塩少々って何g?レシピの調味料の表記を理解しよう

お料理を始めると、レシピの読み方が難しく感じるかもしれません。

塩少々、ひとつまみ、適宜、適量...それぞれ、どのくらいなのか、正しく答えられますか?

几帳面な方は、ここでつまづいてしまいます。
ですが、そういう方こそ、お料理が上手になる可能性があります。

少々、ひとつまみが、だいたい何gなのか、適宜、適量の違いについても、簡単にご説明していきます。

塩少々は適当に入れちゃダメ!塩加減は大切!

お料理の塩加減は、とっても大切です。
”塩は百肴(ひゃっこう)の将”という言葉がありますが、この言葉は、お塩は、お料理の主役であるという意味です。

昔から、お塩は重要な調味料であると考えられてきたのですね。

お料理上手な方なら、もうご存知かとは思いますが、お塩は少々入れるだけで、旨みを出すこともできますし、素材の味を最大限引き出すこともできる調味料です。

醤油、みそ、酢などの調味料も、お塩が無くては、味が成立しません。

ですが、お塩の入れすぎも、お料理を塩辛くしてしまうだけではなく、高血圧などの生活習慣病の原因になってしまうと考えられ、問題になっていますよね。

塩加減というのは、奥が深いですが、逆に考えれば、お塩を上手く使いこなすことが、お料理上達の近道だといえます。

ですから、塩少々と言われても、適当に入れてしまってはいけませんね。

まず、塩少々が何gなんだろうと疑問に思われた方は、お料理上手になる可能性が高いです。

こんな逸話が残っています。

昔、徳川家康が側近に、この世の中で最も美味しいものは何かと質問しました。
家来は、「それはお塩にございます」と答えました。

そのあと家康が、世の中で最もまずいものは何かと再び問うと「やはりお塩にございます」と答えたのです。

塩少々は何g?

塩少々、と言われた場合、正確にはどれくらいのことを指すのでしょうか。

少々という言葉ですが、実は、料理の世界では『親指と人差し指で摘んで取れる分量』ということになります。
ここで疑問に感じるのは、指の長さや太さによって、バラつきが生じるのではないかということですね。

小さいお子さんや華奢な方は摘まめる量も少ないでしょうし、体格のいい方は、たくさん入れすぎてしまうかもしれません。

では、正確に何gくらいのことを指すのかと言いますと、『0.3g〜0.5g』になります。

これは普通の人が、親指と人差し指でお塩を摘まんだ時に取れる分量が、だいたい『0.3g〜0.5g』だと言われているためです。

ですが、普通の人の基準があいまいですので、やはり、アバウトに考えられているということですね。
摘まみ方によっても、取れる量は変わってきますし、お料理にこだわりたい人は、もっと正確な数字を求めているかもしれません。

塩少々、というのは、あくまで目安に過ぎないんです。
何度も何度も繰り返しお料理を作っていくうちに、慣れていくしかないと思います。

それまでは、お塩を入れた後に味見をして、塩加減を自分の舌で確かめて調節してください。
後で調節することを考えると、少ないかな?くらいの量を入れたほうがいいでしょう。

塩自体の味が、お料理の味をきめるわけではない

塩少々が何gなのか理解していただけたところで、次に考えたいのが、お料理においてお塩選びは重要なのかということです。

とても高価なお塩もありますが、普通のお塩と比べて、お料理の味がそんなに変わるのでしょうか?

この塩を使えば、どんなお料理もおいしくなる!なんてうたい文句を付けて売られているお塩もありますよね。

こんな言葉には騙されないようにしましょう。
というのは、多くの場合、お塩はそのまま食べるわけではなく、お料理の味付けとして使うからです。

お料理には、必ず素材があって、調理法があって、それを手助けする調味料があります。
それぞれの素材や調理法に合うお塩がありますので、どんな高価なお塩であっても、全てのお料理に合うとは限りません。

また、お塩を舐めて、味を判断する人もいますが、ここでも注意が必要です。

お塩を舐めた味はそれぞれに違いますが、お塩を舐めたそのままの味が、お料理の中で生きるわけではありません。

どのお塩の味が、どう料理の味を引き出すのか、そんなことはプロの料理人の中でも、一部の達人にしか分かりません。

もちろん、天ぷらやお肉にそのまま付ける場合は、お塩にこだわるのもいいのですが、家庭料理において、普段使いするお塩を高級なものに変えたからと言って、全てのお料理がおいしくできるわけではありません。

やはり、一番大事なことは、どんなお塩を使うかではなく、塩加減がきちんとされているかどうかなのです。

塩ひとつまみは何g?少々とは違うの?

お料理のレシピを見ていると、少々のほかに、『ひとつまみ』という表現も出てきますよね。
「えっ!?少々と、同じじゃないの?」なんて思った方、いらっしゃいませんか?

実は違うんです。
では、塩ひとつまみ、というと何gなのでしょうか。
少々というのは、親指と人差し指で摘んで取れる分量のことでしたね。

これに対して『ひとつまみ』というと、親指と人差し指と中指で摘んで取れる分量のことを言います。

指二本から、指三本に変わるわけですから、微妙に多くなるわけですね。

では、正確には何gなのでしょうか。

結論を申し上げますと、『少々』は0.3g〜0.5gでしたが、『ひとつまみ』は0.8g〜1.0gになります。

『ひとつまみ』とレシピに書いてあったときに、親指と人差し指の二本で摘まんで入れてしまうと、薄味になってしまうのですね。

わずかな差のように思えますが、この2つを同じだと勘違いしてしまうと、レシピに忠実に作っても美味しくできないかもしれません。

先ほど書いた通り、塩加減はお料理の味を大きく左右するのです。
もっとお料理の腕を上げたい方は、ぜひ気を付けるようにしましょう。

液体調味料の場合の『少々』とは

では、お塩などの粒状のものではなく、みりんやお醤油など、液体の調味料で『少々』が使われた場合、どのくらいのことを指すのでしょうか。

お塩などとは違い、指でつまむことはできませんので、測りにくいですよね。

正確に知りたいという方のためにお答えすると、液体系の調味料で、『少々』と書かれていたら、『小さじ1/2以下の分量』のことです。

本当に、風味程度、隠し味的な使い方をするということですね。

もし、煮物や鍋などの場合で、お醤油を入れすぎて味が濃くなりすぎてしまったら、水を加えて薄めるより、だし汁や具材を入れてみてください。
砂糖やみりんなどの甘みを足すことで、しょっぱさが中和される場合もあります。

お浸しなどでお醤油をかけすぎてしまったら、一度さっと洗って、また味付けされるのもいいかと思います。
入れすぎが怖い方は、醤油さしを使いましょう。

大ざっぱに作って美味しくできるのは、お料理のセンスのある方か、慣れている方です。

初心者のうちは、しっかりと何gなのか測って、レシピ通りに作るのをおすすめします。

何gか分からない!『適宜』と『適量』の違いって?

最後に、『適宜』と『適量』という言葉についてご説明します。
これも曖昧な表現なので、初心者の方は戸惑ってしまうかもしれません。

『適宜』と『適量』の意味ですが、どちらも、自分の好みで加減した、ちょうどよい量ということです。

味見して、美味しいと思う量を入れるということになりますから、お料理の腕が試されますね。

2つの違いですが、『適宜』には、入れても入れなくてもよいという意味があります。

つまり、『適宜』入れる、と書かれていたら、好みによって入れなくてもいいということ、『適量』入れる、と書かれていたら、料理に必要な味だから必ず入れるということです。

とても似ていますが、間違えないようにしましょう。

『塩少々』や『ひとつまみ』の場合は何gなのか、ある程度はっきりしていますが、『適宜』と『適量』の場合は、完全に個人まかせです。
お料理に慣れた方でないと、難しいですね。

一般的には、『適宜・適量』と書かれていたら、『少々・ひとつまみ』よりも多い量を入れることが多いです。
どうしても、分からないと不安だという方は、お料理教室に通われるといいでしょう。

実際に作っているところを見ると、お料理の腕の上達も早いです。

昨今は、お料理の動画を見れるアプリもございますので、そちらを活用してみるのもいいかもしれませんね。

初心者のうちは料理の調味料はきちんと測ろう

お料理のレシピ表記についてご説明してきました。

塩などの粒状の調味料の場合、『少々』と書かれていたら何gのことでしたか?

答えは『0.3g〜0.5g』、親指と人差し指で摘んで取れる分量のことを指します。

これに対して『ひとつまみ』というと、親指と人差し指と中指で摘んで取れる分量のことを言い、0.8g〜1.0gになります。

液体の調味料で『少々』と書かれていたら『小さじ1/2以下の分量』のことでしたね。

また、『適宜』と『適量』は自分の好みで加減した量のことを言い、『適宜』に関しては、その調味料を入れなくてもよいということになります。

分かりにくい分量表記ですが、正しく理解して、お料理を楽しみましょう。