育ちます。
(ブロッコリーは側枝の収穫ができます。)
ロマネスコの味は甘みがありどちらかというとブロッコリーに近く、食感はカリフラワーに似ているそうです。
性質も色も味も中間的で、ブロッコリーとカリフラワーの中間といわれるわけがよく分かりますね。
ブロッコリーとカリフラワーの中間的野菜の栄養は?
一株500gあたりではカロリーが20kcal、ビタミンCが56㎎、カリウムが410㎎、たんぱく質が1.88g、炭水化物が3.9g、脂質が1.9g、食物繊維が2.0gとなっています。
ビタミンCの含有量はブロッコリーには及びませんが、かなり豊富に含まれていますね。ビタミンCは風邪の予防や免疫力を高める効果があり、抗酸化作用があるためアンチエイジング効果も期待できます。
また、動脈硬化や高血圧、癌などの予防にも効果があります。
そしてシミやそばかすを防ぐ効果もありますので、女性にもうれしいところです。
また、カリウムは体内の余計なナトリウムを排出してくれるので高血圧の予防やむくみの解消に効果的といえます。
ロマネスコにはスルフォラファンというファイトケミカルの一種の成分が含まれていて、発がん物質の解毒作用やピロリ菌の除去や花粉症の緩和の効果があるそうです。
さらに、ロマネスコは鉄分も含んでいて、貧血予防にもなるそうです。
疲れやすい方や女性にもうれしい野菜ですよね。
ロマネスコは美しいだけでなく、栄養たっぷりの野菜です。
ブロッコリーとカリフラワーの中間的野菜といわれるだけはありますね。
ロマネスコの選び方と値段、保存方法は?
手に持ってみてずっしりと重みがあり、花蕾が固く引き締まっていて、先端が開いていない色がきれいなもの(先が茶色になっていないもの)を選びましょう。
葉の切り口が変色などしておらず、軸の切り口がみずみずしく変色していない新しいものを選んでください。
色は全体的にきれいな黄緑色のものがよいです。
値段は道の駅などで小さいものが150円くらいで売られていることもあったそうですが、スーパーだと300~400円、高いと600円くらいのものもあるそうです。
保存方法もブロッコリーとカリフラワーの中間といわれるだけあって、ブロッコリーとカリフラワーの保存方法と似ています。
ロマネスコもあまり日持ちがしないので、固めに下茹でして冷凍するのが無難といえます。
生のまま保存したい場合は洗わずにきっちりと新聞紙もしくはキッチンペーパーなどで包装してポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。
4~5日を目処に食べきりましょう。
旬はいつ頃?ロマネスコの食べ方は?
日本では全国的に生産・販売されていますが、出荷量は多くありません。
11月下旬から4月上旬頃の出荷となります。
ブロッコリーとカリフラワーの中間的野菜といわれるだけあって、ブロッコリーとカリフラワーと同じ冬野菜です。
切り方は葉っぱを全部落としてから、中心の太い茎の周りに包丁を入れて芯をくり抜きます。
下の方から適当な大きさに房を切り離します。
頂点辺りの房は手で切り離せます。
電子レンジで加熱するか、塩を入れ沸騰させたお湯で1分30秒から3分ほど茹でて、ざるにあげて、水にさらさずそのまま冷まします。
そのまま食べたり、料理に使えますが、残った分はポリ袋に入れて冷凍庫へしまいましょう。
一般的に茹でたり、煮たり、炒めたり、と加熱調理をして食べますが、新鮮なものは生でも食べれますのでサラダにも使ってもいいですし、ピクルスにもなります。
加熱後裏ごししてピュレにし、牛乳や豆乳と合わせてスープにもなります。
(幾何学的な模様は楽しめなくなりますけどね。)
ブロッコリーとカリフラワーの中間?ロマネスコグラタン
ブロッコリーとカリフラワーの中間であれば、これらと同じ使い方がやっぱり合います。
★グラタン★
【材料】(2~3人前)
・ロマネスコ1/6個
・カボチャ1/8個
・バター10g
・小麦粉大さじ1.5
・とろけるスライスチーズ2枚
・牛乳300cc
・シュレッドチーズ一掴み分
・パン粉大さじ2
・コショウ適量
・ベーコンお好みの量
【作り方】
①ロマネスコは食べやすい大きさに切ってから柔らかくなるまで塩茹でします。
②カボチャはところどころ皮をむき1×2cmくらいの大きさに切ってから、600Wの電子レンジで3分加熱します。
③鍋にバターと小麦粉を入れ、弱火でふつふつと沸き立つまで炒めたら、牛乳を少しずつ加え、溶き伸ばしていきます。
④弱火にかけながら全ての牛乳を少しずつ入れ、とろみがついてくるまでしっかり煮ましょう。
そこへスライスチーズを小さく切って入れます。
⑤チーズがとろけるまで、しっかり混ぜ合わせ煮たら、ロマネスコとカボチャを入れて更に3分程度煮ます。
小さく切って炒めたベーコンを混ぜます。
⑥分量外の油を塗ったグラタン皿に入れ、上にシュレッドチーズとパン粉をのせます。
ロマネスコでポタージュもオススメ
ブロッコリーやカリフラワーのポタージュは食べたことありますか。
中間的存在のロマネスコのポタージュも美味しいのでオススメですよ。
★ポタージュ★
【材料】(2人分)
・ロマネスコの葉や茎200g
・(飾り用ロマネスコの小さい花蕾)6~8個
・じゃがいも1個(100g)
・チキンブイヨンキューブ1個分くらい
・水300cc
・牛乳又は豆乳200cc
・塩コショウ少々
【作り方】
①ロマネスコの葉や茎は小さめのざく切り、じゃがいもはいちょう切りにします。
②お好みで飾り用のロマネスコの花蕾を6~8個位切っておきます。
③鍋に①と水300cc、ブイヨンを入れて中火で煮ます。
④飾り用のロマネスコの花蕾も鍋に入れ、火が通ったら取り出しておきます。
⑤じゃがいも類が柔らかくなったら火を止めます。
冷ましてからミキサーにかけます。
鍋に戻し、牛乳又は豆乳を200cc加え温めます。
塩コショウで味を整えます。
⑥ポタージュをお皿に入れ、お好みで小さいロマネスコを飾ってでき上がりです。
アートで栄養たっぷりロマネスコはいかが?
いかがでしたか?
ロマネスコは見た目がすでにおしゃれなので、料理に添えるだけ、サラダにするだけで簡単な料理がおしゃれな料理に早変わりします。
近くのスーパーで売っていない、手に入りにくいと言う方は、ネットで種が買えますので家庭菜園で育ててみる、というのはいかがでしょう?
購入するにしろ、自分で育てるにしろ、その魅力的な形にますます魅了されてしまうこと間違いなしです!