皆さんは、インド料理って好きですか?
日本でも大人気のインド料理・・・ランチタイムやディナータイムで良く食べられる方も多いですよね。
日本においては、左右の手を使って食事をするのが当たり前ですが、インドではカレーを食べる時など、食事の際は左手は使わないと聞いたことがありませんか?
左手を使わないのは食事の時に限らず、握手、人に物を渡す時もです。
今回は、インドの食習慣や食生活について紹介します。
インドの食事の際は左手は使ってはいけないの?インドの食生活と宗教
インドでは、左手は「不浄のもの」であると言われているので、食事や握手では必ず右手を使います。
これはトイレットペーパーの代わりとして左手を使用するという理由があるからです。
宗教はヒンドゥー教とイスラム教が多く、前者は崇拝対象である牛を、後者は不浄の生き物である豚を食べることはありません。
つまりそれぞれの肉が入ったカレーは禁忌とも言うべき料理なのです。
基本的に食材は全てお祈りが済んだものしか口にせず、アルコールも厳禁とされています。
鶏、羊、山羊の肉がメインとなっており、鶏肉は日本でも好まれていますが、残りの2つは独特の臭いがあるので苦手とする人が多いかと思われます。
ですが動物の肉はどれも臭みがあるため、臭いに関しては食べ慣れているかどうかの差でしかありません。
またイスラム教には「ラマダン」と呼ばれる特別な日があり、その期間が終わるまで、人々は飲まず食わずで過ごします。
ヒンドゥー教にも断食を行う日や、肉を食べない日などが決められています。
夫が長生きするようにという願いを込めて、妻だけが断食をすることもあるようです。
インドでは3食カレーを食べるの?
インドと言えばカレーというイメージがありますが、それは決して間違ってはいません。
インド人はほぼ毎日、3食をカレーで済ませています。
ですが日本のカレーとインドのカレーは微妙に異なるため、同じものを食べているということにはならないようです。
日本のカレーの定番は、肉、ジャガイモ、人参、タマネギを入れて、市販のルーを使います。
そこへ隠し味として醤油やチョコレートなどを加えてみたり、新たな具としてチーズを足してみたり、各家庭によって様々な工夫を凝らしているでしょう。
日本では野菜炒めや炒り玉子などの料理も、場合によってはカレーの一種として含むことがあり、その辺りの線引きが日本とインドでは違うようです。
一般的に「カレー」と聞いて思い浮かべるものに違いがあるため、日本のカレーはインドの人からすればカレーとは見なされないことも珍しくありません。
実際に日本のインド料理屋を訪れたインド人が、首を傾げることもあるようです。
また食べる際は、インドでは不浄とされている左手を使うことはありません。
これも日本とは違うところです。
カレーなどに使われるスパイスの健康効能とは?
好む人の多い料理のひとつであるカレーは、インドでは日常的な料理として食べられています。
朝、昼、夜と全ての食事がカレーであることも珍しくなく、その際は左手を使わないと言われています。
そんなカレーはスパイスの中に、健康な身体を作るための要素が詰め込まれています。
スパイスは料理の味や色、香りなどを付けるために加えるものですが、カレーの場合はスパイスがメインと言っても過言ではありません。
クミンとコリアンダーが胃腸を、ターメリックが肝臓の機能を活性化させてくれるのです。
また程良い刺激のおかげで食欲も湧いてくるようになります。
特に夏バテで食欲をなくしやすい夏場にはうってつけと言えるでしょう。
スパイスの効果により体温が大幅に上昇するため、冷え性や冷房病を和らげてくれる上に、血液を増量させて全身に行き渡らせやすくなり、集中力が上がります。
新陳代謝も高まるので、風邪などにもかかりにくくなります。
スーパーなどで売られているカレールーには15~30種類ほどのスパイスがブレンドされており、ひとつひとつに優れた効能が秘められています。
インドでカレーなどによく使用される食材&インドの野菜の特徴
インドでは豆のカレーがとても人気で、3食のうち1食は必ず豆カレーを食べています。
中に入れる豆は毎日違うものを使い、1種類だけではなくレンズ豆やひよこ豆など、複数の豆を入れることもあるようです。
カレーの定番の具材である人参は、日本のものはやや黄色っぽさがありますが、インドのものは赤っぽく長細い形をしていて、強い甘味を含んでいます。
ジャガイモやグリンピースと炒めたものが代表的ですが、生でも食べることが多いようです。
冬になると、刻んだ人参を砂糖と牛乳で煮込んだお菓子も作られます。
味のベースとして用いられることがあるトマトは、インドの日常生活には欠かせない野菜のひとつと言われており、日本のものよりは酸っぱさを感じます。
またトマトと同様に使用頻度が高い野菜がタマネギです。
非常に甘い赤タマネギと呼ばれる種類のものをトマトと組み合わせることで、料理を深い味わいにしていきます。
日本とはだいぶ味が異なるのは大根です。
インドの大根は苦味や辛味が強いため、苦手とする子供もいます。
こちらもジャガイモと炒め物にします。
何を食べるにせよ、左手は不浄のものと見なされているので、絶対に使わない決まりとなっています。
ナンをちぎる時は、左手を使ってもいいの?ナンの食べ方の基本
インドでは左手が不浄のものとされているので、食事の際には右手だけを使うように決められています。
ですがナンをちぎる時は左手を使っても構いません。
ナンは細くなっている先端からちぎっていきます。
大体高さが6cm、幅が8cmくらいにすると口に入れやすいようです。
それを親指と中指で持ちながら、人差し指で谷折りにします。
スプーンをイメージすれば分かりやすいかと思われます。
その状態で、カレーをつけるのではなくすくい上げて食べましょう。
肉や大きめに切られている具は、スプーンで切り分けてからナンに乗せるか、そのまま口へ運んで下さい。
ナンをちぎるポイントは、なるべく大きさを変えずにちぎっていくことです。
そうすればカレーとのバランスが掴みやすく、どちらも同じタイミングで食べ終えることが出来るでしょう。
幅の広い部分は縦方向に切れ目を入れてから、横にちぎるとすんなり切れます。
ちなみに独特の形をしているナンですが、これはインドの国土を表現して作られています。
本格的なインドカレーを作って、現地人っぽく左手を使わずに食べてみよう
本格的なインドカレーは、材料さえ揃えれば家庭でも作ることが出来ます。
以下にレシピをまとめました。
【材料】(2~3人分)
・鶏もも肉…2枚
・ヨーグルト(無糖)…150cc
・チリペッパー…小さじ2
・ターメリック…小さじ2
・コリアンダー…小さじ2
・ガラムマサラ…小さじ1
・トマト…300g
・玉ネギ…300g
・すり下ろしニンニク(チューブでも可能)…大さじ1
・すり下ろしショウガ(チューブでも可能)…大さじ1
・塩…小さじ1.5
・水…50cc
【作り方】
1)鶏肉を好みの大きさに切り分けます。
2)ヨーグルトにチリペッパーからガラムマサラまでを加えて混ぜます。
3)鶏肉を入れて、3時間ほど冷蔵庫に入れてしっかりと漬け込みます。
4)トマトは単体で、玉ネギはニンニクとショウガを加えてミキサーにかけ、ピューレにします。
5)鍋に水以外のものをまとめて入れます。
6)ミキサーに水を入れて、軽く振ったらその水を先程の鍋に加えます。
7)中火にかけて、沸騰したら弱火で1時間ほど煮込みます。
時々かき混ぜるのを忘れないで下さい。
辛味を抑えたい場合は、チリペッパーの量を減らして下さい。
また手間ではありますが、野菜をピューレにすれば味が馴染みやすくなります。
インドでは左手を使わずに食べるので、真似をして食べれば本場の雰囲気が味わえるかもしれません。
インド料理はスパイス料理
いかがでしたか。
食事の時に左手を使用しないのは、ヒンズー教やイスラム教で、左手が不浄の手とされているからなのです。
インドや日本で良く食べられているカレーなどのスパイスは、健康に良い効果があると言われています。
近年の日本の食事内容は肉中心となってきている傾向にあるので、インドの様に適量なスパイスや豆、野菜を多く入れたカレーを作ってみてはいかがですか