ダイエットしていてもしていなくても、昨今気になるのは、食べ物のカロリーです。
食べ物の栄養表示を確認してみると「カロリーが思ったより高い」「これだけでこんなに高カロリーなのか」と、愕然とすることも多い場面もあると思います。
しかし、おいしいと感じるものは意外と高カロリーなものが多いのも事実です。
カロリーが高そうなものの目安を覚えて、選ぶときに予想を立て、カロリー表示を見て確認することが1つの勉強にもなります。
カロリーが高い栄養素を知る
炭水化物、タンパク質、脂質は人間にとっての3大栄養素で、なくてはならないものです。
3大栄養素は、食べて消化して体の素になるためにカロリーがあります。
それぞれ、1gあたり炭水化物は4kcal、タンパク質4kcal、脂質9kcalです。
見て分かる通り、脂質などのいわゆる油脂類は高いカロリーになります。
しかし、脂質は体にはなくてはならないものですし、料理やメニューをおいしいものにする「かぎ」であることの間違いはありません。
ビタミン・ミネラルは、そのものにはカロリーは発生しないのですが、その食材が炭水化物やタンパク質、脂質が多ければそのカロリーが発生します。
よって、栄養素別のカロリーを確認すると、脂質が多く含まれていればカロリーが高くなることがわかります。
しかし、脂質が悪者であるかのようにお話するわけではありません。
脂質を多く含むメニューは、万人が「おいしい」と感じる内容が多いのも事実です。
洋菓子や外食メニューなど、脂質が多く使用されるものがたくさんありますが、すべて「まずい」のでしょうか。
脂質は、陰ながら役に立っています。
カロリーが高い脂質とおいしいの関係
脂質は、油脂類に多く含まれます。
油脂を多く含む食品は、さまざまなものが挙げられます。
サラダ油や調理用の油はもちろん、マヨネーズ、バターや生クリーム、マーガリン、チーズでも種類によっては脂質が多いです。
また、肉類の中でも白い油の割合が多いバラ肉、アボカド、種実類(ピーナツ、アーモンドなど種子類)など、脂質を含む食品は多岐にわたります。
一見ヘルシーと感じる豆腐などの大豆製品も、大豆は油を搾れるくらいなので、脂質はゼロに近いわけではありません。
これらを見ると、料理の時に料理に使う液体の油脂だけでなく、食材そのものに含まれる油脂類にも注意が必要です。
そして、脂質が多く含まれるものには、役割があります。
脂質が多く含まれる食品は、塩分の味でのいわゆる「味の濃さ」に頼らず、油脂での「コク」で料理をおいしいものにしてくれます。
タンパク質が多く脂質が少ないもの、たとえばささみの茹でたものはぱさぱさして食べにくいと感じます。
ドレッシングに入っている油脂で、ぱさぱさが軽減され、おいしく食べられるのではないでしょうか。
このように、脂質はカロリーが高いと敬遠されますが、役割もあります。
外食ではカロリーが高いメニューに注意!
脂質はどうしても、カロリーが高くなりやすいので、メニューによってはびっくりするくらいの値になることもあります。
例えば、野菜炒めですが、外食で本格的なものを食べると、とても野菜が光っています。
炒める前に、野菜を素揚げの状態にする油通しをしている場合、炒め油より多くの油を野菜が吸っているからです。
脂質が多い、カロリーが高いメニューは、家で作るより、外食のほうが高くなりやすいので注意してください。
アヒージョは、油に味をつけて食材がその中に浸っています。
とんかつや串揚げ、コロッケなどの揚げ物は、油を吸った状態ですし、揚げる食材そのものに多く脂質が含まれていることもあります。
家系ラーメンは、店主のこだわりで油が浮いている状態でこってりしています。
具体的においしいからと、よく選ぶ外食のメニューとカロリーを挙げてみます。
・カツカレー 1100kcal以上
・かつ丼 約900kcal
・カルボナーラ 約800kcal
・オムライス 約600kcal
となります。
これらは主食となるご飯や麺類で320~400kcal、その上に乗せているものが300kcal以上になります。
スイーツはカロリーが高いけど食べすぎになりがち
心の栄養、またはストレス発散したいとき、おしゃべりの時に添えてあるといっそうおいしく感じる菓子やスイーツではないでしょうか。
今は、コンビニでも気軽にケーキなどが買えますし、スナック菓子なども買って食べることが多いと思います。
洋菓子は、バター、小麦粉、砂糖が基本で、生クリームなどの食材が上乗せされ、高いカロリーになっていきます。
チョコレートの原料はカカオになりますが、脂質を多く含む仲間、種実類になります。
カカオバターと言われます。
それらをふんだんに使えば、当然のごとくカロリーは高くなります。
具体的に挙げると、このようなカロリーになります。
・菓子パン 1個約500kcal以上
・クッキー 1枚約50~80kcal
・スナック菓子(ポテトチップス) 1枚約10kcal
お菓子の恐ろしいところは、1個や1枚で終わらず、いつの間にか一袋くらい食べてしまっているところです。
また、洋菓子であると、生クリームやバターがさらに使用されますので、カロリーが高くなります。
イチゴのスタンダードなショートケーキで大体400kcal、アップルパイ等のパイであれば550kcal程度になります。
チョコが濃厚なケーキになると、ショートケーキサイズより小さくても400kcalは軽く超えます。
しかし、ケーキはとてもおいしいので、食べると幸せを感じます。
つい食べ過ぎてしまい、食べる量によっては1日分のカロリーをスイーツだけでとってしまいかねません。
そのような時は、やはり食べる量を気を付けたり、カロリーが少ないものを選ぶようにする必要があります。
カロリーが低くておいしいものはあるのか
カロリーが高いものが溢れている世の中ですが、探したり作ったりすればカロリーは抑えられます。
カロリーが気になるときは、自炊が一番です。
外食と同じメニューでも、自分で量に気を付けたり、油の使用を抑える作り方をすればその分カロリーカットができます。
レシピ本に載っているスイーツのレシピは、万人がおいしいと感じる分量に設定されています。
すべての脂質の分量を減らすことは難しいのですが、砂糖の量はある程度減らすことができます。
砂糖は炭水化物の仲間ですので、1gカットすれば4kcalのカットになります。
100g入るところを、80gにすると砂糖だけで400kcalのところが320kcalになり、1個当たりのカロリーを減らすことができます。
また、洋菓子は生クリームなども使用するのでカロリーが高くなりやすいのですが、ゼリー等はカロリーが少ない種類になります。
手作りすると、そのものに含まれている材料や油の量も理解してくるので、外食や購入するときに、少し気にすることができます。
カロリーが高くておいしいものは、悪いのか
カロリーの信仰心ができてしまうと、カロリーが高いものは悪いと感じてしまいます。
太る原因だったり、食べ過ぎて罪悪感を感じてしまったりするのではないのでしょうか。
脂質、いわゆる油脂類は、食材にコクを足します。
外食メニューを先程挙げましたが、通常自分で作るときより、明らかに脂質を多く含む食材をふんだんに使用しています。
お肉で言えば、ヒレ肉やささみなど脂肪がないものは確かにカロリーが低いといえます。
しかし、加熱するとパサパサになり、食べづらさを感じます。
霜降り肉や、脂質を多く含む部位は、味つけがほどほどでもとてもおいしいです。
それは、脂質にコクとうまみが含まれているからです。
脂質が多いと、実は塩の量を減らしても、おいしいと感じることができるので、料理で言えば減塩に繋がります。
最近、ドレッシングでもノンオイルが多く普及しています。
脂質のコクを抜いてしまっている分、実は塩が多く含まれていることもあります。
ノンオイルドレッシングは大さじ1杯では5~10kcal程度になりますが、通常のドレッシングは80~100kcalくらいです。
しかし、塩の量は、ノンオイルドレッシングのほうが多く含まれています。
それぞれ使用する量を工夫することが大切ですし、コツになります。
炒め物などの時は、なみなみと油を注ぐのではなく、焦げ付かない調理器具などを使用するのも油を減らす工夫です。
脂質を減らしながら、おいしい料理を作るには工夫が必要です。
塩分にも注意しながら、楽しく工夫して食事を楽しみましょう。
カロリーは目安程度、おいしく食べましょう
カロリーが高いものは、確かにおいしいです。
しかし、選ぶものや作り方を工夫すると、カロリーを抑えおいしく食べることができます。
カロリーが高くなりやすい脂質は、取り入れ方によっては、おいしくカロリーを抑えて味わうことができます。
何事も適量を守り、カロリー摂取はほどほどにできるよう、楽しんでメニューを選んだり料理をしてください。