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トランス脂肪酸の量を0に!日本のマーガリンの現状と課題

      2018/09/04

トランス脂肪酸の量を0に!日本のマーガリンの現状と課題

マーガリンやショートニング、マヨネーズに入っているトランス脂肪酸が問題になっています。

トランス脂肪酸は摂りすぎると、心筋梗塞や動脈硬化の原因になるということが理由です。

WHOでは2023年までにトランス脂肪酸の使用の禁止を目標とし、世界中の色々なメーカーではすでに、トランス脂肪酸0gのマーガリンが販売されています。

アメリカやイギリスなどでは、国主導でトランス脂肪酸量が規制されていますが、日本では各メーカーが自発的に行っていますよ。

日本での取り組みと諸外国との違いをご紹介します。

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トランス脂肪酸は自然では少ない脂肪酸

まず、トランス脂肪酸とはいったいどんな脂肪酸なのでしょうか。

脂肪酸には飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸というものがあります。

一般的には牛肉や豚肉に含まれる脂、バターやラード・ヘット・鯨油は飽和脂肪酸。

一価不飽和脂肪酸は魚油やオリーブオイル・菜種油、多価不飽和脂肪酸はごま油・大豆脂・魚油・菜種油・米ぬか油に含まれているといわれています。

飽和脂肪酸は酪酸・ヘキサン酸・パルミチン酸・ステアリン酸など8種類あります。

一価不飽和脂肪酸は、オレイン酸やエルシン酸、多価不飽和脂肪酸はリノール酸やアルファリノレン酸、ドコサヘキサエン酸などです。

ところが、どこにもトランス脂肪酸という言葉はありません。

それでは、トランス脂肪酸とはどんなものでしょうかご説明しましょう。

マーガリンやショートニングを製造するときに、加工の過程で部分水素添加油というものを添加します。

これにより発生するのがトランス脂肪酸です。

トランス脂肪酸は天然にも存在しますが、その量は部分水素添加油と比較すると極少量になります。

トランス脂肪酸は摂りすぎると、悪玉コレステロールが増加し、動脈硬化や心筋梗塞の原因となるため、WHOでは、トランス脂肪酸の基準を摂取カロリーの1%未満と決めているのです。

しかし、日本人の摂取平均値は0.4%、つまり100g中0.4gを下回っているためあまり問題視されていません。

アメリカでは、マーガリンやショートニングに入っているトランス脂肪酸が、2018年9月から全面禁止になります。

EUやアメリカ、カナダでは全面に禁止されるということですが、それはすべての摂取エネルギーの中でトランス脂肪酸が占める割合を0%にするということです。

トランス脂肪酸0のマーガリンとは

アメリカやイギリスのマーガリンは本当にトランス脂肪酸量が「0」なのでしょうか。

カナダでは2005年から、アメリカでは2006年から食品のトランス脂肪酸量を表示することが義務付けられています。

しかし、国によっては油脂100g以内に含まれるトランス脂肪酸量が1g未満の場合は、トランス脂肪酸フリーと表示して良いとなっています。

アメリカをはじめとする各国では、バターはトランス脂肪酸がなく、マーガリンはトランス脂肪酸が入っているということで、マーガリンからバターに移行している人もいらっしゃるのです。

しかし、バターは元々悪玉コレステロールの原因となる、飽和脂肪酸を含みます。

バターにはトランス脂肪酸が入っていないという認識の間違いで、バターにもトランス脂肪酸は含まれているのです。

マーガリンと比較して少ないとはいえ、バターにもトランス脂肪酸は100g中2g前後入っています。

マーガリンは100g中1gという少量のものもありますが、13gと多量入っているものもあることと、マーガリンのトランス脂肪酸量は自然なものではないため危険とされています。

アメリカではマーガリンの1食使用分14g当たりのトランス脂肪酸量が0.5g未満の場合は、「フリー」「0」と表示して良いとされていました。

オーストラリアやアメリカのマーガリンが日本でも購入することができますが、トランス脂肪酸フリーという表示になっているものにはこういったものもあります。

そのため、表示のトランス脂肪酸フリーや「0」は完全な0gという意味ではありません。

アメリカでは、2018年9月から部分水素添加油の使用を全面禁止します。

これによって、今までは規定量未満なら曖昧でも表示できた「0」が、完全な0gとなるのでしょうか。

乳製品のトランス脂肪酸は0gにならない

牛は食べたものを消化する時に反芻という行為により、自然な形でトランス脂肪酸が作られます。

これを、自然のトランス脂肪酸と呼んでいます。

自然のトランス脂肪酸は健康被害は見られないといわれているため、バターやヨーグルトに含まれるトランス脂肪酸が問題になることはありません。

自然のトランス脂肪酸はマーガリンには含まれていませんが、バターには100g当たり2g含まれていて、規制後に販売されているマーガリンのトランス脂肪酸量よりも多くなります。

ほかにもラードや牛乳、牛肉や生クリームには100g当たり0.2g~2.7gのトランス脂肪酸が含まれています。

これは自然なもののため、マーガリンやショートニングのような部分水素添加油によって作られるトランス脂肪酸ではありません。

そのため、部分水素添加油の使用を規制しトランス脂肪酸を全面禁止にしても、自然のトランス脂肪酸量を0gにすることはできないのです。

自然のトランス脂肪酸の構造は人工的なものと同じですが、自然なもののため健康被害になることはないといわれています。

しかし、自然であってもトランス脂肪酸や飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させる原因となります。

健康被害はないとされていますが、摂りすぎが危険であることに変わりはありません。

欧米が規制することを率先して行っているのは、元々こういった自然のトランス脂肪酸の摂取量が多いためです。

欧米では2000年代、日本の5~10倍以上のトランス脂肪酸を摂っていることが問題になっていました。

このことから、WHOは2023年までに世界で水素添加油によるトランス脂肪酸を全面廃止することを決めたのです。

日本のマーガリンのトランス脂肪酸を0gに!

日本では、ほとんどのマーガリンを作るメーカーがトランス脂肪酸量を表示しています。

国では特に表示を義務付けていませんが、ほとんどが公表していることで、日本でも普段利用しているマーガリンにトランス脂肪酸がどれくらい入っているかが分かります。

マーガリンにトランス脂肪酸が含まれる原因は、原料の植物油にあります。

トランス脂肪酸0のマーガリンの原料は、パーム油やココナッツオイルを利用しています。

気になったり、少しでも嫌という人はバターをとありますが、バターにもトランス脂肪酸は含まれています。

マーガリンでトランス脂肪酸量を100g中0gにしているものは、パーム油を使っています。

パーム油は加工行程で水素添加を行いません。

そのため、パーム油を原料にするとトランス脂肪酸ができないのです。

しかし、パーム油やココナッツオイルは日本ではあまり手に入れることができません。

日本ではひまわり油や菜種油・べに花油をマーガリンの原料としています。

べに花油を使いながらも、パーム核油、レシチンなどを使いできるだけトランス脂肪酸量を100g中0gに近いマーガリンを日本では販売しているのですね。

国内でもよく販売されている雪印のネオソフトは、トランス脂肪酸量が100g中0.7gでバターよりも少なくなります。

トランス脂肪酸が0に近いマーガリン

日本で販売されているマーガリンは、ほとんどトランス脂肪酸量が100g中1g以下になっています。

国が規制をしないことを問題視している人もいますが、元々日本は国指導で何かをするよりも、企業が率先して動くことの方が早い国です。

これは、昔から日本は経済で支えられていた国のため、そこがほかの国との違いです。

トランス脂肪酸量が最も少ないマーガリンは、イオンのトップバリューのマーガリンです。

イオンのトップバリューでは、コーヒーフレッシュのトランス脂肪酸も0gになっています。

トップバリューのマーガリン「カロリー50%カット キャノーラソフト バター風味ファットスプレッド」はトランス脂肪酸量が0.23gと国内で最少量といわれています。

トップバリューのユーザーはなかなか厳しいようで、ほかのマーガリンでトランス脂肪酸量が表示されていないものは、評価も低くなっています。

また、小岩井のマーガリンは0.4g、帝国ホテルのホテルマーガリンは0.5g、明治のコーンソフトは100g中1gになっています。

年々メーカーの研究成果により、どのメーカーのマーガリンもトランス脂肪酸量が減少していることがわかりますね。

明治乳業は数年前まで情報を開示していないということでしたが、現在は公式のホームページで見ることができます。

そちらによると、明治乳業のマーガリンは現在100g中のトランス脂肪酸は、1~2gになっています。

日本のマーガリンのトランス脂肪酸量は、2008年は10%以上、つまり100g中10gを超えていました。

しかし、トランス脂肪酸の問題が明らかになり、色々なサイトやニュースで話題になると、各メーカーは次々とトランス脂肪酸量を減らす方向になったのです。

トランス脂肪酸量は年々減少していき、2018年には1gを超える商品はかなり少なくなっています。

今まで開示していなかったセブンプレミアムのマーガリンのトランス脂肪酸量も、100g中1g以下になっていますよ。

この1gも、部分水素添加油脂不使用による、自然のトランス脂肪酸量となっています。

マーガリンのトランス脂肪酸を0にするデメリット

マーガリンのトランス脂肪酸量をできるだけ0gに近くするために、日本ではホエイパウダーやバターミルク、チーズなどを入れています。

ホエイパウダーやバターミルクには自然のトランス脂肪酸が入っているため、0gにすることはできません。

明治乳業では部分水素添加油脂不使用にするために、今後パーム油を調合使用することを発表しています。

オーストラリアやアメリカでは、すでにパーム油を使用し、部分水素添加油脂によるトランス脂肪酸量を0gにしています。

しかし、今後世界のマーガリンメーカーがパーム油を使用することになると、パーム油の不足が懸念されます。

パーム油の利用を考えて今後生産が増えると、森林保全の問題や労働問題につながることがすでに明らかになっているのです。

パーム油を利用すると、世界的に様々な社会問題が起こることを提唱している人もいます。

それだけではありません。

パーム油は植物油の中でも珍しく、飽和脂肪酸を含みます。

リノール酸やリノレン酸と違い、大腸がんのリスクがあるといわれているのです。

パーム油を使ってトランス脂肪酸を減らしても、健康被害の課題がなくなるわけではありません。

日本のマーガリンでは、トランス脂肪酸を減らしながらもパーム油を使っていないものもあります。

日本では国で大きな規制を掛けていなくても、きちんとメーカーが主体で問題の取り組んでいます。

マーガリンを使う一人として、こういった点もこれからは注目ですね。

トランス脂肪酸を0にするだけではない今後の課題

日本ではトランス脂肪酸量を意識的に削減しなければならないほどの、健康被害の問題は起こっていません。

健康被害を心配する人は、それこそ日常的な食生活そのものに問題がある人です。

マーガリンのトランス脂肪酸量が100g中1gから0gに減ったところで、心筋梗塞や動脈硬化のリスクが全くなくなるわけではないのです。

トランス脂肪酸量を「0」にするという目の前のことだけにとらわれていませんか?

先のことにも目を向けて、本質的なところからの改善をしていかないと、新たな健康被害が起こるかもしれません。

 - 食文化・食生活