なすは、お漬物にしても美味しいですし、揚げてもジューシーです。
そして、炒めると味が染みこみ主役級のおかずにもなります。
特に、お肉を入れた味噌炒めは人気があり、豚肉でも牛肉でも、合いびき肉でも合います。
そんなナスですが、どんな栄養があり、どんなふうに炒めると美味しくなるのでしょうか?
なすはどんな食材?
「秋茄子は嫁に食わすな」という言葉があり、この意味にはいくつかの説があります。
嫌いな嫁に美味しい秋茄子を食べさせるのはもったいない、という姑の気持ち、秋茄子を食べると子宝に恵まれない、という迷信。
そして、「体を冷やすので子供を産んでほしい若い嫁には食べさせたくない」という説です。
ナスは、カリウムが含まれており、カリウムには利尿効果があります。
利尿効果によって、尿の量が多くなると、体の熱が下がると考えられているのです。
さらに、体の塩分を外に出す効果もあるため、血圧が下がります。
それにより、血のめぐりもゆっくりとなり、体温が上がりにくくなる、という考え方です。
夏場であれば塩分を摂りすぎてしまっていたり、体に熱がこもっていることが多いので、ナスを食べ過ぎてもあまり問題はありません。
しかし、肌寒く感じる秋や冬などは特に、ナスの食べ過ぎには注意が必要です。
もし、ナスが大好きでどうしても食べたい場合は、なすと牛肉の味噌炒めなどのレシピがおすすめです。
その理由については、後程ご説明します。
なすは体を冷やす!健康にはよくないの?
なすは、体を冷やす効果があるというということをご説明しました。
また、タンパク質や糖質・ビタミンなども、ほぼ含まれておらず、「栄養がない」という不名誉な言われ方をしてしまうこともあります。
しかし、なすは健康にいい成分もしっかり含まれており、それを知っていただくとメニューに加えたくなるかもしれません。
まず、先ほどもご紹介した「カリウム」ですが、むくみがちな人にとっては救世主とも言える栄養素です。
これは、バナナなどにも多く含まれていますが、バナナには糖質が多く、ダイエットを意識されている方にとっては、なすの方がおすすめです。
また、同じ理由で高血圧の方にも適した野菜です。
そして、なすにはポリフェノールも含まれています。
ポリフェノールといえば抗酸化作用ですから、アンチエイジング効果が期待できます。
さらに、眼精疲労・動脈硬化・食あたり・お通じにも有効と言われていて、意外と侮れない野菜なのです。
それでは、なすを食べる時に、牛肉と味噌炒めにするのがなぜいいのか、考えてみましょう。
体を冷やしすぎないレシピ!なすの味噌炒め
食材にも調味料にも、体を温める効果があるものと冷やす効果があるものがあります。
なすは冷やす効果があるので、温める効果があるものと組み合わせて調理することで、中和され、体によいメニューになります。
味噌や牛肉は、体を温める効果があるものに分類でき、「なすと牛肉の味噌炒め」がおすすめ、というわけです。
調味料の中では、味噌の他にしょうゆや黒砂糖、自然塩などが挙げられます。
ですからしょうゆでもいいのですが、なすはこってりした味付けがよく合い、味噌で味付けすると減塩効果も期待できます。
また、体を温めるお肉は牛肉だけではなく、ラム肉、鹿肉、鶏肉、赤身肉などがあります。
ちなみに、冷やすとされているお肉は脂肪分の多い豚肉です。
豚肉が沖縄でよく食べられているのも、体を冷ます効果があることと関係があるのかもしれませんね。
なすと牛肉の味噌炒めのレシピ
なすと牛肉の味噌炒めが、バランスのいいレシピだということがご理解いただけたでしょうか。
作ってみたい、と思っている方はぜひ、得意料理にしてみましょう。
ここでは、基本的なレシピをご紹介します。
〇なすと牛肉の味噌炒め
【材料】(2人分)
・なす 大きめ2本
・牛切り落とし肉 170g
・しょうがの千切り 1かけ(チューブのしょうがでもOK)
●みそ 大さじ2
●みりん 大さじ1
●しょうゆ・砂糖 各大さじ1
・酒、塩、片栗粉、サラダ油
【作り方】
1.牛肉を食べやすく切り、ボウルに入れて酒、片栗粉、塩を加えてからめる
2.なすは乱切りにして、水にさらしあく抜き(新鮮であれば必要ありません)
3.フライパンに油を熱し、牛肉から入れて炒め、色が変わってだいたい火が通ったら、一度フライパンから取り出す
4.フライパンに油を足してなす(水気をよく切る)を入れ炒める
5.なすに油がからんだら、しょうがも加え、酒を少々振り入れて蓋をして蒸し焼き(約一分)
●の調味料を合わせて、よく混ぜる
牛肉を戻し入れて●の合わせ調味料を加えて強火ですばやく炒めて完成!
なすと牛肉の味噌炒めのポイント・アレンジ
なすの味噌炒めの基本レシピをご紹介しましたが、ポイントは、
・牛肉をフライパンから一度出して硬くならないようにすること
・調味料は合わせてすばやく炒めあげ、なすから水分が出る前に完成させること
です。
また、もしなすが新鮮ではなく、買ってから時間が経ってしまって水分が抜けていたら、砂糖を先に加えるのもおすすめです。
仕上がりが甘く感じますが、砂糖を入れることによりなすが柔らかくなり、炒めやすくなるのです。
また、しょうがの代わりににんにくを入れたり、味噌を中華風にして甜面醤とオイスターソースで炒めたりしても美味しいです。
甜面醤で炒める際は、お酒は紹興酒がよく合います。
また、ごま油を一垂らししても風味がプラスされて食欲をそそります。
一気に本格的な味になり、驚くかもしれません。
牛肉の部位別おすすめ調理法
ここまで、なすにスポットを当ててご説明してきましたが、せっかくなので牛肉についても簡単にご紹介します。
アミノ酸を豊富に含み、鉄分もあり、しっかりとした旨みを感じられる牛肉は、健康に気を使っているならぜひ、食卓に並べたい食材です。
では、牛肉のそれぞれの部位によって、適した調理方法があるのでしょうか。
「味噌炒めに使いたいけれど、安いのがモモ肉...。」
そんな風に悩むこともあるかもしれないので、参考にしてください。
・バラ肉
牛のあばらの肉で、3枚肉とも呼ばれ、カレーなどの煮込み料理、炒め物に適しています。
・モモ肉
後ろ足の付け根の肉で、「うちもも」と「そともも」があります。
そともものほうが硬いです。
煮込み料理、ひき肉加工に適しています。
・かた肉
筋肉が多く、風味がよく、炒め物、すき焼き、鉄板焼きなどに最適です。
・ヒレ肉
やわらかく脂肪分が少なく、貴重な部位です。
ステーキ、ヒレカツなどで美味しく味わえます。
・サーロイン
言わずと知れた牛肉の部位の中で最高級の肉です。
やわらかく、霜降りが特徴で、ステーキの他、しゃぶしゃぶ、すき焼き、ローストに適しています。
・リブロース
やわらかく、こちらも霜降りが多く、しゃぶしゃぶ、すき焼き、ローストがおすすめです。
炒め物に向いているのは、バラ肉、かた肉ということが分かります。
安く売られていることも多いので、家計にとっては助かりますね!
なすと牛肉の味噌炒めは栄養たっぷり!
なすは健康効果もありますが、体を冷やす野菜なので、調理方法を工夫することで、体に優しいレシピにしましょう。
おすすめは、牛肉やひき肉との味噌炒めですが、適当に作ると失敗するかもしれません。
まずは分量をはかり、合わせ調味料を作って、慌てないで料理しましょう。
慣れてきたらアレンジし、お気に入りのレシピを作ってみて下さい。