日本では昔から食べられている「昆布」。
昆布は縁起の良い食材なので、お正月やお祝いの席でよく目にしますよね。
そんな昆布は出汁を取るのに使用したりしますが、出汁を取った後に佃煮にする方も多いですよね!
昆布佃煮にはたくさんの栄養が含まれています。
ですがいざ佃煮を作ってみたら固い・・なんて経験をしたことのある方もいるのではないでしょうか?
今回は失敗しない昆布佃煮の作り方を紹介します。
また、おせちの定番の昆布巻きの作り方も紹介します。
昆布佃煮に含まれる栄養
昆布の佃煮は、固い昆布を砂糖と醤油などで柔らかく甘辛に煮たものですが、栄養バランスもよくビタミンやミネラルを含んでいます。
出汁を取ってからの昆布でも十分に美味しい昆布の佃煮ができますし、ご飯やお弁当のおかずにもよいですね。
昆布の佃煮の栄養は、糖質代謝を助け疲労回復に効果があるビタミンB1や、皮膚粘膜の機能を維持したり細胞の新陳代謝の促進を助けるビタミンB2、皮膚や粘膜の健康を維持し、脳神経を正常に保つために役に立つビタミンB6やナイアシン、動脈硬化やストレスの軽減にはパントテン酸、細胞再生や貧血予防、新しい赤血球作りに必要な葉酸なども含みます。
そして、活性酸素を抑制したり、血管や皮膚の老化を防止して免疫力をアップする抗酸化のビタミンEも含まれています。
さらには骨や歯の形成に必要なカルシウム、リン、マグネシウムなどのミネラルも含まれていますし、カリウムも豊富で利尿作用や疲労回復、高血圧予防の効果もあります。
また、昆布の佃煮はβカロテンも含むので抗酸化作用も期待でき、動脈硬化や高血圧の予防に役立つ水溶性の食物繊維のアルギン酸も含みます。
免疫力を高めるフコイダンには抗がん作用や抗アレルギー作用も期待できます。
このように栄養豊富なのが、昆布の佃煮なのです。
昆布佃煮に含まれる栄養の効能
固い昆布を煮て作った、昆布の佃煮に含まれている栄養の効能は次のようになります。
アルギン酸…
昆布やわかめのぬめり成分のアルギン酸は水溶性の食物繊維で、ナトリウムと結びつき体外に排出して高血圧予防やコレステロール低下の効能で、動脈硬化の予防になります。
フコイダン…
食物繊維で海藻類の昆布やわかめ、モズクなどのぬめりの成分のフコースという多糖類で、胃痛予防や胃潰瘍の修復、免疫力をアップしてウイルス増殖の予防、抗アレルギーや抗がん作用があります。
βカロテン…
抗酸化作用が強く、活性酸素や酸化の抑制やダメージのある細胞修復をします。
ビタミンB1…
炭水化物(糖質)の代謝をサポートしてエネルギーを作り、疲労回復に効果がありますし、皮膚と粘膜の健康維持、筋肉機能や脳神経、手足の末梢神経を正常にします。
ビタミンB2…
代謝に重要な役割で細胞の新陳代謝を活発にして、皮膚や粘膜の維持や成長にも関係していて、子供の成長や美容に欠かせません。
ナイアシン(ビタミンB3)…
水溶性で三大栄養素の脂質や糖質、たんぱく質の代謝時に働く酵素のサポートに必要なビタミンで、皮膚と粘膜の健康維持を助けたり、脳神経を正常に保ちます。
パントテン酸(ビタミン5)…
三大栄養素の脂質や糖質、たんぱく質の代謝に役立ち、エネルギーを作るのに必要な酵素のサポートをします。
まだまだある!昆布佃煮に含まれる栄養の効能!
ビタミンB6…
たんぱく質をエネルギーに変え代謝を促し、筋肉や血液などを作るサポートします。
葉酸…
赤血球や細胞の生成に必要な栄養素で、胎児の正常な発育にも必要です。
不足は、貧血を起こしたり、妊娠初期の胎児に影響や、神経管閉鎖障害を発症します。
ビタミンE…
強い抗酸化作用で活性酸素の酸性化を抑えて、細胞や血管、肌の老化を防ぎます。
ビタミンK…
血液の凝固で止血したり、骨の形成に役立ち、骨粗しょう症予防にもなります。
また、ビタミンK1は緑色の野菜の緑葉体で作られ、微生物により作られるビタミンK2は、発酵食品の納豆にも含まれています。
カルシウム…
身体に最も多いミネラルで、骨や歯を構成し、骨が貯蔵庫の役割もしています。
この量は体重の1~2%を締め、不足すると骨から遊離して補い、その割合が崩れると悪影響がでます。
リン…
骨や歯を構成していて、カルシウムの次に体内に多いミネラルです。
鉄…
赤血球を構成して細胞に酸素を運んだり、貧血予防に必要です。
マグネシウム…
300種以上の酵素の働きを助けたり、骨や歯に必要な栄養素です。
骨に50~60%が含まれ不足すると骨から遊離しますし、カルシウムとも関係が密接です。
カリウム…
ほとんどの細胞に存在し、ナトリウムとバランスをとり高血圧予防効果があります。
また、ナトリウムの摂り過ぎは高血圧になる危険があります。
次は、固い昆布も柔らかくなる美味しい昆布佃煮を紹介します。
出汁をとるために使用した昆布で佃煮を作ったら固い・・柔らか佃煮の作り方
出汁をとった後の昆布を利用して佃煮を作りますが、固い昆布を柔らかく煮て、絶品な昆布佃煮の作り方を紹介します。
【材料】
・昆布300g
・干しシイタケ4枚
・お酢大さじ4
・干しシイタケ戻し汁200~400ml
・水適量(干しシイタケの戻し汁が400ml満たない時に補う)
・醤油180ml
・砂糖大さじ4
・お酒300ml
・みりん100ml
【作り方】
1)前の晩から干しシイタケを水に浸けて戻しておきましょう。
2)出汁をとった後の昆布は、2cm角に切って、干しシイタケは薄くスライスします。
3)鍋に干しシイタケの戻し汁400mlを入れ、角切り昆布とスライス干しシイタケ、お酢も入れて火にかけましょう。
4)煮立ったら弱火で、約30分で干しシイタケの戻し汁がひたひたになります。
5)砂糖と醤油、お酒を入れたら落とし蓋をして、1時間位ゆっくりと煮てください。
6)1時間後にみりんを入れて、弱火で煮詰めましょう。
7)煮汁がなくなったら強火にして、返しながら煮付けます。
8)煮付けた昆布をバットに重ならないように広げたら、団扇であおいで冷ましましょう。
9)昆布にツヤがでたらできあがりです。
途中で味をみて薄い場合は、砂糖や醤油の加減をして調整しましょう。
おせちの定番昆布巻き!固い昆布巻きにならないためのオススメレシピ
固い昆布巻きにならないためのレシピを紹介します。
【材料】
・身欠きにしん3~4本
・昆布1~2枚
・かんぴょう適量
・昆布の戻し汁120cc
・しょうが少々
・みりん45cc
・醤油45cc
・酒45cc
【作り方】
1)かんぴょうをサッと水で洗います。
2)少し多めの塩をかんぴょうにまぶし弾力がでるまで揉みますが、かんぴょうの中に塩が入って網目になり、たっぷり水分を吸いで柔らかく煮あがりますし、白色の漂白されたかんぴょうの二酸化硫黄を抜いて臭いも取ります。
3)かんぴょうの塩を洗い流したら、水に5~10分位つけましょう。
4)身欠きにしんを前日に、1~2回茹でこぼし余分な油を抜き、米のとぎ汁に1日浸けます。
とぎ汁の脂肪成分の「ぬか」が苦味やえぐみを取り除いて、旨味や甘みを引き出します。
5)昆布を水に浸けて戻しますが、昆布巻きを煮る時に戻し汁を使用しますので、捨てないで下さい。
6)長さ20cm位に昆布をカットして、身欠きにしんは昆布幅に切ります。
7)芯にした身欠きにしんを昆布で巻いてかんぴょうで結びましょう。
8)鍋に昆布が隠れるくらいの水と、しょうがと調味料を入れて弱火で昆布が柔らかくなるまで煮込みましょう。
少ない煮汁になっても昆布がまだ固い時は、昆布の戻し汁か水を足し柔らかくなるまで煮ます。
また、調味料を麺つゆにしても美味しいです。
9)柔らかくなればできあがりです。
次は骨も柔らかいいわしの佃煮を紹介します。
いわしの佃煮も栄養満点!固い骨も柔らかくするオススメレシピ!
固い骨も柔らかくなる、いわしの佃煮を作りましょう。
【材料】
・いわし(10cm位)20尾位
・だし昆布適量
・しょうが薄切り適量
調味料として
・醤油80cc
・酢80cc
・砂糖80cc
・酒40cc
・みりん40cc
【作り方】
1)いわしのはらわたと頭を取り、手や爪でうろこも軽く取っておきましょう。
2)鍋にだし昆布を敷いたら、上にいわしを並べて、調味料を混ぜたものを入れ1時間位おいておきます。
3)いわしがかぶる位の水を入れて強火にかけ、アクを取ながら煮ますが、煮立ってきたら落とし蓋をして弱火で煮込みましょう。
4)1/3位の煮汁になったら火を止めて鍋を冷ましましょう。
5)しっかりと冷ましてから、水をかぶる位まで入れて再度弱火で煮込みますが、また1/3位の煮汁になったら火を止めて鍋をしっかりと冷まします。
6)最後、もう一度水をかぶる位入れ弱火で煮込み、半分の煮汁になったら中火にしましよう。
7)仕上げは落とし蓋を取り、鍋をゆすりながら煮汁を全体に回しかけながら煮汁がなくなるまで照りをだしましょう。
8)魚を崩さず焦げ付かせないように気を付けながら、仕上げます。
☆ポイント
このレシピは時短ではなく、時間をじっくりとかけて調理するもの。
いわしに調味料をかけて1時間おくことで、柔らかくなり煮崩れも防ぎます。
出汁を取った後の昆布は佃煮にしましょう
いかがでしたか。
昆布は豊富な栄養と、優れた健康効果が期待できます。
出汁を取った後昆布を破棄している方は、是非佃煮を作って食卓にプラスしましょう。
食材の無駄を無くすことはとても良いことですので、是非調理してみてください。