ダイエットというと、カロリー計算をして摂取カロリーを控えるのが基本だと思われています。
しかし、カロリーを抑えすぎてしまうことで栄養不足が起こり、慢性的な疲れを引き起こしてしまうことがあります。
バランスの取れた食生活を心掛け、健康的な体を手に入れましょう。
ダイエットとカロリーの関係
カロリーというと悪者のように捉えられてしまいがちですが、実のところ、生物はカロリー摂取なくしては生きていくことができません。
ただ呼吸をしたり、心臓が鼓動したりというような不随意運動や、体温調整や脳の活動といったことだけでも、体内カロリーはどんどん消費されているのです。
すなわち、摂取と消費のバランスを考えずに、ただただカロリーの低い食事だけを目指してしまうと、生きていくために必要なカロリーや栄養までもが不足してしまいます。
栄養不足で飢餓状態に陥るところまではなかなか行かないかもしれません。
しかし、栄養が不足することで、慢性的に疲れの抜けない状態になってしまうことは比較的よく見られることです。
ダイエットを試みるときによく目にするカロリー制限とは、体が必要としている以上の過剰カロリーの摂取を避け、余分なカロリーを体に溜め込まないようにしましょうということです。
ただひたすらカロリーの摂取量を抑えるだけでは、健康や美容面にも良くない影響を与えてしまうので、注意して取り組みましょう。
カロリー不足が招く慢性的な疲れと体調不良
必要とするカロリーが満たされないと、体は脂肪を分解して身体活動を維持しようとします。
そのため、確かに体重は減るのですが、それと同時に体内に蓄えられた水分量や筋肉の量も減ってしまいます。
筋肉の量が減ってしまうということは基礎代謝量が減ってしまうということにつながるので、なかなか痩せにくい体になるということでもあります。
その上、基礎代謝量を下回る量の過剰なカロリー制限を継続して行ってしまうと、体が必要とするその他の栄養素までも削られてしまいがちです。
鉄分やたんぱく質など、体を作るための栄養素が不足してしまうと、筋肉を再生する力が落ち、体に溜まった疲れが解消できなくなります。
脳の活動でも体内カロリーは消費されますので、注意力が散漫になる、イライラしてしまうなど、精神面での不調にもつながってしまいます。
そうなると精神的に安定しないことから体調を崩してしまうなどと悪循環に陥りがちです。
一日の摂取カロリーは不足し過ぎないようにしよう
では、一日にどのくらいのカロリーを摂取するのが良いのでしょうか?
それは一概に何キロカロリーとは言えず、性別・年齢・一日の活動量などによって、決まってきます。
例えばデスクワークが主な50代の女性と、肉体労働を主にこなしている20代の男性とでは、必要とされるカロリーの量は大幅に変わってきますよね。
また、体質によっても、基礎代謝率が変わってくるので、同じような食べ物を同じくらいの量を食べていても、人によってカロリー過剰になってしまったり、カロリー不足になってしまったりします。
基礎代謝とは、基本的な生存に必要な呼吸・鼓動などのシステムを動かすために使われるエネルギーの値のことです。
一般的に筋肉が多いほど代謝率が上がります。
つまり基礎代謝が高いと、生きているだけでたくさんのカロリーを消費するということになります。
ダイエットで痩せるということは、この基礎代謝量と一日の活動量を足したカロリーよりも、少し下回った量のカロリーを摂取するということです。
しかし、あまり大幅に摂取カロリーを減らしてしまうと、基本的な身体活動を維持するためのエネルギーまで損なわれてしまうため、疲れが抜けなくなってしまうことがあるのです。
栄養不足にならない、摂取カロリーの減らし方
消費するカロリーよりも、摂取するカロリーを減らした食事を摂ることで体重が減っていくのですが、ただ単にカロリーを減らすことだけを目標にしてしまうと、栄養不足に陥りがちです。
特に避けなければならないのが、特定のものだけを大量に食べるダイエットです。
特定のものだけを食べ続けてしまうと、いくらそれが体に良いもであったとしても、摂取する栄養素に偏りが出てしまいます。
カロリーが大幅に偏り、不足することで、疲れやめまいなどの体調不良にもつながってしまいます。
カロリーを抑えるのはダイエットの基本ですが、栄養不足にならないように摂取カロリーを減らすのには、どのようにするのが良いのでしょうか。
それにはまず、自分が一日にどのくらいの量を摂取しているのかを、大雑把で構わないので割り出してみます。
ネット上でも食べ物の簡易カロリー表は簡単に見つかりますし、栄養学関連の書籍にも、カロリー表が載っています。
そうして割り出した大まかなカロリーの摂取量から、ほんの少しだけ摂取量を落としてみるのがおすすめです。
始めから目標摂取カロリーを決めてしまうと、実質に伴わない、無茶な計画を立ててしまうことになりがちです。
それよりは、現状よりも、少しだけ減らすことを目安にスタートした方が、長い目で見た時の成功につながります。
疲れを感じずにカロリーを減らす方法
炭水化物を抜くダイエットが話題になっています。
しかし、炭水化物も大切な栄養素です。
炭水化物の主な役割は、体内で熱量に変換され、体を動かすエネルギーの元となることです。
そのため、炭水化物の摂取を減らすことはカロリーを減らすことにつながりますが、すべての炭水化物を取り除いてしまうと、必要なエネルギーが不足してしまいます。
一番おすすめなのは、夕食に摂るカロリーを少し減らしてみることです。
朝食や昼食は、その後の一日の活動を支えるために必要なカロリーを摂取する貴重な機会です。
しかし、夕食の後でしたら睡眠を取るだけですので、活動のためのカロリーはさほど多量に必要としません。
例えばご飯の量を8割ほどに減らしてみる、白米の代わりに麦ごはんにしてみるなどといったことから始めてみてください。
熱量となる炭水化物はきちんと取りつつ、摂取量は少し控えめにすることで、翌日まで疲れを引きずることなく、効果的にカロリーを減らすことができるでしょう。
疲れを感じずに体を引き締める方法
夕食から摂取カロリーを少し減らしてみたら、その次は運動量を増やしてみてください。
ジムに通って頻繁に体を動かすことができるなら、もちろんとても効果的です。
しかし、毎日運動する時間が取れないという方でも、ウォーキングを日課として取り入れるだけでずいぶん違いが出てきます。
毎日ウォーキングをするのも難しいという方は、電車の駅を1駅分長く歩くとか、エレベーターの代わりに階段を使うなどしてみましょう。
ちょっとしたことからでも良いので、少しだけでも体を動かす機会を増やしてみてください。
最初は億劫かもしれませんが、体を動かすことで筋肉の量が増えてくると、疲れを感じにくくなってきます。
筋肉の量が増えることで血流も増え、新たな血液が体に溜まった老廃物を効果的に除去してくれるようになるからです。
筋肉の量が多いということは、基礎代謝量も増えるということなので、どんどん太りにくい体にもなってきます。
無理な食事制限をして栄養不足になるよりも、ずっときれいにスッキリとした体が手に入ることでしょう。
バランスの良いダイエットで健康的な美しさを目指す
ダイエットというと、カロリー制限にばかり目が向きがちです。
しかしカロリー制限による栄養不足で、体調を崩してしまっては元も子もありません。
結局バランスの良い食事と運動がダイエットには最適なのです。
健康的に体を引き締めることを目指してみてください。