料理に欠かせない調理用の油ですが、毎日使うものだからと、大容量のものを買ってしまったりしますよね。
そこで気になるのは、油の酸化です。
油は、いったいどれくらいの保存期間があるのでしょうか。
また、1度使用した油は、どのくらいまで使えるのでしょうか。
油の酸化や保存期間について調査しました。
油の保存期間はどれくらい?
暑い季節になってくると、常温保存してある食品の酸化が気になってきますよね。
常温で保存してあり、必ずキッチンにあるものといえば、サラダ油ですね。
サラダ油は、基本的には常温保存で問題ありません。
・空気に触れない
・光を遮断する
・高温を避ける
この条件が守られていれば、常温保存で大丈夫です。
冬でしたら、シンク下やガス台の下など、冷暗所に保存しておけば問題ないでしょう。
しかし、真夏の暑い季節で、室内の気温も高くなってしまうというときには、冷蔵庫保存するのもおすすめです。
未開封のサラダ油の賞味期限は、1~2年程度です。
開封後のサラダ油の賞味期限は、1ヶ月程度と考えておきましょう。
保存期間は、状態によっては2ヶ月程度は持つようです。
酸化していなければ、問題はないようですよ。
揚げ物をした後の油の保存期間は?
サラダ油の酸化が気になる場合といえば、揚げ物をした後ですね。
サラダ油は揚げ物をした後、再利用することができますが、やはり限度があります。
1度使ったサラダ油は酸化が速く、どんどん劣化していきます。
これは、加熱や不純物の混入により起こります。
酸化した油は有害になり、ガンや動脈硬化の原因になり得ます。
あの有名なトランス脂肪酸が発生してしまい、体に悪影響を与えます。
トランス脂肪酸が発生したサラダ油を使い続けることはできませんよね。
取り替えるタイミングは、このように考えましょう。
●使用回数は3回
3回程度が限界だと覚えておきましょう。
それ以上使うこともできますが、体に害が及ぶ可能性があることを考えましょう。
●1ヶ月以内に使う
時間の経過でも油は酸化が進みます。
1ヶ月過ぎたら、古い油は廃棄するようにしましょう。
●油の見た目が変わったら
サラダ油は劣化してくると、見た目にも変化が出てきます。
・変なにおいがする
・色が濃い・濁っている
・粘りが出てくる
・細かい泡が出てくる
・加熱すると温度が低くても煙が出る
このような変化があったら、サラダ油は劣化しています。
使用回数や期間に関わらず、すぐに廃棄しましょう。
油の酸化を防ぐために
サラダ油はできるだけ長い期間、良い状態で使いたいですよね。
まず、使い終わったサラダ油は、すぐに保存しましょう。
空気に触れる時間を、できるだけ少なくするのです。
揚げ物をした後のサラダ油は、なるべく早くこして、揚げカスを取り除きます。
揚げカスは油の酸化を早めますので、しっかりとこしましょう。
こし器があればそれを使い、無ければザルにキッチンペーパーを敷いてこします。
販売されているオイルポットには、こし器やフィルターが付いていて、油を注ぐだけのものもあります。
粗熱が取れたら、ビンなどの密閉容器に移して、冷暗所で保存します。
ビンは透明よりも色が付いているものの方が、光による劣化を防ぐことができます。
なければ、透明の瓶にアルミなどをまいたりして、光を遮断しましょう。
そして、油を長持ちさせるために、少量のごま油を加えます。
ごま油には、セサモリンという抗酸化作用を持つ成分が含まれていますので、この成分が油の劣化を抑えてくれます。
ごま油がない場合は、新しいサラダ油をつぎ足すだけでも効果があります。
油の酸化を防ぎ保存期間を延ばしてくれるオイルポット
サラダ油の使用期間を延ばしてくれる、おすすめのオイルポットをいくつかご紹介します。
◎ダスキン 油っくりんナイス
入れ口が広く、使いやすい設計になっています。
フィルターは使い切りなので衛生的で、活性炭を使用しているので、臭いや不純物をしっかりとこしてくれますので、酸化を防ぐことができます。
◎パナソニック 天ぷら油クリーナーレッツフライ
活性炭入りのカートリッジは10回使えるそうですので、経済的ですね。
油の処理が簡単になったので、揚げ物をする回数が増えたという意見もありますよ。
◎一菱金属 二重アミ式 オイルポット 1.2L
オールステンレスですので、清潔でシンプル、キッチンの邪魔をしません。
油をこす2種類の網が付いていますので、目詰まりしにくく、油かすをしっかりと除去してくれます。
◎富士ホーロー オイルポット 1.5L
3色のカラーバリエーションがありますので、キッチンに合わせることができます。
ホーロー製ですので、耐久性があり、臭いも付きにくいです。
油の処理が大変だからと、揚げ物を敬遠している人も多いと思います。
高性能のオイルポットはお値段が少し高めですが、便利になって揚げ物が楽しくなりますよ。
料理によっては新しい油を使う
しかし、どんなきれいにこして酸化を防いだ油でも、1度使った油は前回の料理の風味が残ってしまいます。
もし、天ぷらで季節の新鮮な野菜を揚げるときに、前回の揚げ物の匂いが残ってしまっていたら、とても残念なことになりますよね。
食材そのものの風味を生かした料理や揚げ物をするときは、再利用の油を使うのはおおすすめしません。
そのようなときは、新しいサラダ油を用意しましょう。
再利用の油を使うときは、食材の味がはっきりしている料理に使った方が良いですよ。
揚げ物であれば、春巻きやから揚げ、炒め物でしたらチャーハンなどに使えます。
食材にしっかり味付けをするので、油に前回の料理の匂いなどが残っていたとしても、それほど気になることはありません。
揚げ物などで使う油は大量ですので、廃棄してしまうのはもったいないという気持ちになるのは当然ですよね。
しかし、再利用の油が、せっかく作った料理の味付けや香りを邪魔してしまっては、おいしく食べるという一番の目的が失われてしまいます。
再利用の油は、使いどころを工夫しながら期間内に使っていくようにしましょう。
酸化しにくい油とは?
では、酸化しにくい油とは、どういうものでしょうか。
酸化しにくい油というのは、
・オレイン酸
・抗酸化物質
この2つが多く含まれている油です。
オレイン酸が多く含まれている油は、
・オリーブ油
・なたね油
・綿実油
・ごま油
です。
抗酸化物質が多く含まれている油は、
・大豆油
・コーン油
・綿実油
・なたね油
・ごま油
となっています。
これを踏まえて、熱に強く揚げ物にも向いていて、長期間の保存もできる油は、
・なたね油
・綿実油
・ごま油
がおすすめできます。
なたね油・綿実油はクセも少なく、どんな料理にも使えると思います。
ごま油は風味が強いので、使える料理は限られますが、香ばしい香りは料理を引き立ててくれますね。
オリーブ油は揚げ物には向きませんが、オレイン酸を多く含んでいますので、炒め物におすすめします。
上記以外の油では、米油やえごま油もオレイン酸・リノール酸を含み、酸化しにくい油です。
亜麻仁油も抗酸化作用のあるリグナンという成分が含まれています。
ココナッツオイルは海外セレブが使っていると話題になりましたね。
中鎖脂肪酸、ラウリン酸、ビタミンEが含まれており、強い抗酸化力があります。
賢く使い分ける
ダイエットなどで、油を摂取しないようにしている人もいますが、油は体に必要な栄養ですので、質の良いものを摂っていきたいですね。
油のことを知れば、どのくらいの期間使えるか、どのくらいの状態まで使えるか分かるようになると思います。
再利用の油と新しい油を使い分けて、賢く油を使っていきましょう。