アメリカでピザといえば国民食ですよね。
特にニューヨークに行くと、ピザ屋さんの多さに驚くかもしれません。
とろーりとしたチーズにもちもちの生地…日本人も大好きですよね。
そんなピザの歴史と種類について、詳しく調べました。
アメリカで大人気のピザ屋さんも紹介します。
アメリカが発祥の地ではない!ピザの歴史
ピザのルーツはアメリカではなく、古代エジプトまでさかのぼります。
小麦粉に水を入れて溶いて焼いたという食文化は、メソポタミア文明が発祥で、そのことが古代エジプトに伝わり、小麦粉に水を混ぜて発酵させてから焼くという、パンに進化していきました。
古代エジプトのパンは、丸く平たい形にして石窯に貼り付けて焼くもので、今のピザの原型が5000年前には誕生していたのですね。
そして、世界各地にこの石窯パンが広まり、様々な食文化になっていきました。
今のピザに近いものは16世紀のイタリアで作られ、小麦粉の生地にガーリックとラード、塩などを入れて焼いたもので、今のフォカッチャに近く、その後に、柔らかい生地にバジルやラード、コショウをのせたものや、小魚をのせたもの、この2つの種類ができ、これが「最古のピザ」という説があります。
名前が「PIZZA」と付いてイタリアに普及したのは、トッピングでトマトが使われてからです。
16世紀後半~17世紀に南イタリアのナポリで、トマトの栽培と水牛のミルクが原料のモッツァレラチーズが作られ、ピザのトッピングに使われて、その美味しさがナポリの町中にあっという間に広がりました。
そして、1830年にオープンした「ブランディ」がナポリ初のピッツェリア(ピザ専門店)といわれます。
ピッツェリアができる前は、ピザは屋台で販売されていて、薪窯で焼くより、簡単に調理ができる揚げたものばかりでした。
イタリアからアメリカへ!ピザが広まった経緯
マルゲリータが誕生したのは1889年で、イタリア王ウンベルトⅠ世の王妃のマルゲリータが名前の由来です。
マルゲリータ王妃が、1889年にナポリを訪れた時、当時のピッツァイオーロ(ピザ職人)のラファエレ・エスポジトと妻のローザが、記念のピザを献上しました。
ピザ3種類は、バジルとラードのピザ、トマトをトッピングしたピザ、トマトソースとモッツァレラチーズにバジルをのせて焼いたピザです。
トマトの赤とモッツァレラチーズの白、バジルの緑というイタリア国旗色のピザを、王妃が大変気に入り、エスポジトはピザに「マルゲリータ」の名前を付けました。
そして、アメリカに渡ったイタリア人移民が焼いたピザがアメリカで人気となり、アメリカから世界に広まりました。
1905年にニューヨークマンハッタンのイタリア系移民の街で初のピッツェリア、ロンバルディズがオープンしましたが、当時はイタリア人だけの食べものでした。
アメリカで人気が出た理由は、第二次世界大戦以降、兵士がイタリア駐留時に現地でピザを食べたことに始まるといわれます。
ピザビジネスは、今では3兆円の産業ですが、宅配ピザができたことで一大産業になり、1960年にミシガン州のイプシランティにドミノピザの1号店ができ、1985年には、アメリカとライセンス契約をした、ドミノピザ日本1号店が東京の恵比寿にできました。
日本の宅配は3輪バイクですが、アメリカではワゴン車です。
アメリカで一番人気のピザの種類!ニューヨークスタイル!
日本にも様々なご当地ラーメンがありますが、アメリカにも色々なご当地ピザがあります。
では、アメリカで一番人気の、ニューヨークスタイルのピザを紹介しましょう。
ニューヨークスタイルの典型的なピザは、丸い形で薄い生地、トマトソース、モッツァレラチーズだけという、とてもシンプルなスタイルです。
ピザジョイントではモッツァレラチーズではなく、プロセスチーズが使われていることが多いです。
そして、チーズピザのことを「プレイン」または「レギュラー」と呼んでいて、チーズの塩気とコク、あっさりとしたトマトソースが相性抜群で、1~2種類のトッピングでシンプルな味を楽しみます。
ピザ生地の食感はカリッとしてもちもちです。
その他には、ブルックリンタイプのニューヨークスタイルというものもあります。
こちらは、焼き上がったピザに生バジルとオリーブオイルをかけますが、このスタイルはマンハッタンでも増えてきています。
トッピングの具材は、ソーセージ、ペパロニ、ブラックオリーブ、アンチョビー、マッシュルーム、エクストラチーズなどがあります。
ニューヨークスタイルの丸いピザのことを、「ネアポリタン」と呼ぶピザ店がありますが、ナポリピッツァの「ネアポリタン」とは別のものです。
アメリカのピザの種類!スクエアとナポリピッツァ
アメリカのピザにも種類があります。
スクエアは四角い型で焼いたピザで、生地が厚いシシリアンスタイルは濃厚ですし、生地が薄いグランマスタイルはあっさりとしています。
四角いスクエアはピザジョイントの定番のメニューですが、ピッツェリアのメニューにはなく、生地の薄いグランマスタイルはニューヨークのロングアイランドで誕生しました。
ピザジョイントは普通に街角にある小さなピザ店で、ニューヨークスタイルの丸いピザと四角いピザがあり、カウンターに並んだ種類の中から指してオーダーができます。
また、作り置きのピザに自分の好みがない時は、「トマト、ワンスライス」などといって注文でき、基本はスライスオーダーなので1人でも大丈夫です。
ナポリピッツァは「ネアポリタンピザ」と英語では呼び、ここ数年ナポリピッツァ店が増えています。
1人でも食べれる小さめのサイズで、新鮮な材料を薄い生地にのせ薪オーブンに入れて焼きますが、ふっくらもちっとしたクラストで、人気はシンプルなトマトとモッツァレラチーズのマルゲリータです。
ここで役立つピザ知識を紹介します。
ホールパイ…
大きいピザ丸ごと1枚のことで、ラージサイズは4人分はあり、スモールサイズは女性が2~3人で食べれるサイズです。
スライス…
ホールパイを切り分けたもので、ピザジョイントのラージサイズは8等分にしてあり、女性が食べる場合スライス2切れで十分な量です。
ピザジョイントへ行こう!種類別にソースを変えるお店も
アメリカでニューヨークピザを食べることができるピザジョイントです。
•デイ・ファラ…
ニューヨークでも一目置かれる最高峰のピザ店で、デイ・ファラのニューヨークピザを食べずにピザは語れないくらい、誰もが知る有名なお店です。
ニューヨークスタイルで生のバジルやオリーブオイルを使うこだわり派のピザは、ドメニコさんが全て1人で作りますが、そのピザに対する思いは大変なものです。
ピザは、丸い形のレギュラーと四角いスクエアがあるので、両方食べることをオススメします。
場所はブルックリンで、ミッドタウンから地下鉄1本で行け、駅の近くにあります。
•ジョーズ・ピザ…
ニューヨークスタイルのオーソドックスな店構えとピザで人気があり、オススメはシンプルなニューヨークスタイルのプレインやペパロニです。
場所柄もあり繁盛していて、作り置きのピザの回転も早く、店構えは普通ですがニューヨークを代表するお店の1つです。
ニューヨークを訪れる機会があれば、散歩の途中などにふらりと立ち寄り、ピザを食べてニューヨーカーの気分を味わってみてはいかがですか?
•プリンスストリートピザ…
大衆ピザジョイントですが、看板メニューのスクエアピザが定評があります。
ピザは種類でソースも変わり、オススメはスパイシーソースのペパロニシシリアンピザです。
小さいお店ですが豊富な種類があり、ジェノベーゼソースのペストピザやホワイトピザなど色々食べたくなります。
日本におけるピザの歴史って?
日本初のピザは諸説あり、1944年に神戸のイタリアンレストランで提供されたというのが有力な説ですが、戦後すぐに宝塚市に開店した、イタリアンレストランのアベーラという説もあります。
また、初のピッツェリアは1954年に六本木にオープンしたニコラスです。
これらの店は、昭和30年代の最先端ということで、当時のお洒落な若者たちに人気で、当時は少数の人達だけがピザを知っていました。
東京オリンピックの年の1964年11月に創業の、ピザメーカー、ジェー・アンド・シー・カンパニー(現ジェーシー・コムサ)は、冷凍ピザクラストをアメリカから輸入販売して、翌年、日本初のピザ工場を東京の目黒区に作りました。
「西洋風お好み焼き」といわれたピザは、オーブンやオーブントースターも家庭に普及していない時代に、業務用として普及しました。
70年代には、ファミリーレストランチェーンのエポックが登場し、アメリカ風メニューをだすロイヤルホストなどファミレスの人気メニューになりました。
このように外食から人気がでて、冷凍ピザやピザトーストなど家庭で普通に食べるようになり、1985年には日本で初めて宅配ピザができ、独自の種類も作られました。
ここ10年くらいから、ナポリピザが注目され人気がでてきていますし、2006年9月にはナポリピッツァ協会日本支部が設立され、ナポリ本場の味が楽しめる店が次々と増えています。
アメリカで大人気のピザの歴史と種類を知ろう
ピザの歴史を紐解くと、古代エジプトにまでさかのぼります。
石窯焼きパンとして生まれ、後にイタリアで、現在のピザに近いものが作られました。
ですが、ピザを世界に広めたのは、アメリカですね。
現在、アメリカで親しまれているピザの種類には、ニューヨークスタイル、スクエアタイプのピザ、ナポリピッツァなどがあります。
アメリカに行ったら街角にある小さくて庶民的なピザ屋さん、ピザジョイントに行ってみましょう。
ふらっと立ち寄りやすく、それぞれのこだわりがあるので、お気に入りのお店が見つかるかもしれません。