野菜の食べ方はいろいろありますが、まず干し野菜が頭に浮かぶ人は少ないと思います。
干し野菜は、その名の通り、乾燥ネットなどで野菜を干して作ります。
あまり知られていない干し野菜の魅力や作り方について調べましたので、ご紹介します。
干し野菜は栄養たっぷり
乾燥ネットなどで野菜を乾燥させて作る干し野菜は、生で食べるよりも栄養価がアップします。
天日干しで干し野菜にすることで、野菜に含まれるビタミン・カルシウム・鉄分などが増えることがわかっています。
中でも、ビタミンDは骨を丈夫にしたり、風邪の予防に効いたりします。
また、カルシウム吸収を潤滑にする働きもあるんですよ。
そのため、ビタミンDが不足してしまうと、カルシウムをいくら摂っても吸収されないのです。
そんなビタミンDは干し野菜にすることで、野菜の中でも生成されます。
日光を浴びることで生成されるそうですので、ぜひ干し野菜を摂取してきたいところです。
干し野菜は日光に当てられて乾燥することにより、野菜の青臭いえぐみが消え、甘みが増します。
水分が抜けて、味が濃縮するからですね。
野菜に含まれる酵素のアミラーゼは日光によって活性化し、でんぷんを分解して、ぶどう糖や麦芽糖などの糖を作ります。
これが干し野菜を甘くするんですね。
食感も変わるので、食感が苦手な野菜も干し野菜なら食べられるかもしれません。
干し野菜ネットで簡単に作ろう
さて、そんな良いことだらけの干し野菜を自宅で作ってみましょう。
まずは必要な道具です。
・干し野菜ネット(乾燥ネット)、ザルなど
・保存容器
干し野菜は、下処理が大切です。
野菜は洗って、水気をしっかりと切ります。
キッチンペーパーなどで、水分をきちんと拭き取りましょう。
皮は、むきません。
切った断面が大きいほど乾燥しやすいので、断面が大きくなるように切ってください。
まずは、やりやすい大根から始めてみましょう。
切り干し大根などで、おなじみですね。
大根は洗って、千切りにします。
水気をよく拭き取ります。
出来るだけ重ならないように、ネットに広げて干しましょう。
ときどき裏返すと、はやく乾きます。
シイタケも挑戦してみましょう。
きのこ類は水では洗いません。
汚れていたら、キッチンペーパーで拭き取る程度にしておきましょう。
石づきを取り、そのまま干しても良いですし、スライスしてお好きな形にして干しても構いません。
庭やベランダなど、日の当たる場所に半日ほど干します。
完全に乾燥させたい場合は、2日くらい干しましょう。
干し野菜作りに適した条件
干し野菜は年間を通して作ることが出来ますが、やはり梅雨時期は避けた方が良いでしょう。
理想の条件は、
・空気が乾燥している
・風通しが良い
・気温が高い
となっています。
干し野菜の一番の敵は「カビ」です。
水分を多く含む野菜は、もともとカビやすく傷みやすいです。
ですが、日差しと風がきちんと当たる場所であれば、まず失敗はしないでしょう。
失敗をしないために、1日を通して風が通り抜ける場所に干すことが大切です。
その点「干し野菜ネット」は上下左右のあらゆる方向から風が当たるので、野菜にカビが生える心配があまりありません。
ザルの場合、台の上に載せるなど、工夫が必要です。
数時間ごとに並び替えたりなどして、全体的に風が当たるようにしましょう。
時間帯ですが、朝、太陽が昇り始めたところで外に出し、日が沈み始めるあたりで室内に入れましょう。
夜間は、室内に入れてください。
外に出したままにしてしまうと、野菜が湿気を吸ってしまいます。
湿気は、まず第1の失敗原因なので、気を付けましょう。
出来上がった干し野菜は、水気や湿気を防ぐ密閉容器やジップ付き保存袋に入れて保存します。
乾燥ネットがなくても電子レンジで干し野菜
乾燥ネットやザルで天日干しして作る干し野菜の作り方をご紹介しましたが、実は電子レンジでも簡単に干し野菜が作れるんです。
作り方をご紹介します。
まず、野菜を切ります。
天日干しの時と同じように、乾燥しやすいように、断面が大きくなるように切りましょう。
5分ほど、水に入れてさらします。
よく水気を切ります。
ペーパーなどで拭きましょう。
重ならないようにお皿に並べます。
電子レンジで7~8分加熱します。(電子レンジは600wです)
ザルの上に広げて乾かしましょう。
これで完成です。
このまま少し塩を振って、野菜チップスとして食べてもおいしいですよ。
また、電子レンジだけでなく、オーブン機能を使っても干し野菜が出来ます。
オーブンでしたら、たくさんの野菜を一気に乾燥させることが出来ます。
基本的には、野菜を好きな大きさに切って、天板に並べるだけです。
野菜の下ごしらえは、天日干し、電子レンジの時と同じですね。
切った野菜をオーブンペーパーを敷いた天板に並べます。
予熱は不要です。
100度で1時間くらい加熱しましょう。
野菜の様子によって、加熱時間を追加したり、十分に乾燥しているものは取り出したりして、調整しましょう。
出来上がったら、天板をオーブンから取り出さずに、冷めるまで待ちます。
予熱でカラッとなりますよ。
環境によっては天日干しが出来ない人もいると思いますので、電子レンジやオーブンで作れると安心ですね。
干し野菜におすすめの野菜
干し野菜は基本的に乾燥ネットやザルを使用すれば、どんな野菜でも作ることができますが、もやしやレタスなどは向いていません。
おすすめの野菜はこちらです。
ゴボウ、ニンジン、かぼちゃ、れんこん、大根、きゅうり、なす、ピーマン、アスパラ、トマト、ゴーヤ、キャベツ、白菜、長ネギ、玉ねぎ
しいたけ、エリンギ、しめじ、まいたけなどのキノコもおすすめです。
切り方をいくつかご紹介します。
●玉ねぎ:千切り
●なす・ズッキーニ:1㎝くらいの輪切り
●プチトマト:ヘタを落とし、ヘタを横にした状態で3分割
(トマトは水分が多い種の部分を取り除きます。)
●キャベツ・白菜:葉物は芯を付けたまま、バラバラにならないように切る
●きのこ類:石づきを取り、小房に分ける。エリンギは半割か4分割り。マッシュルームは半割。
また、使う料理によって、切り方を変えてみましょう。
漬物や炊き込みご飯に使う場合は、千切りにします。
漬物、和え物、野菜チップスは、3㎜程度の薄切りです。
ソテー、揚げ物、炒め物に使う場合は、5㎜程度の厚切りにします。
野菜グリルは、8㎜~1㎝の厚切りにしてください。
煮物やスープ、グリルに使うときは、大ぶりにカットします。
切った形状によって干す時間が変わりますので、出来上がりの時間が変わります。
気を付けましょう。
100円ショップで干し野菜グッズのネットなどを揃える
上の項でお伝えした通り、干し野菜はおいしくてメリットがたくさんあります。
干し野菜を作ってみたいけど、1から道具をそろえるのは面倒と思いますよね。
そんな時に、ぜひ活用したいのが100円ショップです。
100円ショップでは、便利な干しネットが売られています。
多目的ネットという名前でも売られています。
2段になっているこのネットは、野菜を干すだけでなく、洗濯物を干したり、キャンプなどでは食器の水切りに使ったり、いろいろな使い道が出来るようです。
ファスナーが付いているので、虫が付く心配もありませんね。
このようなグッズがあれば、干し野菜初心者でも失敗しにくいと思います。
100円ショップで一緒に揃えておきたいグッズは他にもあります。
●乾燥剤
乾燥剤は、電子レンジで乾燥させれば何度でも使えるそうですので、保存の時に便利です。
●保存容器
ゴムパッキンが付いている保存瓶が、干し野菜の保存に活躍します。
乾燥ネット、乾燥剤、保存容器と揃えても、いくらもしないので、今日から干し野菜が始められますね。
干し野菜ならたくさん野菜が食べられる
野菜は毎日食べなければと思うものの、たくさんは食べられないですよね。
干し野菜なら食べやすく、チップスにすればスナック感覚で手軽に食べられます。
苦手な野菜も乾燥させれば青臭さもなくなるので、食べやすくなりますよ。
ぜひ、干し野菜を食卓に取り入れてみませんか。