野菜売場にはアボカドがありますね。
大体一つずつ購入でき、色も熟す前後で異なります。
スーパーでは、熟したアボカドの選び方が紹介されているほど、今では普通の食材となりました。
どのような使い方をすれば、美味しく食べることができるのでしょうか。
また、アボカドの栄養素やカロリーはどのようになっているのでしょうか。
豆知識として知っておいて、料理に美味しく取り入れてくださいね。
アボカド一つに詰まっている栄養は?
アボカドは、果物の仲間です。
しかし食事の分類上、脂質を多く含む食品として分けられます。
アボカドは血管、肌などの体のためのアンチエイジングに有効と言われる「オレイン酸」、「カリウム」、「葉酸」、「水溶性食物繊維」、「グルタチオン」などを多く含みます。
しかし、アボカドは別名「森のバター」と言われます。
これは、バターのように脂肪分が多いからです。
アボカドの栄養素は、皮をむいて食べられる部分100gでカロリー187kcal、炭水化物9g、タンパク質2g、脂肪18.7g、水分71.3gです。
一つ当たり、種と皮を含んで170~250gと幅があります。
食べることができる可食部は、120~200g程度になります。
脂質の内容が、体にとって良いとされる油脂の種類になりますが、いかなる油脂もカロリーは脂質1g9kcalで変わりません。
カロリーは一つ当たり224~372kcalになります。
このように、栄養素もカロリーも、ギュッと詰まっています。
丸ごと一つを食べるには、あまりにも脂肪が多いのです。
アボカド一つに含まれる特筆すべき栄養
アボカドは中南米原産で、古代アステカ族の言葉で「生命の泉」、「生命の果実」という意味の言葉「アファカト」が転じてアボカドと呼ばれるようになりました。
一つのアボカドに含まれている栄養価やカロリーの高さについては、よく食べていたであろう古代の人の知識としては全くなかったでしょう。
古代人が偶然食料としていたアボカドには、カロテン、ビタミンB群、C、E、カリウムなどのミネラル、現代で注目されているオレイン酸が豊富に含まれています。
美肌効果があるといわれる、抗酸化物質のビタミンEも豊富です。
ビタミンEは老化の原因となる活性酸素の害を防ぐ抗酸化物質であり、またビタミンEの働きを助けるビタミンCやカロテンも多く含まれます。
オレイン酸は、バターなどに含まれる脂質の種類が異なります。
バターに含まれている「飽和脂肪酸」は、過剰に摂取すると悪玉コレステロールが増え、動脈硬化の原因になります。
しかし、アボカドに含まれているのは「不飽和脂肪酸」で、悪玉ではなく善玉コレステロールを増やし、血液をサラサラな状態にしてくれます。
飽和脂肪酸は、酸化されて過酸化脂質になりますが、オレイン酸はもともと酸化されにくく、またアボガドにビタミンEが多く含まれているので酸化しにくいという相乗効果もあります。
さらに、カリウムも同量のりんごの6倍あり、ミネラルとしてカルシウムやマグネシウムも豊富に含まれているので、まさしく「生命の果実」と言えますね。
一つのアボカドのカロリーをどう認識するか
脂質を多く含むアボカドなので、カロリーが高いのも納得です。
脂質の量で言えば、一つで一日の脂質をすでにとってしまう量になります。
古代では、今より油を使う調理法も発達していなかったであろうし、脂質を含む食材もさほどなかったと考えると、脂質を摂るのに非常に困難であったと容易に想像できます。
今ほど食べ物が豊富というわけではなく、一日で摂取できるカロリーも、過剰になることはない古代です。
また、今の先進国の人間より、はるかに歩く量や力仕事も多かったと思われる古代人です。
アボカドのカロリーは、まさに蓄えるための、体にとってより良い栄養素を多く含むカロリーであるのです。
よって、現代人にとっては上手に取り入れる工夫が必要です。
アボカド一つの使用方法と栄養
アボカドは、果物の仲間ではありますが、さっぱりした甘みもなければ酸味もありません。
よって、デザートというよりは野菜等と合わせたり、塩や酢などとも相性が合います。
アボカド一つでは、脂質が一日に必要な量以上になります。
アボカドを食べて、それ以外は一切脂質をとならければいいのですが、そうはいかないのが現代の食事事情です。
食事で油を使用したり、お菓子などスイーツを食べても脂質は入りますし、肉や魚も脂肪を含みますので、アボカドのみというのは不可能です。
アボカドを切って、量に留意して食べることが大切です。
脂質を多く含まない野菜サラダに、サイコロ状に切ったりスライスしたアボカドを散らして食べるのが、量も注意できて取り入れやすい食べ方です。
また、マグロの刺身とアボカドを一緒に食べると、まるでトロみたいな食感になります。
脂肪が少ない赤身に、脂質を足して美味しく食べる良い例です。
脂質はカロリーを気にする時、まず第一に除外される優先順位一位ですが、ぱさぱさのものや味の薄いものに「コク」を足します。
塩分を注意するうえで、薄味を補いますので適度な脂質は必要ですし、必要栄養量の中でも、脂質はゼロにはなっていません。
脂質がないと、お肌の潤いもなくなりますし、脂質があるからこそ生きてくるビタミン類があります。
その一つが、アボカドに豊富に含まれる、健やかな肌を作るといわれるビタミンEです。
カロリーを控えすぎて脂質を摂らないのも、問題になってくるのです。
アボカド一つはどれくらいの油のカロリーと同じ?
アボカド100gには、脂質18.7gが含まれます。
アボカド一つあたり、カロリーは小さ目で220kcal、脂質は22.4gです。
バターは100gあたり745kcal、炭水化物0.2g、タンパク質0.6g、脂質81gになります。
わかりやすい量で言えば、一回パンに薄く塗れば約10g、約大さじ1杯が目安になります。
サラダ油では、100gあたり921kcal、炭水化物0g、タンパク質0g、脂質100gとなります。
大さじ一杯では12gで112kcalになります。
脂質の一日量の目安は、サラダ油大さじ二杯程度になりますので、アボカドだとほぼ一つで一日量を摂ってしまうことになります。
栄養素が豊富に含まれる点では、アボカドは少し充実していますが、やはりアボカドに偏ることはお勧めできません。
様々な食材と組み合わせて食べていただくことが、一日の栄養を摂る点で大切になります。
一つのアボカドのカロリーをシェアする
食べごろのアボカドを選んで、美味しく、食べ過ぎないように皆でシェアをするのが、推奨される食べ方です。
食べごろのアボカド、まだ未熟なアボカドが色々混ざって売場におかれています。
色は深緑~黒色で、つやのあるものを選びます。
手のひらで握った時に、均等に弾力があるもの(へこみ、ペコペコがあるものはやめます)を選びます。
アボカドはヘタからいたんでくるので、ヘタ周辺の弾力がないと、過熟している可能性がありますので、ご注意下さい。
アボカドをスライス上に切って、わさび醤油で食べるアボカドのお刺身、サンドイッチにサラダチキンと一緒に挟むと、スライスのものでも、皆でシェアし、満足感を得られます。
サラダやマリネの食材にアボカドを加えると、緑の色がアクセントになります。
混ぜすぎると脂質が多いので軟らかく、アボカドが崩れます。
食べるときに味を付ける程度に食材と味付けを和えて食べます。
アボカドをペースト状につぶし、塩や香辛料を加えて野菜のディップソースにも使用できますし、パンにバターの代わりにぬり、玉子料理を上に乗せトーストすることもできます。
パスタのソースに使ったり、寿司のネタにも使えます。
マグロの漬けのように、しばらく漬けのたれにしみこませて食べるのもいいですし、玉子かけごはん、納豆に一緒に混ぜても美味しく食べることができます。
料理をするということは、皆でシェアする、つまり一つのアボカドで4人分作れば、一つのアボカドのカロリーを4等分するのと同じです。
カロリーが高いものを皆でシェアすることは、食べ過ぎ防止にもなりますし、また色々な食材を食べることができるコツになります。
アボカドを上手に摂り入れましょう
栄養が豊富、美容に良いと注目を浴びるようになってから、アボカド売場に大量に並び、一つから購入でき、以前より手軽に食べることができるようになりました。
中南米から遠く離れた日本にいながら食べることができるようになったことは、古代からは考えられないことですよね。
そのようなスーパーフードが気軽に食べることができるようになった今、摂りすぎが問題になるようになったのも事実です。
アボガドの栄養素や効果を知り、食事にうまく摂り入れてくださいね。