よくある疑問!今川焼きと大判焼きの違いをご存知ですか?

縁日の出店やおみやげもので、よく見かける今川焼き。
大判焼きとも呼ばれ、とても親しまれているお菓子だと思います。

しかし、それらの呼び方で違いはあるのでしょうか?
今回はその違いについて色々と調べてみました。
これで今川焼き博士になれる?

今川焼きについて

まず最初に、今川焼きについて見ていきましょう。

今川焼きは大体2cm~3cmほどの高さで、直径7cmくらいの円筒形をしているお菓子です。

中に入っている餡・具は、あんこがメインだと思いますが、他にはカスタードクリームやうぐいすあん、チョコレート、さらにはチーズなど、様々なバリエーションがありますね。

そんな今川焼きの材料のおさらいと、その由来を調べてみました。

しかし、お店によっては、個性を出すために特徴的な色々な材料を入れているものあるので、それらは省いて、ここでは一般的だと思われる、基本の材料だけを挙げていきます。

以下が、今川焼きの基本的な材料と一般的な中身の具・餡です。

生地の材料…小麦粉・卵・砂糖・水

餡の材料…粒あん・こしあん・カスタードクリーム・うぐいすあん・味噌あん・チョコレート・チーズ他
ここらへんがイメージしやすい材料だと思います。

では、今川焼きは、なぜ「今川」焼きと呼ばれているのか、その由来を調べてみました。

諸説はあるのですが、一応、有力視されているのが、以下の2つの由来説です。

①江戸時代の神田今川橋の近くで売り出ししたから。
地名説。

②戦国時代の大名、今川家の家紋に形が似ているから。
家紋説。

しかし②の説は、ただ丸いっていうだけなのでどうでしょうかね?
他にも、円でデザインされている家紋は当然あるので、なぜ今川家なのかは、よく分かりません。

それでは、次項で大判焼きについてをご紹介しますので、違いを見比べていきましょう。

大判焼きについて

続いては、大判焼きについてです。

大判焼きも先ほどの今川焼きと一緒で、あんこを小麦粉メインの生地で包んで焼いた、大きさも同じくらいのお円筒形のお菓子です。

中の具も今川焼きと、とても酷似しております。
改めて、その大判焼きの材料と由来も見ていきましょう。

以下に挙げるものも、一般的な材料と思われるものを挙げております。

生地の材料…小麦粉・卵・砂糖・水

餡の材料…粒あん・こしあん・カスタードクリーム・うぐいすあん・味噌あん・チョコレート・チーズ他

見ていただいた通り、今川焼きと大判焼きの材料は同じと言えるでしょう。

当然ではありますが、お店によって生地や具の種類にそれぞれの個性はあると思いますが、基本的な材料や作り方は一緒と言っていいでしょう。

では、その名前の由来についてです。

大判焼きは昔は小判型をしており、小判に対して大きいということで、「大判」焼きという名前があったそうです。

今川焼きと区別をするために、そのような小判型にしていたそうです。

しかし、現在では形状の違いはなく、円筒形になっているので名前だけが残ったという感じですね。

今川焼きと大判焼きの違い

では、今川焼きと大判焼きの違いとは何でしょうか。

中身・材料・形状・大きさは、ほぼ一緒なので、その違いは単に呼び方だけと言えるでしょう。

その呼び方の違いは、地方によってそれぞれ違います。

どうやら「大判焼き」の呼称が全国的には浸透しているようで、「今川焼き」の呼称は、その発祥の地と思われる関東地方での呼び方のようです。

おそらく、全国で伝わるのは「大判焼き」でしょう。

しかし、この「大判焼き」は関東以外でも地方によって、それぞれの呼称が存在します。

例えば、回転焼き・義士焼き・太鼓饅頭・小判焼きなど、ほんの一例です。

では次項から、どの地域・地方で、「今川焼き」「大判焼き」が使われていたり、他の呼称があるのかを詳しくみていきましょう。

地方の違いで呼び方が変わる?①

大判焼きの呼び方を、北の方から見ていきましょう。

・北海道・青森・岩手は「おやき」
・秋田・山形・宮城・茨城は「大判焼き」

・茨城以外の関東圏・長野は「今川焼き」
・東海地方は「大判焼き」

・新潟・富山・石川も「大判焼き」
・福井は「今川焼き」

・京都・大阪・奈良・和歌山は「回転焼き」
・兵庫は「ござそうろう(御座候)」

・広島「二重焼き」
・鳥取・島根・山口は「大判焼き」

・徳島・香川は「大判焼き」
・九州地方は「回転焼き」。

ざっくりと、こんな呼称の違いがあるようです。

この中で気になるのが、兵庫の「ござそうろう(御座候)」ですね。
これは兵庫に本社を置く「株式会社 御座候」が由来だそうです。

この企業さんは大判焼きを中心に餃子・担々麺を製造・販売している会社で、「御座候(ござそうろう)の回転焼き」と親しまれていて、それが由来となったようです。

地方の違いで呼び方が変わる?②

ざっと、地方の違いで呼ばれている「大判焼き」の呼称をご紹介しましたが、これらはあくまで、その地方での一般的な呼称で、もっと細かくするとまだまだあるようです。

それらもご紹介していきましょう。

・北海道は、おやきの他に円盤焼き・ドラ焼き・ホームラン焼き・七越焼き

・東北地方は、あまやき・あじまん・黄金焼

・関東地方は、じまん焼き・甘太郎焼き・太鼓焼

・北陸地方は、七尾焼き・焼き饅頭

・中部地方は、満月焼き・ドラコ焼き・あずま焼き・ずんどう焼き・太鼓饅頭・天輪焼き

・関西地方は、円盤焼き・えびす焼き・太閤焼き・大文字焼き

・中国地方は、ふうまん・夫婦饅頭・びっくり焼き

・四国は、ひぎり焼き・ヒット焼きびっくり饅頭

・九州地方は、蜂来饅頭・蜂楽饅頭・やなぎ饅頭・大砲焼き・あんこ饅頭

とてもたくさんの呼称がありますが、これらも一例にすぎないのが事実です。

大判焼きの呼び方は、とてもローカル色が強く、全てを網羅するのは難しいでしょうね。
それだけ愛されているお菓子だと言える証拠でもありますね。

ちなみに、私は関東の生まれなので「今川焼き」のイメージが強いです。

今川焼き・大判焼きの仲間

この大判焼き・今川焼きに近い仲間のお菓子があります。
それは、みんな大好き「たい焼き」さんです。

たい焼きも小麦粉をベースとした生地で、中の具があんこという点では同じではありますが、何といってもその一番の違いは、タイ(鯛)の型で焼いていることが最大の特徴ですね。

大判焼き・今川焼きに比べると、なんだか馴染みのある感じがする「たい焼き」ですが、その材料に違いはあるのでしょうか。

絶対ではありませんが、たい焼きの場合は、生地に重曹を加えるのが一般的なようで、それが大判焼きとの違いになっているようです。

重曹を入れることにより、焼き色がつきやすくなり、生地がふんわりと膨らむのです。
確かに食べ比べてみると、たい焼きの方が外はパリッと、生地の中はふわっとしていると感じるでしょう。

あくまで一般的なたい焼きのレシピなので、重曹を加えていないお店もありますので、ご留意ください。

また、たい焼きの由来についてですが、大判焼きからの派生から生まれたようです。

その歴史は、明治時代まで遡ります。

大判焼きとの差別化を図るために、鯛の形をした鋳物で焼いたのが始まりだそうですが、なぜ鯛の形にしたのかは不明です。

おそらくですが、めでたいもの代名詞的な存在の鯛を形作ることで、セールスポイントにしたのではないでしょうか。

円筒形で少し地味な見た目の大判焼きよりも、魚の形の方が見た目からして面白いですね。

また、たい焼きについての論争があります。

それはしっぽの先まであんこを入れるべきかどうかという論争と、あたまとしっぽはどちらから食べるべきという論争です。

それぞれの言い分はあると思いますが、個人的に好きな方を選べば良いだけの話ですね。

ただ、人に自分の意見を押し付けることは無粋なのでやめましょうね。

大判焼き・今川焼き、好きに呼ぼう

いろいろと大判焼きについてのお話をしてきました。

地方の違いによる呼び方の特色が強く、正解はありません。
というよりも、どんな呼称でも間違いがないというのが、正しいのだと思います。

自分の周りの人達に、どういった呼び方をしているのか聞いて、コミニュケーションをとったら面白いかもしれませんね。