タバスコは、そのスパイシーな風味と独特の香りから世界各国の辛い物好きにとって欠かせない存在です。
料理の仕上げとして何滴か振りかけるだけで深みが増し、味の変化を楽しむことができるため、便利な調味料ですよね。
さてそんなタバスコですが、実はいくつもの種類があることをご存知ですか?
今回はタバスコの緑と赤の様々な違いと健康への効果、それぞれの賞味期限や、自宅での手作りレシピなどを紹介します。
タバスコの緑と赤、味や成分はどう違うの?
全てのタバスコは「とうがらし」から作られています。
一般的に「辛いもの」といって想像するのは鷹の爪や一味、ハバネロなどだと思いますが、これらは全てとうがらしのこと。
品種や色は異なりますが、分類としては同じものなのです。
とうがらしの中でも熟したものを「赤とうがらし」、まだ未熟なものは「青とうがらし」と呼ばれています。
赤いタバスコの原材料は赤とうがらし。
正式名称をペッパーソースといい、赤いとうがらしをウイスキーの樽で約3年間塩漬けにした後、酢と塩を混ぜ合わせることで完成します。
辛い物好きにおなじみなのはこちらのタバスコですね。
辛さと酸味のバランスが良くどんな料理にも馴染むため、レストランなどでよく置かれています。
対して緑のタバスコに使われているのは青とうがらし。
ハラペーニョという、メキシコが原産地の青とうがらしで作られており、正式名称をハラペーニョソースといいます。
ハラペーニョはピクルスにも適するほど肉厚で、スパイシーな味わいがあります。
このとうがらしで作られている緑のタバスコは味が非常にマイルドです。
辛さは赤いタバスコと比べると約5分の1程度。
そのため辛いのが苦手な方でも、風味付けとして料理に使うことができます。
青とうがらし特有の青臭さがあるため、タバスコの中でもちょっと変わった雰囲気を持っているタバスコです。
見た目はそっくり!その他のタバスコ
タバスコには、一般的に知られている緑と赤以外にもいくつかの種類があります。
日本ではあまりメジャーではないためどこにでもあるという訳ではありませんが、大きなスーパーなどでは取り扱っているところもあります。
その数なんと合計6種類!
どのタバスコも味や風味に工夫がされており、それぞれに合った料理があります。
特徴を少しだけ紹介しますね。
まずは酸味を抑えた「ガーリックソース」。
3種類のとうがらしがベースのソースで、にんにくが入っているにも関わらず爽やかな風味があります。
チャーハンや餃子などの中華料理に良く合い、食欲の落ちがちな夏にぴったりのソースです。
そして一般的な赤いタバスコ、ペッパーソースでは物足りない方にオススメなのがハバネロソース。
生食には不向きとされるほど辛い品種のハバネロを使っているため、辛さはペッパーソースの2倍あります。
また一見してタバスコだと分からないようなものもあります。
日本のメーカーが生産しているタバスコで、その名も「スパイシー醤油」。
名前の通り、醤油にタバスコをプラスしたもので、辛いというよりも塩気を感じるタバスコです。
通常の醤油と比べて塩分が控えめなので、健康を気にされている方に嬉しい商品です。
その他、スイート&スパイシーペパーソースという、洋梨やショウガを加えることによって甘みを出したタバスコや、肉料理に良く合うチポートレイペッパーソースという名のバーベキューソースなどもあります。
また、伝統のアメリカ料理、「バッファローウィング」の下味専用で使われるバッファロースタイルホットソースというタバスコも存在します。
鶏の手羽先を素揚げしたものにこちらのソースをかけるだけで本場の味を楽しむことができる、ちょっと変わったタバスコです。
この中に好みのタバスコはありましたか?
タバスコのパッケージはどれも非常に良く似ているため、間違えないようにしてくださいね。
適量のタバスコは健康に良い?タバスコを使うメリット
辛いものは体に良くないイメージを持っていませんか?
確かに辛いものを食べ過ぎることは、下痢や高血圧の原因になります。
しかしどんなものでもそうですが「過ぎる」のは良くありません。
タバスコの原材料であるとうがらしも例外ではなく、むしろ適量であれば健康に良い効果があるのです。
とうがらしの独特の辛みは「カプサイシン」という成分によるものです。
抗酸化作用という、ガンや動脈硬化などといった病気を予防する効果があるこの成分は、赤とうがらしの色素でもあります。
カプサイシンは非常に熱に強く、油に溶けやすい性質を持っているため、ペペロンチーノなど油を使った料理に合わせることで吸収率をアップさせることができます。
とうがらしやタバスコを食べると、舌がぴりぴりして汗がたくさんでますよね?
これはカプサイシンによってアドレナリンが大量に分泌されたことによって起こるものです。
アドレナリンは食欲増進・胃腸機能改善に適しているため、夏バテの時期などにはぜひ積極的にカプサイシンは摂りたいもの。
体の状態に合わせて上手に活用していきたいですね。
また、料理の仕上げにタバスコをかけることで風味やうまみがアップするため、味付け自体を薄くすることもできます。
無理に減塩をしなくても良いのは嬉しいポイントですよね。
緑と赤、それぞれに特徴があり、ぴったり合う料理もあります。
まずはタバスコをかける分だけ、醤油や塩などの調味料を減らしていくことをこころがけましょう。
タバスコに期限はある?緑と赤で、実は異なる賞味期限
タバスコは緑と赤で、それぞれ賞味期限が異なります。
60、150、350mlまでの一般的なサイズのタバスコであれば、緑のものは製造されてから約18か月(約3年)、赤は約5年です。
また、開封済みのタバスコはその保存方法によって変わります。
常温保存であれば約3か月、冷蔵保存であれば約半年は美味しく食べることができます。
そもそもタバスコはとうがらしをお酢や塩で長い間発酵させたものですから、腐ることはありません。
「賞味期限」という言葉からも分かる通り、正しく保存すれば多少期限を過ぎたものを食べても問題はないのですね。
ただ、ある程度日にちが経ったものは、色が変わってきてしまったり瓶の中で分離したりしてあまり美味しくはありませんから、そうなる前にできるだけ早く使い切るようにしましょう。
ちなみに、タバスコの期限は外箱にのみ記載されています。
瓶には賞味期限は書いてありませんので、見忘れないよう注意してください。
緑・赤、それぞれのタバスコに合う料理
緑のタバスコは独特の青い香りとマイルドな味が特徴的で、サラダやシーフード料理に良く合います。
特に相性がいいのは生野菜!
かけるだけで高級イタリアンのような味わいを出すことができ、ノンオイルドレッシング感覚で使えます。
非常に鮮やかな色で視覚的にも楽しめるため、パーティなどちょっとしたお祝い事に使うにも最適な調味料です。
それでは赤いタバスコはどうでしょうか?
一般的にほとんどの方が「タバスコ」と言われて思い浮かべるのはこのタバスコですよね。
イタリアンはもちろん、今や多くのファミリーレストランのテーブルに置かれるほどメジャーなものとして扱われています。
ピザやパスタ、グラタンなどチーズを使った料理との相性は抜群です。
また、トマトとの相性も非常に良く、タバスコの本場アメリカではトマトジュースに入れて飲んだりすることもあるそうです。
トマトとモッツァレラチーズのカプレーゼやオーブンを使った焼きトマトなどに、ぴりっとしたタバスコをかけていただく。
想像しただけで美味しそうですよね。
近年、塩分の摂り過ぎによる健康への影響が問題となっていますが、実はタバスコの塩分濃度は非常に低く小さじ1杯で0.03g程度です。
醤油の塩分濃度は小さじ1杯につき1g程度ということを考えると、タバスコがいかに塩分濃度の低い調味料なのかが分かりますね。
様々な病気を引き起こす原因となる「塩分の摂り過ぎ」。
これから先タバスコを上手に有効活用して、楽に、かつ病気とは無縁な生活を送っていけるよう意識してみませんか?
オリジナルのタバスコを作ろう!手作りタバスコのレシピ
辛い物好きにとってなくてはならないタバスコですが、実は自宅で作ることもできます。作り方は意外と簡単なので、ぜひ自分オリジナルの味を見つけてみてください!
タバスコの作り方
【材料】
赤とうがらし、お酢(とうがらしの半量)、塩(とうがらしに対して約3%の量)
※緑のタバスコを作る場合は辛さを抑えるため、お酢はリンゴ酢などの甘みがあるものを使ってください。
【作り方】
1.とうがらしを洗い、へたを切り落とします。
2.とうがらしの種を取って塩・お酢と一緒にミキサーにかけます。
(なければすり鉢でもOK)
3.形がなくなったら取り出し、網などでこして保存容器に入れます。
4.あとは放置するだけです!
冬は常温、夏なら冷蔵庫で4~6週間程度発酵させれば完成です。
こんなに簡単にタバスコが作れるなんて少しびっくりですね。
ちなみに、とうがらしの辛みは胎座という種のまわりの部分に集中しているため、種と一緒に胎座を取り除くことによって辛さを抑えることができます。
できるだけ辛いタバスコが作りたい!という方は種を取らずに使うと、とうがらしの辛さを余すことなく味わえますよ。
また、カットしたとうがらしを触った場合は絶対に目を触らないように気をつけてください。
辛み成分が目に入るととっても痛いですからね。
自分に合ったタバスコを見つけてみよう
いかがでしたか?
普段何気なく目にしているタバスコですが、意外と奥が深い調味料だということがお分かり頂けたと思います。
タバスコは酸味と辛さのバランスなど、その特徴的な風味で私たちの食卓を豊かにしてくれるおもしろい調味料です。
今日からぜひ使ってみてくださいね。