子供の嘔吐や下痢は突然起こりますよね。
嘔吐や下痢をしている場合の食事や水分補給はどうすればいいの?
と迷う方も多いのではないでしょうか。
嘔吐後の食事は、いつから与えれば良いのでしょうか。
また、食欲が無く食事を口にしないときの注意点、回復してきたときにおすすめの食事などお話したいと思います。
子供が嘔吐した後は食事よりも水分補給?
子供はよく嘔吐します。
これから、子供の嘔吐と食事の関係についてお話していきたいと思います。
この項では水分補給の重要性について述べていきます。
嘔吐してあまり元気がない時や、嘔吐を繰り返すような時は、食事を与えず水分補給をさせた方が良いです。
ただし、嘔吐してすぐに水分を摂らせると、また嘔吐する可能性が高いので、しばらく様子を見て安静にしてから水分を摂らせましょう。
また、飲ませても嘔吐する場合がありますが、飲ませないでいると脱水症状を起こしてしまいます。
どんなに嘔吐しても水分は少しずつ吸収されているので、水分を摂らせて下さい。
しかし与える水分も何でもいいという訳ではありません。
柑橘系のジュースは刺激が強く、嘔吐を誘うので避けましょう。
湯冷ましや麦茶などのノンカフェインのお茶を少しずつ飲ませましょう。
もし、嘔吐だけでなく下痢も起こしているなら、経口補水液を飲ませると良いでしょう。
経口補水液は薬局で市販されていますが、水1リットルに砂糖を小さじ6杯、塩小さじ2分の1杯でも代用できます。
一度にたくさん飲ませると、また嘔吐することがあるので少しずつ飲ませると良いでしょう。
子供が下痢や嘔吐をしている場合、食事はいつから与えるべき?
前項では、子供の嘔吐と水分補給の関係について説明しましたが、この項では食事を与えるタイミングについてお話ししていきます。
子供が嘔吐や下痢を起こしているときは、水分と体力を消耗します。
下痢や嘔吐の症状が出たら、ひとまず水分を与えましょう。
ゆっくりと胃腸を休ませて寝かせてあげることが大切です。
では、いつ頃から食事を与えた方が良いのかというと、その時の子供の状態によって変わってきます。
・嘔吐した後、元気が出てきた場合
嘔吐や下痢をしても、熱が上がらず元気な時は、感染症ではない可能性が高いでしょう。
少し時間を置いた後、子どもの食欲を見ながら、通常よりも胃腸に負担のかからない食事を与えましょう。
脂肪分の多い揚げ物や炒め物、肉やサバなどの脂の多いもの、酢の物や香辛料を使ったもの、食物繊維の多い食材は避けましょう。
・嘔吐した後も、体調が良くない場合
嘔吐や下痢によって、熱が下がらない時や体調が良くない場合は、感染症である可能性が高いでしょう。
吐き気が治まらない時は無理に食事を与えないで下さい。
まずは休ませてこまめに水分を摂らせましょう。
子供に食欲がなく食事を口にしないときの注意点は?
前項に引き続いて、子どもが嘔吐した場合の食事についてです。
嘔吐したことによって、楽になって食欲が出てくれば良いのですが、食欲が戻らない時は無理に食事を与えないで下さい。
先述した通り、食事を与えずに水分補給をさせましょう。
ひどいときには水分を摂っただけで吐き気が起きたり嘔吐したりすることもありますが、水分を与えないでいると脱水症状や栄養不足に陥る場合があるので、こまめに水分を与えましょう。
およそ5~10分おきに少しずつ水分を与えると良いでしょう。
食べられそうな時は、食べやすい食事を与えると良いでしょう。
普段食べる量の半分ほどの量でおかゆやうどんを食べさせて見て下さい。
お腹にやさしい食事を2~3種類用意して、子供の食べられそうなものを食べさせてあげましょう。
前項でも述べましたが、脂肪分の多いもの、香辛料を使ったもの、酢の物、食物繊維の多いものは胃腸に負担をかけるので避けてください。
お腹にやさしい食事の基本は、淡泊で消化が良く水分の多い食事です。
子供が嘔吐し回復してきたときにオススメの食事は?
前項では子供が嘔吐した時の食事と水分補給について述べましたが、この項では子供が嘔吐した時のオススメの食事を紹介します。
・おかゆ
はじめは米1:水10の割合で作る重湯から始めると良いです。
重湯とは米の10倍の水で炊いたおかゆからガーゼなどで飯粒を取り除いたものを言い、古来病人に与える流動食として知られます。
重湯が食べられるようになったら、少しずつ米の量を増やしていくと良いでしょう。
おかゆにつぶしたカボチャを混ぜて、かぼちゃがゆにするのもオススメです。
ビタミンC、ビタミンE、βカロテンなどが摂れますし、体も温まります。
・茶碗蒸し
回復期にオススメしたいメニューの1つです。
具はない方が消化にいいのですが、鶏肉からはとても良い出汁が出ますので、食べるときに取り除いても良いかもしれません。
・うどん
少し食欲が戻ってきたら、柔らかく煮たうどんを与えても良いでしょう。
玉子を入れるなら半熟状にしましょう。
生玉子は消化が良くない上にサルモネラ菌などがいることがあります。
病気で体力が弱っているときは食中毒になりやすいので、生玉子は避けるのが良いでしょう。
鍋も消化が良いので、回復期の食事にオススメ!
子供が嘔吐した後に鍋料理はオススメの食事です。
・雪鍋
消化が良く、体も温まるのでオススメです。
雪鍋とはみぞれ鍋とも言い、大根おろしをたくさん入れた鍋のこと。
豆腐、白菜、にんじん、長芋、キャベツ、かぶなど消化に良い野菜を入れると良いでしょう。
食べられそうなら、白身魚、鮭、赤身のひき肉、鶏ささみ、豚ひれ肉薄切りなどを入れると尚良いです。
いろんな材料を入れることで滋養に富んだ鍋になります。
豚の赤身ひき肉と、白菜をじっくりと煮込むと消化に良い鍋になります。
これらの材料を市販の白だしで煮込み、最後に大根おろしを加えます。
大根には消化酵素であるジアスターゼが含まれていて、消化を助けるので胃腸にやさしそうですが、病後には大根の辛味が強すぎて胃が痛くなることもあります。
とくに嘔吐した後の子供は体が弱っているので、生の大根を食べると下痢を起こす可能性があります。
また、大根には体を冷やす作用があります。
以上のことから、大根はしっかり過熱した方が良いといえます。
りんごやスープもお腹に優しくオススメの食事です!
子供が嘔吐した時の食事として果物もいいですね。
・果物
果物は食べやすく、胃腸にも負担をかけませんが、果物ならば何でもよいという訳ではありません。
オススメは、りんご、バナナ、いちごなどです。
逆に避けた方が良いのは、みかん、レモンなどの柑橘類や、パイナップル、柿、梨、キウイなどたんぱく質分解酵素を含む果物です。
胃腸が弱っているときは果物に含まれる消化酵素が刺激になる可能性もありますので、嘔吐して食欲が戻ったら、まずは桃の缶詰など加熱済みのフルーツで様子を見るのもオススメです。
・スープ類
バターと小麦でルーを作らず、クリームタイプのコーン缶に牛乳を加えてのばし、塩で味付けしたコーンスープがオススメです。
ジャガイモのポタージュスープやポトフもオススメですが、イモや豆類は腸内でガスを出してそれが腸を刺激するので、はじめのうちはイモや肉類を除いて、キャベツやにんじんから試してみると良いでしょう。
重要なのは、始めは食事を与えずに水分をしっかり補給すること。
そして、一度に大量に与えるのではなく、こまめに少量を与えることです。
水分を与えると嘔吐してしまう場合でも、放置しておくと脱水症状を起こします。
食事は、食欲が戻ってから少しずつ胃腸に負担をかけない水分の多いものを与えましょう。
以上で子供が嘔吐した時の食事の説明とします。
状況判断をしっかりして無理をさせないようにしましょう
いかがでしたか。
子供は急に下痢や嘔吐をしてしまうことはよくありますよね。
嘔吐をしても、元気なら様子をみて食事をさせてあげましょう。
食欲があまりない場合は、水分補給を少しずつするのを忘れないようにしましょう。
回復してきたら、消化の良い食事を与えて、体力をつけさせてあげると良いかもしれませんね。
状況判断はしっかりとし、お子さんの負担にならないようにしましょう。