豚肉と言えば安くて、美味しくて家庭料理には欠かせない食材です。
サッと焼いて食卓に出せるソテーは、忙しい合間に料理をする時のお助けメニューです。
安くて栄養もある豚肉のソテーですが、お肉続きでカロリーが気になるという事はありませんか?
今回は、ソースを工夫してカロリーを抑えて、しかも種類を変えることで味のマンネリ化も防ぐことができるレシピをご紹介します。
豚肉はカロリーが高い?豚肉を食する効果
豚肉にはタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなど、健康に生活するために欠かせない栄養が豊富に含まれている事をご存知ですか?
脂質が気になるという方も多いですが、脂質は細胞膜を構成したり、皮下脂肪として臓器を保護したり、寒さから体を守ったりする働きがあるので、適度に摂取する必要があります。
豚肉は脂肪が多くカロリーが高いイメージがありますが、疲労回復や美容効果が期待できる栄養素がたっぷり含まれています。
豚肉の栄養価の中で、特に優れているのはビタミンB1です。
ビタミンB1は疲労回復や乳酸の除去の効果があるので、仕事でも運動でも疲れた時におススメです。
さらに、女性の悩みに効果的な栄養価ナイアシンとステアリン酸も含まれています。
ナイアシンは、血行が促進され拡張作用もあるので血流が良くなります。
冷え性の悩みや貧血の解消に効果が期待できます。
ステアリン酸は肌に保湿性を高める飽和脂肪酸ですから、保湿性が高まり、その結果肌に潤いやハリが出ます。
しかし、いざ豚肉を食べようと思ってもソテーに適しているとか、カツがいいとか部位がありますね。
その部位によってどんな違いがあるのか、カロリーや栄養価をご紹介していきます。
豚肉の部位ごとにカロリーや栄養素の量が違う
豚肉はお店に行けばロース、肩ロース、バラ肉、ヒレ、ももなど様々な部位が販売されています。
目で見ただけでも部位によって、脂の付き方が違うのはわかりますね。
どれくらいカロリーが違うのか、100グラム当たりの含有量を見てみましょう。
100g当たりの含有量 ロース 肩ロース バラ肉 もも ヒレ
カロリー 263 253 395 183 130
脂質 19.2 19.2 35.4 10.2 3.7
ビタミンB1 0.69 0.63 0.51 0.90 1.32
ナイアシン 7.3 3.6 4.7 6.2 6.9
カロリーや脂質が気になるという方には、ヒレが好まれます。
豚肉の脂が好きという方には、バラ肉やロースがおススメです。
部位ごとの特徴をご紹介しておきます。
ロース:バランスの良い赤身と脂身で、肉質のキメが細かく柔らかです。
肩ロース:普通のロースより脂身が多いので、コクがでます。
バラ肉:赤身と脂肪が層になっていて、こってりとボリュームがあります。
もも:脂身が少なく赤身中心で、高たんぱく低脂肪の食品として注目されています。
ヒレ:一頭当たり1kg程度しか取れない希少部位ですが、きめが細かく柔らかでビタミンB1が豊富です。
部位の特徴がわかりましたが、ソテーに適しているのはどの部位だと思いますか?
豚肉のソテーにあう部位はコレだ!
基本的に、どの部位もソテーにして食べることはできます。
しかし、せっかく食事をするのであれば、美味しく食べたいと思うでしょう。
豚肉も部位によって合う調理法がありますから、覚えておくと料理の腕もワンランクアップします。
豚肉のソテーに一番合う部位、それはロースです。
キメが細かく非常に柔らかい肉質と、適度に脂身があるので、脂の旨味も充分味わえます。
こってりしたソテーが食べたいという時には、肩ロースをおススメします。
肩ロースは赤身の中に太めの刺しが入っているので、ロースよりコクのあるソテーが楽しめます。
お店で販売されているお肉はしゃぶしゃぶ用、生姜焼き用、ソテー用(トンテキ)などがありますが、違い厚さだけです。
日本食肉消費総合センターによると、しゃぶしゃぶ用が1mm以下、生姜焼き用が2mm以上、ソテー用は1cm程度としているお店が多いようです。
ソテーを作るには、ソテー用でないといけないという事はありません。
基本的にソテーとは、平たいフライパンに少量の油やバターを引いて材料を焼く、というフランス語から来ています。
つまり、焼いたお肉は何でもソテーなのです。
カロリーを気にしつつ、それでもお肉を食べたいという事であれば、薄いお肉をサッと焼いても豚肉のソテーに間違いありません。
豚肉のソテーの基本的なカロリーは
気になる豚肉のソテーのカロリーはどれくらいあるのでしょうか?
シンプルな豚肉のソテーでカロリーを計算してみましょう。
・豚ロース 100g/263kcal
・サラダ油 6g/55kcal
・にんにく 6g/8kcal
・こしょう(黒) 0.12g/0kcal
・しお 1g/0kcal
この材料で作った豚肉のソテーは327kcalです。
同じ豚肉のひき肉100gでハンバーグを作ると、436kcalですから、同じお肉の量であればソテーの方がカロリーを抑えることができます。
ちなみに、一般的な牛肉サーロイン(和牛)のソテー(ステーキ)では498kcalです。
牛肉と比較すると、同じ調理法でも豚肉の方がカロリーが低いことがわかります。
デスクワークや一日の運動程度が軽いとされる30代女性の一日に必要な摂取カロリーは1750kcalですから、豚肉のソテーは昼食や夕食のメインとして丁度良いメニューです。
なお、ロースと肩ロースでは刺しの入り方が違う分、肩ロースの方がカロリーが高そうと思われがちですが、上述の表の通り、カロリーに差はありませんので気分で変えてみるとよいでしょう。
さらにお肉を変えるだけでなく、味付けやソースでバリエーションが広がります。
ベーシックな豚肉のソテーのソース
ここからは、豚肉のソテーの様々なアレンジをご紹介していきます。
ソースを追加するとカロリーが高くなると心配な方に、ヘルシーなソースをご紹介します。
玉ねぎを使った豚肉の脂を活かした美味しいソースです。
【材料 2人前 390kcal/1人分)】
・豚ロース 100~120gを2枚
・玉ねぎ 1/2個
・しょうが 15g
・塩 小さじ1/3
・こしょう 少々
・サラダ油 小さじ2
・酒 大さじ2
・しょうゆ 小さじ1
【作り方】
①豚肉は4~5か所に、焼き縮みを防ぐため、切込みを入れます。
②お肉に塩・こしょうをふり、玉ねぎは縦に薄切り、しょうがを千切りにします。
③フライパンにサラダ油を熱し、豚肉を入れて焼き色を付けた後、中までしっかりと火を通し、焼きあがったら器に盛ります。
④お肉を取り出したフライパンを中火にかけ、玉ねぎとしょうがを入れて炒めます。
⑤しんなりしたら酒、しょうゆを加えて混ぜてソースの完成です。
⑥器に盛った豚肉にかけて出来上がりです。
玉ねぎは硫化アリルという栄養素が含まれています。
この硫化アリルは血液をサラサラにする効果があり、さらに豚肉に含まれるビタミンB1と結合し、アリチアミンという物質に変化します。
この結合の結果、ビタミンB1が体内に長くとどまる事ができ、ビタミンB1の体内への吸収が高くなりますので、玉ねぎと豚肉の組み合わせはとても有効です。
キノコのソテーやキャベツの千切りを添えると、食物繊維が補えます。
いつもとちょっと違う豚肉のソテー
いつもの材料に、家にある調味料をプラスすれば、いつもと違ったソースに仕上がります。
食欲をそそるカレーの香りと、スパイシーな黒コショウを組み合わせたソースが美味しい豚肉のソテーです。
【材料 2人前 437kcal/1人分)】
・豚ロース 100~120gを2枚
・カレー粉 小さじ1/3
・粗びき黒こしょう 少々
・サラダ油 大さじ1/2
・合わせ調味料 みりん、しょうゆ各大さじ1、砂糖小さじ1
・小麦粉 適量
【作り方】
①豚肉は4~5か所に焼き縮みを防ぐため、切込みを入れます。
②お肉にカレー粉、粗びき黒こしょうをなじませ、小麦粉を薄くまぶす。
③フライパンにサラダ油を熱し、豚肉を入れ両面こんがりと焼き、中までしっかりと火を通します。
④中に火が通ったら、余分な脂をペーパータオルで拭きとり、合わせ調味料を加えて煮立たせて照りを出し、お肉に絡めます。
⑤食べやすく切り分けて器に盛り、フライパンに残ったソースをかけて出来上がりです。
カレー粉と粗びき黒こしょうをしっかりとなじませておくことがポイントです。
おなじみの照り焼きソースが、スパイシーで食欲をそそる仕上がりになります。
たまにはカロリーを気にせずに、がっつりとパンチのあるメニューもいかがですか。
付け合わせはプチトマトや、ブロッコリー、ホウレンソウなどの色の濃い野菜を添えると、見た目も華やかになります。
やっぱり食べたい豚肉のソテー
豚肉のカロリーを減らしたいなら蒸す・ゆでるの調理法がありますが、やはり脂身を香ばしく焼いたソテーも食べたいですよね。
お子様向けにはケチャップ、お父さんのビールのお供にはスパイシーと、各家庭でオリジナルの豚肉のソテーがあります。
ソースや付け合わせで、カロリーや味付けをコントロールできますので、是非挑戦してみてください。