普段食べているもので、ふと「あれ?これとこれ、似ているけれど何が違うの?」と、思ったことはありませんか?
姿形も似ていて、名前も似ている辛子明太子と明太子。
スーパーなどでも同じ陳列にあり、迷ってしまいますよね。
今回は、この辛子明太子と明太子の違いについてお伝えしていきます。
辛子明太子の原材料は?どのように作られているの?
ピリッとした辛さが温かいご飯に合う辛子明太子。
辛子明太子の発祥は博多で、現在もたくさんの人に愛されていますよね。
辛子明太子は、スケトウダラの卵巣を原料としています。
スケトウダラは全長約60cmの細く長い魚で北海道近海に生息していて、日本海・太平洋の北部・ベーリング海遠アラスカ湾などにも生息している魚です。
スケトウダラの卵巣を、唐辛子などの調味料で漬け込んだものが辛子明太子です。
明太子の歴史はとても古く、17~18世紀頃に朝鮮の漁師達がスケトウダラの卵巣の美味しさを発見しました。
卵を塩辛にして食べていたところ、唐辛子を加えて保存するようになったのが、現在の辛子明太子の原型になっているわけです。
それ以降、韓国で親しまれた庶民の食べ物でした。
明太子は韓国から九州へと渡り、福岡の老舗により韓国のキムチをヒントに作った辛子明太子が、1949年1月10日に販売されました。
今でも1月10日は「明太子の日」とされています。
その後も辛子明太子は人気を博し、全国に広がり、たくさんの日本人が口にできるようになったのです。
では、辛子明太子と明太子に違いはあるのでしょうか。
辛子明太子と明太子に違いはあるの?
さて、小さい頃から知っているものに対して、疑問を抱いて調べるということをする人は少ないのではないでしょうか。
調べてみると、意外な事実がわかったりするので、面白いですよ。
それでは、今回の明太子と辛子明太子の違いは、どういった違いがあるのか、みていきましょう。
スケトウダラのことを朝鮮では「明太(ミョンテ)」と呼んでいて、釜山(プサン)に住んでいた日本人が「明太(メンタイ)」と呼び始めたのが名前の由来です。
ちなみに、朝鮮東南部では「明太(メンテ)」と言います。
スケトウダラの子供から現在の「明太子(めんたいこ)」と呼ばれるようになりました。
辛子明太子との違いは唐辛子などの調味料で味を付けているかどうかで、原材料はどちらもスケトウダラの卵巣からできています。
辛子明太子の発祥地である福岡では、タラコの塩辛は明太子と呼び、タラコの塩辛に唐辛子などの調味料で漬けたものを辛子明太子として区別しています。
形や状態によって値段と呼び方が変わる辛子明太子と明太子!
明太子と辛子明太子の違いは、意外と単純なものでしたね。
そんな辛子明太子は、形や値段に違いがありますよね。
一体どんなところで、その差は生まれるのでしょうか。
☆真子(まこ)
スケトウダラの卵巣そのままの形のものを使用していて、高値で取引されます。
贈り物としても、形の綺麗な真子が使われた辛子明太子が人気です。
☆切れ子(きれこ)
皮が切れているので真子よりも安く、スーパーなどでも販売されていることからご家庭の食卓にも並びます。
☆ばら子(ばらこ)
切れ子よりも、さらに形がなく粒状になったもので、業務用として販売されたり、チューブに入れて販売されています。
スーパーなどで手軽に買える明太子は、アメリカやロシアのスケトウダラの卵を使用していることが多い傾向にあります。
近年では、アメリカやロシアより安く購入できる中国が原産と書かれている明太子がありますが、加工場所が中国という意味で、中国産のスケトウダラの卵を日本で加工しているわけではありません。
2009年頃、不況や中国食品の問題もあって、中国の工場を持つ業者が続々と撤退していましたが、中国加工のものも近年増え始めてています。
辛子明太子のお店がたくさん!それぞれどんな違いがあるの?
発祥の地、福岡は博多は辛子明太子のお店が軒を連ねていて、それぞれ味に違いや特徴があります。
では、辛子明太子で有名なお店をみていきましょう。
☆椒房庵
創業120年の醤油メーカーである「久本本家」の系列店である椒房庵は、自社で醸造した醤油に唐辛子や昆布だしに漬けた明太子です。
中辛・辛口・七味・こんぶ・ゆずの5種類のラインナップで、どれも無着色です。
「化学調味料・保存料不使用からしめんたいこ」は本醸造醤油・焼きアゴ・昆布・鰹のだしなどの素材のみで作られている商品もあります。
原産地は、北海道のタラコのみを使っています。
☆ふくや
昭和23年に日本で初めて販売された辛子明太子発祥のお店です。
辛さや種類があります。
激辛の「どっから」、基本の「レギュラー」、旨みはそのままで辛くない「のんから」まで、辛さは4段階選べます。
この他にも添加物の入っていない「無添加明太子」や、35%減塩された「あじわい減塩明太子」など豊富に種類があるのも特徴です。
原産地は北海道の「味の明太子(復刻)」と、他の物はアメリカ、ロシアになります。
「辛皇(ホットエンペラー)」なるものが限られた店舗にあり、辛いのも好きにはたまらない明太子と評判です。
材料や製法の違いで、様々な明太子が味わえます!
☆福太郎
二度漬けという、独自の製法で作られた旨みとコクのある明太子です。
定番の「味の明太子福太郎 好味」を中辛とした、辛さのない「辛くない明太子」甘口・辛口・超辛口と辛さを選ぶことができます。
贈答用として、お酒にこだわっている「大吟醸辛子めんたい」や、粒の良質な「福撰」もラインナップされています。
原材料のタラコは、有色の商品は国内産、無着色の商品は外国産です。
「THE MENTAI」のシリーズは、そのままでも美味しく味わえますが、パスタと和えてアレンジしても美味しいでしょう。
☆ひろしょう
天ぷらのお店の系列店で、水を使用せず清酒とブレンドした漬けダレで作られていて、日高産昆布が載っているのが特徴です。
辛さは選べないので、辛さが心配な方は試食してから購入することをオススメします。
原材料は北道産のタラコを100%使っていて、塩漬けは機械に頼らず、手作業で行われています。
表面はこんがりと焼かれて、中がふわっとした「焼き明太子」や「いか明太」、「数の子明太」などの海産物の明太子も人気です。
どの辛子明太子も違いがあって、食べ比べするのも面白いですよ。
きっと、好みの明太子に出会えるはずです。
おかずやお酒のお供に!辛子明太子と明太子のレシピ
まずは、明太子を使った料理からご紹介します。
☆明太ポテトサラダ
口どけの良いポテトサラダにピリッとした辛さがアクセントです。
【材料】
・ジャガイモ 3コ
・辛子明太子 1腹(80g)
・牛乳 大さじ2
・マヨネーズ 大さじ3
・塩 少々
【作り方】
1)ジャガイモの皮を剥いて、ひと口大に切り、水に浸します。
2)鍋に水とジャガイモを入れて火にかけて、柔らかくなったらザルにあけて、水気を切っておきます。
3)ボールに1と牛乳を加えて、ジャガイモが熱いうちにフォークなどを使い、滑らかになるまでつぶして、粗熱を取っておきましょう。
4)辛子明太子に包丁で切り込みを入れて、皮を取り除いて中身を取り出し2に加え、マヨネーズと塩を入れて混ぜれば完成です。
続いて明太子を使った料理をご紹介します。
☆チーズと明太子のコロッケ
ピリッとした辛さとは違い、お子様も食べれる明太子のコロッケです。
【材料】2人分
・ジャガイモ 1個
・クリームチーズ 30g
・明太子 30g
●明太子 10g
●生クリーム 10g
・しょうゆ 適量または無くても可
・小麦粉・溶き卵・パン粉・揚げ油 各適量
【作り方】
1)ジャガイモをよく洗って、ラップに包んで電子レンジで約5分加熱し、粗熱をとったら皮を剥いておきましょう。
2)明太子の皮を取り除いて、中身を取り出しておきます。
3)ボールに●を加え、味をみて醤油を好みで足し、味を整えます。
4)2にクリームチーズ・ジャガイモ・明太子(30g)を入れてマッシュしていきます。
5)それを30gほどに分けて丸めていき、小麦粉→溶き卵→パン粉の順番で衣を付けていきます。
6)170~180℃に熱した油で、きつね色になるまで揚げて完成です。
明太子によっては塩気の強いものもあるので、その都度、調整してみてくださいね。
辛さを選べる辛子明太子と、マイルドな明太子
辛子明太子はピリリッとしたのが特徴で、お店によってはその辛さに段階があり、好みの辛さが選べたりします。
その辛さが、ご飯に合いお酒も進む料理にも使われます。
今回ご紹介したレシピの他にも、卵焼きに混ぜたり、パンの上にのせてチーズをかけてトーストしたりと幅広く料理に使えますよ。
辛さが苦手な方は、明太子を選ぶと良いでしょう。