菓子パンには、添加物が多く含まれているので危険だという情報が流れています。
ですが、コンビニなどでは、多くの菓子パンが売られていますよね。
菓子パンは、本当に危険なのでしょうか?
また、情報の多い現代で、嘘の情報に惑わされないために必要なことは何でしょうか。
今回は、それを考えてみたいと思います。
菓子パンとは何を指す?
菓子パンが危険というのは本当なのか嘘なのかをお話しする前に、まず、菓子パンとはどんなパンを指すのかをお伝えします。
パンは、子どものおやつにしたり、大人も軽食として食べますよね。
また、糖分が多くて高カロリーなので、ホテルなどでは、朝食のメニューとして利用されることもあります。
見た目も味もさまざまなパンが開発・販売されています。
一般的な菓子パンのイメージは、以下に挙げるものではないでしょうか。
・生地の中に甘い具を入れて焼き上げたパン(アンパン・チョコパン・クリームパン・ジャムパンなど)
・生地に砂糖やチョコ、クリームなどを練りこんだ甘いパン
・表面に甘い生地を被せて焼いたパン(メロンパンなど)
・ドライフルーツなどを混ぜ込んで焼いたパン
しかし、本来パンは小麦(またはライ麦)、酵母やイースト・塩・水のみで作られるものを指します。
パン屋さんの生地を見てみると、普通の食パンをはじめ、ほとんどのパンにバターやショートニングが使われていています。
これらはパンではなく、菓子パンです。
ですので、街のパン屋さんのパンも、百貨店のパン屋さんのパンも、工場で作られている大手メーカーのパンも、厳密には菓子パンということになります。
菓子パンが危険と言われるのはなぜ?
では、菓子パンが危険と言われるのは、なぜでしょうか。
それは、栄養があまり含まれていないことと、多くの食品添加物が使われていることが理由です。
これは噓ではありません。
多くの菓子パンには、冷凍のパン生地が使われていて、マイナス32.2~40℃という低温で急速に冷凍されているので、ビタミンや酵素などが死んでしまいます。
これでは食べても栄養が摂れず、また、たんぱく質も変化している可能性があるので、小麦粉アレルギー増加と関係があると考える人もいます。
そして、パンにはイースト菌を使いますが、冷凍で障害が起こりやすくなるので、大量に使う必要が出てきます。
そうするとコストがかかるので、イーストフードという呼び方でひとまとめにされる化学物質を使ってコストを抑えるのです。
イーストフードとして使える化学物質には、塩化アンモニウムやグルコン酸カリウムなど18種類が指定されていて、複数入れた場合、原材料名にはひとつひとつ書かれずに、イーストフードとだけ表示されます。
何が使われたかわからなければ、どんな影響が出るかわかりません。
それで怖がられているのです。
そして、これ以外にも多くの添加物(保存料や着色料など)が使われているので、家族に食べさせたくない人が多いのです。
危険とされる添加物が使われる理由と安全基準
しかし、菓子パンに限らず、食品には多くの添加物が入っています。
それは、安全な食糧を安定して供給するためです。
体に影響を及ぼさない範囲の量で、食品の保存や防虫を目的に添加物が使われているので、実際に食中毒などの被害件数は昔よりも減っています。
確かに添加物なしが理想ですが、それでは現在の豊かな食文化というのは考えられません。
また、添加物については、国際機関で「毎日摂っても体に影響を及ぼさない量」が審議され、発表されています。
日本でも厚労省が、平均的な食生活でその量を越えないように、添加物の量を決めています。
さらに言うと、添加物とされているものは公的な機関が「安全な物質、安全な量」を調査し、人工・天然を問わず危険な物質が不適切に使われないようにしているわけなので、かえって「安全」と考えられます。
添加物が危険というのは嘘ではありませんが、それが体に影響するかどうかは量が関係しているのです。
ですので、食品に含まれる微量の添加物を気にするよりも、栄養バランスを考えた食事をする方が、よほど健康には良いと言えます。
菓子パンが危険なのは本当?それとも嘘?
菓子パンの添加物には、毒性のあるものがあるのは事実です。
例えば、イーストフードとしてリン酸化合物が使われていれば、体内のカルシウムが減る原因になるとされていますし、発酵を助けるのに、L-システイン塩酸塩・乳酸カルシウムが使われていれば、発がんの心配があります。
また、食感を上げて品質を向上させるために使われている臭素酸カリウムは、第1類危険物に指定されている強力な酸化剤です。
しかし、だからといって、菓子パン=危険というのは嘘です。
毒性があっても、摂取する量がわずかなら体に影響はないからです。
普通の食生活をしていれば、菓子パンを食べる頻度は少ないはずなので、菓子パンやその添加物が危険ということはありません。
菓子パンばかりを食べ続けなければ、健康を損ねることはないのです。
にもかかわらず「菓子パン=危険」とされているのは、量を考えずに「添加物=毒=危険」とする本やネットの情報が多いのが理由として考えられます。
体を壊すのは、添加物が身体に影響を及ぼすほど、偏った食生活を続けるせいです。
栄養の偏りが問題であって、添加物のせいではありません。
無加物ならば絶対に安全というのは嘘!
「菓子パンは危険だから絶対に食べてはいけない」と思い込んでいる方が本当に多いです。
繰り返しますが、菓子パンやそれに含まれる添加物が毒かどうかは、それをどのくらいの量摂ったかで決まります。
また、あまりにも添加物が危険(化学物質の添加されている食品が危険)という認識が広まったため、「無添加なら安全」という話を聞くことも多くなりました。
しかし、これは嘘なので注意が必要です。
現在は、「無添加」とされる商品が街に溢れていますが、そういったものに書かれている「無添加」とは、「添加物として指定されているものは使っていない」という意味です。
ですが、この書き方では、多くの人に「何も添加していない」と誤解させてしまいますし、実際にそう思っている方も多いです。
しかし、何も添加しないと商品として成り立たないものが多いので、何かしらの化学物質は入っていると考えた方がいいでしょう。
そう考えると、指定された添加物ではない、十分に安全が確認されていないものが添加されている可能性があるのですから、完全には安全とは言い切れませんよね。
無添加を謳っていても、すぐに鵜呑みにせず、疑うことが大切です。
嘘の情報に惑わされないためにはどうすればいい?
菓子パンに含まれている同じ添加物でも、ある人は危険だと言い、別の人は安全だと言っているといったことが多くあります。
また、現代は情報が多いので、調べれば調べるほど何を信じればいいのかわからず、疲れてしまいますよね。
では、間違った情報や嘘の情報に惑わされないためには、どうすればいいのでしょうか。
それは、自分で正確な知識を得る努力をすることです。
具体的には、
・できる限り広い視野で、様々な角度から情報を集める
・どの情報を信じて、どう行動するかは自分で決める
ということです。
また、一度集めた情報で「危険」とされていたものでも、いつの間にか「安全」と認識されるようになっていたということも多くあります。
逆に、今まで「安全」とされていたものが、ある日突然「実は危険」と言われることもあります。
それは、添加物が体に与える影響についての研究が、日々進んでいるからです。
そのため、一度調べてから何年か経過した情報は、定期的に調べ直してアップデートすることも重要ですね。
菓子パンを食べないことより、栄養の取れた食事が大事!
菓子パンには多くの添加物があり、その影響がわからないために危険とされていることがわかりましたね。
ですが、危険な物質でも、量に気をつければ、安全が確保できます。
間違った情報に惑わされないために、情報を集めて精査していきたいですね。
何よりも、しっかりとした食事を摂ることが健康への近道だと思います。