1歳の誕生日を迎えると、離乳食の最終ステップである『完了期』に入る準備が始まります。
では、完了期に移るのは、いつなのでしょうか。
食べる時間帯や、どのくらいの量をあげればいいの?
どんな食材が食べられるの?
といった疑問にお答えします。
朝ごはんに、ピッタリのレシピも一緒にご覧ください。
離乳食の完了期はいつ?時間と量は?
子どもの成長具合にもよりますが、1~1歳半ごろの『パクパク期』とも呼ばれている時期が離乳食完了期です。
この時期は、口元を見てみると左右に動かして歯茎で噛んだり、すりつぶしながら食べられるようになります。
口と手を連動させながら、上手に食べることもできるようになってきます。
しかし、進み方に個人差がありますので、完了期に移行できる目安を参考にしてみてください。
【完了期に移行できる目安】
・5倍粥が食べられる
・朝ごはん・昼ごはん・夜ごはんと、1日3食食事をしている
・バナナぐらいの固さのものを、歯茎でつぶせる
これらのことを目安に、子どもの様子を見て判断していきましょう。
【食事の時間】
・朝ごはん 7~8時
・昼ごはん 12時前後
・夜ごはん 19時までに
離乳食完了期といっても、まだ1度にたくさん食べることはできません。
朝ごはんと昼ごはんの間に1回、昼ごはんと夜ごはんの間に1回と、食事に響かない時間に、おやつを食べて調整してあげましょう。
【1食の量の目安】
必ず、少量から始めましょう。
★主食(いずれか1品)
・軟飯 80~90g
・パン ロールパンなら1個
・ゆでうどん 1/3~1/2玉
いずれか一品。
★主菜タンパク質)
・肉や魚 15~20g
・卵 1/2~2/3個
・豆腐 50~55g
・乳製品 100g
いずれか一品。
★副菜ビタミン類)
・野菜や果物 40~50g
完了期で食べれる食材は?
消化機能も発達してきた完了期では、離乳食をスタートさせたタイミングや、アレルギーの有無にもよりますが、食べることのできる食材も増えてきます。
初めての食材は、必ず少量から試しましょう。
平日の朝ごはんで試してみると、いざという時も病院に連れて行けたり、1日の子どもの様子が見れるのでチャレンジしやすいですよ。
【完了期からチャレンジできる食材】
★炭水化物
・中華麺
・山芋
など…
★野菜・果物
ほとんど食べれるようになりますが、初めての食材は少量から食べさせるようにしましょう。
★タンパク質
・油揚げ
・焼き豆腐
・さば
・ししゃも
・アジの開き
・えび、かに、いか、たこ
・はんぺん、かまぼこ、ちくわ、さつま揚げ
など…
★ビタミン類
・とろろ昆布
・ごぼう・たけのこ
★調味料
・マヨネーズ
・ケチャップ
・カレー粉
・ごま油
【食材の固さ・大きさ】
歯茎でつぶせる固さが目安です。
野菜は、やわらかくなるまで煮て、1cm角にしましょう。
手づかみで食べる場合は、手で持ちやすいように、スティック状に切ってあげるのがおすすめです。
麺なども、やわらかくなるまで茹でて、2~3cmに切ってあげましょう。
食感が楽しくなるように、みじん切り・千切り・乱切りなど、野菜の切り方を変えると良いですよ。
離乳食完了期は取り分けしてみよう
たくさんの食材が食べられるようになると、大人の食事から取り分けができるようになり、朝ごはんの用意も少し楽になってきます。
取り分けのコツをご紹介します。
★茹で方
野菜などを茹でるときは、子どもの分をお茶のパックや、湯切りザルに入れて先に茹でます。
そして、後から大人の分を入れれば、同時に茹でながらも大人用・子ども用と仕上げることができます。
★味付け
子ども向けの味付けにしたら取り出して、その後に大人向けの味付けをしましょう。
★市販のもの・外食時
塩分が多くなりがちなので、汁物は水を足して薄めたり、麺などは水で軽く洗ったりすることで、取り分けができるようになりますよ。
しかし、ファストフードなどの濃い味や、刺激の強い調味料は避けましょう。
【離乳食完了期の注意点】
・生もの、刺激の強い調味料、塩分や油分の多いものは避ける
・ナッツ類は、のどに詰まりやすいので避ける
・味付けは、大人の1/3くらいの薄味
・添加物や、塩分を多く含んだインスタント食品は避ける
・遊び食べをする場合は、食事と食事の間を3時間以上あける
・水分を摂りすぎると食が進まなくなるので、食前に摂る水分量に気をつける
完了期の子どもの舌は、とても敏感で未熟なので、味付けによっては、苦手なものになってしまう可能性もあります。
また、食べ物で遊んでしまったり、食事があまり進まないときもあります。
そんなときは、子どもの好きなキャラクターの食器にしたり、使いやすいスプーンやフォークを用意してあげると、食事に対する意欲が沸いてきます。
離乳食完了期の朝ごはん~主食~
なにかと忙しい朝に、ごはんを食べてくれないと困ってしまいますよね。
食べムラの出てくる離乳食完了期では、今まで食べていた食事が進まないときも出てくると思います。
そんなときは、ごはんに具材を混ぜたおにぎりや、ひと手間かけたパンだと食べてくれるようになったりします。
朝ごはんにピッタリな、主食のレシピを参考にしてみてください。
~おにぎり~
具材を混ぜたり、ふりかけて、ひと口大に丸めて握ってあげましょう。
★小松菜
みじん切りにした小松菜を茹でて、お湯を切ったら塩をひとつまみして、ごはんと混ぜ合わせます。
★鮭
茹でてから、骨を取り除きながら身をほぐして、ごはんと混ぜ合わせます。
★青のりチーズ
青のりと粉チーズを混ぜて、ひと口大に丸めたおにぎりにまぶしましょう。
★野菜たっぷり
なかなか野菜を食べてくれないときは、みじん切りにした野菜をやわらかくなるまで茹でて、水気を切ったら少量の塩を混ぜて、ごはんと合わせます。
次は、食パンを使った手づかみしやすいレシピを見ていきましょう。
★フレンチトースト
1)卵1個に対して、牛乳100~200mlを混ぜておきます。
これに、好きな形にくりぬいた食パンを少し浸します。
2)フライパンに薄く油をしいて、弱火で、1)を両面焼けば完成です。
★青のりチーズ
1)食パン(1枚)を、食べやすい大きさに切ります。
2)器に牛乳大さじ2を入れて、食パンを入れます。
3)青のり小さじ2と、粉チーズ小さじ2を混ぜ合わせてから、2)に加え、混ぜましょう。
4)フライパンで焼けば完成です。
離乳食完了期の朝ごはん~おかず~
続いて、離乳食完了期のおかずのレパートリーです。
野菜は、あらかじめ固めに茹でて食べやすい大きさに切り、冷凍することで、朝ごはんも作りやすくなりますよ。
では、見ていきましょう。
~魚~
★鮭のマヨネーズ焼き
1)マヨネーズとプレーンヨーグルトを混ぜ合わせておきます。
2)鮭に、1)を薄く塗って、少量のバターを熱したフライパンで焼けば完成です。
~肉~
★豚肉巻き
1)やわらかく似たインゲンやニンジンを豚ロースでくるっと巻いて、巻き終わりを下にして、フライパンで焼きましょう。
2)食べやすい大きさに切ったら完成です。
~野菜~
★ニンジンとブロッコリー
1)細切りにしたニンジンとブロッコリーを、やわらかくなるまで茹でます。
ブロッコリーは茹でたら、穂先の部分を細かく分けておきます。(茎は固いので大人が食べましょう)
2)マヨネーズにプレーンヨーグルトを加えて混ぜて、1)を加えて、和えれば完成です。
~豆~
★ネバネバ納豆和え
1)モロヘイヤと椎茸、和風だしを耐熱容器に入れたら、電子レンジで加熱します。
2)納豆と1)を、和えれば完成です。
~乳製品~
★サツマイモのヨーグルト和え
1)食べやすい大きさに切ったサツマイモを、耐熱容器に入れて電子レンジで加熱します。
2)プレーンヨーグルトと1)を、和えれば完成です。
具だくさんのスープで朝ごはん
何種類もの朝ごはんを用意しなくても、主食に具だくさんのお味噌汁やスープでも充分です。
離乳食完了期でも、サラッと食べられるレシピをご紹介します。
★具たくさんスープ
この一品で、たくさんの栄養素が摂れます。
野菜スープを味噌に変えれば、具たくさんのお味噌汁にもできます。
【材料】
・ニンジン 3cm
・豆腐 1/8丁
・しゃぶしゃぶ用の豚バラ肉 1枚
・冷凍ほうれん草 5cm
・野菜スープ(ベビーフード) 1包
【作り方】
1)ニンジンは5mm角に切って、やわらかく煮ます。
2)豆腐は5mm角に切り、豚バラ肉とほうれん草は細かく刻んでおきます。
3)お湯で溶いた野菜スープ・1)・2)を耐熱容器に入れて、電子レンジで1分加熱して完成です。
★具たくさんクリームスープ
タンパク質・ミネラル・ビタミンの摂れるクリームスープです。
冷凍保存も可能です。
【材料】
作りやすい分量
・鶏もも肉 120g
・インゲン 70g
・赤パプリカ 1個
・玉ねぎ 1/2個
・ニンジン 1/2本弱
・ジャガイモ 中1個
・水 250cc
・コーンクリーム缶 1缶(190g)
・牛乳 50cc
【作り方】
1)インゲンは、茹でて食べやすい大きさに切ってください。
2)鶏もも肉の脂と皮を除いて、細かく切ります。
パプリカは皮を剥いて、他の野菜も食べやすい大きさに切っておきましょう。
3)鍋にサラダ油を熱したら、鶏肉・玉ねぎ・ニンジンを炒めます。
4)鶏肉の色が変わってきたら、ジャガイモとパプリカを加えて、さらに炒めます。
5)インゲンと水を加えて、具材がやわらかくなるまで煮込みましょう。
6)やわらかくなったら、コーンクリーム缶を加えます。
7)グツグツしてきたら牛乳を加えて、ひと煮立ちさせたら完成です。
食事は楽しいを伝えよう
離乳食の最終ステップは、たくさんの食材が食べられるようになります。
そのため、子どもによっては好き嫌いが出てきて、親は悩んでしまうかもしれませんが、好き嫌いよりも、食事をすることの楽しさを教えてあげましょう。
食事が楽しいものだと分かると、食欲も沸きますよ。
塩分や糖分も多く摂りがちになるので、引き続き薄味を心がけてくださいね。