和食文化の日本でのトランス脂肪酸フリーマーガリンの必要性

戦後30年を過ぎたころ、特に、和食から洋食へと食生活を変えた人たちから、生活習慣病が多く見られるようになりました。

その原因の一つとしてあげられたのが、トランス脂肪酸です。

トランス脂肪酸を含む代表的な食品のマーガリンでは、トランス脂肪酸を減らす、0にするフリーというものも製造されるようになりました。

そこで今回は、気になる「トランス脂肪酸フリーマーガリン」について詳しくお話していきます。

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トランス脂肪酸フリーのマーガリンが生まれた背景

牛脂やバターには、元々天然のトランス脂肪酸が含まれています。

また、植物油や魚油に含まれている、オメガ3系脂肪酸もトランス脂肪酸の一つです。

しかし、人体に害がある、心疾患を及ぼすといわれているのは、液体で存在する植物油や魚油を製品化する時に固めるために水素を添加することで生まれる、人工的なトランス脂肪酸です。

植物油を固めることで製品化する食品の代表が、マーガリンです。

2000年当初、アメリカのマーガリンには、100グラム当たり20グラム以上のトランス脂肪酸が含まれていました。

当時のアメリカではハンバーガーやピザ、ホットドッグといったジャンクフードや、生クリームたっぷりのカップケーキやスコーンが人気で、それと一緒にコーラを飲むという人が多くいました。

その反面、健康を害するような生活をするのは、自己管理能力に欠けるため、一流のビジネスマンにはなれない、と言われていた時代です。

肥満大国アメリカでは、日本以上に生活習慣病に対する見方も厳しく、その原因の一つであるトランス脂肪酸の規制もいち早く始まります。

毎日のパン食で使うマーガリンをバターやオリーブオイルに、市販されている加工食品のトランス脂肪酸の量を明記することが義務付けられます。

そこで、トランス脂肪酸フリーというマーガリンも生まれています。

トランス脂肪酸フリーのマーガリンの原料

2003年にWHOでトランス脂肪酸の危険性が発表されてから、世界各国で、トランス脂肪酸を含む加工食品の見直しが始まります。

中でも、最も多くトランス脂肪酸を作りだすマーガリンは、規制のターゲットになります。

当時の日本のマーガリンのトランス脂肪酸の量は、アメリカの半分以下でした。

それでも危険と言われる量の10倍ということで、減らすことを余儀なくされ、10年以上をかけて、現在はさらに10分の1にまで減らすことができています。

日本では、トランス脂肪酸フリーのマーガリンとして、フィンランドで開発されたステロール油脂を利用した、ステロール・マーガリンが発売されています。

こちらは、ユニリーバが海外で販売しているもので、日本ユニリーバと提携したJオイルミルズのマーガリンです。

他にはオーストラリアのバター風味スプレッドマーガリン「トランス脂肪酸フリー ベジタリアン」を購入することができます。

ステロールとは、ステロイドアルコールの別名で、植物由来のステロールを「フィトステロール」、動物由来のものを「コレステロール」と言います。

ステロールには、トランス脂肪酸をほとんど含みません。

和菓子はトランス脂肪酸フリー

マーガリン以外にも、トランス脂肪酸フリーの食品が多く作られています。

例えば、ガーリックバターやピーナツバターです。

それ以外にも、海外ではビスケットやクッキー、チョコレートパイなどの菓子類で、トランス脂肪酸フリーの食品が販売されています。

日本では、「ぽてかる」という、ポテトチップスがトランス脂肪酸フリー食品として販売されています。

トランス脂肪酸フリー以前に、オイルフリーの菓子であれば、トランス脂肪酸を気にする必要はありません。

こういった理由から、ノンフライのスナック菓子も増えています。

たしかに、海外のクッキーはトランス脂肪酸フリーを意識しているのか、食べるとパサパサした感じのものが多いです。

こういった点からも、和菓子は究極のトランス脂肪酸フリー食品です。

和菓子は蒸したり、焼いたものが多く、バターやマーガリン、ショートニングを使いません。

トランス脂肪酸の規制が高まっている今こそ、せんべいやまんじゅうといった、油を使わない日本の菓子を、もっと世界の人に知ってもらう良い機会ではないでしょうか。

トランス脂肪酸フリーのマーガリンの弊害

トランス脂肪酸フリーのマーガリンには、ステロール油脂が使われています。

ステロール油脂は、フィトステロール、または植物性ステロールと言います。

フィトケミカルとも呼ばれ、食品添加物や医薬品・化粧品にも使われています。

植物ステロールには、β-シトステロール、カンペステロールがあります。

β-シトステロールは、アボガドやかぼちゃの種子・カシューナッツ・大豆に含まれています。

小麦胚芽やコーン油・米糠にも含まれています。

カンペステロールは、バナナやザクロ・きゅうり、玉ねぎ・じゃがいもなどに含まれる、植物コレステロールです。

植物ステロール油脂のマーガリンには、コレステロールを低下させてしまう作用があります。

さらに脂溶性ビタミンA・D・Eの吸収を損なう作用もあります。

コレステロールは、ワルモノと思われていますが、細胞膜の原料やホルモンの原料になったり、脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがあります。

脂溶性ビタミンの一つ、ビタミンDはカルシウムの吸収のための補酵素ですので、コレステロールが不足すると骨密度が低下し、骨粗鬆症や疲労骨折を起こすことがあります。

ビタミンAが不足すると、眼精疲労や成長の低下につながります。

そのため、トランス脂肪酸フリーのマーガリンには、「植物ステロールは、ビタミンAやEを多く含む果物、野菜類と共に摂取してください」という表示があります。

しかし、コレステロールの低下は、他にもビタミンDの吸収を阻害することもありますので、カルシウム不足にもなります。

単純に野菜や果物を一緒に摂れば、良いというわけではありません。

そこで、オーストラリアのバター風味スプレッドマーガリン「トランス脂肪酸フリー ベジタリアン」は、キャノーラ油とパーム油を原料にしていますが、他にビタミンA・D・Eが添加されています。

国産のトランス脂肪酸フリーのマーガリン

現在、国産のトランス脂肪酸フリーのマーガリンは販売されていません。

トランス脂肪酸が低いマーガリンは、数多く作られるようになりました。

2018年現在、一般的に販売されているマーガリンのほとんどが、100グラム中1グラム以下になっています。

雪印のネオソフトも、明治乳業のコーンソフト、Jオイるミルズのラーマも全て1グラム以下です。

中でも、雪印のネオソフトは、0.8グラムになっています。

他にも、イオンのプライベートブランドのマーガリン、小岩井乳業のマーガリン、帝国ホテルのマーガリンは、0.4グラムから0.8グラムと、低トランス脂肪酸のマーガリンです。

原料はキャノーラ油・べに花油、オリーブ油・亜麻仁油になります。

それでも、トランス脂肪酸フリーのマーガリンがないのは、なぜでしょうか。

それは日本人の普段の食事が、和食を中心としたもので、トランス脂肪酸そのものの摂取量が、欧米の人と比較して、かなり少ないからです。

トランス脂肪酸フリーのマーガリンがない理由

日本でも、バブル期にはトランス脂肪酸の摂取量が、欧米並みの高さになります。

1990年代の日本人のトランス脂肪酸の摂取量は、1日平均1.5グラムでした。

2000年代に入っても、ヨーロッパの人たちのトランス脂肪酸の摂取量は、平均1.4グラムから1.7グラムです。

アメリカとアイスランドは、5グラムを超えています。

2017年の日本では、マーガリンのトランス脂肪酸の低減で、0.7グラムにまで低下しています。

バブル期は多かったとは言っても、アメリカと比較したら三分の一で、かなり少ないです。

先進国諸国の中で、日本のトランス脂肪酸の摂取量は韓国に次いで、少ない方から2番目です。

しかし、日本人の中でも肉食、洋食、ジャンクフードやインスタント食品に頼っている食生活をしている人の、トランス脂肪酸の摂取量は多くなります。

0.7グラムは、あくまでも平均値になります。

和食中心の人は、豆腐や野菜の漬物、こんにゃく、煮物の食生活で、1日の中で油脂が不足するくらいの人もいます。

そのため、和食中心の人にはトランス脂肪酸の心配はありませんが、洋食中心の食生活をしている人は、注意をする必要があります。

マーガリンは利用しなくても、菓子類や普段の食生活で、トランス脂肪酸フリーにする必要があるかもしれません。

マーガリンではないものを使ってみるということ

トランス脂肪酸が気になるので、マーガリンを使わないという人もいます。

輸入のトランス脂肪酸フリーのマーガリンを購入している人もいます。

中には、マーガリンをバターに変えるという人もいます。

バターは飽和脂肪酸を含みますので、使いすぎると、コレステロール値の上昇になります。

オリーブ油を使うという人もいますが、一価不飽和脂肪酸の摂りすぎになることもあります。

脂肪酸は、飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=3:4:3で取ることが理想とされています。

何かに偏ることなく、バランスの良い食生活をすることは、トランス脂肪酸の摂りすぎを防ぐこともできます。