魚の缶詰は、様々な種類が販売されていますよね。
安価に手に入れることが出来る缶詰ですが、あまりいい印象を持っていない方もいるようです。
そんな魚の缶詰の栄養価が実は高いのはご存知でしょうか?
なぜ、缶詰の魚は栄養価が高いのかと、缶詰の活用法について紹介していきます。
魚の缶詰の印象は悪い!?
日頃、手軽で何かと重宝する魚の缶詰ですが、味が濃いとか、ジャンクフード的とかで、あまりよいイメージがない方も中にはいるかもしれません。
魚の缶詰は、味付きのものと水煮のものがあり、味付きは化学調味料使用なので、できれば添加物など余計なものがない水煮がよいですね。
ただ、味付きや水煮共に塩分がかなり強く、水煮といえどもしょっぱい味になっています。
家庭で料理を作る時には、薄味にできますが、缶詰は無理ですね。
魚の缶詰の汁には、DHAやEPAが溶けているので利用した方がよいのですが、塩分の問題があるので、スープにしたりみそ汁などにして、塩分を必要とする料理に利用すると、缶詰の汁を塩分の代わりに利用できるので、効率的でよいです。
缶詰は味が決まっているので、飽きやすいですし、料理のバリエーションも難しいですね。
また、容器や保存期間に関係しているのか、缶詰っぽい味というか、缶詰の独特な味があり、それが苦手な人や絶対に缶詰を食べない人もいます。
そして、魚の缶詰を健康のために食べる場合に気をつけたいのは、リノール酸などの油は使用されていないかということや、中にはサラダ油や紅花油、綿実油など控えたい油が使用されているものがあるので注意しましょう。
次は、魚の缶詰に含まれている栄養について紹介します。
魚などの缶詰の安全性について
密閉してある缶詰は、空気や水、細菌などが入りませんし、その上加熱殺菌もしてあるので、食中毒の恐れもありません。
また、缶詰やびん詰は、食品添加物の保存料や殺菌剤なども一切使用していません。
缶詰やびん詰は、中身の原料を詰めて空気を抜き密閉してから、高温高圧で加熱殺菌してから冷却して作ります。
ですので、開封するまで密閉状態なので細菌や空気などが入る心配がなく、保存料や殺菌剤などは必要ないのです。
缶詰は加熱殺菌するために高温にするので、栄養が損なわれるのではないかと思いがちですが、新鮮な材料を使い真空状態にした上での加熱なので、栄養成分が必ずしも少ないとはいえません。
みかんの缶詰のビタミンCは80%も保有されていますし、生のみかんは保存しているうちにビタミンCが減るのに対して、みかんの缶詰は安定しています。
また、魚の缶詰は加圧加熱殺菌をすることで、骨まで柔らかくなり、カルシウムも吸収しやすい形になっています。
実は栄養価が高い、魚の缶詰!
魚の缶詰は栄養価があり、サバやサンマ、イワシなど青魚にはDHAが含まれています。
DHAの働きや効果は、中性脂肪やコレステロールの低下作用、血液をサラサラにする効果、脳の活性化、認知症予防と改善、うつ病やストレスの改善、知能指数(IQ)や記憶力向上、アレルギー改善などです。
体内で作ることができない必須脂肪酸の1つのDHAは、食品から摂る必要があり、そのような時に手軽に食べることができるのが、魚の缶詰なのです。
中でもDHAが多く含まれているのは、「サバの水煮」、「サバの味噌煮」、「イワシの味付け」、「サンマの蒲焼」などです。
DHAは油や水に溶けるので調理法により失われたり、酸素や光で酸化したり、冷凍保存でも大幅に失われるという報告もありますが、魚の缶詰は新鮮な魚を生のままで缶に詰めて、空気を抜き加熱処理をするので、DHAが溶け出してそのまま残っていますし、長期保存でも酸化もしません。
また、缶詰の汁にも魚の旨みやDHAがたっぷり溶け出ているので、料理に身も汁も全部活用しましょう。
魚の缶詰に多く含まれる栄養素、DHAが凄い!
サバやイワシ、サンマにたくさん含まれるDHAには、凄い効果・効能があります。
DHAは脳を活性化させて、認知症を予防したり改善するので、青魚を多く食べる人に認知症の人が少ないと言われます。
そして、青魚にたくさん含まれているDHAは、脳の細胞を柔軟にして活発にする作用があり、血流を良くして栄養をスムーズに運ぶサポートをします。
このような働きで、脳の血管の老化を防ぐので、認知症予防と改善作用が期待できますし、アルツハイマー型認知症予防ができる可能性との報告もあります。
DHAは知能指数(IQ)や記憶力向上にもよいとされ、記憶力の実験で、DHAを与えたラットと、オリーブ油やヒマワリ油を与えたラットが、迷路の中のエサのところまで正しくたどりつくかを調べたところ、正解率が高かったのはDHAを与えたラットでした。
また、血液をサラサラにするDHAは、血管や赤血球もしなやかに保ち、血流促進や高血圧改善にもよいとされています。
日頃、お肉を多く食べる方や、白砂糖を多く食べ過ぎた時などは、血糖値が上昇したり、血中脂肪が増えてドロドロの血液になり病気のリスクが高くなりますので、このようなことを予防したり改善するDHAを普段から摂るよう心がけたいですね。
次は、魚の缶詰に含まれるカルシウムについて紹介します。
魚の缶詰は、栄養素のカルシウムが豊富
魚の缶詰にはカルシウムが多く含まれています。
加工されていないサバやイワシ、サンマなどは骨までは食べれませんが、缶詰は加圧加熱殺菌するので骨も柔らかくなり食べやすくなるので、骨に含まれる豊富なカルシウムも効率よく摂ることができます。
サンマの缶詰には、蒲焼きや味付けサンマなどがありまずが、100g中に約200mgのカルシウムが含まれています。
1日に必要なカルシウムの量は、成人男性が650mg、成人女性が600mgの目標値なので、サンマの缶詰を1個食べると、1日の3分の1のカルシウムが摂れます。
(メーカーにより異なります)
カルシウムだけでは栄養的にはダメですが、骨を丈夫にするので子供さんによいですし、そもそも日本人はカルシウムが足りないので、そのカルシウムを補えるのもよいですね。
ただ、栄養価が高い缶詰はよい食品なのですが、塩分や砂糖、化学調味料が多く含まれており、脂肪分も多くカロリーも高いので、食べ過ぎはよくありません。
サンマの缶詰は脂が底に溜まっていたり、味付けも濃いので、食べるのは1週間に1個位がよいのではないでしょうか。
また、それ以上食べる時には、野菜を多めにしたり、他の食事の調味料を少なくするなどして調整するとよいですね。
栄養価の高い魚の缶詰、料理にどう活用する?
栄養価の高い魚の缶詰を料理に活用してみましょう。
炒め物…
野菜炒めに入れたり、回鍋肉に入れてもよいですが、フライパンで炒める料理に入れる場合は、炒め過ぎはDHA/EPAが失われるので、炒め終わりにさっと混ぜる位がよいでしょう。
パスタの具にする…
ツナが入っているパスタがありますが、そのツナを魚の缶詰に変えたり、オイルサーディンやアンチョビみたいに、魚の缶詰を調味料として使用することもできます。
丼物…
そぼろ丼のひき肉のそぼろをサバ缶で作りますが、フライパンで炒める時に汁は別の容器に移して、サバの身だけにしたほうがそぼろにしやすくなります。
出汁と容器に移したDHA/EPAが豊富な汁は最後にかけてできあがりです。
煮込み料理…
大根の煮物に魚の缶詰を入れたり、肉じゃがの肉の代わりに魚の缶詰を入れるなど、色々な煮物にアレンジできますし、汁ごと入れて煮物が簡単に作れます。
炊き込みご飯…
炊き込みご飯も簡単アレンジ料理の1つですが、魚の缶詰は濃い味が既に付いているため、炊飯器に研いだお米を入れ水の量をやや少なくして、魚の缶詰を汁ごと入れたらスイッチを押して炊くだけです。
魚の缶詰は手軽に食べられる栄養価の高い食品
いかかでしたか?
魚の缶詰は、DHA、カルシウムなど豊富に含まれており、成長期のお子様にも必要とされる栄養素がたくさん含まれています。
生の魚は処理が大変な上、骨を取ったりの作業が面倒ですよね。
そういったことでも、缶詰でしたら面倒な処理も無く、骨まで食べることが出来ます。
いくら身体に良いからといっても、食べすぎは身体によくないので、ほどほどの量にすることをお忘れなく。