健康のために、食事の塩分量を気にしている人が増えています。
スーパーでも減塩の文字をよく見るようになりましたね。
毎日飲んでいるお味噌汁の塩分も気になるという人のために、お味噌汁の塩分量の計算方法をまとめました。
塩分量から味噌汁の味噌の量を計算する
食事の塩分量に気を使っている人は多いと思います。
例えば、毎日飲んでいるお味噌汁の塩分量を考えてみましょう。
お味噌汁1杯に含まれる塩分量は、1.5gといわれています。
これは、カップラーメンの塩分5.5gに比べると、かなり少ないですね。
自宅にあるお味噌で、塩分1.5gのお味噌汁を作ってみましょう。
味噌汁の完成量は150mlとします。
塩分1.5gのお味噌の量がどれくらいかは、お味噌の塩分濃度で変わってきます。
お味噌のパッケージを見てみましょう。
「食塩相当量」という表示があると思います。
「食塩相当量10g」と記載してあるところに、「100gあたり」という表示もあるかと思います。
ですので、このお味噌の場合は、100gあたり10gの塩分になりますので、塩分濃度は10%という計算になります。
具体的に、お味噌の量を計算していきます。
塩分量を1.5にしたい場合のお味噌の量をαとします。
α×0.1=1.5
という計算式になります。
α=1.5÷0.1
となり、これを計算すると、15になります。
お味噌の量は15gということです。
これでお味噌の量の計算方法がわかりましたね。
味噌汁に含まれる塩分濃度を計算する
お味噌汁の塩分量をもっと低くしたいという場合は、どうしたらよいでしょう。
例えば、塩分量を1.5gではなくて1.0gにしたいとします。
その場合の計算式は、前項の式を応用します。
なので、α=1.0÷味噌の塩分濃度
になります。
10%の塩分濃度のお味噌でしたら、
α=1.0÷0.1
答えは10gです。
このように塩分濃度を意識していれば、自然と減塩につながると思います。
これと関連して、すでに出来上がっているお味噌汁の塩分濃度が知りたい場合の計算方法もあります。
200gのお味噌汁であれば、
(お味噌の量×お味噌の塩分濃度)÷200
で求められます。
お味噌の量を15gとします。
お味噌の塩分濃度を12%とします。
これを(お味噌の量×お味噌の塩分濃度)÷200にあてはめますと、
(15×0.12)÷200
となります。
計算すると、答えは、0.009になります。
塩分濃度0.9%ということですね。
味噌以外の調味料の塩分を計算する
お味噌だけでなく、他の調味料にも塩分は入っていますね。
調味料に含まれる塩分量の計算方法はこちらです。
調味料中の塩分量÷材料の重量×100
汁物の調味料中の塩分量÷汁の重量(具は含めない)×100
調味料に含まれる塩分相当量をもとに、使用した調味料の量を計算していくと、食事に含まれる総塩分量が分かってくると思います。
主な調味量100g当たりの食塩相当量
《しょうゆ》
こいくちしょうゆ→14.5g
うすくちしょうゆ→16.0g
《ソース・ドレッシング類》
トマトケチャップ→3.3g
ウスターソース→8.4g
マヨネーズ(全卵型)→1.8g
《みそ》
米みそ(甘みそ)→6.1g
米みそ(赤色辛みそ)→13.0g
調味料中の塩分量の計算方法は味噌の場合と同じです。
●こいくちしょうゆ18gを使用した場合
こいくちしょうゆには、100g当たり14.5g(14.5%)の塩分が含まれるので、
18g×0.145=2.61g
こいくちしょうゆ18gには、2.61gの塩分が含まれているということになります。
●マヨネーズ(全卵)を25g使用した場合
マヨネーズには100g当たり1.8gの塩分が含まれているので、
25g×0.18=4.5g
マヨネーズ25gには、4.5gの塩分が含まれているというわけです。
お味噌汁にほかの調味料を入れる人は、そちらの塩分量も気にする必要がありますね。
ナトリウムを塩分に換算する
お味噌汁に使われる調味料だけでなく、ほとんどの食品に含まれている塩分ですが、食品によって「食塩相当量」ではなく、「ナトリウム」という表示がされていることがあります。
食塩相当量であればわかりやすいのですが、ナトリウム量と表示されても、どのくらいの塩分に値するのかよくわかりませんよね。
そんなときに、役立つ計算式があります。
食塩相当量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54÷1000
ナトリウム量が4.0gの場合
4000×2.54÷1000
となり、塩分量は10.16gとなります。
食品に含まれるナトリウムが、すべて食塩由来とは限らないので、正確な塩分量とはなりませんが、大体の目安が分かると思います。
スマートフォンを持ち歩いている人が、ほとんどだと思いますので、外出先でも計算機で簡単に計算できると思います。
計算が面倒というめんどくさがり屋さんには、もうちょっと簡単な方法もあります。
1gの食塩相当量=ナトリウム量約400mg
これはおおよその数値ですので、あくまで目安にしてください。
ナトリウム量200mgなら0.5gくらいの塩分だな、という感じです。
塩分を減らして味噌汁を作る工夫
塩分を気にしているとしても、お味噌汁は毎日飲みたいですよね。
そこで、塩分控えめにするためのお味噌汁の工夫をご紹介します。
・粉末状のだしの素を使わない
かつお節や、昆布を粉末にしたものをだしに使いましょう。
もしくは、だしの素を使うのであれば、食塩無添加タイプのだしの素を使いましょう。
・減塩味噌を使う
お味噌汁に使う味噌の量を減らしたり、減塩タイプの味噌を使います。
一般的なお味噌汁の塩分量1.5gよりも少ない塩分量で、お味噌汁を作るようにします。
これは、だしを効かせることによって、味噌の量が少なくても、おいしく食べることができます。
・お味噌汁を具だくさんにする
具材は、根菜類がおすすめです。
ジャガイモ・大根・玉ねぎ・わかめなどです。
野菜には、カリウムが含まれています。
カリウムは、過剰に摂取したナトリウムを体外に排泄する作用があります。
積極的に摂取したいミネラルのひとつです。
注意したいのは、外食のお味噌汁です。
定食屋で出されるお味噌汁は、やはり濃いめに作られているので、塩分も高くなっています。
食事自体も味が濃いので、塩分の摂取量に注意しなければなりません。
お味噌汁を注文しない、もしくは飲まないなど、塩分を摂りすぎないようにしましょう。
どうしても飲みたいときは、半分だけ飲むようにしてみてはいかがでしょう。
塩分を計算しながら外食するのは大変ですので、こういった工夫をしていくと減塩もやりやすいですね。
味噌汁は健康食品
これまで、お味噌汁の塩分のお話をしてきましたが、安易にお味噌汁をやめようと言いたいわけではありません。
お味噌は発酵食品です。
お味噌には美肌やアンチエイジングを助けてくれるイソフラボンやビタミンE、リノール酸が豊富に含まれています。
生活習慣病を予防してくれる、レチノール酸や大豆レシチンなども味噌の成分です。
お味噌汁を飲むことで、これらの成分も摂取できますので、まったくお味噌汁を飲まないというのも、もったいないのです。
お味噌汁は魚のだしを使っていたり、野菜を具材として使っていたり、栄養バランスが優れています。
せっかく日本人として生まれ、味噌という素晴らしい食品が身近にあるのですから、様々な病気の予防に最適なお味噌汁を飲まないのは、もったいないです。
全くやめるのではなく、上記でお話したお味噌汁を飲む工夫をして、お味噌を摂取したほうが良いでしょう。
もし、お味噌の塩分がどうしても気になるのであれば、自分で味噌を作ってみるというのはいかがですか。
お味噌づくりには、それなりに手が掛かりますが、自分で作るので安心安全で、塩分量も自分で計算して調節できます。
「手前味噌」という言葉があるように、自分で作ったお味噌は愛着もあり、おいしいです。
お味噌づくりのキットも売っていますので、チャレンジしてみてはいかがでしょう。
減塩はバランスの良い食事から
減塩には、お味噌だけでなく食事全体のバランスを考えなければなりません。
お味噌汁だけ減塩にしても、あまり意味がありませんよね。
お味噌汁を飲むことによる健康効果と、減塩の効果とを考えながら、バランスよく食事を摂っていった方が良いですね。